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霊媒
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{{ウィキポータルリンク|スピリチュアリティ}} '''霊媒'''(れいばい、[[medium]] または spirit medium)とは、超自然的存在([[霊]]的存在)と人間とを直接に媒介することが可能な人物のことである<ref name='heibonsha_sasaki'>{{Cite book|和書 |author = 佐々木宏幹 |year = 1988 |title = 世界大百科事典 |publisher = 平凡社 |volume = 30 |chapter = 【霊媒】 }}</ref>。 日本では'''口寄せ'''という名でも知られている <ref name='shukyogakujiten'>{{Cite book|和書 |author = 上田賢治 |year = 1973 |title = 宗教学辞典 |publisher = 東京大学出版会 |chapter = 【霊媒】 }}</ref> 。また'''霊媒者'''(れいばいしゃ)、'''霊媒師'''(れいばいし)などとも呼ばれる。 <!--霊媒は、[[霊]]、死者などの[[魂]]、その他実体のない存在からのメッセージを受け取ることができる者。{{要出典|date=2011年3月}}--> == 概要 == 霊媒には、その能力をあくまで私的にだけ用いる人と、その能力で[[宗教]]的役割などを果たす人とがいる<ref name='heibonsha_sasaki' />。 霊媒は意図的にみずからを通常とは異なった意識状態に置く<ref name='heibonsha_sasaki' />。この状態は「[[トランス (意識)|トランス状態]]」(や「[[変性意識状態]]」)と呼ばれている<ref name='heibonsha_sasaki' />。その間に超自然的存在が当人の身体に入り込み、人格が超自然的な状態(霊格)に変化する、と考えられている<ref name='heibonsha_sasaki' />。トランスに入る時の入りかたとしては、素質的に、いわば自然発生的に起きる例もあるが、修行として人工的にその状態を促進させる場合が多い<ref name='shukyogakujiten' />。断食や籠り(不眠)などで、意識下([[無意識]])の活動を活発化させるための準備が行われ、暗示による人格変換が起きる<ref name='shukyogakujiten' />。このトランス状態になると、自動言語(舌語り。自分の口が自分の意思とは関係なしに動く)や[[自動書記]]といった[[超常現象|超常的]]な能力が働くようになる<ref name='shukyogakujiten' />。 霊媒の言葉は「われは~の神である」とか「われは~の霊である」といったように[[一人称]]的な形式をとる<ref name='heibonsha_sasaki' />。 霊媒に[[憑依]]する存在は、[[神]][[仏]]にはじまり、[[祖霊]]、[[死霊]]、[[動物霊]]まで、多岐にわたる<ref name='heibonsha_sasaki' />。 <!--霊媒とは、[[霊]]、死者などの[[魂]]、その他五感的認識を超越した物的実体のない存在と交信して、そこからのメッセージを受け取ることができる者を指す。{{要出典|date=2011年3月}}--><!--または、こうした物的実体のない霊的な存在を[[チャネリング]]することでその存在の意思を肉体に宿し、霊媒の体を通してこれら異界の存在に会話させたり自動書記させたりすることができるとする者のことである{{要出典|date=2011年3月}}。--> 霊媒の行う[[自動筆記]]は、霊や魂などから受け取った超自然的なメッセージを、意識によるコントロールや抑制なしで、書き取ったり口述したり絵に描いたりするというものである{{要出典|date=2011年3月}}と言われている。霊媒度の高い人つまり、霊に憑かれやすい、また霊を感じやすいなどと称する人を指して「霊媒体質」とよぶこともある{{要出典|date=2011年3月}}。 [[文化人類学]]においては、霊媒を「[[シャーマン]]」という言葉で理解し、その一類型だと考え「[[憑依]]型シャーマン{{要出典|date=2011年3月}}」だとする。 == 超心理学 == [[超心理学]]においては、死者と交信できる[[霊能力|心霊的能力]]を持つと考えられる人物のことをmedium霊媒と呼んでいる <ref name='heibonsha_kasahara'>{{Cite book|和書 |author = 笠原敏雄 |year = 1988 |title = 世界大百科事典 |publisher = 平凡社 |volume = 30 |chapter = 【霊媒】 }}</ref>。 <!--[[超心理学]]においては、異界の存在と交信可能な[[霊能者]]をさす{{要出典|date=2011年3月}}。--><!--霊媒師の体に一時霊体を宿らせることも{{要出典|date=2011年3月}}。--> 死者と[[テレパシー]]のように交信をする人を「mental medium 心理的霊媒」と呼び、物体浮揚など物理的な現象を引き起こす人を「physical medium 物理的霊媒」と呼んでいる<ref name='heibonsha_kasahara' />。物理的霊媒に関して説明すると、かつて欧米では暗闇の部屋でしか交霊会を開かずそこで物理的不可思議な現象を呈示していた者が多数いたわけなのだが、そういう人物を調査してみたところ詐術だと発覚した事例も多い、が、信憑性は明らかでない人物も多い<ref name='heibonsha_kasahara' />。 