近鉄21020系電車のソースを表示

{{鉄道車両
|車両名=近鉄21020系電車
|社色=#cc0033
|画像=KINTETSU21020 1.JPG
|pxl=280px
|画像説明=[[真菅駅]] - [[大和八木駅]]間
|両数=6両編成
|起動加速度=2.5<ref name="RP728"/>
|営業最高速度=130<ref name="RP728"/>
|設計最高速度=
|減速度（通常）=4.0<ref name="RP728"/>
|減速度（非常）=
|車両定員=
|編成定員=302名<ref name="RP728"/>
|全長=中間車20,500 mm<br />先頭車21,100<ref name="KINTETSU21020"/>
|全幅=2,800<ref name="RP728"/>
|全高=4,135<ref name="RP728"/>
|車体材質=[[炭素鋼|普通鋼]]<ref name="RP728"/>
|車両重量=
|編成重量=244t<ref name="RP728"/>
|軌間=1,435
|電気方式=[[直流電化|直流]]1,500V<br />（[[架空電車線方式]]）
|駆動装置=[[WN駆動方式|WNドライブ]]<ref name="RP728"/>
|モーター出力=230kW<ref name="RP728"/>
|主電動機=[[三菱電機]] MB-5097 [[かご形三相誘導電動機]]<ref name="RP728"/>
|編成出力=230kW×12=2,760kW<ref name="RP728"/>
|端子電圧=1,050V<ref name="RP728"/>
|歯車比=17:84 (4.94)<ref name="RP728"/>
|制御装置=2レベル[[パルス幅変調|PWM]]制御[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]型[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]]方式<br />三菱電機 MAP-234-15VD102A <br />3300V/1200A/1C2M<ref name="RP728"/>
|台車=KD-314・KD-314A [[鉄道車両の台車史#ボルスタレス台車|ボルスタレス台車]]<ref name="RP728"/>
|ブレーキ方式=[[回生ブレーキ]]併用[[電気指令式ブレーキ]] (KEBS-21A)<br/ >[[抑速ブレーキ]]<ref name="RP728"/>
|保安装置=[[自動列車停止装置#多変周式信号ATS（多変周式（点制御、連続照査型））|近鉄型ATS]]<ref name="RP728"/>
|メーカー= 近畿車輛<ref name="RP728"/>
|
|備考=電算記号：UL<br />{{ブルーリボン賞 (鉄道)|46|2003}}
}}
'''近鉄21020系電車'''（きんてつ21020けいでんしゃ）は、[[近畿日本鉄道]]の[[特急形車両]]。6両編成2本が在籍し、「'''アーバンライナーnext'''」の愛称を持つ<ref name="RP728"/>。

解説の便宜上、本項では[[大阪上本町駅|大阪上本町]]・[[大阪難波駅|大阪難波]]側の先頭車の[[鉄道の車両番号|車両番号]] +F（Formation=編成の略）を編成名として記述する（例：モ21121以下6両編成=21121F）。

== 概要==
[[ファイル:KINTETSU21020 BLUE RIBBON.JPG|thumb|right|ブルーリボン賞受賞プレート]]
[[近鉄21000系電車|21000系「アーバンライナー」]]が登場して15年近くが経過し、[[バリアフリー]]対策および[[受動喫煙]]対策など、社会観点からの要請や変化に対応するために更新工事が必要になった。そして21000系の工場入場時の代替として、[[2002年]]10月に2編成が[[近畿車輛]]で製造された。2002年12月23日に暫定営業開始、2003年3月6日の[[近畿日本鉄道のダイヤ変更#2003年3月6日変更|ダイヤ変更]]から名阪特急で運用開始した<ref name="RM2003-2">『Rail Magazine』（第233号）2003年2月号、2003年2月、 112 - 115頁</ref>。

社会情勢の変化に対応するために客室は全席禁煙となり、喫煙者専用のスペースが新たに編成中3か所に設けられた（2007年9月以降は2か所）。この他、名阪特急に占める女性客の比率が約4割<ref name="RP728">『鉄道ピクトリアル』（第728号）2003年2月号、64 - 69頁</ref>と多いことを勘案して、[[列車便所|トイレ]]を男女別に振り分けた。[[鉄道車両の座席|座席]]は、[[臀部|でん部]]の苦痛を和らげるために新機軸の構造を採用した。ほか、車椅子対応トイレの形状を円弧形にするなど、後の新幹線やJR在来線特急、私鉄特急に引き継がれた設備が多い<ref group="注釈">新幹線N700系、小田急50000形、京成新AE形などに円弧形トイレが採用され、チルト機構の座席も名鉄2000系など各社の車両に採用された。</ref>。

当該系列のコンセプトはそのまま21000系更新の際にも適用され、さらに2009年竣功の[[近鉄22600系電車|22600系]]に対しては一層進化させて引き継がれた<ref>『鉄道ファン』（第583号）2009年11月号、40 - 41頁</ref>。

[[鉄道の車両愛称|車両愛称]]「'''アーバンライナーnext'''」の「next」には「次世代に向けてのアーバンライナーの進化型」という意味が付与されている<ref>『鉄道ファン 』（第502号）2003年2月号、64頁</ref>。

[[2003年]]（平成15年）第46回[[鉄道友の会]][[ブルーリボン賞 (鉄道)|ブルーリボン賞]]、日本産業デザイン振興会選定[[グッドデザイン賞]]受賞<ref name="とれいん2009-1">『とれいん』（第409号）2009年1月号、46 - 57頁</ref>。

