雄別鉄道のソースを表示

'''雄別鉄道'''（ゆうべつてつどう）は、[[北海道]][[釧路支庁]]管内[[釧路市]]の[[根室本線]][[釧路駅]]から、同管内[[阿寒郡]][[阿寒町]]（現・釧路市阿寒町）の雄別炭山駅までを結んでいた鉄道路線などを運営していた炭鉱鉄道会社。
雄別鉄道の親会社である雄別炭礦が運営していた尺別鉄道線についても本項で記載する。

== 概要 ==
東証一部上場企業[[雄別炭礦]]の子会社として[[三菱グループ|三菱金曜会]]に所属していた。本社は東京都千代田区丸の内1-2永楽ビルに所在した。1960年の総社員数は4,828名、売上高は678億円であった。

元は炭鉱鉄道会社の雄別炭礦鉄道が炭鉱と鉄道を一体で経営と運営を行っていたが、[[1959年]]（昭和34年）9月1日に雄別炭礦株式会社を親会社として、鉄道部門を経営分離し雄別鉄道株式会社が発足した<ref name="kushiro-history-list-2006">釧路市地域史研究会 『釧路市統合年表:釧路市・阿寒町・音別町合併1周年記念』 釧路市 、2006年10月。</ref>。ただし尺別線（当時は[[専用鉄道]]）は雄別炭礦による経営として継続した。

[[1969年]]、茂尻鉱で発生した人身事故が原因で廃坑となり[[1970年]]2月以降の社員の給与支払いの見通しがたたなくなるほど急激に資金繰りが悪化したことで雄別炭礦も閉山し、同年4月に住人の移転作業が終了し鉄道業務も停止した。

倒産直前の1970年2月に再び雄別炭礦に吸収合併されたのは、大谷正春によると鉄道財団の一般職員として給与を提供するためであったとされる。この合併は炭鉱閉山で失職する鉄道従業員に対して炭鉱職員の身分を与え、離職者手帳の交付対象に加えるためとも云われているが、第96回国会商工委員会議事録には「雄別炭礦の岡田社長が雄別閉山のときに、閉山交付金は直轄事業員には支払われたけれども、雄別鉄道の組合員には払われなかった。これは私に責任がある。と言って当時の世田谷の私邸を売った」との[[対馬孝且]]委員の発言記録があるためこの見解はあたらない。結果的にはそれなりの旅客需要がありながら近郊鉄道として更生ができず鉄道が炭礦と運命を共にすることになった。

== 鉄道事業 ==
以下の路線を所有・運営していた。データは廃止直前のもので、すべて[[軌間]]1067mm、全線[[単線]]・[[非電化]]である。
* 雄別本線：釧路 - 雄別炭山間 44.569km 12駅 [[閉塞 (鉄道)|タブレット閉塞式]]
* 鶴野線：鶴野 - 新富士間 4.352km 2駅
*: 鶴野線の開業以降、鳥取側線（雄鉄昭和（旧・鳥取信号所） - 新富士）は廃止となる。
* 埠頭線：新富士 - 雄別埠頭（現・北埠頭）間 2.689km 2駅
* 新釧路構外側線：新釧路 - 水面貯木場間 2.530km<!-- 2駅 側線なので駅数を数えないのでは？-->
* 尺別鉄道線（雄別炭礦直営）：尺別 - 尺別炭山間 10.8km 6駅 [[閉塞 (鉄道)|票券閉塞式]]

