郭泰源のソースを表示

{{Infobox baseball player
|選手名             = 郭 泰源
|選手写真ファイル名 = HAWKS83-Tai-Yuan Kuo.jpg
|写真のコメント = 2014年8月14日　福岡ヤフオク!ドーム
|写真サイズ = 275
|所属球団           = 福岡ソフトバンクホークス
|役職               = コーチ
|背番号             = 83
|国籍               = {{ROC-TW}}
|出身地             = [[台湾省]][[台南市]]
|生年月日           = {{生年月日と年齢|1962|3|20}}
|没年月日           = 
|身長               = 180
|体重               = 72
|利き腕             = 右
|打席               = 右
|守備位置           = [[投手]]
|プロ入り年度       = 
|ドラフト順位       = 
|初出場             = 1985年4月8日
|最終出場           = 1997年10月5日
|経歴               = <nowiki></nowiki>
* 長栄高校
* [[合作金庫銀行|合作金庫]]
* [[中華民国陸軍]]野球部
* [[埼玉西武ライオンズ|西武ライオンズ]] (1985 - 1997)
|経歴補足題         = 監督・コーチ歴
|経歴補足           = <nowiki></nowiki>
* [[米迪亜ティー・レックス|誠泰コブラズ]] (2004 - 2005)
* [[福岡ソフトバンクホークス]] (2013 - )
|代表チーム         = {{Flagicon|TPE}} [[野球中華民国代表|チャイニーズタイペイ]]
|五輪               = [[ロサンゼルスオリンピック (1984年) における野球競技|1984年]]
}}
{{中華圏の人物
|名前= 郭泰源
|画像= 
|画像の説明= 
|出生= [[1962年]][[3月20日]] 
|出身地= [[台湾]][[台南市]]
|職業= 元[[野球選手]]（[[投手]]）
|簡体字= 郭泰源
|繁体字= 郭泰源
|ピン音= 
|和名= かく たいげん
|発音= 
|英語名= Tai-Yuan Kuo
}}
{{MedalTop}}
{{MedalSport|男子 [[野球]]}}
{{MedalBronze|[[ロサンゼルスオリンピック (1984年)|1984]]|野球}}
{{MedalBottom}}

'''郭 泰源'''（かく たいげん、クォ・タイユアン、[[1962年]][[3月20日]] - ）は、[[台湾]]の[[台南市]]出身の元[[プロ野球選手]]（[[投手]]）。右投げ右打ち。現役時代の[[愛称]]は'''オリエンタル・エクスプレス'''<ref name="base_20070319_33">「最強日本代表をつくろう！　台湾というアウェーへようこそ　オリエンタル・エクスプレスからの招待状　郭泰源・台湾代表監督」『週刊ベースボール』、ベースボール・マガジン社、2007年3月19日号、P.33</ref>、'''オリエント・エクスプレス'''<ref name="base_19880704_23">「『必殺仕事人』大田卓司のこの男を斬る！　そろそろ台湾選手を外人枠の対象からはずしてもいいのでは？」『週刊ベースボール』、1988年7月4日号、P.23</ref>。2013年から[[福岡ソフトバンクホークス]]一軍投手コーチを担当。

== 経歴 ==
=== アマチュア時代 ===
[[台南市]]の農家で兄、姉それぞれ3人ずつの7人兄弟の末っ子として生まれる<ref name="houchi_1984">『報知新聞』1984年8月2日付、1面</ref>。小学校5年生の時に野球を始め、クラブが全寮制だったため親元を離れた<ref name="asahi_19850606">『朝日新聞』、1985年6月6日付 朝刊、P.3</ref>。台南長栄中から長栄高等中学に進み、2年生の時に[[遊撃手]]から[[投手]]に転向している<ref name="houchi_1984"/>。この頃、初めて郭を見に来たプロのスカウトが[[埼玉西武ライオンズ|西武]]の人間だったという<ref name="base_19971215_143">「郭泰源(西武ライオンズ)素晴しい環境を与えてくれた日本の球界には、深く感謝しています ('97引退選手リレー・インタビュー『燃え尽きて』〔5〕)」『週刊ベースボール』、1997年12月15日号、P.143</ref>。高校卒業後は[[合作金庫銀行|合作銀行]]に入り、[[1982年]]には[[中華民国陸軍]]野球部に入隊<ref name="houchi_1984"/>。同年の[[IBAFワールドカップ|第27回IBAFワールドカップ]]で[[野球中華民国代表|チャイニーズタイペイ代表]]として活躍し、各国のスカウトの注目を集める。

