降誕教会のソースを表示

{{建築物
|名称 = 降誕教会<br/>{{Lang|he|כנסיית המולד}}<br/>{{Lang|ar|كنيسة المهد}}<br/>{{Lang|en|Church of the Nativity}}
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}}
{{世界遺産概要表
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|site_img_capt = メンジャー広場より望む聖誕教会
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|area=2.98 [[ヘクタール|ha]]　（緩衝地域 23 ha）
|ja_name = イエス生誕の地 :</br>ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路
|en_name = Birthplace of Jesus: Church of the Nativity and the Pilgrimage Route, Bethlehem
|fr_name = Lieu de naissance de Jésus : l’église de la Nativité et la route de pèlerinage, Bethléem 
|country = パレスチナ
|criterion_c = (4),(6)
|rg_year = 2012年
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|org_url = http://whc.unesco.org/en/list/1433/
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'''降誕教会'''（こうたんきょうかい、{{Lang-he|כנסיית המולד}}, {{Lang-ar|كنيسة المهد}}, {{Lang-en|Church of the Nativity}}）は、[[パレスチナ]][[ベツレヘム県]][[ベツレヘム]]に位置する[[キリスト教]]の[[教会]]である。'''聖誕教会'''ともいう。2012年に[[ユネスコ]]により[[世界遺産]]（[[危機にさらされている世界遺産|危機遺産]]）に登録された。

== 概要 ==
[[イエス・キリスト]]が生まれたと伝承される洞穴を中心として、その上に立てられている[[聖堂]]を、[[カトリック教会|ローマ・カトリック]]（[[フランシスコ会]]）、[[東方正教会]]、[[アルメニア使徒教会]]が区分所有する。

== 歴史 ==
[[コンスタンティヌス1世]]の時代に、[[イエス・キリスト]]が生まれたとされていた洞穴の上に[[聖堂]]の建設が始められ、[[339年]]に完成した。この聖堂は6世紀の火災で失われ、[[モザイク]]の床がわずかに現存するのみである。再建は[[ユスティニアヌス1世]]の時代に行われ、この6世紀の聖堂が基本的に現存する聖堂に受け継がれている<ref name = ICOMOS_p2>ICOMOS (2012) p.2</ref>。

生誕教会に隣接して[[カトリック教会|ローマカトリック教会]]（[[フランシスコ会]]）により'''聖カテリナ教会'''（St. Catherine's Church, Bethlehem）が1882年に建てられ、その後モダンな教会堂に改築され、現在[[クリスマス・イヴ]]に世界へ向けて[[テレビ放送]]される生誕記念の[[ミサ]]はそこで行われる。  <ref> [http://www.tripadvisor.com/ShowUserReviews-g293978-d1754301-r185925684-The_Church_of_St_Catherine-Bethlehem.html The Church of St Catherine: Midnight Mass beamed from Bethlehem on Christmas Eve (2013)] </ref>  <ref> [http://www.egami.ne.jp/hiroko/%E6%97%85%E8%A1%8C/2013/12/%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E7%94%9F%E8%AA%95%E3%81%AE%E5%9C%B0.html キリスト生誕の地（2013年）] </ref>

[[2002年]]、パレスチナ・ゲリラが立てこもり、イスラエル軍が包囲。包囲は約一ヶ月続き、その間ゲリラを匿った聖職者たちにも水などの必要物資の供給が十分でなく、国際的な問題となった。

== 世界遺産 ==
降誕教会と関連する資産群は、2011年に[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]に加盟した[[パレスチナ自治政府|パレスチナ]]により、通常の[[世界遺産]]の登録のプロセスではなく、「緊急の保護を要する物件」として世界遺産（[[危機遺産]]）に申請されていた<ref name = nishi>西 (2012) pp.50-51</ref><ref name = inaba>稲葉 (2013) p.22</ref>。しかしながら、そもそもパレスチナがユネスコに加盟すること自体にアメリカやイスラエルからの強い反発があったため、当初は登録を困難視する見方もあった<ref>{{Cite news
|url=http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012062602000111.html
|title=世界遺産申請を初審査　パレスチナの聖誕教会　登録は困難な情勢
|work=TOKYO Web
|newspaper=[[東京新聞]]
|date=2012-06-26
|accessdate=2012-06-30
}}</ref>。実際にユネスコの諮問機関である[[ICOMOS]]は、パレスチナによる申請は緊急の保護を要する類のものではないとして、登録の見送りを事前に勧告していた<ref name = nishi /><ref name = inaba />。