[[釧美線]]として雄別本線と[[相生線]]を連絡する計画もあったが相生線も1985年に廃止となっている。

=== 雄別鉄道線 ===
{| {{Railway line header}}
{{BS-header|雄別鉄道}}
{{BS-daten
| LNGE           = <!-- 路線長 (km) -->
| SPURWEITE      = 1067
| NEIGUNG        = 雄別本線<ref name="without_tsuruno">[[#oguma_yubetsu|小熊 (1962)]] による。鶴野線、新釧路構外側線は含まず、雄鉄昭和 - 新富士（鳥取側線）を含む。</ref>：15.2、埠頭線：20
| RADIUS         = 雄別本線<ref name="without_tsuruno" />・埠頭線：160
| V-MAX          = <!-- 最高速度 (km/h) -->
| BILDPFAD_KARTE = <!-- 地図ファイル -->
| PIXEL_KARTE    = <!-- 地図横幅 -->
| IMAGE          = Yubetsu tetsudo steam locomotive 8722 20070410.jpg
| CAPTION        = 保存されている雄別鉄道8722号<br />釧路市、釧路製作所
| IMAGE_SIZE     = 200px
}}
{{UKrail-header2|停車場・施設・接続路線（廃止当時）|#808080}}
{{BS-table}}
{{BS3|STR|||||[[日本国有鉄道|国鉄]]：[[根室本線]]|}}<!-- 距離は今尾 (2008) による。小熊 (1962) は起終点の値を示していないのでコメントアウト内に示す。橋梁の長さと位置は小熊 (1962) -->
{{BS3|ABZl+xl|BHFq|vSTR+r-|0.0|[[釧路駅|釧路]]||}}
{{BS3|exBHF||vSTR-|1.2<!-- 1.247km 小熊 (1962) -->|''[[新釧路駅|新釧路]]''||}}
{{BS3|exWBRÜCKE||vSTR-|1.8|''第1新川橋梁''||}}
{{BS5|exKBSTl|exABZrf||vSTR-||||''水面貯木場''|}}<!-- 側線（構内あるいは構外）扱いなのでは？ -->
{{BS3|exBHF||vSTR-|3.5<!-- 3.530km 小熊 (1962) -->|''[[中園駅|中園]]''|（停）|}}
{{BS5||exSTR||xvSTR-STR+l|exKBSTr|||''[[浜釧路駅|浜釧路]]''|}}
{{BS5||exSTR||xvSTR|exKDSTa|2.1*|''[[北埠頭駅 (北海道)|雄別埠頭]]''||}}
{{BS5||exSTR||xSPLe|exSTR|O5=POINTERl||''[[釧路開発埠頭埠頭線|埠頭線]]''||}}
{{BS5||exSTR|WASSERrg|WBRÜCKE|exWBRÜCKE|0.775*|''新釧路川橋梁''|184.24m}}
{{BS5||exWBRÜCKE|WASSERrf|eABZrg|exSTRrf|5.148|''[[新釧路川]]橋梁''|206.68m}}
{{BS3|exSTR|uexKBHFa|BHF|{{BSkm|4.3#|0.0*}}|[[新富士駅 (北海道)|新富士]]||}}
{{BS5||exABZrg|uexmKRZ|eABZglr|exSTRlg||''"鳥取側線"''<ref>小熊 (1962) に鶴居村営軌道との異種乗越菱形轍叉（平面交差）の写真が見える。</ref>||}}
{{BS5||exBHF|uexSTR|STR|exSTR|5.9<!-- 5.910km 小熊 (1962) -->|''[[雄鉄昭和駅|雄鉄昭和]]''||}}
{{BS5||exSTR|uexHST|STR|exSTR|||''鳥取''|}}
{{BS5|uexSTRrg|O1=POINTERr|exmKRZu|uexABZrf|STR|exSTR|6.6||''[[鶴居村営軌道]]新線と立体交差''|}}
{{BS5|uexSTR|exBHF|uexSTR|STR|exSTR|7.2|''[[北園駅|北園]]''|（停）|}}
{{BS5|uexSTR|exABZrg|uexmKRZ|eKRZu|exSTRrf|O5=POINTERl||''鶴野線''|##|}}
{{BS5|uexSTR|exBHF|uexSTR|STR||{{BSkm|9.5|0.0#}}|''[[鶴野駅|鶴野]]''||}}
{{BS5|uexABZrg|exmKRZu|uexSTRrf|O3=POINTERl|STRlf||9.9||''鶴居村営軌道旧線と立体交差''|}}
{{BS5|uexHST|exSTR||||||''鶴野''|}}
{{BS5|uexSTRrf|exSTR|||||||}}
{{BS3|exBHF|||14.5<!-- 14.533km 小熊 (1962) -->|''[[北斗駅|北斗]]''||}}
{{BS3|exWBR&#220;CKE|||15.6|''[[仁々志別川]]橋梁''|}}
{{BS5|uexSTRlg|exSTR||||||''[[殖民軌道]]仁々志別線''|}}
{{BS5|uexKBHFe|exBHF||||18.9<!-- 18.911km 小熊 (1962) -->|''[[山花駅|山花]]''||}}
{{BS3|exBHF|||25.2<!-- 25.152km 小熊 (1962) -->|''[[桜田駅|桜田]]''||}}
{{BS5||exWBR&#220;CKE|WASSERqd|||30.8|''[[阿寒川]]橋梁''|}}
{{BS5||exBHF|WASSER|||31.3<!-- 31.263km 小熊 (1962) -->|''[[阿寒駅|阿寒]]''||}}
{{BS5||exBHF|WASSER|||38.7<!-- 38.727km 小熊 (1962) -->|''[[古潭駅|古潭]]''||}}
{{BS5||exBHF|WASSER|||39.9<!-- 39.870km 小熊 (1962) -->|''[[新雄別駅|新雄別]]''||}}
{{BS5||exBHF|WASSER|||40.6<!-- 40.600km 小熊 (1962) -->|''[[真澄町駅|真澄町]]''|（停）|}}
{{BS5|WASSERrg|exWBR&#220;CKE|WASSERrf|||42.1|''[[舌辛川]]橋梁''|}}
{{BS5|WASSER|exBHF||||44.1|''[[雄別炭山駅|雄別炭山]]''||}}
{{BS5|WASSERlf|exWBR&#220;CKE|WASSERlg|||||舌辛川|}}
{{BS5||exKBSTe|WASSER|||||''大詳内線''<ref>小熊 (1962) によると大祥内砿まで2.7km、旅客の便乗を許していた。</ref>|}}
{{BS-colspan}}
<nowiki>##</nowiki>: 鶴居村営軌道廃止後の開業であり、<br />軌道は交差していない
|}
|}
釧路 - 雄別炭山間に旅客列車を1日5往復（うち1往復は混合）、貨物列車を1日13往復（埠頭線9往復）運行していた。