[[Image:KINTETSU UL 038.jpg|40px|left|UL]]
近鉄時刻表および駅掲示の時刻表では21000系と同様、当該系列使用列車にはULのロゴタイプが表示される。JTB時刻表では「UL」のローマ字表記で案内される。時刻表では21000系との区別はされず、一体で扱われている。また、近鉄時刻表では車椅子マークも併記される。

=== 電算記号 ===
[[編成 (鉄道)#編成番号|電算記号]]は21000系と同じ'''UL'''だが、番号は21と22が付与されている<ref group="注釈">21020系の編成記号（UL）と番号（21と22）の記載がある。『鉄道ファン』（第574号）2009年2月号、178頁　および同誌（第587号）2010年3月号、166頁</ref>。

== 製造の背景と開発コンセプト ==
[[ファイル:KINTETSU21020 & 21000.JPG|thumb|300px|right|アーバンライナーの進化型として21020系を開発]]
[[ファイル:KINTETSU21000（R) A.JPG|thumb|300px|right|21020系を基に21000系はリニューアルを受けた]]
運行開始から15年目を迎える21000系を、今後とも近鉄の看板列車として高品質のサービスを提供していくために車体更新工事を施工することになった。特に同系の卓越したデザインセンスは15年目を迎えてもまだ暫くは通用するほどの高い水準であったものの<ref name="RF200302">『鉄道ファン』（第502号）2003年2月号、64 - 71頁</ref>、いかんせんバリアフリーの思想を取り入れておらず、また座席は一世代前の簡易リクライニングシートであって最新感覚の設備ではなくなってきたことに加え、各設備の塗装剥がれ等、陳腐化も露呈し始めたことで特急車としての手入れが必要と判断された<ref name="RJ200211">『鉄道ジャーナル』（第433号）2002年11月号、30 - 41頁</ref>。

工事はほぼ3か月で2編成ずつ行なうが、全11編成（別に増結車両3編成）を更新完了するには約2年を要し、その間、一部の名阪特急は一般特急車両による代走が必要になる。特に1990年代半ばから特急利用客が減少傾向にある中で、横ばいを維持する名阪特急を一般車代走によってイメージダウンさせないために、アーバンライナーの新車を2編成新造のうえ、21000系が抜けた穴をこの新造車で補うことになった<ref name="RJ200211"/>。

そこで、この新造車について設計の手掛かりを得るために名阪特急利用客を対象にした調査を行なった。その結果、21000系が新造されてから15年が経過する過程で下記の変化が特急券販売分析およびアンケート調査で明らかになった<ref name="RF200302"/>。
*約70％の乗客が禁煙席を希望している（調査時点の21000系の禁煙車比率は50％）
*男性客が60％に対し女性客が40％で、女性客の利用が想定を上回っていた
*名阪特急イコールビジネス利用という図式に反して平日においても<ref name="JTB P70-72">『近鉄特急　下』 JTBキャンブックス、 70 - 72頁</ref>レジャー利用が多い。

以上を踏まえ、下記の4つの開発コンセプトを設定した<ref name="RF200302"/>。
*新生アーバンライナーの新しいシンボル・・・新しいアーバンライナーを印象づける外観とする
*質の高い客室、快適なシート・・・新開発の座席を採用し、あわせて座席占有面積を広げるために客室内設備、寸法を見直す。また女性用化粧室を設ける
*おもてなしの心あふれる設備・・・音楽、香り、光、車内ディスプレイを駆使して癒しやサービス提供を行なう
*新しい技術を駆使した合理的な設計・・・新技術を使い130km/h運転可能な性能を維持しつつ付随車の割合を増やしてコストダウンを図る

外観、内装は女性客の比率が多いことを勘案して21000系よりも柔らかでやさしい造形を志向し<ref name="ジャーナル2003-7"/>、またレジャー利用に配慮してビジネスライクの印象が薄まっている。このコンセプトよって新造された21020系をベースにして21000系のリニューアルが行なわれた。

=== 開発プロセス ===
本系列の開発においては、メーカーである近畿車輛内部において3つの開発チームによる[[コンペ]]形式が導入された。各チームが近鉄に[[プレゼンテーション]]を行ない、その中から評価の高い提案を近鉄が採用した。それが、弧を描く多目的型トイレ、リクライニング時に座面が沈み込む座席、特徴的な先頭形状として具現化された<ref name="イカロス"/>。

== 外観・車体構造 ==
[[ファイル:KINTETSU21020 20130526A.JPG|thumb|right|ファニーフェイスのフロント]]
[[ファイル:KINTETSU21020 20131028A.jpg|thumb|right|サイドビュー]]
フロントは21000系からのイメージの継続性を出すために、ラウンドスタイルとクサビ形を組合わせた[[流線形車両|流線型]]だが、クサビ先端部を21000系より下げてアーバンライナーの進化型であることを印象付けると共に軽快感を出した<ref name="RF200302"/>。正面窓の上下はブラックアウト処理として、両面にはくぼみをつけてウェイブを強調し、直線的だった21000系と比べると印象として柔らかくなった。これは近鉄が近畿車輛に「関西らしいおだやかさと愛きょうのある顔つき」にデザインするように要請したため、くぼみのあるファニーフェイス（とぼけた顔つき）となったものであり<ref name="イカロス"/>、また女性の柔らかさ、やさしさを取り入れた理由もある<ref name="ジャーナル2003-7">『鉄道ジャーナル』（第441号）2003年7月号、56 - 63頁</ref>。窓内には[[ディスチャージヘッドランプ|HID前照灯]]が4灯埋め込まれている。[[発光ダイオード|LED]]式の[[尾灯]]と[[通過標識灯|標識灯]]は黒く塗られた部分の下部に埋め込まれている。フロント窓は、21000系ではピラーが入って4分割されていたが、当系列では1枚ガラスとなってピラーは廃止された。ピラー廃止を受けて、ワイパーブレードの停止位置を車体外板側に変更し、運転士の視界を遮らないよう配慮した<ref name="KINTETSU21020">『アーバンライナー・ネクスト KINTETSU21020』（21020系解説書） 近畿日本鉄道</ref>。

