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金貨
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'''金貨'''(きんか)とは、[[金]]を素材として作られた[[貨幣]]。[[銀貨]]・[[銅貨]]とともに、古くから世界各地で流通した。 == 特徴・変遷 == [[Image:Fiorino 1347.jpg|right|thumb|240px|近代貨幣制度を確立したフローリン金貨]] [[Image:Sovereign George III 1817 641656.jpg|240px|thumb|金本位制を確立したイギリス1817年銘のソブリン金貨]] 金は、 * 美しい黄色の[[光沢]]を放ち、見栄えがいいこと * 希少性があり偽造が難しいこと * 柔らかく加工しやすいこと * 化学的に極めて安定しており、日常的な環境では錆びたり腐食したりしないこと などの理由で、古来、世界各地で貨幣の材料として使用されてきた。例えば[[古代ローマ]]の[[ソリドゥス金貨]]などである。 ただし、純粋な金は、[[流通]]を前提とした[[硬貨]]として使用するには柔らかすぎるため、通常は、[[銀]]や[[銅]]などの他の[[金属]]との[[合金]]が用いられる。古代社会においては、[[エレクトロン貨|エレクトラム]]と言われる、金、銀、[[白金]]などの自然合金が用いられた。近代社会では、[[日本]]や[[アメリカ合衆国]]を始め、一般的には90[[パーセント|%]]の金と10%の銀または銅の合金が用いられた。[[イギリス]]では、22[[カラット]](金91.67%)の標準金と呼ばれる合金で[[ソブリン金貨]]が、[[1817年]]から本位金貨として鋳造された。また、流通を目的としない近年の[[地金型金貨]]、[[収集型金貨]]には純金製の物も存在する。 中世の西欧では長らく[[銀本位制]]で[[銀貨]]が鋳造されていたので金貨が鋳造されず、東方との貿易などで得られる[[東ローマ帝国]](ビザンツ)の[[ソリドゥス金貨|ノミスマ金貨]]([[ビザント]])やイスラム圏の[[ディナール]]金貨が使用されるのみだった。ところが[[十字軍]]を契機に金貨への関心を強め、[[ラテン帝国]]で金貨を鋳造し始めたのを皮切り[[1252年]]の[[フィレンツェ共和国]]で[[フローリン金貨]]を、[[ジェノヴァ共和国]]がジェノヴァ金貨([[:it:Genovino|Genovino]])を、[[ヴェネツィア共和国]]で[[1284年]]に<!--英語版によれば1284年-->[[ゼッキーノ]]金貨(ドゥカートまたはダカット:[[:en:Ducat|Ducat]])と呼ばれる金貨が鋳造された。フローリン金貨とゼッキーノ金貨この2つの金貨が優劣を競った。これらの金貨はともに品位は.875で、56[[グレーン]](54トロイグレーン)の量目を有していた<!--当初の品位は875であり、近代になって986に改鋳。54グレーンはトロイグレーン 出典 A.Del Mar, History of monetary system. 1895 p116~p117 (意見はノートに)-->。ドゥカート金貨はその後も現在に至るまで発行が続けられ(もちろん現在は収集用であるが)、近代になってからは、より純度の高い.986という品位で鋳造されている。 金貨の世界的な流通は、やがて「金製の貨幣」としての貨幣価値にとどまらず、金という物質そのものと経済を連動させる[[金本位制]]に発展した。この金本位制は[[1816年]]にイギリスで世界最初に確立された。 金本位制が崩れた現在、法定の平価に相当する額面価値分の金を含有した[[本位金貨]]は発行されていない。 現在発行されている金貨は、以下のいずれかに分類される<ref>『日本貨幣収集事典』 、原点社、2003年</ref>。 ; 通貨型金貨 : [[金融機関]]において額面で[[両替]]により発売される。額面は金地金の価格より高く設定され、[[補助貨幣]]的な性格を有する。日本では10万円および5万円の[[記念金貨]]がこの形式で発売されたが、世界的にはほとんど例を見ない。 ; 地金型金貨 : 含有する金地金の市場価格に若干[[付加価値|プレミアム]]をつけて発売され、市場価格に連動して時価取引される。額面は金地金の価格より低く設定される。[[南アフリカ共和国|南アフリカ]]、[[カナダ]]、[[中華人民共和国|中国]]およびアメリカなど主要な産金国を中心に発売されている。 ; 収集型金貨 : 金地金の価格および額面を超える固定価格で発売される。額面は金地金の価格より低く設定される場合が多い。市場における取引価格は[[収集]]家、あるいは貨幣商の間の市場価格により決まる。[[近代オリンピック|オリンピック]]大会など国家的な行事を記念して発売されることが多い。 == 日本における変遷 == === 前近代 === 日本では、[[淳仁天皇]]の[[天平宝字]]4年([[760年]])に[[開基勝宝]](かいきしょうほう)という金銭が発行されている。1枚で、銀銭10枚に相当させている(『[[続日本紀]]』)。