==== 歴史 ====
* [[1921年]]（大正10年）3月8日 '''北海炭礦鉄道'''に対し鉄道免許状下付（国有鉄道釧路停車場-阿寒郡舌辛村字大祥内）<ref>[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2954694/4 「鉄道免許状下付」『官報』1921年3月10日]（国立国会図書館デジタルコレクション）</ref>
* [[1923年]]（大正12年）
** [[1月17日]] 釧路 - 雄別炭山間（雄別本線）が開業<ref>[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2955259/6 「地方鉄道運輸開始」『官報』1923年1月19日]（国立国会図書館デジタルコレクション）</ref><ref name="kushiro-history-list-2006" />。
** [[6月14日]] 古潭駅開業<ref>[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2955432/3 「地方鉄道停留場設置」『官報』1923年8月10日]（国立国会図書館デジタルコレクション）</ref>。
* [[1924年]]（大正13年）[[3月18日]] 北海炭礦鉄道から'''雄別炭礦鉄道'''に社名変更<ref name="kushiro-history-list-2006" />。
* [[1925年]]（大正14年）[[9月20日]] 湯波内駅を開業<ref name="kushiro-history-list-2006" />。
* [[1926年]]（大正15年）
** [[5月]] 富士製紙釧路工場専用側線を開業<ref name="kushiro-history-list-2006" />。
** [[10月20日]] 穏禰平駅を開業<ref>[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2956406/6 「地方鉄道駅設置」『官報』1926年10月30日]（国立国会図書館デジタルコレクション）</ref><ref name="kushiro-history-list-2006" />。
** [[11月26日]] 新釧路 - 平戸前（後の北斗駅）間に釧路川信号所開設。
* [[1935年]]（昭和10年）9月20日 新釧路 - 平戸前間の釧路川信号所廃止。
* [[1950年]]（昭和25年）[[5月1日]] 舌辛駅を阿寒駅に改称。
* [[1951年]]（昭和26年）
**[[4月11日]] 鳥取信号所（後の雄鉄昭和駅）開設。
** 7月1日 釧路埠頭倉庫の鉄道部門一切を譲り受け、埠頭線（専用鉄道）とする。
* [[1952年]]（昭和27年）
** [[3月4日]] [[十勝沖地震#1952年|十勝沖地震]]により埠頭線の高架線築堤、石炭桟橋破損、新釧路川橋梁橋脚ズレ発生。2週間の運行停止。
** 8月1日 埠頭線に対し専用鉄道を地方鉄道に変更認可。
** [[9月11日]] 鳥取信号所 - 新富士間、新富士 - 雄別埠頭（後の北埠頭駅）間（[[釧路開発埠頭埠頭線|埠頭線]]）開業。
* [[1953年]]（昭和28年）4月11日 新雄別駅を開業。
* [[1956年]]（昭和31年）
** [[3月21日]] 平戸前駅を北斗駅、穏禰平駅を山花駅、湯波内駅を桜田駅に改称。
** [[9月1日]] 真澄町駅を開業。
* [[1957年]]（昭和32年）[[8月1日]] ディーゼルカー運行開始により客貨分離。釧路 - 雄別炭山間が約2時間から半分の約1時間に短縮。
* [[1959年]]（昭和34年）[[9月1日]] '''雄別鉄道'''を設立し同社に鉄道部門（釧路 - 雄別炭山間、新富士 - 雄別埠頭間）を譲渡<ref name="kushiro-history-list-2006" />。
* [[1960年]]（昭和35年）[[3月1日]] 中園駅開業。
* [[1967年]]（昭和42年）[[1月12日]] 新釧路 - 水面貯木場間、貨物線敷設開業（水面貯木場は[[1966年]]（昭和41年）[[8月30日]]竣工）。
* [[1968年]]（昭和43年）
** [[1月20日]] 雄鉄昭和駅（鳥取信号所から変更）<ref name="kushiro-history-list-2006" />、鶴野駅を開業。
** [[1月21日]] 雄鉄昭和 - 新富士間（鳥取側線）を廃止。鶴野 - 新富士間（鶴野線）が開業。
* [[1970年]]（昭和45年）
** [[2月12日]] 雄別鉄道が'''雄別炭礦'''に吸収合併。
** [[4月16日]] 釧路 - 雄別炭山間（雄別本線）、鶴野 - 新富士間（鶴野線）が廃止<ref name="kushiro-history-list-2006" />。新富士 - 雄別埠頭間（埠頭線）を[[釧路開発埠頭]]に譲渡。
* [[1984年]]（昭和59年）[[2月1日]] 釧路開発埠頭 新富士 - 北埠頭間（埠頭線）が廃止。