生死について、「肉体の死後も何らかの意識的存在が残っているのだ、それは死後も生存しているのだ」とする考え方(=[[サバイバル仮説]])と、その対立仮説として「肉体の死後にそれは生き残っていないのだ」とする考え方(=ノン・サバイバル仮説)があるが、超心理学では[[超ESP仮説]](心霊的に得たとされる情報も、[[超感覚的知覚|ESP]]を用いれば実在する人や物から情報を読み取ることができる、そういう考え方で説明しうる、とする仮説)が提示されており、厳密な実験によって霊媒によって通常の能力では得られるはずのない、死者に関する正確な情報が得られた場合でも、それを死後生存によるものと[[解釈]]することは可能だとしても、死後生存の証拠だと断定することはできない、という理屈になってしまっているので、死後生存の証明は実際上かなり困難だ、と考えられている<ref name='heibonsha_kasahara' />。 超心理学的研究によって、「霊媒」と呼ばれていない一般人でも、何らかのpsi的な能力というのは多少なりともある、と理解されるようになってからは、超心理学では霊媒という語は、それ以前のような意味に限定されるものではなくなってきた<ref name='heibonsha_kasahara' />。 == 霊媒の歴史 == 霊媒は古代から現代まで、洋の東西を問わず存在してきた<ref name='heibonsha_sasaki' /><ref name='shukyogakujiten' />。 日本の東北地方の[[イタコ]]<ref name='shukyogakujiten' /><ref name='heibonsha_sasaki' />や[[オカミサマ]]<ref name='heibonsha_sasaki' />、あるいは南西諸島の[[ユタ]]<ref name='heibonsha_sasaki' /><ref name='shukyogakujiten' />、[[カンカカリヤー]]<ref name='heibonsha_sasaki' />、また[[行者]]、[[祈祷師]]、あるいは現代の新宗教の[[教祖]]などでも霊媒に分類可能な人物は多い<ref name='heibonsha_sasaki' />。これは上で述べたような、能力を宗教的役割などに用いている人、ということになる。 [[聖書]]の中でも『[[サムエル記]] 上』28で、[[サウル]]が[[口寄せ]]の女を捜し出すよう求めた<ref name='shukyogakujiten' />。 <div class="NavFrame" style="border: none; text-align: left; font-size: 100%"> <div class="NavHead" style="background: transparent; text-align: left; font-weight: normal">''サムエル記の該当箇所を読むには右の[表示]をクリック'' </div> <div class="NavContent"> {{Quotation| 「わたしのために、口寄せの女を探し出してくれ。わたしはその女に尋ねよう」 家来たちは言った。「ご覧ください、エンドルにひとりの口寄せがおります」 サウルは姿を変え、他の着物に着替え、ふたりの従者とともに行き、夜のうちにその女のところに着いた。そしてサウルは言った。「わたしのために口寄せの術をおこなって、わたしがこれからあなたに告げる人を呼び起こしてください」。 (中略) 女は言った。「あなたのために誰を呼び起こしますか?」 サウルは言った。「[[サムエル]]を呼び起こしてください」 女はサムエルを見て、大声で叫んだ。 (中略) 女はサウルに言った。「神のようなかたが地からのぼられるのが見えます」 サウルは彼女に言った。「その人はどんな様子をしていますか」 女は言った。「ひとりの老人がのぼってこられます。その人は上着をまとっておられます」。サウルはその人がサムエルであると知り、ひれ伏した。 サムエルはサウルに言った。「なぜわたしを呼び起こして、わたしを煩わすのだ」 サウルは言った。「わたしはとても悩んでいるのです。ペリシテ人がわたしに対していくさを起こし、神はわたしから離れ、[[預言者]]も[[夢]]もわたしに答を与えてくれないのです。だから、わたしがしなければならないことを知るためにあなたを呼んだのです」 |『[[サムエル記]] 上』第28章}} </div> </div> 古代イスラエルでは、一般的に言えば口寄せ、霊媒は神に忌み嫌われるものとして禁じられていた([[イザヤ書]] 8:19-20)<ref name='shukyogakujiten' />。そして心霊術への嫌悪感は[[キリスト教]]へと引き継がれることになり<ref name='shukyogakujiten' />、そうしてキリスト教では人に[[憑依|憑く]]霊は専ら[[悪魔]]や[[悪霊]]だと見なされてきた<ref name='shukyogakujiten' />。 [[File:John Beattie Eugene Rochas seance.jpg|thumb|right|140px|[[:en:John Beattie|John Beattie]]が主催したSéance。イギリス、[[ブリストル]]、[[1872年]]]] [[File:Moa Fa Phi Song.JPG|thumb|right|140px|現代のタイの霊媒。2007年]] 西欧のキリスト教圏において、[[霊界]]とのやりとりが表だって蘇ってきたのは、1848年にニューヨークのフォックス姉妹が、彼女らが暮らす家で以前殺害された人の霊と[[ラップ現象|叩音]](rapping)によって交信するという事件以降のことである<ref name='shukyogakujiten' />。