{{by|1983年}}の[[アジア野球選手権大会]]では準決勝の対[[野球大韓民国代表|韓国]]戦で17回を無失点に抑え、さらに決勝の対[[野球日本代表|日本]]戦では[[池田親興]]との投げ合いを2安打1四球の[[完封]]で制し<ref name="asahi_19850126">『朝日新聞』、1985年1月26日付 夕刊、P.3</ref>、同大会の優勝とそれによる翌年の[[ロサンゼルスオリンピック (1984年)|ロサンゼルスオリンピック]]出場権獲得に大きく寄与した。一時は[[メジャーリーグベースボール|MLB]]の[[セントルイス・カージナルス|カージナルス]]や[[ニューヨーク・メッツ|メッツ]]、[[ロサンゼルス・ドジャース|ドジャース]]、[[トロント・ブルージェイズ|ブルージェイズ]]、[[日本プロ野球|NPB]]の[[読売ジャイアンツ|巨人]]や西武、[[中日ドラゴンズ|中日]]、[[東京ヤクルトスワローズ|ヤクルト]]、[[横浜DeNAベイスターズ|大洋]]などが獲得を検討するほどだった<ref name="houchi_1984"/>。

{{by|1984年}}のロサンゼルスオリンピックにもチャイニーズタイペイ代表として参加し、この頃には入団先は巨人と西武に絞られていた<ref name="houchi_1984"/>。予選リーグの対[[野球アメリカ合衆国代表|アメリカ]]戦では最速158km/hを投げたと報じられ<ref name="base_19840820">『週刊ベースボール』、1984年8月20日号、グラビア</ref>、108球を投げて12奪三振で[[完投]]するも、7回に[[ジョン・マーザノ]]に[[本塁打]]を打たれて2失点で敗れている。準決勝の対[[ロサンゼルスオリンピック (1984年) 野球日本代表|日本]]戦では1回に[[広澤克実|広沢克己]]の打球が右すねを直撃する不運があり<ref name="takarajima_1545_65">『別冊宝島』、宝島社、1545号、P.65</ref>、4回2/3を投げて6安打、1失点で降板し、チームも延長の末1対2で敗れた。最終的に台湾は銅メダルを獲得し、郭自身は[[契約金]]8000万円（推定）で西武への入団が決まった<ref name="asahi_19850126"/>。

=== プロ野球選手時代 ===
プロ1年目の{{by|1985年}}は自主トレの投球練習から[[広岡達朗]]や[[宮田征典]]の高い評価を受け<ref name="asahi_19850126"/>その後も広岡の厳しいキャンプに耐え<ref name="base_19971215_142"/>、初登板となった[[4月10日]]の対[[大阪近鉄バファローズ|近鉄]]戦でいきなり完投勝利を挙げる。これでプロで投げていく自信がついたといい<ref name="base_19971215_142">週刊ベースボール、1997年12月15日号、P.142</ref>、4月は3完投で2勝0敗、[[防御率]]は0.32という好成績で[[月間MVP (日本プロ野球)|月間MVP]]を受賞<ref name="monthly_MVP">[http://www.pacific.npb.or.jp/bluebook/blumonth.html パ・リーグ月間MVP記録]</ref>。[[6月4日]]には対[[北海道日本ハムファイターズ|日本ハム]]戦で[[ノーヒットノーラン]]を達成し、同年はシーズン途中で肩を痛めて<ref name="base_19971215_142"/>登板15試合にとどまりながら9勝を挙げている。

