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FM音源
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'''FM音源'''(エフエムおんげん)は、Frequency Modulation([[周波数変調]])を応用する音色合成方式を用いた[[音源]]。[[ジョン・チョウニング]]を中心として[[スタンフォード大学]]のCCRMA(Center for Computer Research in Music and Acoustics)で開発されたものを、[[ヤマハ|日本楽器製造(現・ヤマハ)]]がライセンスを受け実用化した。 減算式[[アナログシンセサイザー]]にはない複雑な[[倍音]]を発することが可能である。また、有限個のパラメーターに基いて波形をリアルタイムに生成するため、PCM音源と比べ生楽器の再現性は低いが、演奏に合わせて波形生成のパラメーターを変化させることにより音色を劇的に変化させることが可能である。独特の硬質感に富むシャープな音色は、しばしば「金属的」とも表現される。FM音源が奏でる特徴的な響きは1980年代のポピュラー音楽に多く取り入れられ、当時を象徴するサウンドとも評されている<ref>Daniel J. Levitin, "''This is your brain on music''", Penguin Books, 2006</ref>。また、現在でもFM音源が持つ個性を求めて好んで楽曲へ導入する[[ミュージシャン]]も少なくない。 FM音源の音色の定義に要するパラメーターはせいぜい数十[[バイト (情報)|バイト]]程度であり、[[記憶装置|メモリ]]の使用量を筆頭として要求される[[計算資源]]が比較的少なく、[[パーソナルコンピュータ]]、[[家庭用ゲーム機]]、[[携帯電話]]などに広く利用されている(詳しくは後述)。 {|class="wikitable" style="clear:right;float:right;border:0;margin:0 0 0 20px;font-size:90%;" |- |style=""|[[ファイル:Synclavier1 JB.jpg|105px]]<br/> Synclavier (1975) |style="border:0;"| |style=""|[[ファイル:YAMAHA GS1 (inside, CCRMA).jpg|180px]]<br/> YAMAHA GS1 (1980) |- |style="border:0;"| |- |colspan="3" style=""|[[ファイル:YAMAHA_DX7.jpg|300px]]<br/> YAMAHA DX7 (1983) |} == 概要 == === 原理 === {|class="wikitable" style="clear:right;float:right;margin:5px 0 0 20px;border:0;" |style="width:180px;"|<div style="width:180px;overflow:hidden;"><div style="width:200px;">FM合成器の接続例<p><div style="height:70px;overflow:hidden;position:relative;top:-5px;"><div style="float:left;">[[ファイル:Operator FM.svg|100px]]</div><div style="float:left;position:relative;left:-20px;">[[ファイル:Operator FM.svg|100px]]</div></div></p><!-- div style="clear:both;width:180px;padding-left:5px;">FM合成器 (オペレータ)</div --><div style="line-height:14px;padding-left:10px;padding-top:5px;"><small>モジュレータ (左) の出力で<br/> キャリア(右) を周波数変調</small></div></div> |} 自然音のような動的に変化する複雑なスペクトルが、2つの発振器からの合成で現れる、'''変調合成'''の一手法である。