この家には大勢の人々が訪れ、超自然的な存在の働きを確信したという<ref name='shukyogakujiten' />。この姉妹は[[霊能力|霊的能力]]が認められて、例えば今は亡き親類の[[霊]]を呼び出してくれ、といったような依頼に応じることになり、[[トランス (意識)|トランス状態]]に入って霊と交信した<ref name='shukyogakujiten' />。これをきっかけとして人々は心霊実験を熱心に行うようになり<ref name='shukyogakujiten' />、欧米のヴィクトリア朝の各家庭では、[[:en:table-turning|table-turning]](テーブル・ターニング。[[コックリさん]]のようなもの)がきわめてポピュラーに行われるようになり<ref name='shukyogakujiten' />、やがて物体が浮揚するのを見せる者も出てきて、既存宗教の枠組みには入りきらない、超自然的な存在への好奇心が人々の心をとらえるようになったのであり<ref name='shukyogakujiten' />、こうした物理的心霊現象に対する科学的探究心が[[超心理学]]へとつながっていくことになった<ref name='shukyogakujiten' />。 [[超心理学]]的な枠組みでの研究は1920年以降になってからさかんに行われるようになったわけであるが、超心理学では通常「霊媒」と言うと、19世紀中ごろに米国で興った近代スピリチュアリズム運動以降の能力者のことを指している<ref name='heibonsha_kasahara' />。 霊媒の能力に接する会を[[:en:séance|séance]]とかsittingと言い、日本語では'''[[交霊会]]'''と言う<ref name='heibonsha_kasahara' />('''降霊会'''という字を当てることもある)。 交霊会における人々の、[[霊界]]と交信したいという気持ちはきわめてまじめで真剣なものだった<ref name='shukyogakujiten' />。大切な[[子供|子]]を失ったり、最愛の[[妻]]や[[夫]]を亡くした人などが、そうした死者と[[コミュニケーション]]をとろうとしたのである<ref name='shukyogakujiten' />。やがて二度にもわたって[[世界大戦]]が起き、非常に多数の人が亡くなるという悲惨なことが起きると、人々はふたたび熱心に交霊会を行うようになった。というのは、これらの大戦では大切な家族の臨終に立ち会うこともできないまま死別し、辛い思いを味わった人があまりにも多かったのである<ref name='shukyogakujiten' />。 キリスト教の伝統が根強い欧米においては、超自然的な[[霊界]]との通信というのは、spirit healing([[心霊治療]])の現代版とも言えるNew Thought[[ニューソート|ニュー・ソート]]やメンタル・サイエンスへとつながり、唯物論的な世界観に対する不満を表明している<ref name='shukyogakujiten' />。 かつての心理的霊媒の著名人物としては、レオノール・パイパー([[:en:Leonore Piper|Leonore Piper]])、ギャレット([[:en:Eileen Garrett|Eileen Garrett]])などがいる。パイパーについては心理学者の[[ウィリアム・ジェームズ]]が、またギャレットについては生理学者の[[カレル]]などが実験的研究を行った<ref name='heibonsha_kasahara' />。 現代において著名な霊媒としては、エスター・ヒックス([[:en:Esther Hicks|Esther Hicks]])、シルヴィア・ブラウン([[:en:Sylvia Brown|Sylvia Brown]])、ジョン・エドワード([[:en:John Edward|John Edward]])、ジェイムズ・ヴァン・プラーグ([[:en:James Van Praagh|James Van Praagh]])といった名前が挙げられる。 == 出典・脚注 == <references/> == 参考文献 == *{{Cite book|和書 |author = 上田賢治 |year = 1973 |title = 宗教学辞典 |publisher = 東京大学出版会 |chapter = 【霊媒】 }} * {{Cite book|和書 |author = 佐々木宏幹 |year = 1988 |title = 世界大百科事典 |publisher = 平凡社 |volume = 30 |chapter = 【霊媒】 }} *{{Cite book|和書 |author = 笠原敏雄 |year = 1988 |title = 世界大百科事典 |publisher = 平凡社 |volume = 30 |chapter = 【霊媒】 }} == 関連項目 == *[[霊能力]] *[[降霊術]] *[[巫女]] *[[イタコ]] *[[審神者]] *[[祈祷師]] *[[シャーマン]] *[[占い師]] *[[ドルイド]] *[[エクソシスト]] *[[サイ科学]] *[[二分心]] {{DEFAULTSORT:れいはい}} [[Category:霊媒師|*]] [[Category:心霊主義]] [[Category:スピリチュアリティ]] [[Category:超心理学]] [[Category:シャーマニズム]] [[Category:民間信仰]]
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