しかし金銀銭は実際には殆ど流通せず、中世まで金銀は[[秤量貨幣]]として通用しており、[[砂金]]のままで使用されることも多かった。産地の偏在から、銀が西日本中心に使用されたのに対し、金は東日本中心に使用された。 金は銀に先駆けて[[計数貨幣|定位貨幣]]として整備されていった。[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]には、[[甲州金]]が発行された。流通貨幣ではないが、[[豊臣秀吉]]が作った[[天正大判]]は、表面積が世界最大級の金貨である([[2004年]]10月に1000[[トロイオンス]]の[[ウィーン金貨]]が発売されるまでは世界一だった)。 [[江戸時代]]に入ると本格的な全国流通を前提とした[[小判]]、[[一分金|一分判]]など定位金貨の発行が幕末期まで継続し、当初は秤量貨幣として発足し江戸時代末期になってようやく定位銀貨が受け入れられてきた銀貨とは対照的である。 === 近代の本位貨幣 === ''詳細は[[日本の金貨]]および[[新貨条例]]を参照'' [[画像:5 Yen gold coin 1873.jpg|right|thumb|240px|新貨条例により登場した本位金貨<br />明治6年銘5円金貨]] [[明治|明治時代]]に導入された通貨単位の[[円 (通貨)|圓(円)]]は[[金]]の量目をもって規定され、[[1871年]]より1・2・5・10・20円金貨が発行された。[[国立銀行券]]や[[日本銀行券]]などの[[紙幣]]は兌換紙幣として、金貨との引換保証によって価値を担保した。ただし実際には引当金貨が充分でなかったり、あるいは法令で金兌換が停止されたりすることが多く、必ずしも実質的に兌換が保証されていたわけではない。その後[[1897年]]の[[貨幣法]]による新金貨は、金重量を半減した5・10・20円金貨のみとなり、旧金貨は倍額面での通用とされた。新金貨は昭和初期の[[金解禁]]停止に伴う兌換停止まで製造発行された。以後、本位金貨の発行はない。これらの[[日本の金貨|新旧の本位金貨]]は[[1987年]]制定、[[1988年]]4月施行の[[通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律]]によって正式に廃止された。([[一円硬貨]]、[[五円硬貨]]、[[十円硬貨]]を参照) === 記念金貨 === [[1986年]]に発行された[[天皇陛下御在位六十年記念硬貨|「天皇陛下御在位60年記念」10万円金貨]]は、久し振りに発行された金貨であったが、[[強制通用力]]は他の貨幣同様20枚(200万円分)までしか有していない。この金貨は収集型金貨を前提としているにも関わらず、10万円もの高額な額面の上に1000万枚という大量の発行枚数が額面販売され、さらには翌年に同デザインで年銘のみを変えて追加発行されるなど、この種の貨幣では世界的にも他に例を見ない異例ずくめの硬貨であった。一時は金貨引換権抽選券が高額で取引されるほどの人気を見せたが、実際の引換は低調であり、未引換のまま鋳潰されるものが発生した。また、後にその額面と使用地金の少なさ (20g) に付け込んだ[[偽造]]金貨などの問題([[天皇陛下御在位六十年記念硬貨#大量偽造事件|天皇陛下御在位60年記念金貨大量偽造事件]])が発生した。 [[1991年]]に発行された「天皇陛下御即位記念」10万円金貨では、重量が30gに増量され、発行枚数は200万枚とされた。[[1993年]]の「皇太子殿下御成婚記念」金貨では、額面5万円に対して重量が18gとされる。発行枚数は同じく200万枚。 以上の金貨は額面価格で引き換えられたが、[[1997年]]の「長野オリンピック記念」金貨以降、額面は1万円とされ、額面を上回る価格の地金が用いられ、さらに地金価格を上回る価格で発売されるという、一般的な収集型金貨の形態を取るようになった。それ以前から[[プルーフ貨幣|プルーフ加工]]を施した貨幣を額面を上回る価格で販売することは行われていたが、長野オリンピック記念金貨以降は発行金貨の全てがプルーフ貨としてプレミアム販売されている。発行枚数も[[1999年]]発行の「天皇陛下御在位10年記念」金貨の20万枚を例外として、他は1種10万枚以下の発行枚数である(ただし長野オリンピック記念金貨は3種を5万5千枚ずつ発行)。 == 参考文献 == {{reflist}} ==関連項目== {{commons|Category:Gold coins|金貨}} * [[地金型金貨]] * [[収集型金貨]] * [[金本位制]] * [[本位貨幣]] * [[金地金]] * [[日本の金貨]] * [[質屋]] * [[古物商]] * [[貨幣学]] * [[記念貨幣]] * [[金券ショップ]] * [[ダリク]] {{DEFAULTSORT:きんか}} [[Category:硬貨]] [[Category:貨幣学]] [[Category:金属器]] [[Category:金貨|*]]
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