塗装は前面が黒の他はクリスタルホワイトを基調に裾部がジェントルベージュ、その上にコスメオレンジの帯が通っている<ref name="KINTETSU21020"/>。また先頭部のスカートの色もジェントルベージュを塗装しているが、その後ろにある排障器は黒色として目立たなくさせた。

近鉄電車はJRに比べて車体幅が狭く（JRの特急車両は概ね2,900mm - 2,950mmだが近鉄は2,800mm）、それでも客室を広くしようとすれば車体側壁を薄くするより他はない。しかも側窓も上下に大型化したため（21000系比で+135mm）構体に[[鋼|鋼材]]を使用したとはいえ車体強度の不足が避けられず、窓を支える柱を太くしたり[[有限要素法]]によるコンピュータでの[[シミュレーション]]を行なって強度を確保した。車内でカーテンに挟まるようにして窓柱が出っ張っているのはそのためである<ref name="イカロス">『鉄道デザインEX 02 近畿車輛に見るインハウス・デザイン』イカロス出版、10 - 19頁</ref>。

乗降扉は[[プラグドア|プラグ式]]となっており、扉が開いた際にはステップが出るようになっている<ref name="RP728"/>。ステップはその後の新造車には採用されず、当該系列特有の構造となった。乗降扉の有効開口幅は全車890mmに統一した<ref name="KINTETSU21020"/>。

また、近鉄特急車では初めて、製造当初から連結面側に板状の[[転落防止幌]]を装備する。

乗降扉付近に設置された[[方向幕|行先表示器]]には近鉄特急車としては初めてLEDを採用した。表示色は、赤、緑、アンバーの3色で、速度60km/hで消灯し、LEDの寿命延長を図っている<ref name="RP728"/>。この3色の内、基本をアンバー（黄色）として、赤を「NON STOP」表示とした。また、号車表示は行先表示器と一体で表示され、「号車」と黄色く描かれた仕切りが設けてある<ref>『鉄道ダイヤ情報』（第226号）2003年2月号、12 - 17頁</ref>。

モ21220形とモ21520形の車体側面には「Urban Liner next」の[[ロゴタイプ]]が描かれている。

<gallery perrow="4" widths="180" style="font-size:85%;">
ファイル:KINTETSU21020 next.JPG|nextロゴタイプ
ファイル:Kintetsu 21020 doorstep open.jpg|乗降扉開扉時に現れるドアステップ
ファイル:KINTETSU21020 LED.JPG|LED式行先表示器
</gallery>

== 車両性能 ==
=== 主要機器 ===
[[ファイル:KINTETSU21020 主抵抗器.JPG|thumb|right|抑速抵抗器]]
[[ファイル:KD-314.JPG|thumb|right|KD-314形台車（電動車用）]]
[[ファイル:KINTETSU21020 HS-20.JPG|thumb|right|HS-20　電動空気圧縮機]]
[[ファイル:KINTETSU21020 PT-7126.JPG|thumb|right|PT-7126形パンタグラフ]]

最高速度130[[キロメートル毎時|km/h]]での運転を可能にしているが、全電動車方式である21000系と異なり、編成中の[[MT比]]を1:1の3M3Tとしている。

==== 電装品 ====
制御装置は[[三菱電機]]製高耐圧2レベル[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]]による[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]] (MAP-234-15VD102) で、1基の制御装置で2台の[[主電動機]]を制御する1C2M方式を採用し、各電動車の床下には制御装置2基を一体箱にまとめた形態で搭載している<ref name="RP728"/>。また、ゲート制御ユニットにベクトル制御を採用したことで、[[空転]]・[[滑走]]時における[[鉄道のブレーキ#再粘着制御|再粘着制御]]などへのレスポンスを高めている<ref name="RP728"/>。主電動機は三菱電機製のMB-5097A[[かご形三相誘導電動機]]を各電動車に4台装備する<ref name="RP728"/>。全電動車方式の21000系・[[近鉄22000系電車|22000系「ACE」]]や4M2Tの[[近鉄23000系電車|23000系「伊勢志摩ライナー」]]とほぼ同等の性能を確保する目的で、[[公称電圧|端子電圧]]1,050[[ボルト (単位)|V]]時の定格出力は230[[ワット (単位)|kW]]に増強されている<ref name="RP728"/>。また、フレームレス構造の[[固定子]]を採用したことで23000系のMB-5056Aに比較すると10[[パーセント|%]]の軽量化が図られている<ref name="RP728"/>。駆動方式は[[WN駆動方式|WNドライブ]]で、[[歯車比]]は4.94である<ref name="RP728"/>。

[[起動加速度]]2.5[[メートル毎秒毎秒|km/h/s]]、減速度4.0km/h/s、33.3[[パーミル|‰]]上り勾配において[[架線]][[電圧]]10[[パーセント|%]]減・定員乗車条件でも均衡速度118km/hを確保している。

