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'''輝線星雲'''(きせんせいうん、''Emission Nebula'' )はさまざまな色の光を放出している[[電離]][[星間ガス|ガス]]からなる[[天体]]である。ガスを電離するエネルギー源として最も典型的なものは星雲の近くにある高温の[[恒星]]から放出される高エネルギーの[[光子]]である。光源となる恒星が[[スペクトル型|O型]]や[[スペクトル型|B型]]のような若い大質量星の場合には星雲は[[HII領域]]と呼ばれ、古い[[白色矮星]]の場合には[[惑星状星雲]]と呼ばれるが、発光の機構はどちらもほぼ同じである。 == 概要 == 通常、若い星は多かれ少なかれ自らが誕生した[[暗黒星雲|分子雲]]の一部を[[電離]]するが、分子雲の大半の領域を電離するほどのエネルギーを放出できるのは大きな高温の星だけである。若い星団の場合には全体としてこのような大きなエネルギーを生み出すことができるため、若い[[散開星団]]の周囲には[[輝線]]星雲がしばしば見られる。 輝線星雲の色はその化学組成や電離の度合によって変わる。ほとんどの星間ガスには[[水素]]が含まれており、水素の電離に要するエネルギーは比較的小さいので、たいていの輝線星雲は赤く見える。より大きなエネルギーが供給される環境にある場合には水素以外の元素も電離されるため、緑色や青色の輝線星雲にもなり得る。従って星雲のスペクトルを調べることによって研究者は星雲の化学組成を推定することができる。ほとんどの輝線星雲は90%が水素で、残りを[[ヘリウム]]や[[酸素]]、[[窒素]]、その他の元素が占める。 北半球で見ることができる輝線星雲の中で最も美しいものとしては、[[いて座]]の[[干潟星雲]] (M8) や[[オリオン大星雲]] (M42) が挙げられる。 輝線星雲にはしばしば暗い染み状の領域がある。これは[[宇宙塵|星間塵]]の雲が背後の光を遮っているものである。このような輝線星雲と[[暗黒星雲]]の組み合わせによって面白い姿を形作っている天体が多く存在する。これらはたいていその姿によって名前が付けられている。例として[[はくちょう座]]の[[北アメリカ星雲]] (NGC7000) や[[いっかくじゅう座]]の[[コーン星雲]] (NGC2264) などがある。 星雲の中には[[反射星雲]]と輝線星雲の両方が含まれているものもある。このような例としては[[いて座]]の[[三裂星雲]] (M20) がある。 {{デフォルトソート:きせんせいうん}} [[Category:散光星雲]] [[Category:天文学に関する記事]]
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