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'''近似値'''(きんじち)とは、必要とされる[[誤差]]の範囲内で、ある[[数]]を表していると思って構わない数値のこと。あるいはある数の情報を一部削って得られる値、すなわちある数値に対して[[端数処理]]を施した値(数値を「丸め」たもの)である。 <!-- (以下は[[丸め]]、あるいは[[端数処理]]に書いたほうがいいのかもしれないのでコメントにしてみる。) ==表記の慣習== どの場合でも、対象となる桁(小数点第二位までなら、同三位)を四捨五入や、それ未満を切捨てを行う。 表記の規則が指定されていない場合は、一般的に小数点第二位まで表記を行う。 --> ==代表的な近似値== ===円周率=== 学校[[数学 (教科)|教育]]などで[[円周率]] [[Π|π]] の値として用いられる 「3.14」 が、近似値の最も代表的な例である。円周率は小学生も知っている代表的な[[無理数]]であり、整数の[[除法|商]]として表されることは決してない。すなわち、その小数表示は有限桁で途切れたり循環したりすることはなく、 :<math>\pi=3.1415926535897932384626433832795\cdots</math> のようになる。 円周率の近似値として「3.14」または「3」がしばしば用いられるが、このような「きれいな数字」で書かれるものばかりが近似値ではない。例えば、アルキメデスが正 96 角形を用いて円周率の詳しい値を計算したという話は有名であるが、それにより円周率の近似値 [[22/7]], 223/71 が得られる。さらに精度の高い近似値として 355/113 が用いられる。他にも √10 や √2 + √3 などの無理数を円周率の近似値として用いることもある。(平方根は[[代数的数]]なので、[[超越数]]である円周率よりはまだ計算に向いているため、このような近似も意味があるわけである。) ===平方根=== 平方数でない整数の[[平方根]]も無理数であり、現実的な計算に用いるときにはしばしば近似値が用いられる。2 の正の平方根 √ 2 の場合ではその小数展開が :<math>\sqrt{2}=1.4142135623730950488016887242097\cdots</math> となるため、一般的に「1.414」などが近似値として用いられる。同様に √3 は「1.732」、√5 は「2.236」などが近似値として使われる。 ==数値計算における近似値の必要性== 上記に挙げた例のように、有限の資源で表示できない値では正確な計算ができない、または即時に結果が出ないということが起きる。例えば[[コンピュータ]]で計算する場合は、[[算術オーバーフロー|桁あふれ]]が発生し全体の処理に影響を及ぼすことがある。 この問題を解消するためにある程度まで情報を削除し、計算を簡略させるために近似値を用いる。 当然、得られた結果は正確なものではなく、本来の数値からは誤差を生ずる。したがって、同時に誤差の評価もきちんと行うことが要求される。 {{DEFAULTSORT:きんしち}} [[Category:測定]] [[Category:数値解析]] [[Category:数学に関する記事]]
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