==== 駅一覧・接続路線 ====
; 雄別本線
: [[釧路駅]] - [[新釧路駅]] - [[中園駅]] - [[雄鉄昭和駅]]（旧・鳥取信号所）- [[北園駅]] - [[鶴野駅]] - [[北斗駅]] - [[山花駅]] - [[桜田駅]] - [[阿寒駅]] - [[古潭駅]] - [[新雄別駅]] - [[真澄町駅]] - [[雄別炭山駅]]（ - 選炭場 - 大曲選炭場  大祥内線）
:* 釧路駅：[[根室本線]]
:* 鶴野駅：鶴野線
::大正時代-昭和時代初期に架けて、いずれも富士製紙釧路工場向けの木材積み込み用に、'''布伏内'''（古潭駅構内）、'''南舌辛'''（阿寒川橋梁付近）、'''仁々志別'''（詳細不明、北斗駅近辺の仁々志別川橋梁付近?）の仮貨物駅が設けられた。
; 新釧路構外側線
: 新釧路駅 - 水面貯木場
:* 新釧路駅：雄別本線
; 鶴野線
: 鶴野駅 - [[新富士駅 (北海道)|新富士駅]]
:* 鶴野駅：雄別本線
:* 新富士駅：根室本線
; 埠頭線
: 新富士駅 - 雄別埠頭駅（後の[[北埠頭駅 (北海道)|北埠頭駅]]）
:* 新富士駅：根室本線

==== 車両 ====
===== 気動車 =====
[[気動車]]を6両保有していた。廃止後は全車が[[関東鉄道]]に譲渡されて、49200Yはキハ760形761-763、キハ100はキハ810形811-813と改番された。キハ761-763とキハ811・812（化粧室を撤去）は筑波線（後の[[筑波鉄道筑波線|筑波鉄道]]）に、キハ813はブレーキシステムのDA1への変更、化粧室と荷物室の撤去、座席のロングシート化を行って[[関東鉄道常総線|常総線]]に配置された。現在はすべて廃車となっている。
　
;キハ49200Y形 (1-3) 
:[[日本国有鉄道|国鉄]]の[[国鉄キハ20系気動車|キハ21形]]と同型（キハ49200はキハ21形の称号改称前の形式称号で、「Y」は雄別の頭文字）で、側窓も[[バス窓]]と通称された上段がHゴム支持の一段上昇窓だったが化粧室は設置されず、台車は[[国鉄TR26形台車|TR29]]タイプの菱枠形台車でブレーキシステムも機械式気動車で使用されていたGP-S形だった。
;キハ100形 (104-106) 
:窓割はキハ49200Y形と同様ながら側窓はキハ22形タイプの一段上昇窓となり化粧室も設置された。台車も[[国鉄DT21形台車|DT22]]と同形のウィングバネ台車 (NP1A/NP2A) となったが、ブレーキはGP-S形のままであった。なおキハ106のみ片運転台で、客室の一部（非運転台側）は荷物室になっていた。