[[鉄道のブレーキ|制動装置]]は[[回生ブレーキ|回生ブレーキ]]併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令式]] (KEBS-21A) で、回生ブレーキを有効に使用するためのT車[[遅れ込め制御]]の機能や、滑走防止制御機能を有する<ref name="RP728"/>。[[抑速ブレーキ]]も回生ブレーキであるが、22000系・23000系と同様に回生ブレーキが動作しない場合（[[回生ブレーキ#回生失効|回生失効]]）には[[フェイルセーフ]]の観点から発生した電力を[[抵抗器]]で消費する[[発電ブレーキ]]に切り替わるシステムとなっていることから、各電動車には抵抗器も搭載されている。また、非常ブレーキ時も電動車は空気ブレーキのほかに減速度1.0km/h/s相当の発電ブレーキが動作する<ref name="RP728"/>。このほか、緊急時には在来車と連結可能にするためブレーキ読替装置を搭載する<ref name="RP728"/>。

==== 台車 ====
台車は近畿車輛製の[[鉄道車両の台車史#ボルスタレス台車|ボルスタレス式]]で、[[蛇行動#ヨーダンパ|ヨーダンパ]]を装備した<ref name="RP728"/>。基礎ブレーキ装置は全車に片押し式[[踏面ブレーキ]]を装備するほか、付随車では[[ディスクブレーキ]]も併設している<ref name="RP728"/>。形式はM車がKD-314形、Tc, T車がKD-314A形である。

==== 補機・集電装置 ====
[[集電装置]]は[[東洋電機製造]]PT-7126形[[集電装置#Z型・シングルアーム型|シングルアーム式パンタグラフ]]を採用しており、モ21220形・モ21320形の名古屋寄りに1基ずつ、モ21520形の大阪寄りに1基搭載し、各パンタグラフ間に母線回路を引き通すことで搭載数の削減と[[離線]]対策を図っている<ref name="RP728"/>。シングルアーム式は近鉄特急車では初採用である。設置位置は[[シリーズ21]]とほぼ同一であるが、関節の向きは逆となっている。この仕様は[[近鉄22600系電車|16600系・22600系]]にも継承されている。

補助電源装置は近鉄特急車では初採用の[[静止形インバータ]] (INV126-B1) を両先頭車に搭載し、出力は140kV[[アンペア|A]]である<ref name="RP728"/>。[[圧縮機|空気圧縮機]]はレシプロ式のHS-20を両先頭車に搭載する<ref name="RP728"/>。

=== その他機器 ===
[[エア・コンディショナー|空調装置]]は、冷房装置が客室用に冷凍能力16.3kW (14,000[[カロリー|kcal]]/h) の集約分散式RPU-6019を各車に2基搭載し、このほか運転室用と喫煙コーナー及び化粧室用として別に冷凍能力5.8kW (5,000kcal/h) のRPU-2007を1基搭載する<ref name="RP728"/>。いずれも静止形インバータから供給される三相交流440Vを電源とし、機器の構成が単純なON - OFF制御である<ref name="RP728"/>。客室暖房は座席下にシーズワイヤー式ヒーターを、デッキ部暖房は[[サーミスタ#PTCサーミスタ|PTC]]ファンヒーターをそれぞれ設置している<ref name="RP728"/>。

運転台の[[マスター・コントローラー|主幹制御器]]・ブレーキ設定器は横軸2ハンドルのデスクタイプである<ref name="RP728"/>。運転台には[[鉄道車両のモニタ装置|モニタ制御装置]]とタッチパネル式情報ディスプレイも設置されている<ref name="RP728"/>。
{{-}}

== 編成 ==
編成は、大阪難波側からク21120形 (Tc1) - モ21220形 (M1) - モ21320形 (M2) - サ21420形 (T) - モ21520形 (M3) - ク21620形 (Tc2) の6両固定編成である。当該系列は23000系と異なって簡易運転台が用意されておらず、従って中間連結器は全て三管式半永久連結器である<ref>『とれいん』（第409号）2009年1月号、46 - 49頁</ref>。
{| class="wikitable" style="text-align: center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+ 21020系の編成表
!style="width:10em;"|項目＼運転区間
|colspan="6"|{{TrainDirection|大阪難波・賢島|近鉄名古屋・近鉄奈良}}
|-
|-style="border-top:solid 2px #FFC000;"
!形式
|ク21120形 (Tc1)
|モ21220形 (M1)
|モ21320形 (M2)
|サ21420形 (T)
|モ21520形 (M3)
|ク21620形 (Tc2)
|-
!号車
| style="width:10em;"| 6 
| style="width:10em;"| 5 
| style="width:10em;"| 4 
| style="width:10em;"| 3 
| style="width:10em;"| 2 
| style="width:10em;"| 1 
|-
!車両写真
|[[ファイル:KINTETSU21020 SV1.JPG|130px]]||[[ファイル:KINTETSU21020 SV2.JPG|130px]]||[[ファイル:KINTETSU21020 SV3.JPG|130px]]||[[ファイル:KINTETSU21020 SV4.JPG|130px]]||[[ファイル:KINTETSU21020 SV5.JPG|130px]]||[[ファイル:KINTETSU21020 SV6.JPG|130px]]
|-
!搭載機器
| SIV,CP,BT || VVVF,＞ || VVVF,＞ || || ＞,VVVF || SIV,CP,BT
|-
!自重
|39.0t
|44.0t
|44.0t
|34.0t
|44.0t
|39.0t
|-
!座席種別
|style="background:#e9e9e9;"|'''レギュラー'''
|style="background:#e9e9e9;"|'''レギュラー'''
|style="background:#e9e9e9;"|'''レギュラー'''
|style="background:#e9e9e9;"|'''レギュラー'''
|style="background:#e9e9e9;"|'''レギュラー'''
|style="background:#F6F4E5;"|'''デラックス'''
|-
!定員
|48
|52+2（車椅子対応席）
|52
|56
|56
|36
|-
!車内設備
| 喫煙コーナー◇ || ◇洗面室・トイレ<br />◇車椅子対応設備  || 男女別トイレ◇<br />洗面室◇ || 自販機◇<br />◇喫煙コーナー || 男女別トイレ◇<br />洗面室◇|| ◇車内販売準備室
|-
|}
:* 形式欄のMはMotorの略でモーター搭載車（[[動力車|電動車]]）、TはTrailerの略でモーターを搭載しない車（[[付随車]]）、Tcのcはcontrollerの略で運転台装備車（[[制御車]]）。
:* 搭載機器欄のVVVFは[[主制御器|制御装置]]、SIVは補助電源装置、CPは[[圧縮機|電動空気圧縮機]]、BTは[[蓄電池]]、＞はパンタグラフ（間接方向を示す）。
:* 車内設備欄の◇は設備取付位置（左にあれば大阪側に設置）
:* 編成定員は302名（レギュラーカー 266名・デラックスカー 36名）。