2年目の{{by|1986年}}はキャンプ終盤まで肩痛が残っており、肩を心配した新監督の[[森祇晶]]の方針で開幕から[[リリーフ|抑え]]に回り<ref name="base_19971215_142"/>、16[[セーブ]]を記録。9月頃からは先発に戻り、[[1986年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]では第3戦の先発でシリーズ初登板を経験し、4回2/3を投げ4失点で敗戦投手となった。第7戦では6回途中に[[松沼博久]]が[[本塁打]]を打たれた場面から救援で3回1/3を投げ、シリーズ初セーブを挙げている。

{{by|1987年}}は[[先発ローテーション]]に定着し、自身初の二桁勝利となる13勝を挙げる。肩痛で一時チームを離れた<ref name="Number_19880320_63">「レオ戦士は語る」『Number』、文藝春秋社、1988年3月20日号、P.63</ref>が、[[1987年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]第3戦では[[江川卓 (野球)|江川卓]]との投手戦を1失点の完投で制し、シリーズ初勝利を挙げた。子供の頃から台湾のヒーローだった[[王貞治]]監督率いる巨人が相手だったため、喜びが倍増したという<ref name="Number_19880320_63"/>。オフには[[森繁和]]と共に台湾で[[漢方薬]]や[[温泉]]、運動療法などによる肩のケアを行なった<ref name="base_19880704_25">『週刊ベースボール』、1988年7月4日号、P.25</ref>。

{{by|1988年}}はシーズン初先発の[[4月10日]]の対[[福岡ソフトバンクホークス|南海]]戦で8回を投げて12安打、6失点の内容ながら9点の援護をもらって勝利を挙げると<ref name="base_19880704_22">『週刊ベースボール』、1988年7月4日号、P.22</ref>、そのまま[[6月25日]]の対[[千葉ロッテマリーンズ|ロッテ]]戦まで12試合に先発して10勝0敗という好スタートを切った<ref name="base_19880905_23">「“狂った夏”にふさわしい？4つのベースボール・ミステリー　また出た郭の“イタイイタイ病”。森監督どうする？」『週刊ベースボール』、1988年9月5日号、P.23</ref>。この間、[[5月21日]]には対日本ハム戦で[[西崎幸広]]と投げ合い、187球を投げて延長12回を完投し引き分けに持ち込んでいる<ref name="base_19880704_22"/>。また6月には全て完投で4勝を挙げ、防御率1．25で2度目の月間MVPに選ばれている<ref name="monthly_MVP"/>。シーズン前半は最多勝争いを独走し、[[1988年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスターゲーム]]では同年セ・リーグでブレイクした[[呂明賜]]との台湾人対決が期待された<ref name="base_19880905_23"/>が、[[7月8日]]の対南海戦で延長11回を完投して負けた直後にヒジ痛を訴えてオールスターには推薦されなかった。オールスター後の[[8月4日]]の対近鉄戦では1失点で完投勝利を挙げたが[[8月11日]]にヒジ痛のため登録を抹消され<ref name="base_19880905_23"/>、最終的に前年と同じ13勝となり初タイトルとなる[[最高勝率 (野球)|最高勝率]]を獲得している。[[1988年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]では第2戦に先発し、7回まで3失点に抑えるも8回に4点を失い敗戦投手となった。この試合では7回から[[郭源治]]が登板し、台湾人同士の投げ合いが実現している。