===== 機関車 =====
炭坑閉山まで本線上の貨物列車・混合列車はすべて蒸気機関車で運用されていた。廃線後、[[蒸気機関車]]の[[国鉄C11形蒸気機関車|C11形]]は釧路市阿寒町の「赤いベレー」内の「炭鉱と鉄道館」で、[[国鉄8700形蒸気機関車|8700形]]は釧路製作所で[[静態保存]]されている。

===== 蒸気機関車 =====
;10形（2両）
:11, 12 : 1911年[[オーレンシュタイン・ウント・コッペル|コッペル]]製のC[[タンク機関車|タンク式]]16.44t機。全長6,280 mm、動輪径830 mm、使用圧力12kg/cm&sup2;。大祥内専用線と雄別炭山駅構内の入換用に使用された。
;100形（3両）
:103, 104 : 1922年コッペル製の1-C-1タンク式40.54t機。全長9,440 mm、動輪径1,100 mm、使用圧力12kg/cm&sup2;。
:106 : 1925年製の同形機。
;200形（1両）
:205 : 1923年コッペル製のCタンク式29.88t機。全長8,166 mm、動輪径900 mm、使用圧力12kg/cm&sup2;。
;7200形（3両）
:7212, 7221, 7222 : 旧[[国鉄7200形蒸気機関車|国鉄7200形]]。1896年/1897年製[[ボールドウィン・ロコモティブ・ワークス|ボールドウィン]]製1-C[[テンダー機関車|テンダー式]]26.27t機。全長13,519 mm、動輪径1,070 mm、使用圧力9.9kg/cm&sup2;。1938年に国鉄より払下げ。
;8700形（2両）
:旧[[国鉄8700形蒸気機関車|国鉄8700形]]。1913年[[汽車製造]]製2-Cテンダー式49.75t機。全長18,101 mm、動輪径1,600 mm、使用圧力12.7kg/cm&sup2;。
:8721 : 1953年に国鉄より払下げ。
:8722 : 1958年に[[北海道拓殖鉄道]]より譲受け。
;9040形（2両）
:9045 : 旧[[国鉄9000形蒸気機関車|国鉄9040形]]1897年ボールドウィン製1-Dテンダー式39.31t機。全長14,561 mm、動輪径1,067 mm、使用圧力9.8kg/cm&sup2;。1940年に国鉄より払い下げ。
:9046 : 1918年ボールドウィン製1-Dテンダー式。三菱美唄鉄道1形。1950年に[[三菱鉱業美唄鉄道線|三菱美唄鉄道]]より譲受け（形態はほぼ同じだが、国鉄9040形とは無関係）。
;C11形（5両）
:[[国鉄C11形蒸気機関車|国鉄C11形]]の同形機および国鉄払い下げ車。1-C-2タンク式66.05t機。全長12,650 mm、動輪径1,520 mm、使用圧力15kg/cm&sup2;
:C111 : 1932年汽車製造製。1957年に[[江若鉄道]]より譲受け。
:C113 : 1932年汽車製造製。1964年に国鉄より払下げ。
:C118 : 1942年[[日立製作所]]製。1952年に[[松尾鉱業鉄道]]より譲受け。
:C1165 : 1935年[[川崎重工業車両カンパニー|川崎車輛]]製。1961年に国鉄より払下げ。
:C11127 : 1937年日本車輌製造製。1962年に国鉄より払下げ。
;C56形（1両）
:1001 : [[国鉄C56形蒸気機関車|国鉄C56形]]と同形の自社発注車。1941年[[三菱重工業]]製1-Cテンダー式37.63t機。全長14,325 mm、動輪径1,400 mm、使用圧力14kg/cm&sup2;。