FM合成器('''オペレータ''')のキャリア、モジュレータの波形を正弦波とすると、合成される信号波 FM(t) は以下の式で表される。 :<math>FM(t) = A~\sin(2\pi C t+\beta~\sin(2\pi M t))</math> : :ここで A = キャリア振幅, C = キャリア周波数, β = 変調指数, M = モジュレータ周波数 FM合成で得られた出力のスペクトルは、C±nM (n = 1, 2, 3, ...) という、キャリアの周りに、モジュレータ周波数の整数倍で側波帯が現れたものとなる。側波帯成分の振幅は[[ベッセル関数]]で表すことができる。 {|class="wikitable" style="margin:auto;border:0;background-color:rgba(255,255,255,0);" |- style="border-bottom-width:0;" |style="border-width:1px 0 0 1px;"|[[ファイル:Frequencymodulationdemo-td.png|300px]] <br/> FM合成波形 |style="border:0;"| |style="border-width:1px 1px 0 0;"|[[ファイル:Frequencymodulationdemo-fd.png|300px]] <br/> 各波形の周波数スペクトル |- |colspan="3" style="border-top-width:0;"|<div style="line-height:14px;padding-left:10px;"><small>C = 220Hz, M = 440Hz, 変調指数 β = 0.5, 1, 10, 100</small></div></div> |} [[シンセサイザー]]や音源[[チップ]]では、複数個の合成器を直列あるいは並列につなぎ、様々な合成結果を得る。このつなぎかたを'''アルゴリズム'''と呼んでいる。また、[[ヤマハ]]による研究開発の過程で、出力をモジュレータに[[フィードバック]]するフィードバックFMが考案された。 === 応用と発展 === [[ヤマハ]](当時・日本楽器製造)は、FM方式の特許のライセンスを取得し研究開発を進め、[[1980年]]にGS1ステージピアノを発表する。その後、[[1983年]]に発売されたシンセサイザー[[ヤマハ・DXシリーズ|DX7]]によって、一般に耳にする音楽で広く使われるようになり、FM音源のサウンドは広く知られるようになった。 また、音源[[チップ]]は、[[1980年代]]の[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]や[[アーケードゲーム]]機、家庭用[[ゲーム機]][[セガ・マークIII]]のFMサウンドユニット、[[マスターシステム]]、[[メガドライブ]]の内蔵音源として大量に使われ、これらから発せられる音としても聞かれることとなった。 特に[[エレクトリックピアノ]]の音色は秀逸で、[[PCM音源]]に[[サンプリング]]され今でもよく使用されている。マリンバやオルガンの音などはPCM音源に負けないほどリアルな音が出せる。アコースティックピアノの音のシミュレートは苦手であり、<!--になると、ローファイな音しか出せず、後に-->PCM音源に押されて、一時はシンセサイザー市場から消えかけた。しかし、FM音源独自のベロシティによる音色のダイナミックな変化が見直され、ソフトウェアシンセサイザーのFM7やヤマハのDX200や[[Modular Synthesis Plug-in System|PLG150-DX]]など近年もFM音源の機種が発表されている。 発声用の「キャリア」だけでなく、変調用の「モジュレータ」にも[[エンヴェロープ]]の設定が可能であるため、倍音構成の時間変化を伴う音色を作成できる。FM変調による倍音変化は減算式フィルタによる倍音変化に比べて自由度が高いことから、極端な倍音変化を設定することで「にょわーーーーん」などという擬音語で表現されるような、金属的かつ非自然的な「FM音源らしい音」を生み出すことができる。[[レゾナンス]]、[[ワウペダル]]などの項目も参考になると思われる。他の方式のシンセサイザーでも[[レゾナンス]]などのパラメータをリアルタイムで変更することによって、ある程度の再現は可能。だが、生産性に問題があり、演奏データの肥大化にも繋がる。 