{{by|1989年}}は引退した[[東尾修]]に代わるエースとしての活躍が期待され<ref name="base_19890123_25">「郭泰源＆呂明賜の一大決意報告　『郭源治に続くのはオレたちだ！』」『週刊ベースボール』、1989年1月23日号、P.25</ref>、自己最多となる26試合に先発し198回1/3を投げてリーグ3位の防御率3.27となった。なお、[[6月7日]]の対ロッテ戦では初めて[[荘勝雄]]との先発対決が実現し、0対1で敗れている。同年は自身最低の10敗（10勝）となった<ref name="base_19900205_37">「'90ライバルのいる風景　5回　郭源治ｖｓ荘勝雄ｖｓ郭泰源　異国での仲間意識と“台湾No.1”を巡る競争意識と…」『週刊ベースボール』、1990年2月5日号、P.37</ref>が、チームトップの防御率が評価されて10％増の年俸6,600万円（推定）で契約を更改している<ref name="base_19900205_37"/>。翌{{by|1990年}}は初めて[[1990年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスターゲーム]]に出場し、第1戦で1イニングを投げてパ・リーグの完封リレーの一翼を担っている。同年はヒジや肩の故障で4年ぶりに[[規定投球回]]を割り込んだ<ref name="Number_19911120_59">「SPECIAL INTERVIEW ヒジの調子が悪くて、いつものスライダーが放れなかった。でも、それを切り抜けるのがエースだと思う」『Number』、1991年11月20日号、P.59</ref>が、18試合で9勝を挙げた。[[1990年の日本シリーズ|日本シリーズ]]では第4戦に先発して6回を3失点に抑え、3年ぶりにシリーズでの勝利を挙げている。

{{by|1991年}}のキャンプでは同じ投手の[[レイモンド・ヤング]]が競争相手となったが、[[5月5日]]の対近鉄戦ではシーズンベストの投球内容<ref name="Number_19911120_58">『Number』、1990年11月20日号、P.58</ref>で1失点完投。オールスター前には5連敗するも、同期間の調整が効を奏して[[7月30日]]の対ロッテ戦から[[9月28日]]の対[[オリックス・バファローズ|オリックス]]戦まで<ref name="pacific_pitcher">[http://www.pacific.npb.or.jp/bluebook/blu_crecords5.html パ・リーグ 投手の連続記録]</ref>、パ・リーグ歴代2位<ref>歴代1位は{{by|1978年}}に鈴木啓示が記録した10試合連続。</ref>となる9連続完投勝利を記録した。この間の8月、9月はいずれも無敗の4完投勝利、防御率もそれぞれ2.00、1.00という好成績をおさめて2ヶ月連続で月間MVPを受賞し、[[渡辺智男]]や[[工藤公康]]の一時離脱<ref name="Number_19911120_58"/>を十分カバーしている。また同年は優勝を争った[[大阪近鉄バファローズ|近鉄]]に対して防御率0.78で7勝1敗と好投して優勝の原動力となり<ref name="Number_19911120_59"/>、[[最優秀選手 (野球)|MVP]]や[[ベストナイン (日本プロ野球)|ベストナイン]]に輝いた。一方、[[1991年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]ではヒジの疲労もあって<ref name="Number_19911120_59"/>第2戦では4回1/3を投げて4失点で敗れている。第6戦では5回を1失点に抑え、継投した[[石井丈裕]]が勝利投手となった。

{{by|1992年}}は[[7月12日]]の対近鉄戦で腰痛を訴えて途中降板し、これを理由に[[1992年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスターゲーム]]を直前で辞退した<ref>毎日新聞、1992年7月22日付朝刊、P.21</ref>。これについて他球団から[[仮病]]の疑いを指摘されて物議を醸し、球団側が自主的に後半戦開始直後の10試合をベンチから外している。シーズン終盤の[[8月21日]]の対オリックス戦から[[9月8日]]の対日本ハム戦まで、パ・リーグタイ記録となる3試合連続完封勝利<ref name="pacific_pitcher"/><ref>{{by|1972年}}の[[清俊彦]]以来、20年ぶりの記録。</ref>を挙げるなど、同年は14勝を挙げた。この年は2年連続となる[[ゴールデングラブ賞]]を受賞している。[[1992年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]では第2戦に先発し、6回1/3を無失点に抑えて勝利投手となっている。オフには3,000万円増の年俸1億3,000万円（推定）で契約を更改した<ref>毎日新聞、1992年12月26日付朝刊、P.17</ref>。