===== ディーゼル機関車 =====
[[ファイル:The Pacific Ocean coal sales transportation D801.JPG|thumb|YD1301の後身である太平洋石炭販売輸送D801]]
;YD13形（1両）
:YD1301 : [[国鉄DD13形ディーゼル機関車]]と同大のセンターキャブ式の液体式ディーゼル機関車。1966年日本車輌製造製の自社発注車。B-B 55t機。全長13,600 mmでロッド駆動、機関はDMF31SB×2基搭載（1000 ps/1,500 rpm）。国鉄機より大きい1:4.72の歯車比の減速機を有す。埠頭線と鶴野線で使用された。当鉄道廃止後は釧路開発埠頭線に移籍してKD1301となり、同線廃止後は[[太平洋石炭販売輸送]]のD801として使用されている。

==== 運輸実績 ====
:{| class="wikitable" style="text-align:right"
! 年度　!! 旅客（人） !! 貨物（t）!!
|-
| 1923年（大正12年） ||   79,182  ||   127,092 ||<ref name="UJ1">阿寒町百年史 昭和61年10月発行 P702。</ref>
|-
| 1925年（大正14年） ||  105,779  ||   196,927 ||<ref name="UJ1"/>
|-
| 1939年（昭和14年） ||  124,858  ||   743,923 ||<ref>昭和14年度 鉄道統計</ref>
|-
| 1947年（昭和22年） ||  474,251  ||   366,659 ||<ref>昭和22年度 鉄道統計年報</ref>
|-
| 1965年（昭和40年） || 1,073,814 || 1,619,000 ||<ref name="UJ2">阿寒町百年史 昭和61年10月発行 P704。</ref>
|-
| 1968年（昭和43年） || 1,462,147 || 1,660,000 ||<ref name="UJ2"/>
|}

=== 尺別鉄道線 ===
{| {{Railway line header}}
{{UKrail-header|尺別鉄道|}}
{{BS-daten| LNGE=10.8| SPURWEITE=1067| STROMG=| NEIGUNG=25| RADIUS=200| V-MAX=| BILDPFAD_KARTE=| PIXEL_KARTE=| IMAGE=| CAPTION=| IMAGE_SIZE=}}
{{UKrail-header2|停車場・施設・接続路線（廃止当時）|#808080}}
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{{BS3|WASSER||STR|||[[日本国有鉄道|国鉄]]：[[根室本線]]|}}
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{{BS3|WASSER|exSTRrg|eABZrf||||}}
{{BS3|WASSER|exBHF|STR|0.260|''[[社尺別駅|社尺別]]''||}}
{{BS3|WASSER|exSTR|STRlf|||根室本線|}}
{{BS3|WASSER|exBHF||3.940|''[[八幡前駅 (北海道)|八幡前]]''|（停）|}}
{{BS3|WASSERlf|exWBR&#220;CKE|WASSERlg||''第1尺別川橋梁''||}}
{{BS3||exBHF|WASSER|7.900|''[[新尺別駅|新尺別]]''||}}
{{BS3|WASSERrg|exWBR&#220;CKE|WASSERrf||''第2尺別川橋梁''||}}
{{BS3|WASSER|exBHF||9.400|''[[旭町駅 (北海道)|旭町]]''|（停）|}}
{{BS3|WASSERlf|exWBR&#220;CKE|WASSERlg||''第3尺別川橋梁''||}}
{{BS3|WASSERrg|exWBR&#220;CKE|WASSERrf||''第4尺別川橋梁''||}}
{{BS3|WASSERlf|exWBR&#220;CKE|WASSERlg||''第5尺別川橋梁''||}}
{{BS3|WASSERrg|exWBR&#220;CKE|WASSERrf||''第6尺別川橋梁''||}}
{{BS3|WASSERlf|exWBR&#220;CKE|WASSERlg||''第7尺別川橋梁''||}}
{{BS3|WASSERrg|exWBR&#220;CKE|WASSERrf||''第8尺別川橋梁''||}}
{{BS3|WASSER|exKBHFe||10.800|''[[尺別炭山駅|尺別炭山]]''||}}
|}
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雄別鉄道の親会社の雄別炭礦が運営していた。機関庫は新尺別に置かれ、蒸気機関車[[国鉄C12形蒸気機関車|C12形]]を3両、客車4両、貨車11両を保有していた。尺別炭礦の軽便鉄道による運炭軌道（通称「軌道」）が始まりで、1942年（昭和17年）に専用鉄道の尺別炭礦鉄道（通称「専鉄」）に切り替わった。1944年（昭和19年）から尺別と浦幌の両炭礦が国策休山となったため、この間は限定的な運用となって、車両や一部のレール等が他に移転されてしまったが、戦後まもなく両炭礦も再開されて徐々に通常に復帰した。一般人が乗降できるようになったのは1962年（昭和37年）に地方鉄道に切り替わって尺別鉄道となってからのことだったが、既に代替機関として尺別バスが運行しており、また連帯輸送が貨物のみであった事や乗換のための社尺別駅が不便な位置にあったため、ほとんど一般の利用がなかった。また理由が不明だが、地方鉄道であったにもかかわらず全国時刻表にも載っていなかった。実態はバスの利用が便利良かったためか、朝夕の通勤列車を除くと日中の旅客列車の運行が一本もなかった。1970年（昭和45年）2月の閉山後は社尺別-新尺別間に一日4往復の旅客列車が運転されたが、4月15日の最終列車をもって全ての運輸事業を廃止し、一切の施設が撤去された。