<gallery perrow="3" widths="180" style="font-size:90%;">
ファイル:KINTETSU21020 UL PLUS 1.JPG|ク21120形<br />喫煙コーナー設置
ファイル:KINTETSU21020 UL PLUS 2.JPG|モ21220形<br />車椅子対応設備
ファイル:KINTETSU21020 UL PLUS 3.JPG|モ21320形<br />男女別トイレを設置
ファイル:KINTETSU21020 UL PLUS 4.JPG|サ21420形<br />喫煙コーナー・自動販売機設置　
ファイル:KINTETSU21020 UL PLUS 5.JPG|モ21520形<br />男女別トイレを設置
ファイル:KINTETSU21020 UL PLUS 6.JPG|ク21620形<br />喫煙コーナー（現・車販準備室）設置
</gallery>

== 車内設備==
==== 客室====
[[ファイル:KINTETSU21020 INTERIOR 2.JPG|thumb|right|デラックスカー]]
[[ファイル:KINTETSU21020 INTERIOR 1.JPG|thumb|right|レギュラーカー]]
車内は間接照明を採用し、天井と[[網棚|荷物棚]]下部に埋め込まれている。また、妻壁を単調な印象としないために、仕切り付近の天井にはスポットライトを組み込んでおり、仕切りに光が当たるようになっている。また、デッキ部の照明は23000系と同様にダウンライトを採用している。客室のカラーは明るめのものとし、レギュラーカーは窓下をストライプ柄が入ったオレンジ、デラックスカーは模様入りのピンク調にした。荷物棚は物を置く部分の高さを1,730[[ミリメートル|mm]]に下げて背の低い人でも使いやすくした<ref name="RP728"/>。
* デラックスカー設計コンセプト - パーソナル空間（個の空間）の演出<ref name="RP728"/>
* レギュラーカー設計コンセプト - [[カジュアル]]空間の演出<ref name="RP728"/>
座席番号の表示は荷棚下に大きめにプリントして目立たせている<ref name="RP728"/>。この表記スタイルはのちに在来車両にも波及した。

仕切壁と客室末端席との距離を730mmに拡大し、客室仕切扉の両脇に仕切りポールを設けることで、通路との心理的距離をもたせている<ref name="RP728"/>。この関係で、客室端部フットレストの形状は縦長のものを採用した。

窓框内帯構成が見直され、斜めにカットされたことで直接物を置くことができなくなった。そのため、窓際に小物を置けるプチトレイが設けられ、のちにトレイには落下防止の[[ステンレス鋼|ステンレス]]製の枠が取り付けられている。

[[カーテン]]は、他事業者において採用例が増えているロールアップ式ではなく、横引き式のプリーツカーテンである。先述の内容通り、窓柱は強度確保のため内側に出っ張っており、カーテンはこの張り出し部の両脇におさまるようデザインされた。

[[車内案内表示装置|インフォメーション設備]]として、仕切扉上部に22インチの[[液晶ディスプレイ|液晶モニター]]を設置し、号車番号、駅名、[[ニュース]]、[[気象情報|天気予報]]や走行中の前面展望（夜間を除く）の放映などを行っている<ref name="RP728"/>。

[[配線用差込接続器|電源コンセント]]は設置されず、近鉄では2009年製の[[近鉄22600系電車#22600系|22600系]]において初採用されている<ref group="注釈">設計段階では検討されたが、2時間の乗車ではバッテリーで間に合う、情報機器の進化のスピードは40年使い続ける鉄道車両に比べて何倍も速く、今後どうなるか判らないなどの考えから不要の判断を下した。『鉄道ジャーナル』（第441号）2003年7月号、 56 - 63頁</ref>。
<gallery widths="190" style="font-size:85%;">
ファイル:KINTETSU21020 INTERIOR 4.JPG|妻壁のLCDと出入部のデザイン
ファイル:KINTETSU21020 INTERIOR 6.JPG|妻部のスポットライト
ファイル:KINTETSU21020 INTERIOR 5.JPG|荷棚は低くして間接照明を設置
ファイル:KINTETSU21020 INTERIOR 3.JPG|内へ出っ張った窓柱と窓框のプチトレイ
</gallery>