逆に、自然な生楽器の再現などにこの自由度を生かすこともでき、減算方式のシンセサイザーに比べてよりリアルな表現が可能である。無論PCMなど録音済み波形を用いる音源に比べれば再現度は劣るが、必要な計算リソースも少ないため、現在でも低コストで多彩な音色が得られる音源装置として有用な選択肢となっている。 [[ヤマハ・TXシリーズ|TX81Z]]などの後期のFM音源の機種や[[ヤマハ・SYシリーズ|SY99]]など[[RCM音源|AFM音源]]の機種では[[正弦波]]以外の波形で変調可能になった。 [[1989年]]に発売されたヤマハのシンセサイザー[[ヤマハ・SYシリーズ|SY77]]ではAFM音源へとアップグレードされ、[[PCM音源]]を変調させることも可能となる。その完成形が[[1991年]]に発売された[[ヤマハ・SYシリーズ|SY99]]と言える。 その後、[[1998年]]に登場した[[ヤマハ・FS1R|FS1R]]ではフォルマントシンギング音源と呼ばれる人の[[声]]をも[[シミュレーション|シミュレート]]できる音源とハイブリッドとなり、オペレータもDX7の6機から8機と増え、変調させられる幅が広がった。 最近では[[携帯電話]]の[[着信メロディ]]再生用に使用されている。 一部のチップには、「音声合成モード/複合正弦波合成モード」が用意されている。特定のチャンネルのオペレータに、独立してF-Numberが設定可能になっており、内蔵タイマーのオーバーフロー毎に該当チャンネルのオペレータをキーオンにするというものであり、音源ソース、並びにそこからの変換については、あらかじめ別途行う必要がある。その仕様上、該当するチップにはタイマーが内蔵されており、割り込みの発生源などとしても利用されていた。チャンネルもしくは、オペレータなどの設定により、正弦波を発声するように設定し、制御を行えば、同様の効果を得ることが出来る。PCMなどと比較すれば、必要とするリソースや、チップの機能を使えることによる処理の軽さがメリットとはなるが、FM音源1チャンネルのオペレータの駆動のみという状況と、パラメータとして設定できる値の分解能などの要因で、音質は然程高くは無く、時期によってはその正弦波に波形を分解する処理そのものに労力がかかったこともあって、[[ゲームアーツ]]のメーカーロゴや、ゲーム中の一部の音声などに用いられた以外での利用は少ない。[[MA-7]]では、Humanoid Voiceとして、正弦波合成の出力を用いている。 また、近年は携帯機器用音源チップ(MAシリーズ)にも組み込まれ、主に[[KDDI]]([[au (携帯電話)|au]]ブランド)や[[ソフトバンクモバイル|SoftBank]]、[[イー・モバイル]](現・[[ワイモバイル]])等の携帯電話に内蔵されている。 なお、現在のパーソナルコンピュータには原則的に搭載されていないが、[[拡張ボード]]として別途購入、搭載は可能。更に、各種コンピュータの[[エミュレータ]]ソフトの流行と共に、PCM音源を使いソフトウェアで波形合成して再生するドライバが有志により開発されている。 == 音源チップ一覧 == === OPL系 === [[ファイル:YM3526_01.jpg|thumb|YM3526]] [[ファイル:Y8950_01.jpg|thumb|Y8950]] [[ファイル:YM2413_01.jpg|thumb|YM2413]] [[ファイル:YM3812_01.jpg|thumb|YM3812]] [[ファイル:YMF262-M.jpg|thumb|YMF262-M]] 2オペレータ。内蔵リズム音はハイハット、トップシンバル、タム、バスドラム、スネアドラムの5音。バスドラムを除き1オペレータで生成されるため、FM3ch分のレジスタで5chのリズム音を同時に発音可能 *YM3526(OPL) 2オペレータ9chまたは6ch + リズム5ch。2オペレータなのでアルゴリズムは直列、並列の2種類のみ。[[タイトー]]の[[バブルボブル]]や、[[テラクレスタ]](海外版)をはじめとした[[日本物産]]のアーケードゲームなどで使用されていた。 *Y8950([[MSX-AUDIO]]) 2オペレータ9chまたは6ch + リズム5ch、[[ADPCM]] 1ch(16kHz/4bit/[[モノフォニック]])、32kB~256kBの波形メモリを外部に持てる。