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麦茶
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[[ファイル:Mugicha by CR 01.jpg|thumb|200px|right|コップに入れられている麦茶]] '''麦茶'''(むぎちゃ)は、[[搗精]]し[[焙煎]]した[[オオムギ|大麦]]の[[種子]]を煎じて作った[[飲料]]である。'''麦湯'''(むぎゆ)ともいう。 == 概要 == 大麦の種子を煎じたもので、一般的な[[茶葉]]の[[カフェイン]]成分が含まれていないため、幼児が飲むのにも適している。しかし、メーカー、製法によって[[紅茶]]や[[ウーロン茶]]の粉を混ぜて冷水でも速く色を出すという商品もあり、カフェイン、[[タンニン]]を含む場合があるので妊娠中、乳児に与える場合には留意が必要である。また昔から、煮出して一晩経ったものは酸化しているため、乳幼児や妊婦には与えない方がよいと言われている。 季節としては[[夏]]、冷やしたものがよく飲まれる。また、初夏は大麦の収穫期でもあるため、夏の麦茶は新鮮で味も良い。[[冬]]でも温めて飲む場合もある。体温を下げることや、血流を改善する効果が知られている。[[砂糖]]や[[塩]]を入れて飲むこともある。熱湯で煮出したものより、水出ししたもののほうが、抽出に時間はかかるが雑味が少なくマイルドでスッキリした味わいである。 麦茶の原料となる大麦は、一般に六条大麦が使用されている。六条大麦の国内生産量1位は[[福井県]]であり、その多くは転作奨励によって始められたものである。麦茶は名前に「茶」と付くが[[チャノキ]]を使用していない、そのため広義の茶([[茶外茶]])に分類される。 [[1986年]]([[昭和]]61年)には全国麦茶工業協同組合が毎年[[6月1日]]を'''麦茶の日'''と定めている。 == 日本の麦湯・麦茶の歴史 == [[ファイル:Mugicha Tea bag by CR 01.jpg|thumb|200px|right|麦茶のティーバッグ]] 麦湯は、[[平安時代]]より[[平安貴族|貴族]]が飲用していたとされる。以後、[[室町時代]]まで貴族が飲用し、[[武将|戦国武将]]にも飲まれた。[[江戸時代]]には[[屋台]]の「麦湯売り」が流行した。[[天保]]に書かれた『寛天見聞記』には「夏の夕方より、町ごとに麦湯という行灯を出だし、往来へ腰懸の涼み台をならべ、茶店を出すあり。これも近年の事にて、昔はなかりし也」とあるように専門店である「麦湯店」も出現した。これは麦湯の女と呼ばれる14〜15歳の女子が、一人で食事も何もなく麦湯のみを4文ほどで売るものであった。なお、大麦の収穫時期は初夏であり、獲れたての新麦を炒るのが美味であるため、夏の飲料とされた。[[明治]]時代に麦湯店も流行ると同時に、庶民の家庭でも「炒り麦」を購入し飲用されるようになった。 昭和30年代に[[冷蔵庫]]が普及し、冷やして飲む習慣が生まれる。麦茶という商品も売られ始め、昭和40年代には日本全国で麦茶の名称が一般的に浸透した<ref name="mame">[http://www.hitachiya-honpo.co.jp/html/AB_mugi.html まめ知識 麦茶について(常陸屋本舗)]</ref>。なお、名称は[[太平洋戦争]]前には[[東日本]]は六条大麦を使用した麦湯、[[西日本]]は[[ハダカムギ|裸麦]]使用の麦茶となっていたという。 [[1963年]](昭和38年)に[[常陸屋本舗]]が大型コーヒー焙煎機を輸入し、それを利用して麦茶の大量生産を開始し<ref name="mugicha9">[http://www.kagome.co.jp/mugicha/content/column/09.html 第9話 麦茶はじめて物語 - 戦後、続々と商品が誕生し、麦茶は大量生産・消費の時代へ①(カゴメ 六条麦茶)]</ref>、同年に日本初の[[ティーバッグ]]麦茶(煮出し専用タイプ)が同社から発売された<ref name="mame"/>。 [[1965年]](昭和40年)に水出しタイプとして初のティーバッグ麦茶が[[石垣食品]]から発売された<ref name="mugicha9"/>。 [[1978年]](昭和53年)には初の容器入り[[液体|リキッド(液体)]]タイプ、1リットル[[ミルクカートン|紙パックタイプ]]の[[チルド飲料|チルド麦茶]]が乳業メーカー数社から発売された<ref name="mugicha10">[http://www.kagome.co.jp/mugicha/content/column/10.html 第10話 麦茶はじめて物語 - 戦後、続々と商品が誕生し、麦茶は大量生産・消費の時代へ②(カゴメ 六条麦茶)]</ref>。 [[1980年]](昭和55年)には[[ハウス食品]]が大手食品メーカーとして麦茶市場に初参入し、冷水用と煮出し用のティーバッグ麦茶を同時発売し、[[1980年代]]には[[缶]]や[[ペットボトル]]入りの麦茶が発売されたことによって、規模が小さかった麦茶市場が発展して市場規模が拡大していった<ref name="mugicha10"/><ref>[http://www.kagome.co.jp/research/summary/991119/index.html 麦茶に血流促進効果を確認] [[カゴメ]]研究開発だより 研究成果サマリー [[1999年]]([[平成]]11年)[[11月19日]]</ref>。その後、[[ポーション|ポーション(濃縮液)タイプ]]の麦茶も発売されている。 現代において、麦茶を家庭で作る場合は、粒状の物を用いて煮出すことは少なく、利便性・経済性が向上した煮出し・水出し用のティーバッグを使用することがほとんどである<ref name="gatten">[[2009年]](平成21年)[[7月8日]]放送『[[ためしてガッテン]]』([[日本放送協会|NHK]])[http://cgi2.nhk.or.jp/gatten/archive/program.cgi?p_id=P20090708 ウマい!昔懐かし昭和の麦茶をパックで作る]</ref>。ただし、これらは粒状の物と比べて「香ばしさ」「うまみ」「香り」が落ちる傾向である<ref name="gatten"/>。また、麦茶の性質上リットル単位で作ることが前提となっており、また専用のボトルなどを用意する手間もかかるため、近年では手軽に飲める缶・ペットボトル入り飲料タイプのものや、水に溶かして一人分ないし数人分を作れる濃縮液タイプのものも利用されている。 [[ファイル:Boricha.jpg|thumb|200px|right|麦茶の中身]] == ヒポクラテスの煎じ薬 == 麦茶に類似したものについて、[[古代ギリシア]]の医聖・[[ヒポクラテス]]による治療法の処方文献に、発疹した患者に発芽した大麦の煎汁を飲用させ排尿量を増やすというものがあった。[[ギリシア語]]でプティサーネー("ptisane")と呼ばれたこの大麦煎湯は、原液のまま、あるいは稀釈や濾過により飲みやすくしたものが飲用されたという。 "ptisane"とは、「ptisane=脱穀」に由来する語である。のちに[[ラテン語]]の"ptisana"(プティサナ、大麦湯、精白した大麦)となり、[[フランス語]]の"tisane"(ティザーヌ、[[ハーブティー]])の語源となった。 == 学術研究 == 麦茶はバクテリアの定着と固着を予防することが発見され、とりわけ虫歯の主な原因で心循環器の病気に関係するといわれる[[ミュータンス菌]]の菌膜生成を阻害する<ref>[http://www.springerlink.com/content/y08n8r8678887042/ Inhibitory Activity by Barley Coffee Components Towards Streptococcus Mutans Biofilm]</ref>。また、麦茶はアルキル[[ピラジン]]のレベルに比例して 血液粘度を低下させる作用がある<ref>[http://www.journalarchive.jst.go.jp/english/jnlabstract_en.php?cdjournal=jnsv1973&cdvol=48&noissue=2&startpage=165 Amelioratory Effect of Barley Tea Drinking on Blood Fluidity] Journal of Nutritional Science and Vitaminology. Vol.48 , No.2(2002) pp.165-168</ref>。 == 参考文献 == *松下幸子 [[千葉大学]]名誉教授著・監修「[http://www.kabuki-za.com/syoku/2/no87.html 江戸食文化紀行 - 江戸の美味探訪 - No.87 麦湯]」[[2005年]]([[平成]]17年) 松下幸子・歌舞伎座事業株式会社 *[[菊池寛]]「[http://www.honya.co.jp/contents/archive/kkikuchi/hanashi/hanashi-14-10.html 昭和十四年十月]」『[http://www.honya.co.jp/contents/archive/kkikuchi/hanashi/ 話の屑籠]』[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]連載 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 外部リンク == {{Commonscat|Roasted barley tea}} *[http://www.mugicya.or.jp/index.html 全国麦茶工業協同組合] {{茶}} {{Food-stub}} {{DEFAULTSORT:むきちや}} [[Category:日本の食文化]] [[Category:韓国の食文化]] [[Category:オオムギ]] [[Category:茶系飲料]] [[Category:ソフトドリンク]]
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