==== 歴史 ====
* [[1918年]]（大正7年）10月 北日本鉱業が創立（本社尺別）。資本金300万円。
* [[1919年]]（大正8年） 大和鉱業（本社大阪）浦幌炭鉱創業。
* [[1920年]]（大正9年）[[4月1日]] 北日本鉱業が尺別 - 尺別炭山（11.7km）の専用[[軽便鉄道]]（ 軌間762mm ）を開業。
* [[1928年]]（昭和3年）[[12月17日]] 北日本鉱業から三菱鉱業雄別炭鉱へ営業譲渡。
* [[1936年]]（昭和11年） 大和鉱業から浦幌炭鉱を三菱鉱業雄別炭鉱へ営業譲渡。
* [[1942年]]（昭和17年）[[11月3日]] 三菱鉱業が専用鉄道として尺別 - 尺別炭山間 軌間1067mm 全長10.8km開業。軽便鉄道から切替。
* [[1946年]]（昭和21年） 三菱鉱業が雄別炭礦鉄道に尺別炭鉱・浦幌炭鉱の採掘を委託。尺別 - 尺別炭山間の専用鉄道を譲渡。
* [[1954年]]（昭和29年） 浦幌炭鉱閉山。
* [[1959年]]（昭和34年）[[8月31日]] 雄別炭礦鉄道から雄別炭礦に社名変更。
* [[1962年]]（昭和37年）[[1月1日]] 尺別 - 尺別炭山間を専用鉄道から[[地方鉄道法]]に基づく鉄道に変更。
* [[1970年]]（昭和45年）
** [[2月12日]] 雄別炭礦が雄別鉄道を吸収合併。
** [[4月16日]] 尺別 - 尺別炭山間廃止。

==== 駅一覧・接続路線 ====
[[尺別駅]] - [[社尺別駅]] - [[八幡前駅 (北海道)|八幡前停留所]] - [[新尺別駅]]- [[旭町駅 (北海道)|旭町停留所]] - [[尺別炭山駅]]
<!-- *尺別 - 社尺別間は貨物営業のみ。 -->
* 尺別駅：根室本線（尺別鉄道線の尺別駅は貨物扱いのみ。旅客は社尺別駅乗り換え）

== バス事業 ==
雄別炭礦は、北海道釧路支庁管内[[白糠郡]][[音別町]]（現・釧路市）の根室本線[[尺別駅]]から路線・貸切バスの雄鉄バス（釧路）を運行していたが[[1970年]]雄別炭礦の閉山とともにバス路線の全線が[[廃線|廃止]]となり、釧路市内路線の浄水場線は東邦交通（現・[[くしろバス]]）、阿寒町郊外路線の布伏内線は[[阿寒バス]]が路線を引き継いで現在に至っている。