{{by|1993年}}は3年ぶりに二桁勝利に届かず、8勝8敗に終わる。[[1993年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]では第2戦に先発するも2回0/3で8安打4失点と打ち込まれて敗れたが、第6戦の先発では6回を3安打無失点に抑える好投で勝利投手となっている。またオフには台湾人女優の[[張瓊姿]]と結婚し、これを契機に張は女優業を引退した<ref name="base_19971215_140">『週刊ベースボール』、1997年12月15日号、P.140</ref>。

{{by|1994年}}は打ち込まれる試合が続くも、打線の援護に恵まれ、開幕から9連勝を飾る。[[5月17日]]の対日本ハム戦で完封で通算101勝目を挙げ、外国人選手としてNPBの通算最多勝利記録を更新した<ref>従来の記録は[[ジョー・スタンカ]]と[[ジーン・バッキー]]の100勝</ref>。シーズン通算では規定投球回に達した投手の中でリーグ最低の防御率4.98ながら、13勝5敗で自身2度目となる最高勝率のタイトルを獲得。[[1994年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]では第4戦に先発し、2回2/3を5安打2失点の内容で降板した。

{{by|1995年}}は[[伊良部秀輝]]と[[最優秀防御率 (日本プロ野球)|最優秀防御率]]のタイトルを最後まで争ったが、シーズン終盤に右手首を痛めて伊良部と0.01差の防御率2.54で惜しくもタイトルを逃している<ref name="base_19971215_142"/>。この手首の故障が大きな原因となり、翌{{by|1996年}}は0勝6敗に終わった。なお、同年オフには外国人選手として初めて[[フリーエージェント (日本プロ野球)|FA]]権を取得、規定により[[外国人枠 (日本プロ野球)|外国人枠]]から外れている。{{by|1997年}}も復活する事なく、9月に現役引退を決めた<ref name="base_19971215_140"/>。[[西武ドーム|西武球場]]最終戦となる[[10月5日]]の対ダイエー戦の先発が引退登板となり、長年チームメイトでもあった[[秋山幸二]]がダイエーの1番打者として出場し、全て直球を投げて中飛に打ち取っている<ref name="base_19971215_140"/>。ちなみにこの時投げたストレートは140km台を記録しているが、この年二軍でも本人が肘などの痛みを訴えて練習らしい練習を殆どしていない中でのこの結果である。これは後年テレビの企画で歴代の外国人選手ついてのインタビューに答えた[[友利結|デニー友利]]が証言している。なお、この試合では秋山の打席を終えると、同じく引退する[[鹿取義隆]]に交代した。

=== 現役引退後 ===
西武退団後は、かねてからの計画通り台湾で1、2年プレーして引退する予定だったが、[[台湾職業棒球大聯盟|台湾大聯盟]]設立など台湾球界の混乱もあってそのまま現役を引退<ref name="base_19971215_140"/>。台湾大聯盟の技術顧問として[[渡辺久信]]を台湾に呼び寄せるなどの活動を経て、{{by|2004年}}から{{by|2005年}}にかけては[[中華職業棒球大聯盟|中華職棒]]・[[米迪亜ティー・レックス|誠泰コブラズ]]の監督を務めた。

{{by|2007年}}[[2月16日]]に台湾代表監督に就任して翌年の[[北京オリンピックにおける野球競技|北京五輪]]出場を目指したが、予選となる[[第24回アジア野球選手権大会|アジア野球選手権]]で[[第24回アジア野球選手権大会日本代表|日本]]、韓国に敗れ3位に終わり出場権を逃した。その責任を取り[[12月14日]]に台湾代表監督を辞任し、後任には[[洪一中]]が就任している。{{by|2009年}}には、同年の[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック・チャイニーズタイペイ代表|第2回WBCチャイニーズタイペイ代表]]の投手コーチを務めた。{{by|2010年}}の[[第5回世界大学野球選手権大会|第5回世界大学野球選手権]]ではチャイニーズタイペイ代表の投手コーチを務めている<ref>毎日新聞、2010年8月5日付朝刊、P.17</ref>。