MSXの音源規格にあわせ、OPL相当の機能に加えADPCMの回路機能を包含しており、チップ表面には、MSXのロゴと、MSX-AUDIOの表記があり、マニュアルには他のチップでは存在する"Operator Type"等の表記が無い。[[MSX]]の拡張カートリッジや[[PC-9800シリーズ]]用サウンドボード、アーケード基板、MZ-2861用ADPCMボード(MZ-1E36)などで使用。 *[[YM2413]](OPLL) 2オペレータ9chまたは6ch + リズム5ch。OPLの系譜では廉価版にあたり、他のOPL系のチップと比較し、音色を保持するレジスタが1セットしか実装されておらず、パラメータの分解能も削られている他、同時に使用できる音色は内蔵の15音色に限られ、機能的には、OPL2のサブセットに当たる。その価格から普及しなかった、MSX-AUDIOの廉価版として<ref>「早すぎた迷オプション MSX-AUDIO」『MSX MAGAZINE 永久保存版 2』アスキー書籍編集部編著、アスキー、2003年、pp.148-151。</ref>、[[MSX]]の拡張カートリッジ([[FM-PAC]])および[[MSX-MUSIC]]としても利用された他、[[UFOキャッチャー]]、[[セガマーク3]]用周辺機器のFMサウンドユニットおよび、同機種内蔵の日本国内版のセガ[[マスターシステム]]、麻雀学園、クイズカプコンワールド、ポンピングワールドなどのカプコンのアーケード基板、[[ニューパルサー]]・[[大花火]]・[[ジャグラー]]・[[スフィンクス7]]・他の一部の[[パチスロ]]機<ref>[http://www1.yamasa.co.jp/40th_remnp/interview/int01.html 山佐ホームページ おもいでのニューパルサー 軍艦マーチの終止符を打った男](2010年6月閲覧)</ref>などで使われている。<!--ちなみにアーケード版[[ぷよぷよ]]のスタッフロールで「YM2413」という名称が登場するが、実際に演奏された音源は異なる。-->また、以下の様な派生品も存在する。 **OPLL-P。OPLLの内蔵音色を差し替えたもの。パチンコ向けとされる。 **内蔵音色を差し替え、同時発音数がメロディー6音になったサブセット版がコナミのVRC VIIの音源部に採用されている。 *YM3812/FM1312(OPL II) 2オペレータ9chまたは6ch + リズム5ch、[[AdLib]]や[[Sound Blaster]]で使用。YM3812はYM3526とハードウェアレベルで互換性があり、そのまま差し替えて使用することが可能。[[サイン波]]以外の発振も可能になり、音作りの幅が広がった。 *YMF262-M(OPL3) 2オペレータ18chまたは2オペレータ12ch + リズム10chまたは4オペレータ12ch + リズム10ch、Sound Blaster Pro2で使用 *YMF278B-F/YMF278B-S (OPL4) **YMF278B-Fは[[MSX]]の拡張カートリッジMoonsound(ムーンサウンド)、コンピュータ・テクニカ製のPC-98x1用拡張サウンドボードであるオールサウンドプレーヤー98(SPB-98)で使用されていた。 **2オペレータメロディ18音同時発音、または2オペレータメロディ15音+リズム5音同時発音 **4オペレータメロディ6音+2オペレータメロディ6音同時発音または4オペレータメロディ6音+2オペレータメロディ3音+リズム5音同時発音 **PCM24音同時発音,最大512音色 **入力クロック 33.8388MHz **音声出力データのサンプリング周波数 44.1kHz **波形データは8ビット、12ビット、16ビット構成を選択可能 **各音声出力チャンネルは個別に16段階の[[パンニング (音響)|パン]]設定が可能 **外部メモリはROMまたはSRAMを接続可能、容量32Mビット **1Mビット、4Mビット、8Mビット、16Mビット用チップセレクト信号出力可能 **音声出力6ch、YAC513(DAC)を接続可能 **エフェクターYSS225(EP)接続可能 **80ピンQFP(YMF278B-F)または100ピンQFP(YMF278B-S) {{-}} === OPN系 === [[ファイル:YM2608_FMSynthesizerChip.jpg|thumb|YM2608]] [[ファイル:Yamaha YM2612 chip.jpg|thumb|YM2612]] 4オペレータ。 *[[YM2203]](OPN) 4オペレータ、3ch + [[Programmable Sound Generator|PSG]](SSG)3ch / FMの1chは効果音または音声合成(CSM)モードとして使用可 + ノイズ1ch、[[PC-6000シリーズ#PC-6001mkIISR|PC-6001mkIISR]]・[[PC-6600シリーズ#PC-6601SR|PC-6601SR]]・[[PC-8800シリーズ]]・[[PC-9800シリーズ]]・[[MZ-2500]]・[[FM77AV]]などで使用。AY-3-8910と同様の機能を搭載しており、音声出力機能だけでなく、8bit×2系統のI/Oポートも実装。レジスタの構造も互換を持たせている。 *[[YM2608]](OPNA) 4オペレータ、6chステレオ + リズム6chステレオ + SSG3ch + ADPCM1chステレオ + ノイズ1ch、YM2203[[上位互換]]、[[PC-8800シリーズ]]・[[PC-9800シリーズ]]などで使用<ref>YM2608 OPNA Application Manual </ref>。 *YMF288(OPN3-L) 4オペレータ、6chステレオ + リズム6chステレオ + PSG3ch + ノイズ1chステレオ、YM2608[[下位互換]]であるため、OPNAの代用として使われることもある。消費電力は低減し、チップサイズも小さくなったものの、I/O機能、CSM音声合成、ADPCM等が回路として削除されている。満開製作所のまーきゅりーゆにっと、[[PC-9821]]等で利用されている。 *YM2610(OPNB) 4オペレータ、4chステレオ + SSG3ch + ADPCM6+1chステレオ + ノイズ1chステレオ、YM2608[[下位互換]]、[[ネオジオ]]で使用 *[[YM2612]](OPN2)/YM3438(OPN2C) 4オペレータ、6chステレオ。YM2608[[下位互換]]。[[メガドライブ]]・[[FM TOWNS]]・セガ[[セガ・システムC|systemC2]](アーケード版『[[ぷよぷよ]]』他)・ニューUFOキャッチャーなどで使用。内蔵DACの解像度はYM2612が8ビット、YM3438が9ビットである。 === OPM系 === [[ファイル:Yamaha YM2151.PNG|thumb|YM2151]] [[ファイル:YAMAHA-YM2164.jpg|thumb|YM2164]] 4オペレータ。OPNに対して音色のパラメータが増えている。その中でも特筆すべきは、基準音の整数倍の周波数から大幅に周波数をずらした正弦波で変調をかけられるようになった事で、一般的に「デチューン2」もしくはDT2と呼ばれる<ref name = zen3a>『マイコンBASIC Magazine DELUXE ゲーム・ミュージック・プログラム大全集III』1989 電波新聞社 pp.23, 28</ref>。このためOPN系では実現が難しかった、[[シンバル]]等の金属製打楽器にみられるような複雑な周波数成分を含むものなどの音作りが容易になった<ref name = zen3a />。なお、「デチューン1」に相当するものは、OPN系にも実装されている。 *[[YM2151]](OPM) 4オペレータ、8chステレオ。1980年中盤~1990年中盤のアーケードゲーム基板、[[X1 (コンピュータ)|X1]]・[[X68000]]、一部の[[MSX]]などで使用。特にアーケードゲームでは数多くのメーカーに広く用いられ、PCM音源との併用で使用されることが多かった。 *YM2164(OPP) 4オペレータ、8chステレオ DX21、DX27、DX27S、DX100、FB-01、SFG-05、コルグDS-8、707等で使用。 {{-}} === OPZ系 === [[ファイル:YM2414_02.jpg|thumb|YM2414]] 4オペレータ。 *YM2414(OPZ) 4オペレータ、8chステレオ。YAMAHA TX81ZおよびV2(DX11)ほか多数で使用。波形選択パラメータにより正弦波を含む8種類の波形を使用できる。OPMと比較して、オペレータごとの周波数倍率を細かく指定できるため、柔らかいストリングスの音を作れる(キャリアを4.01倍、モジュレータを3.99倍にして直列に組み合わせるなど)利点がある。