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'''電動発電機'''(でんどうはつでんき、'''MG'''、''M''otor ''G''enerator)という言葉は、下記に示す2つの異なる機械を指す意味で使われる。 #[[#電動機と発電機とを直結した電動発電機|電動機と発電機とを直結したもの]](電動の発電機) #[[#電動機と発電機とが可逆な電動発電機|電動機と発電機とが可逆なもの]](電動機にも発電機にもなるもの) この項目ではそれぞれについて述べる。 なお、電動発電機は'''発電電動機'''(はつでんでんどうき)ともいう。 ---- == 電動機と発電機とを直結した電動発電機 == [[File:Nagoya Municipal Subway 3000 series 001.JPG|thumb|right|220px|[[電車]]床下の電動発電機の例(複巻整流子式<br />[[名古屋市交通局3000形電車 (鉄道)|名古屋市交通局3000形]])]] [[電動機]]と[[発電機]]とを同軸で直結した'''電動発電機'''は、[[電力]]の変換を目的とする[[電力機器]]である。 [[交流]]の[[周波数]]変換もしくは[[直流]]-交流の変換、あるいは直流の昇圧・降圧など、[[変圧器|トランス]]では変換できない電力変換で、かつ半導体素子ではその当時の技術的な限界から変換が難しかった時期によく使われた機器であるが、現在でも稼働している機器は多数存在する。主に変電所・工場・電車などで使われている機器である。 変換元の[[電力]]を[[電動機]]に入力し、その回転運動を同軸上の[[発電機]]に伝達、[[発電]]し電気エネルギーに戻す。交流電力の周波数変換では[[交流電動機]]と[[交流発電機]]とで構成する。また、直流から交流を得るときは[[直流電動機]]と交流発電機とで、直流の電圧変換では直流電動機と直流発電機とで構成する。 [[変圧器]]が電圧の変換しかできないのに対し、電動発電機では機構上、電力で発電機を作動させて発電する形となるため、電動機と発電機の組み合わせ方によって電圧変換・周波数変換・直流-交流変換など様々な電力変換に対応できる点が特徴であり、構造も単純であるため古くから用いられてきた。 しかし電動発電機を利用した電力変換は効率が悪いため、[[半導体素子]]の進歩により、[[静止形インバータ|静止型周波数変換装置]]やシリコン[[整流器]]、[[インバータ]]など、用途にあわせた新しい電力変換方式が普及し、電動発電機はそれらに置き換えられている。 1980年代以前に製造された古い[[電車]]では、制御装置を駆動する電源や冷房装置や室内灯などのサービス電源装置として広く使用されており、現役の装置も少なくない。 [[東海道新幹線]]では、全線60Hz供給の為、[[東京電力]]から供給される50Hzを60Hzとして供給するための周波数変換変電所があり、そこでは数台の電動発電機(10極:12極 300[[Rpm_(単位)|rpm]])が稼働している。<!--最近新設、更新されたものは[[静止型周波数変換装置|SIV]]になっているとのこと。 いつから?--> === ブラシレスMG === [[File:JNR205-DM106-BLMG.jpg|thumb|right|220px|[[国鉄205系電車]]のブラシレスMG<br />同車ではMGは枕木方向に吊られている。]] 従来の電動発電機は直流電動機を使用した方式であり、必然的にブラシ・[[整流子]]など磨耗部分があり、メンテナンスには手間を要するものであった。それに対し、[[1980年代]]からブラシを廃した電動発電機が開発された。特にこれを'''ブラシレスMG'''、略して'''BLMG'''と呼び、区別するようになった。 BLMGは直流1,500Vを電源にサイリスタインバータを用いて三相交流に変換し、三相交流により[[同期電動機|三相同期電動機]]を回転させて三相同期発電機で発電する方式である。同期電動機にはブラシがないため、直流電動機よりもメンテナンスが軽減されるものである。 しかし、依然として回転磨耗部分は残るため、根本的なメンテナンスフリーには至らず、[[1990年代]]に入ると静止形変換装置に代わられている。 === 関連項目 === ※以下は電動発電機の代替となる機器。 * [[インバータ]] ** [[静止形インバータ|静止形インバータ(SIV)]] * [[整流器]] * [[回転変流機]] ---- == 電動機と発電機とが可逆な電動発電機 == '''電動発電機'''とは、電動機と発電機とが可逆であり兼用されるものを指す場合もある。 以下にその一例を示す。 ; 無停電電源装置 : 電動発電機に、[[フライホイール]](はずみ車)と[[エンジン]]([[ディーゼルエンジン]]が一般的)を組み合わせ[[無停電電源装置]]として用いたもの。平常時はエンジンを切り離し、電動発電機に電力を入力しフライホイールを回転させておく。普段はエンジンは切り離されているが停電時、接続されフライホイールの慣性でエンジンを始動する。始動後はエンジンの動力で発電機を回し発電する。 ; 揚水発電 : [[水力発電]]所の一種である[[揚水発電]]所では、電動発電機に[[発電用水車]]と[[ポンプ]]、もしくは発電用水車とポンプとが可逆なポンプ水車が直結されている。発電機として発電を行う一方、回転方向を逆に設定した上で電力を入力し電動機として揚水を行う。揚水発電所において電動発電機は、発電機としての運転が主体とされており、専ら'''発電電動機'''と呼ばれる。 ; セルダイナモ : 小型の[[内燃機関]]において、始動時には[[セルモーター]]として動作し、始動後は[[ダイナモ]]として動作する部品。かつては小[[排気量]]の[[自動車]]や[[オートバイ]]に使用されたが、発電機が[[直流]]のダイナモから、より発電能力が高い[[交流]]の[[オルタネーター]]に取って替わられ、廃れた。現代の自動車やオートバイはセルモーター(スターターモーター)とオルタネーターを個別に装備している。 ; ハイブリッド自動車 : コンピュータで制御された電動発電機は、バッテリーからの電力を用いて走行し、また減速時には発電しバッテリーに電力を蓄える(回生減速)することでガソリンエンジンの苦手とする部分を補い、燃費を向上させる。 === 関連項目 === * [[発電ブレーキ]] * [[回生ブレーキ]] * [[電気自動車]] * [[ハイブリッドカー]] [[Category:発電機|てんとうはつてんき]] [[Category:電動機|てんとうはつてんき]]
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