2013年からは[[福岡ソフトバンクホークス]]の一軍投手コーチを務める<ref>{{Cite web|date=2012年10月29日|url=http://www.softbankhawks.co.jp/news/detail/9251.html|title=2013年　コーチングスタッフについて|publisher=福岡ソフトバンクホークス|accessdate=2012-10-29}}</ref>。
== プレースタイルなど ==
=== 投球 ===
'''オリエンタル・エクスプレス'''という通称の由来となった最速158km/h（プロ入り後の最速は156km/h）の[[速球]]に加え、150km/h近い速度に加えてキレの良い[[スライダー (球種)|高速スライダー]]、[[シュート (球種)|シュート]]を駆使した。[[ロサンゼルスオリンピック (1984年)|ロサンゼルスオリンピック]]で郭と対戦した[[広澤克実]]は「（郭の）当時の速球は、（セーブ数の日本タイ記録を残した）{{by|2007年}}頃の[[藤川球児]]にも劣らない」と評している<ref name="takarajima_1545_64">別冊宝島、1545号、P.64</ref>。また、制球力は西武黄金期の投手陣の中でも1・2を争うほどの良さと言われた<ref name="seibu_57">毎日新聞社・編『西武ライオンズファンブック 1994年度版』、P.57</ref>。[[落合博満]]は「郭泰源の投球は[[野茂英雄]]よりもすごいと思った」と語っている<ref>J-SPORTS『野球好きニュース　マル秘メジャーシーズン2』（2011年12月11日放送）</ref>。

郭自身は、若い時からシュートを一番の武器と考え<ref name="base_19971215_142"/>、シュートの調子が悪い時にはスライダーを多投した<ref name="Number_19911120_58"/>。スライダーは[[カット・ファスト・ボール]]のような軌道で、球速を落とさずに真横に変化して常に低めに決まり<ref name="base_20080623_38">「変化球探求2008　魔球の秘密　伊東勤が体感したすさまじき変化球の世界『郭泰源はスライダーのサインで首を振ったことがなかった!』」『週刊ベースボール』、2008年06月23日号、P.38</ref>、[[三振]]を取るのに非常に有効だったという<ref name="Number_19911120_58"/>。また、スライダーはバッテリーを組んだ[[伊東勤]]にとって西武の全投手の中で最も印象に残ったほどの変化球で、郭はこの球のサインに従わない事が全く無かった<ref name="base_20080623_38"/>という。

{{by|1988年}}には、球が見やすく速球主体の投手が不利とされたデーゲーム<ref name="base_19880704_22"/>で連勝を重ねるなど、来日3年目の{{by|1987年}}頃から変化球をうまく使う投球スタイルを樹立している<ref name="Number_19911120_58"/>。逆に変化するシュートを持つために打者はスライダーに対して踏み込みにくくなり、これに加えて[[カーブ_(球種)|カーブ]]や[[フォークボール]]などの緩い球も有効に使っていた<ref name="base_20080623_38"/>。

=== 調整方法 ===
肩やヒジの負担を抑えるため中6日ないし5日での先発を基本とし<ref name="base_19900205_37"/>、登板翌日は軽く汗を流し2日目もランニング程度、3日目はキャッチボールで4、5日目に80％程度の力で60-70球を投げ、6日目は汗を流す程度で翌日の登板に備える、という調整を行なっていた<ref name="base_19880704_23"/>。