パッケージ、ピンアサイン及び使用するDACがOPM/OPPと共通しているが実際に置換して互換性確認したユーザーはまだいないようである。 *YM2424(OPZII) 4オペレータ、8chステレオ YAMAHA V50にて2個使用。YM2414から、FIXモードでのオペレータ発振可能周波数が拡大された。 {{-}} === OPX系 === [[ファイル:Yamaha YMF271-F 01.jpg|thumb|YMF271-F]] *YMF271-F(OPX) **2オペレータ(4アルゴリズム),3オペレータ(8アルゴリズム),4オペレータ(16アルゴリズム)のいずれかに設定可能。 **FM演算用に7種類の内蔵プリセットデータまたは外部メモリのPCM波形データを使用可能。 **エフェクターLSI(YSS225)との8chインターフェイス内蔵。 **PCM同時12音。 **波形データ用にROMまたはRAMを8MBリニアアクセスで接続可能。 **波形データフォーマットは8ビットまたは12ビットリニア。 **PCMはループ機能とオルタネートループ機能によりデータを節約可能。 **スロット数は48。 **LFO内蔵で各スロット毎に波形、周波数、周波数変調、振幅変調の設定が可能。 **音声出力サンプリングレートは44.1kHz(マスタークロック16.9344MHz時)。 **音声出力は4ch出力可能で、各チャンネルごとにパンの設定可能。 **パッケージは128ピンQFP。 {{-}} === OPS系 === [[ファイル:DX7IIDmainboard.jpg|thumb|YM2604/YM3609]] 6オペレータ/16chステレオ/32アルゴリズム。オペレータ部(OP)とエンベロープジェネレータ部(EG)に分離している。入力クロックは9.4265MHz。動作クロックは4.71MHzである。OP部はEGから送られる14bitの周波数データを元にSINテーブルの値を読み、同じくEGから送られる12bitのエンベロープ値を使って出力を決定する。内部データは12bit値とシフト値で構成されているが実際の音声信号を得る手順はOPSとOPSIIで若干異なっており、OPSの場合12bitのデータを12bitD/Aコンバータ(BA9221)に対して出力し、得られた信号をアナログスイッチを通してシフトすることで音声信号を得るのに対し、OPSIIでは12bitのデータを内部でシフト操作して15bitデータに変換した上で16bitD/Aコンバータ(PCM54HP)に出力することで音声信号を得ている。DXシリーズやTXシリーズで使用された為かなりの数量が出回ったが、YM2151のようにICとして外販されたわけではないため、情報が公開されておらず内部レジスタ構成などは一切不明である。 *YM2128(OPS)+YM2129(EGS) **DX7/DX1/DX5/TX216/TX816等で使用。 *YM2604(OPSII)+YM3609(EGM) **DX7IID/DX7IIFD/TX802等で使用。 {{-}} === その他 === [[ファイル:315-5687_01.jpg|thumb|YMF292-F]] * YMF292-F (SEGA 315-5687) SCSP(Saturn Custom Sound Processor) [[MODEL3]]、[[セガサターン]]およびその互換機、[[ST-V]]などで使用。 * SCSPはセガサターンのバージョンにより、複数の型番(タイプ)がある。 ** PCM再生データサンプリングレート:DC~44kHz ** PCMデータ:8ビットまたは16ビットリニア ** 32ch FMまたはPCM ** すべてFM 4オペレータで使用した場合、8ch FMサウンド出力 ** すべてPCMとして使用する場合は32ch PCMサウンド出力 ** 1スロットにつき1LFO割り当て可能、32chのLFO使用可能。 ** 32ch エンベロープジェネレータ内蔵 ** プリスケーラ内蔵8ビットデジタルタイマー内蔵 ** デジタルミキサー内蔵 ** ヤマハ製FH-1 DSP内蔵。各種サウンドエフェクト制御 ** リバーブ(ホール、ルーム、ボーカル、プレートなど) *** 反響 *** エコー/ディレイ(ステレオ、モノラル) *** ピッチシフタ(シングル、ダブル、トリプル) *** コーラス、フランジャー *** 交響曲サラウンド *** ボイスキャンセル、オートパン *** 位相、ひずみ *** フィルター *** パラメトリックイコライザ ** 4MビットDRAM接続可能(サウンドCPU 68EC000用プログラム、PCMサウンドデータ、DSP) ** DMA内蔵。