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'''還元剤'''(かんげんざい、reducing agent、reductant、reducer)とは、[[酸化還元反応]]において他の[[化学種]]を[[還元]]させる[[元素]]または[[分子]]のことである。この際、還元剤は'''酸化'''される。したがって、還元剤は[[電子供与体]]である。 例えば、以下の反応では還元剤はヘキサシアノ鉄(II)酸(ferrocyanide)であり、これが電子供与体となってヘキサシアノ鉄(III)酸(ferricyanide)に酸化され、[[塩素]]は[[塩化物|塩化物イオン]]に還元している。 :[Fe<sup>II</sup>(CN)<sub>6</sub>]<sup>4-</sup> + 1/2 Cl<sub>2</sub> → [Fe<sup>III</sup>(CN)<sub>6</sub>]<sup>3-</sup> + Cl<sup>-</sup> [[有機化学]]においても先述の定義が当てはまるが、特に分子への[[水素]]の付加を還元と呼んでいる。例えば[[ベンゼン]]は[[白金]][[触媒]]によって[[シクロヘキサン]]に還元される。 :C<sub>6</sub>H<sub>6</sub> + 3 H<sub>2</sub> → C<sub>6</sub>H<sub>12</sub> [[無機化学]]では、最も優れた還元剤は水素(H<sub>2</sub>)である。 == 酸化還元反応の例 == 鉄の酸化; :4Fe + 3O<sub>2</sub> → 2Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub> この反応式では、鉄の[[酸化数]]は0から+3に増加し、酸素は0から-2に減少している。それぞれを半反応式で表すと、 * 酸化の半反応式: Fe<sup>0</sup> → Fe<sup>3+</sup> + 3e<sup>−</sup> * 還元の半反応式: O<sub>2</sub> + 4e<sup>−</sup> → 2 O<sup>2−</sup> 鉄は酸化数が増加し、酸素に電子を供給しているため還元剤である。酸素は酸化数が減少し、鉄から電子を受容しているため酸化剤である。 == 主な還元剤 == * 鉄(II)イオン * [[水素化アルミニウムリチウム]] (LiAlH<sub>4</sub>) * [[ナトリウム]]アマルガム * [[水素化ホウ素ナトリウム]] (NaBH<sub>4</sub>) * スズ(II)イオン * [[亜硫酸]]塩 * [[ヒドラジン]] ([[ウォルフ・キッシュナー還元]]) * [[亜鉛]]アマルガム (Zn(Hg)) ([[クレメンゼン還元]]) * [[水素化ジイソブチルアルミニウム]] (DIBAH) * [[シュウ酸]] (C<sub>2</sub>H<sub>2</sub>O<sub>4</sub>) * [[ギ酸]] (HCOOH) == 関連項目 == * [[酸化]] - [[還元]] * [[酸化剤]] * [[有機酸化還元反応]] * [[電気陰性度]] == 外部リンク == * [http://www.usm.maine.edu/~newton/Chy251_253/Lectures/OxidtionReduction/OxiationReduction.html Table summarizing strength of reducing agents] {{DEFAULTSORT:かんけんさい}} [[Category:化学]] [[Category:電気化学]] [[Category:化学反応]] [[Category:還元剤|*]]
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