==== 座席====
[[ファイル:ゆりかご座席.jpg|thumb|200px|right|ゆりかご座席の可動状態]]
=====デラックスシート=====
[[ファイル:KINTETSU21020 SEATS.JPG|thumb|right|座面の奥が沈み込んだ状態<br />（奥の座布団）]]
座席は新開発の[[ゆりかご]]型[[リクライニングシート]]で、背もたれを倒すと角度に応じて腰部が沈んで座席が傾くような状態となる。でん部が沈み込む構造はオフィスチェアでは珍しくなかったが、鉄道車両に導入するにはさまざまな問題があり、特にリクライニングを戻す際に腰を浮かして戻すことがネックになって、このために導入が遅れた<ref name="ジャーナル2003-7"/>。この構造は近畿車輛側から近鉄に提案された案の一つである<ref name="イカロス"/>。座布団は従来車のように前方へスライドしない。[[座席#シートピッチ|シートピッチ]]は両クラスとも21000系と同一の1,050mmである。デラックスシートはそれぞれが独立性の高い1人掛けシート（通路を挟んで1席と2席）となった。ただし、2席側の座席は回転時は2席が同時に動く。[[モケット]]の色は赤系である。リクライニングは電動となっており、肘掛けのスイッチで操作する。リクライニング角度は22度、座面は9度まで傾く<ref group="注釈">リクライニング角度は22度、座面可動角度は9度だが、背面の傾斜がもともと20度、座面傾斜が7度であるため、合計すると背面は42度、座面は16度まで傾斜する。</ref>。また、読書灯が設けられ、背もたれ左側からLEDの光が出る（40W[[ハロゲンランプ|ハロゲン灯]]）。テーブルは肘掛け内蔵型（インアーム式）で、2つ折りタイプである。座面高さは21000系からさらに下げられて、両クラス共通の380mmとなった。足乗せは折りたたみ式である。
=====レギュラーシート=====
レギュラーシートは従来通り横2+2配列で、同じくゆりかご型だが、リクライニング操作は手動で、肘掛けにあるボタンを押しながら倒す。リクライニング角度は17度、座面は7度まで傾く<ref group="注釈">リクライニング角度は17度、座面可動角度は7度だが、背面の傾斜がもともと20度、座面傾斜が7度であるため、合計すると背面は37度、座面は14度まで傾斜する。</ref>。7度では、ゆりかご機構を実感するには乏しい角度であるが、これは[[ミニスカート]]を着用した女性に気をつかって浅目に抑えられたものである<ref name="ジャーナル2003-7"/>。2席の中央部の肘掛けは2つ設置されている。座席形状は、リクライニング時に後ろの人が心理的な圧迫感を覚えないように背もたれ上部の両角を落としているため、柔らかな造形となった<ref name="ジャーナル2003-7"/>。また、座席の専有面積を広げるために肘掛の厚みを薄くした<ref group="注釈">全席禁煙化によって灰皿を設置する必要がなくなったことから薄くすることが可能となった。</ref>。モケットの色はグレー系である。テーブルタイプはデラックスシートと同じであるが、こちらはブーメラン状の片側一か所のみとなっている。足乗せは、使用時に足で下げる構造である。モ21220形には[[車椅子]]対応の座席が設けられている<ref name="RP728"/>。

デラックスシート、レギュラーシートの詳細な写真については「[[近鉄21000系電車#リニューアル車（アーバンライナーplus）|21000系リニューアル車の車内設備]]」の項目を参照のこと。

==== 化粧室・デッキ ====
トイレはモ21220形・モ21320形・モ21520形に設置されている。このうちモ21220形は車椅子対応の大型多目的[[便器#腰掛大便器（洋式・洋風大便器）|洋式]]（共用）と男性[[便器#小便器|小便器]]個室の組み合わせである<ref name="RP728"/>。モ21320形・モ21520形は女性専用と共用の洋式をそれぞれ1か所と男性小便器個室を設けた<ref name="RP728"/>。女性用にはベビーチェアも設けられている<ref name="RP728"/>。男女別トイレの入り口は僅かにカーブしているが、これは女性客がトイレに入る所をデッキ側から直接視認できないようにするための配慮である<ref name="RP728"/>。女性客に対する配慮は[[洗面器#洗面台・洗面所|洗面所]]についても工夫され、洗面所の鏡の裏に照明を設けることで、そこから漏れ出る光によって、鏡に映した時に明るい表情に見えるようにしている<ref name="ジャーナル2003-7"/>。車椅子対応の大型トイレは、日本の鉄道車両では初となる曲面を描いた壁面にして、ドアをボタン開閉式としている。このほか[[ベビーベッド]]やベビーチェアも設置している<ref name="RP728"/>。

床は[[大理石|人工大理石]]、[[便器]]はいずれも陶器製で、男性小便器は自動洗浄機能付き、洋式便器は壁掛け式として、清掃性を高めた。処理方式は真空式である。トイレの手洗い器はセルフストップ式水栓、トイレと同じ車両に併設の洗面所は自動水栓を採用している。

走行中、停車駅が近づくと、開く側のドア付近のランプが黄色く点灯する<ref name="ジャーナル2003-7"/>。これは、人が無意識に光のある方向に動くことを応用したものである<ref name="ジャーナル2003-7"/>。また、乗客を心地よく出迎えるために、停車前と停車中は音楽を流している<ref name="ジャーナル2003-7"/>。また、芳香器が設置されており、乗客の動向に応じてヒノキ成分の[[フィトンチッド]]の香りを発散させ、癒しを与える<ref name="ジャーナル2003-7"/>。他、[[おしぼり]]を受け取れるように入り口付近の飾り板の一部が開口されている。デッキのダウンライトは人の動きによって点灯不点灯が制御される<ref name="KINTETSU21020"/>。