== 台湾人選手として ==
台湾にプロ野球がない時代から[[日本プロ野球]]で活躍した台湾人選手の嚆矢として、[[郭源治]]や[[荘勝雄]]とともに[[二郭一荘]]と並び称された。通算117勝は外国人投手としては歴代最多、NPB全体でも歴代86位（2010年現在）に当たる。体格的に日本人と差がなくプロ野球の経験もない状態で来日しており、またシーズン中の扱いは日本人同様である事などから、台湾人選手にも[[外国人枠 (日本プロ野球)|外国人枠]]の規定を一律に適用する事に対して配慮を願っていた<ref name="base_19880704_24">『週刊ベースボール』、1988年7月4日号、P.24</ref>。

[[台湾職業棒球大聯盟|台湾大聯盟]]の顧問時代には投手コーチを求めて[[東尾修]]に相談して[[渡辺久信]]を選手兼任コーチとして招聘し、[[石井丈裕]]の台湾球界入りも斡旋するなど、台湾球界の発展に大きく貢献した。また、[[許銘傑]]、[[曹竣揚]]ら台湾人選手の日本球界入りをアシストしている。

== 詳細情報 ==
=== 年度別投手成績 ===
{| {{投手成績|リーグ=日本プロ野球}}
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1985}}
|rowspan="13" style="text-align:center;"|[[埼玉西武ライオンズ|西武]]
|15||15||9||'''3'''||0||9||5||0||--||.643||484||117.2||89||14||48||1||4||75||1||0||44||33||2.52||1.16
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1986}}
|39||9||5||1||0||5||7||16||--||.417||450||108.1||93||10||38||'''7'''||0||105||1||0||39||35||2.91||1.21
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1987}}
|22||21||11||2||0||13||4||0||--||.765||640||158.0||136||12||40||6||4||81||2||1||56||53||3.02||1.11
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1988}}
|19||18||15||1||3||13||3||1||--||'''.813'''||583||149.1||113||10||23||3||2||76||0||0||50||40||2.41||0.91
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1989}}
|26||26||14||4||1||10||10||0||--||.500||804||198.1||172||15||49||7||3||117||2||0||78||72||3.27||1.11
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1990}}
|18||17||5||1||0||9||4||0||--||.692||504||119.1||113||14||44||0||2||84||2||0||53||47||3.54||1.32
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1991}}
|24||23||12||'''4'''||1||15||6||1||--||.714||721||184.1||162||17||30||3||1||108||0||0||54||53||2.59||1.04
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1992}}
|23||23||9||3||0||14||4||0||--||.778||661||168.0||128||17||44||5||4||108||1||1||54||45||2.41||1.02
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1993}}
|22||22||4||1||1||8||8||0||--||.500||540||133.1||121||15||26||0||4||88||3||0||56||52||3.51||1.10
|-
|style="text-align:center"|{{by2|1994}}
|27||21||4||2||0||13||5||0||--||'''.722'''||569||130.0||137||23||52||2||3||86||1||0||75||72||4.98||1.45
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1995}}
|22||22||3||2||0||8||6||0||--||.571||642||163.0||131||11||34||2||6||115||0||0||48||46||2.54||1.01
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1996}}
|14||11||1||0||0||0||6||0||--||.000||248||52.1||72||9||22||3||1||26||1||0||48||43||7.39||1.80
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1997}}
|1||1||0||0||0||0||0||0||--||----||1||0.1||0||0||0||0||0||0||0||0||0||0||0.00||0.00
|-
!colspan="2"|通算：13年
|272||229||92||24||6||117||68||18||--||.632||6847||1682.1||1467||167||450||39||34||1069||14||2||655||591||3.16||1.14
|}
* 各年度の'''太字'''はリーグ最高

=== タイトル ===
* [[最高勝率 (野球)|最高勝率]]：2回（1988年、1994年<ref>1994年は勝率1位でありながら、規定投球回数に達した投手の中で防御率は最下位という珍しい記録となっている。</ref>）