* [[1964年]]（昭和39年）
** [[2月1日]] 雄別線（四区詰所前 - 古潭駅前）、雄別釧路線（雄別炭山駅前 - 大曲 - 釧路駅前）運行開始。
** 6月 貸切営業開始。
* [[1966年]]（昭和41年）4月 雄別愛国線（雄別炭山駅前 - 入江町 - 釧路駅前）、仁々志別線（山花駅前 - 共和46線）運行開始。
* [[1968年]]（昭和43年） 浄水場線（釧路駅前 - 浄水場）運行開始。
* [[1970年]]（昭和45年）
** [[4月1日]] [[東北海道貸切バス事業協同組合]]発足、加盟。
** [[4月16日]] 一部路線を[[阿寒バス]]、[[くしろバス|東邦交通]]に譲渡して、運行停止。
　
== 関連会社 ==
関連会社の本社業務の多くは雄別炭礦総務が兼務していた。
[[ファイル:Eiraku-Koutsuu 1993.jpg|thumb|250px|right|永楽観光バス]]
* タクシー部門
** 永楽交通（東京、仙台、札幌、旭川、釧路）
**: 2011年現在、仙台の永楽交通のみ存続、東京・旭川<ref>1965年に開業したが、1977年8月に倒産。</ref>・釧路の永楽交通は廃業、札幌の永楽交通は後に北びしハイヤー<ref>[[三菱マテリアル]]系であったが、現在は資本関係を抹消</ref>に統合
* 観光バス部門
** 永楽観光自動車（東京）- [[福島交通]]傘下を経て[[日本中央バス]]と合併
** 永楽観光サービス（東京）
** 永楽観光バス（札幌）- 1985年に安全タクシーと合併して[[安全永楽交通]]となったが、2010年10月で貸切バスから撤退
* 閉山と同時に廃業した関連会社
** 雄別工作所
** 雄別商事
** 雄別石油販売
** 雄別建材
** 雄鉄バス
** 雄鉄観光バス
** 尺別商事
** 尺別工作所
** 茂尻鉄工所
** 茂尻商事
* 閉山後も存続したが、現在は解散した会社
** 北海道ドリゾール（[[木質系セメント板]]製造）- 1971年に[[クワザワ]]傘下となったが、2006年12月同業他社へ事業譲渡、解散
** 雄別興産 - 1992年倒産。本社札幌市
* 現在も存続している関連会社
** 釧路製作所
** 釧路埠頭→北菱産業埠頭 - 現在も[[美唄市]]で[[炭鉱]]採掘事業を行っている
** 雄別林業
** 道東菱和自動車→東北海道三菱自動車→釧路三菱自動車 - 現在は帯広三菱自動車グループ

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}

== 参考文献 ==
* {{cite journal | 和書 | author = 小熊米雄 | title = 雄別鉄道 | journal = [[鉄道ピクトリアル]] | issue = （私鉄車両めぐり2） | volume = 通巻128号 | date = 1962年2月臨時増刊号 | pages = pp. 15-22 | ref = oguma_yubetsu }}（再録：{{cite book | 和書 | title = 私鉄車両めぐり特輯 | volume = 1 | year = 1977 | editor = 鉄道ピクトリアル編集部 | publisher = 鉄道図書刊行会 | location = 東京 }}）
* {{cite journal | 和書 | journal = 鉄道ピクトリアル | author = 小熊米雄 | title = 尺別鉄道 | volume = 通巻173号 | date = 1965年7月臨時増刊号 | issue = （私鉄車両めぐり6） | pages = pp. 4, 5, 11-19 }}（再録：{{cite book | 和書 | title = 私鉄車両めぐり特輯 | volume = 2 | year = 1977 | editor = 鉄道ピクトリアル編集部 | publisher = 鉄道図書刊行会 | location = 東京 }}）
* {{Cite book | 和書 | author = 大谷正春 | title = 雄別炭礦の鉄道 | publisher = ケーエス興産 | year = 1984 }}
* {{cite book | 和書 | author = 新井健一郎 | chapter = 雄鉄バスが走った道 | publisher = 村椿の会 | title = 釧路川文庫 | volume = 1 | year = 1995 }}

== 外部リンク ==
* [http://yuubetsu.net/ 雄別の歴史]
* [http://www.ab.auone-net.jp/~haikyo/haisen/yubetsu/yubetsu.html 雄別炭鉱跡と雄別鉄道]

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[[Category:雄別鉄道|*]]
[[Category:かつて存在した日本の鉄道事業者]]
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[[Category:釧路市の交通]]
[[Category:釧路市の歴史]]
[[Category:東北海道貸切バス事業協同組合]]