デッキの配色は、薄い縦縞の入った白系の化粧板が用いられ、21000系のグレートーンとは趣を異にする意匠となった。
<gallery widths="190" style="font-size:85%;">
ファイル:KINTETSU21020 SANITARY 3.JPG|緩くカーブする通路<br />女性用トイレ入口（奥）は見えない<br />バックライト方式の洗面台
ファイル:KINTETSU21020 DECK.JPG|弧を描く多目的型トイレ入口<br />その付近の客室ドアは両開き式
ファイル:KINTETSU21020 多目的型トイレ.JPG|多目的型トイレ
ファイル:KINTETSU21020 SANITARY 1.JPG|一般トイレ
</gallery>

==== 喫煙コーナー====
[[ファイル:KINTETSU UL-N SR.JPG|thumb|right|喫煙コーナー]]
客室内は全面禁煙となったため、喫煙コーナーをク21120形・サ21420形・ク21620形の客室外に設けている<ref name="RP728"/>。この部分はパーティションが用意され、横に細長い2枚の窓が設置されている。[[空気清浄機]]や脱臭装置も設けることで、非喫煙者に配慮している<ref name="RP728"/>。床面はタバコの灰等によって焦げ面が出ないよう人工大理石を使用した<ref name="RM2003-2">『Rail Magazine』（第233号）2003年2月、 112 - 115頁</ref>。このエリアの空調装置は客室とは別個としている。また、コーナー付近に利用者が立った場合に直近の扉が不意に開くことを防止するために、走行中はタッチスイッチ方式による自動開閉機能を採用し、停車中は光電スイッチ方式に変化する<ref name="KINTETSU21020"/>。なお、デラックスカー（ク21620形）の喫煙コーナーは2007年9月4日に廃止され、[[車内販売]]準備室に転用することになり、[[冷蔵庫]]などが設置された。

当該系列の分煙化対策は21000系更新車には引き継がれたものの、より完全な分煙化を押し進めるために22600系では編成中1か所、喫煙室を設ける形に昇華され、以後の新造車、更新車は全て喫煙室を設けるタイプに変更された。よって、喫煙コーナーのスタイルはアーバンライナー独特の構造となった。

==== その他====
営業運転開始時点では車内販売が廃止されていたため、サ21420形には[[自動販売機]]（[[ダイドードリンコ]]）が設置されている。また、当初は[[テレホンカード]]専用の[[公衆電話]]も同車に設置されていたが、2011年3月に撤去された。なお、車内販売については2007年10月8日から土曜・休日[[ダイヤグラム|ダイヤ]]に限り営業を再開している（本系列での営業は初）。
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== 沿革・運用 ==
2002年9月と10月に2編成が竣功し<ref>田淵仁『近鉄特急 下』JTB 167頁</ref>、各種試運転と報道公開の後に、同年12月23日に[[団体専用列車|団体]][[臨時列車]]として運用を開始した<ref group="注釈">有料試乗撮影会の臨時列車で、上本町と近鉄名古屋を相互に出発して青山町車庫に向かう企画であった。名古屋発は21121F、上本町発は21122Fが使用された。同時展示された21000系は21110Fであった。</ref><ref name="RM2003-2"/>。

名阪特急には2003年3月6日の[[ダイヤグラム#ダイヤ改正|ダイヤ変更]]から本格的な使用を開始している。

基本的に名阪甲特急および[[近鉄特急#阪奈特急|阪奈特急]]に限定運用され、通常は2編成をフルに使用していることから[[鉄道車両の検査|検査]]などで運休する場合は21000系が代走することがある<ref name="とれいん2009-1"/>。
<!-- 2011年3月16日ダイヤ変更後は阪奈特急には平日下り1本のみ充当されている。-->

6両編成2本の12両すべてが[[近鉄名古屋線|名古屋線]]の[[富吉検車区]]に所属している<ref name="とれいん2009-1"/>。
<!--2003年4月7日には団体臨時列車で通常走行していない[[近鉄京都線|京都線]]や[[近鉄橿原線|橿原線]]にも入線した。（新造後の試乗会やさよなら運転、お召し運転などの記念列車でもない限り臨時運用を記載すると際限がなくなります-->
=== 事故 ===
2008年3月、名古屋線[[津新町駅|津新町]] - [[南が丘駅|南が丘]]間の[[踏切]]にて乗用車が下り線を走行していた21122Fの2両目に衝突し、同編成は車体に激しい損傷を受けた。同編成が[[五位堂検修車庫]]に入場して修繕を受けていた3か月あまりの間は、一部の乙特急に汎用特急車両が充当された。

== お召し列車 ==
2008年10月30日と31日に、[[明仁|天皇]]・[[皇后美智子|皇后]]の[[奈良市|奈良]]視察に伴い、近鉄としては2002年5月以来となるお召し列車を[[京都駅|京都]] - [[近鉄奈良駅|近鉄奈良]]間で運転（往路は30日、復路は31日）し、往復ともに21121Fが充当された<ref name="とれいん2009-1"/>。また2010年にも[[平城遷都1300年記念事業]]に伴うお召し列車が、10月7日には京都 - 近鉄奈良間で、10月10日には近鉄奈良 - [[室生口大野駅|室生口大野]]間および[[大和朝倉駅|大和朝倉]] - 大阪上本町間で運転され、21121Fが充当された。お召し運行の際はデラックスシートが4号車のモ21321号に移され、ここを御座所とする<ref>『鉄道ファン』（第574号）2009年2月号、178頁</ref>。

