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'''走性'''(そうせい、英語:taxis, ''pl.''taxes)は、方向性のある外部刺激に対して[[生物]](または細胞)が反応する[[生得的]]な行動である。個体の位置が一定の[[屈性]]と異なり、生物が[[運動性]]を示し刺激による移動が明らかな場合を走性と言う。 ==例== 例えば、[[原生動物]]鞭毛虫類の[[ミドリムシ]](ユーグレナ)属は光を当てると光源に向かって移動する。ここでの方向性をもつ刺激は光で、生物の指向性(方向を示すような)運動は光に対してである。この行動は正の[[走光性]](positive phototaxis)である。つまり、'''光'''が刺激なので走'''光'''性(phototaxis)、刺激源に'''向かう'''ことから'''正'''を付け'''正の走光性'''と呼ぶ。光の届きにくい海中、濁った湖中などのプランクトンは、負の重力走性を生命維持には必要と考えられているが、そのような無脊椎動物には感知器官を持っていないので、未知の重力感知器官があると推測される。これは国立遺伝学研究所にて研究が進められている。他にも、刺激に対して反対方向に移動した場合は"負"、刺激源に対して圧・化・地・水・流・電気・温度・接触を組み合わせて走性を表現する。 ==分類== 走性は刺激に対して以下のような分類がある。 *[[走圧性]](barotaxis) - 圧力 *[[走化性]](chemotaxis) - 化学薬品 *[[電気走性]](galvanotaxis) - 電流 *[[走磁性]] (magnetotaxis) - 磁場: 走磁性細菌は磁鉄鉱微粒子を持ち、地磁気で細胞の向きを変えて泳ぐ。地磁気の垂直成分が重要と考えられる。 *[[走地性]](geotaxis) - 重力:走地性は重力による引力に対する反応である。タラバガニ(Lithodes aequispinus)の幼生ではこれに走光性が組み合わさる。原生動物では正負両方の反応を示す。 *[[走水性]](hydrotaxis) - 水分 *[[走光性]](phototaxis) - 光 *[[走流性]](rheotaxis) - 水流 *[[温度走性]](thermotaxis) - 温度 *[[接触走性]](thigmotaxis) - 接触 存在する感覚器官のタイプにより、走性は、生物が反応の方向を決めるために絶え間なく環境のサンプルをとる'''klinotaxes'''と、左右対称の感覚器を反応方向を決めるために使う'''tropotaxes'''、そして、tropotaxesに類似しているが定位運動を確立するのに一つの器官で十分な'''telotaxes'''に分類される。 ==関連項目== *[[走触性]]([[:en:haptotaxis|haptotaxis]])、[[:en:durotaxis]] *[[動性]] ==参考文献== Kendeigh, S. Charles. 1961. Animal Ecology. Prentice-Hall, Inc., Englewood Cliffs, N.J., 468 p. {{DEFAULTSORT:そうせい}} [[category:生物]]
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