=== 表彰 ===
* [[最優秀選手 (野球)|MVP]]：1回（1991年）
* [[ベストナイン (日本プロ野球)|ベストナイン]]：1回（1991年）
* [[ゴールデングラブ賞]]：2回（1991年、1992年）
* [[月間MVP (日本プロ野球)|月間MVP]]：4回（1985年4月、1988年6月、1991年8月、1991年9月）

=== 記録 ===
;初記録
*初登板・初先発・初勝利・初完投勝利：1985年4月8日、対[[大阪近鉄バファローズ|近鉄バファローズ]]2回戦（[[西武ドーム|西武ライオンズ球場]]）、9回1失点
*初奪三振：同上、1回表に[[栗橋茂]]から
*初完封勝利：1985年4月25日、対[[千葉ロッテマリーンズ|ロッテオリオンズ]]5回戦（西武ライオンズ球場）、10回無失点
*初セーブ：1986年4月4日、対[[福岡ソフトバンクホークス|南海ホークス]]1回戦（西武ライオンズ球場）、8回表2死に3番手で救援登板・完了、1回1/3を無失点
;節目の記録
*1000投球回数：1991年9月6日、対近鉄バファローズ21回戦（[[藤井寺球場]]）、3回裏2死目に達成
*100勝：1994年5月10日、対[[オリックス・バファローズ|オリックス・ブルーウェーブ]]4回戦（[[米子市民球場]]）、6回3失点（自責点0）　※史上110人目
*1500投球回数：1995年4月30日、対千葉ロッテマリーンズ6回戦（千葉マリンスタジアム）、6回裏1死目に達成
*1000奪三振：1995年6月23日、対近鉄バファローズ10回戦（西武ライオンズ球場）、6回表に[[中村紀洋]]から　※史上93人目
;その他の記録
* [[オールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスターゲーム]]出場：2回（1990年、1995年）
* [[ノーヒットノーラン]]：1985年6月4日、対[[北海道日本ハムファイターズ|日本ハムファイターズ]]9回戦（[[平和台野球場|平和台球場]]）　※史上54人目<ref>1988年の春のトーナメント大会（オープン戦の一部）でもノーヒットノーランを達成。</ref>

=== 背番号 ===
* '''12''' （1985年 - 1986年）
* '''18''' （1987年 - 1997年）
* '''88''' （2004年 - 2005年）
* '''83''' （2013年 - ）

== 脚注 ==
{{Reflist|2}}

== 関連項目 ==
* [[台湾の人物一覧]]
* [[埼玉西武ライオンズの選手一覧]]
* [[福岡ソフトバンクホークスの選手一覧]]
* [[アジア・オセアニア出身の日本プロ野球外国人選手一覧#台湾|アジア・オセアニア出身の日本プロ野球外国人選手一覧]]
* [[ノーヒットノーラン達成者一覧]]
* [[二郭一荘]]

{{福岡ソフトバンクホークス}}
{{2009 ワールド・ベースボール・クラシック・チャイニーズタイペイ代表}}
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{{パシフィック・リーグMVP}}
{{パシフィック・リーグ最優秀勝率投手}}
{{パシフィック・リーグ ベストナイン (投手)}}
{{パシフィック・リーグ ゴールデングラブ (投手)}}
{{埼玉西武ライオンズ開幕投手|西武ライオンズ}}
}}

{{Good article}}
{{DEFAULTSORT:くお たいゆあん}}
[[Category:台湾の野球選手]]
[[Category:台南市出身の人物]]
[[Category:NPBの台湾人選手|かく たいけん]]
[[Category:埼玉西武ライオンズ及びその前身球団の選手|かく たいけん]]
[[Category:最優秀選手 (NPB)|かく たいけん]]
[[Category:野球監督]]
[[Category:オリンピック野球台湾代表選手]]
[[Category:台湾のオリンピック銅メダリスト]]
[[Category:福岡ソフトバンクホークス関連人物|かく たいけん]]
[[Category:1962年生]]
[[Category:存命人物]]
[[Category:野球に関する記事]]