しかし、[[ロシア]]の[[サンクトペテルブルク]]で開催された第36回[[世界遺産委員会]]において、本物件の登録審議を行うことが認められ、[[秘密投票]]によって委員会を構成する21カ国のうち3分の2以上の賛成投票を得ることとなり、世界遺産への登録が認められた<ref name = nishi />。またそれと同時にイスラエルによる反対動議も却下された<ref name=jiji20120629>{{Cite news
|url=http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012062901122
|title=パレスチナに初の世界遺産＝キリスト聖誕教会－ユネスコ
|work=時事ドットコム
|newspaper=[[時事通信]]
|date=2012-06-29
|accessdate=2012-06-30
}}</ref>。これはパレスチナ初の世界遺産登録であり、教会の主権、およびベツレヘムの地がパレスチナのものであることをユネスコが認めた意味合いもあるため<ref>{{Cite news
|url=http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120629-OYT1T01583.htm
|title=聖誕教会、世界遺産に登録…パレスチナが申請
|work=YOMIURI ONLINE
|newspaper=[[読売新聞]]
|date=2012-06-29
|accessdate=2012-06-30
}}</ref>、イスラエルと緊密な関係を持つアメリカのユネスコ離れが加速するとの見方がある<ref name=jiji20120629 />。なお、アメリカは国内法に基づき、パレスチナが加盟したユネスコへの分担金拠出を停止しているため、委員会では[[世界遺産基金]]の深刻な財源不足についても審議された<ref name = nishi /><ref name = inaba />。

=== 構成資産 ===
推薦されたのは以下の構成要素である<ref>ICOMOS (2012) pp.2-3</ref>。
* 降誕教会
* [[アレクサンドリアのカタリナ|アレクサンドリアの聖カタリナ]]教会
* フランシスコ会・アルメニア使徒教会・ギリシア正教会の各修道院
* 聖カタリナ教会・フランシスコ会修道院・ギリシア正教会修道院の各[[鐘楼]]
* 降誕教会に隣接する階段状の庭園の遺構
* [[エルサレム]]から[[ベツレヘム]]に至る巡礼路の一部

緩衝地域はベツレヘムの旧市街である<ref>ICOMOS (2012) p.3</ref>。

=== 登録基準 ===
{{世界遺産基準|4|6}}

=== 登録名 ===
世界遺産としての公式な登録名はBirthplace of Jesus: Church of the Nativity and the Pilgrimage Route, Bethlehem（英語）、Lieu de naissance de Jésus : l’église de la Nativité et la route de pèlerinage, Bethléem（フランス語）である。その日本語訳は、資料によって若干の揺れがある。
* イエス生誕の地 : ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路（日本ユネスコ協会連盟、[[世界遺産アカデミー]]）<ref>日本ユネスコ協会連盟 (2013) 『世界遺産年報2013』[[朝日新聞出版]]、p.18、世界遺産アカデミー監修 (2013) 『世界遺産検定公式過去問題集2・1級 2013年版』[[マイナビ]]、p.109</ref>
* イエス生誕の地 : ベツレヘムの聖誕教会と巡礼の道（西和彦）<ref>西和彦 (2012) p.49</ref>
* イエス生誕の地 : ベツレヘムのキリスト聖誕教会と巡礼路（なるほど知図帳）<ref>[[谷治正孝]]監修 (2013) 『なるほど知図帳 世界2013』[[昭文社]]、p.136</ref>
* イエスの生誕地 : ベツレヘムの聖誕教会と巡礼の道（[[古田陽久]]）<ref>[[古田陽久]] [[古田真美]] (2012) 『世界遺産ガイド - 世界遺産条約採択40周年特集』シンクタンクせとうち総合研究機構</ref>
* キリスト生誕地 : ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路（今がわかる時代がわかる世界地図）<ref>[[正井泰夫]]監修 (2013) 『今がわかる時代がわかる世界地図2013年版』[[成美堂出版]]、p.140</ref>

== 出典 ==
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* [[国際記念物遺跡会議|ICOMOS]], ''{{pdf|[http://whc.unesco.org/archive/advisory_body_evaluation/1359.pdf Church of the Nativity, Bethlehem (Palestine) / Église de la Nativité, Bethléem (Palestine)]}}'' 
* 稲葉信子 (2013) 「第36回世界遺産委員会報告」（日本ユネスコ協会連盟『世界遺産年報2013』[[朝日新聞出版]]）
* 西和彦 (2012)「第三六回世界遺産委員会の概要」（『月刊文化財』平成24年11月号）

== 関連項目 ==
{{Commonscat|Church of the Nativity}}
* [[初期キリスト教美術]]

{{DEFAULTSORT:こうたんきようかい}}
[[Category:パレスチナの歴史]]
[[Category:イスラエルの歴史]]
[[Category:イスラエルの教会堂]]
[[Category:正教会の聖堂]]
[[Category:エルサレム正教会]]
[[Category:カトリック教会の聖堂]]
[[Category:非カルケドン派の聖堂]]
[[Category:アルメニア使徒教会]]
[[Category:ベツレヘム]]
[[Category:パレスチナの世界遺産]]
[[Category:世界遺産 か行]]
[[Category:2012年登録の世界遺産]]
[[Category:キリスト教建築物の世界遺産]]
[[Category:道の世界遺産]]
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{{Link FA|hr}}