SCSPとDRAM間のデータ転送に使用する。 ** メインCPUインターフェイス:セガサターンの場合はSCUとSCSP間のインターフェイス(B-BUS)となる。 ** サウンドCPUインターフェイス:68EC000とのインターフェイス。 ** 割り込み出力(2ch):メインシステム用およびサウンドCPU用 ** 外部割込み信号入力:3ch(サターンでは未使用) ** リセット入力:セガサターンの場合はSMPCから出力されるリセット信号を入力する。 ** デジタルサウンド出力 ** 外部デジタル入力(1ch) ** MIDIインターフェイス内蔵(入力1ch、出力1ch) * YMU757(MA-1) ** 2オペレータ?FM4ch ** 4音同時発音 * YMU759(MA-2) ** 4オペレータFM8音(または2オペレータ16音)+4bitADPCM(4k/8kHz)1音、ステレオ出力 ** 同時発音数(チップ最大性能)16 * YMU762(MA-3) ** 4オペレータFM16音(または2オペレータ32音)+WaveTable音源8音+PCM/ADPCM(4~48kHz)2ストリーム、ステレオ出力 ** 同時発音数(チップ最大性能)40 * YMU765(MA-5) ** FM音源部はMA-3と同じ。Wavetable発音数増、フォルマント発声音源(HV)および簡易アナログ音源(AL)を追加。 ** 同時発音数(チップ最大性能)64 * YMU786/790/791(MA-7/7D/7i) ** MA-5をベースに、3Dエフェクトプロセッサ・リバーブプロセッサ等を追加。マルチファイル同時再生(4ファイル)およびアプリケーションからのリアルタイムMIDIINコントロールに対応。 ** ピアノ、ストリングスなどWavetable音源の音色追加。 ** ユーザーRAMの容量増加。MA-5の8KBから16KBへ増加。 ** 汎用エフェクタの追加。(ディストーション、オーバードライブなど) ** 同時発音数(チップ最大性能)128 ** ベースチップYMU786にはアナログ出力ブロック(ミキサー、ヘッドフォンアンプ等)がインテグレートされている。 ** YMU790はYMF786よりアナログ出力ブロックを取り除いたもの。 ** YMU791はYMF786に[[アナログ-デジタル変換回路|ADコンバータ]]、[[マイクロフォン|マイク]]入力、[[ライン (音響機器)|ライン]]入力、レシーバアンプ等を追加し入出力を集約化したもの。 * YM2403(OPLP)/YM2404(OPLM) ** エレクトーンHX-1に搭載。入力クロック3.2MHz。EGに相当するのはYM3807(MOD/Modulation Signal Generator)、D/AコンバータはYM3017である。名称にOPLの文字を含むがOPL系に含まれるのかは不明。 ** HX-1は8オペレータ8chステレオの「FMポリ音色」と16オペレータ1chモノラルの「FMモノ音色」を使用できる。 ** HX-1ではまた4オペレータのFM音源とAWM音源も使用できるがどのチップがFM音源の機能を持つのかは不明。HX-1に搭載された他のヤマハ製音源チップはYM3602(OPRW)YM3604(OPBW)YM2415(OPAW)の何れも名称に'W'の文字を含む3種類である。 == 関連書籍 == [[ジョン・チョウニング]]著、[[デビッド・ブリストウ]]著、広野幸治訳『DXシンセサイザーで学ぶFM理論と応用』ヤマハ音楽振興会、1986年、ISBN 4636208358 == 脚注 == <references /> == 関連項目 == *[[ヤマハ・DXシリーズ]] *[[ヤマハ・TXシリーズ]] *[[ヤマハ・SYシリーズ]] *[[ヤマハ・TGシリーズ]] *[[シンクラヴィア]] *[[AudioEngine]] *[[LA音源]] {{サウンド・シンセシス方式}} {{DEFAULTSORT:FMおんけん}} [[Category:シンセサイザー]] [[Category:電子音源の合成方式]] [[Category:音源チップ]] [[Category:ハードウェア]]
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