== 車体装飾 ==
{{Double image|right|Kintetsu 21020.jpg|200|Kintetsu21020Series04.jpg|200|60周年記念ロゴマークを貼り付けて運行した21020系（2008年2月11日 大和八木駅）|50周年記念ロゴマークを貼り付けた21122F（2009年12月31日 [[伊賀神戸駅]]）}}
2007年10月8日から、近鉄特急運転開始60周年を記念して[[イラストレーター]]の[[黒田征太郎]]デザインによるロゴマークが車体に貼付されて運転された<ref>近鉄パンフレット『近鉄特急60周年サンクスキャンペーン』近畿日本鉄道発行 2007年</ref>。なお、同日には臨時名阪特急が近鉄名古屋 - 上本町間を1往復運転した。この車体装飾は翌2008年2月末で終了する予定であったが、前述の事故の影響もあって車両運用が不足したため、同年4月初旬まで貼付されていた。

2009年12月12日から名阪特急直通運転開始50周年を記念して21122Fに記念ロゴマークが両先頭車正面窓下と乗務員室直後両側の乗客側プラグドア部分に貼付された。同日朝に大阪難波で出発セレモニーが開催され営業運転に充当された。この車体装飾は2010年3月で終了した<ref>『鉄道ファン』（第587号）2010年3月号、166頁</ref>。
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== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注釈"}}

=== 出典 ===
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
=== 書籍・パンフレット ===
* {{Cite book|和書|author = 田淵仁 |authorlink = |coauthors = |year = 2004 |title = 近鉄特急　下|publisher = JTB|ref = JTB|id = |isbn =4-533-05416-1 }}
* {{Cite book|和書|author =  |authorlink = |coauthors = |year = 2002 |title = アーバンライナー・ネクスト KINTETSU21020|publisher = 近畿日本鉄道|ref = UL解説書|id = |isbn = }}
* 『近鉄時刻表』近畿日本鉄道 2003年-2012年
* 近鉄各パンフレット（名阪特急関連）　近畿日本鉄道発行

=== 雑誌 ===
* 『[[鉄道ジャーナル]]』 
** {{Cite journal|和書|author= |year=2002 |month=11 |title=快調アーバンライナー　人気のビスタEXに乗る|journal=鉄道ジャーナル |issue=433 |pages= 28 - 41 |publisher=鉄道ジャーナル社 |ref = RJ2002-11 P28-41}}
** {{Cite journal|和書|author= |year=2003 |month=7 |title=デザインを磨く　近鉄アーバンライナーnextが描いたリビング感覚の2時間|journal=鉄道ジャーナル |issue=441 |pages= 56 - 63 |publisher=鉄道ジャーナル社 |ref = RJ2003-7 P56-63}}
* 『[[鉄道ファン]]』 
** {{Cite journal|和書|author=中井修 |year=2003 |month=2 |title=新車ガイド 近畿日本鉄道21020系|journal=鉄道ファン |issue=502 |pages= 64 - 71 |publisher=交友社 |ref = RF2011-12 }}
** {{Cite journal|和書|author= |year=2003 |month=10 |title=平成15年8月3日から運用を開始したアーバンライナー・プラス　近鉄21000系リニューアル車|journal=鉄道ファン |issue=510 |pages= 73 - 76 |publisher=交友社 |ref = RF2003-10 }}
** {{Cite journal|和書|author=フリーランスプロダクツ |year=2009 |month=11 |title=大手私鉄のフラッグシップエクスプレス|journal=鉄道ファン |issue=583 |pages= 40 - 41 |publisher=交友社 |ref = RF2009-11 }}
* 『[[とれいん]]』 
** {{Cite journal|和書|author=高見一樹 |year=2009 |month=1 |title=MODELERS FILE 近畿日本鉄道21020系|journal=とれいん |issue=409 |pages= 46 - 57 |publisher=エリエイ・プレスアイゼンバーン |ref = PE2009-1 }}
* 『[[鉄道ピクトリアル]]』
** {{Cite journal|和書|author=谷正史 |year=2003 |month=2 |title=近畿日本鉄道21020系|journal=鉄道ピクトリアル |issue=728 |pages= 64 - 69 |publisher=電気車研究会 |ref = RP2003-2 }}
* 『[[Rail Magazine]]』
** {{Cite journal|和書|author= |year=2003 |month=2 |title=名阪特急に "Urban Liner next" 誕生! 近畿日本鉄道21020系特急車|journal=Rail Magazine |issue=233 |pages= 112 - 115 |publisher=[[ネコ・パブリッシング]] |ref = RM2003-2 }}
* 『[[鉄道ダイヤ情報]]』
** {{Cite journal|和書|author= |year=2003 |month=2 |title=特集 NEXT近鉄特急 21000系" アーバンライナー |journal=鉄道ダイヤ情報 |issue=226 |pages= 12 - 17 |publisher=[[交通新聞社]] |ref = DJ2003-2 }}　
*その他
** {{Cite journal|和書|author= |year=2011 |month= |title=近畿車輛に見るインハウス・デザインの現場|journal=鉄道デザインEX |issue=2 |pages= 10 - 19 |publisher=[[イカロス出版]] |ref = EX02 }}　

== 関連項目 ==
*[[近畿日本鉄道の車両形式]]
*[[近鉄特急]]

== 外部リンク ==
*[http://www.kintetsu.jp/kouhou/Train/urban_next.html アーバンライナー・ネクスト｜近鉄企業情報] - 近畿日本鉄道

{{Commonscat|Kintetsu 21020 series}}
{{近畿日本鉄道の車両}}
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[[Category:近畿日本鉄道の電車|21020]]
[[Category:2002年製の鉄道車両|きんてつ電21020]]
[[Category:近畿車輛製の電車]]
[[Category:グッドデザイン賞]]