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線香
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{{出典の明記|date=2011年6月}} [[File:Senko.JPG|thumb|200px|仏壇の前の線香]] [[File:Chinese temple incence burner.jpg|thumb|200px|本堂前の爐]] {{国際化|日本|date=2013年6月}} '''線香'''(せんこう) は、好まれる香りを出す材料を細かくして練り合わせ細い棒状や渦巻き状に成型して乾燥させた[[香]](こう)である。[[火]]をつけることで芳香のある[[煙]]を出す。 == 形状 == 線香は、香の中でも練り合わせて固め棒状としたものであり、「[[線]]のように細い」ものが線香と呼ばれうる。香の中には[[練香]]と呼ばれる丸薬状の香もあるが、線香ほどは乾燥させないのが普通である。細く長くさせたのは燃焼時間を伸ばし香りの発生を一定とするためでもあり、また燃焼が安定していることから扱い易い。燃焼時間を延長させる意図で渦巻状の線香もあるが、これは香りを楽しむものと[[蚊取り線香]]([[蚊遣器]])のような実利的な燃焼時間延長のためのものが見られる。 == 使用 == [[日本]]では[[墓|お墓]]や[[仏壇]]に[[供物|お供え]]として燻らせたりする用法が一般的である。日本に伝来した時期ははっきりしないが、[[堺]]で線香の形状が発明され、一般に用いられるようになったのは[[江戸時代]]以降である。最近では花の香りや香水調などさまざまな香りを持つ新しい線香も増えており、部屋の臭い消しや芳香剤・[[癒し|ヒーリンググッズ]]としての使用法も増えている。 また、江戸時代では時計の代わりとしても使用され、[[禅寺]]では線香が1本燃え尽きるまでの時間(40分)を「一炷(いっちゅう)」と呼び、[[坐禅]]を行う時間の単位としたほか、[[遊郭]]では1回の遊びの時間をやはり線香の燃え尽きる時間を基準として計ったが、中には線香を途中で折って時間を短縮させる遊女もいた。 == 材料による種類 == 線香は材料から「匂い線香」と「杉線香」に大別される。 === 匂い線香 === 匂い線香は、椨([[タブノキ|タブ]])の木の樹皮を粉末にしたものに、[[ビャクダン|白檀]](びゃくだん)や[[香木#伽羅|伽羅]](きゃら)といった[[香木]]の粉末や他の香料、炭の粉末、その他の材料を加えて練り、線状に成型・乾燥させたもの。 === 杉線香 === 杉線香は、3ヶ月ほど乾燥させた[[スギ|杉]]の葉を[[粉砕機]]や[[水車]]を用いて粉末にしたものに湯とノリを加えて練り、線状に成型・乾燥させたもので、[[墓|墓参り]]のときなどに特に用いられる。 一般的な香木や香料を使用した線香と違い香りには劣るが安価に製造でき、ヤニにより大量の煙を出すため外での墓参や宗教的な慣例として煙を受けたい場合に向く。 == 形状による種類 == 線香は形状から、一般的な棒状の線香「{{Lang|zh|綫條香}} ({{Lang|zh|xiàntiáoxiāng}})」の他に、渦巻き線香、竹ひご線香がある。また、線香とは呼ばないが、同じ原料で作る円錐形型のインセンスがある。 === 渦巻き線香 === [[香港]]、[[台湾]]などでは、中国語で「{{Lang|zh|盤状香}} ({{Lang|zh|pánzhuàngxiāng}})」と呼ばれる渦巻き型の線香を[[寺院]]に吊して祈願することがよく行われており、大型のものでは、連続ひと月近くも燃え続ける例がある。太く長い棒状によったものを巻き付けて作り、渦巻き状に打ち抜く蚊取り線香とは成形方法が異なる。 日本では、[[葬儀]]の一環([[通夜]]など)に香を絶やさないためとして、この渦巻き線香が利用される場合もある。元々は通夜に際して親族や関係者が交代で夜通し香を捧げる弔問の客などに応対したことに由来するが、近年では夜通し弔問を受ける風習が廃れ、灯明([[ろうそく]])と線香を絶やさないようにすることだと[[冠婚葬祭]]業者が説明することもあり、関係者就寝中にも焚き続けるために利用される。一巻が約8時間から12時間ほど掛けてゆっくりと燃焼する。ただし、現代住宅の場合は家屋の密閉性が高いため、[[換気]]をしないと線香でいぶされることもある。 === 竹ひご線香 === [[インド]]や[[中華人民共和国|中国]]、[[台湾]]などでは、細い竹ひごに線香の生地を練りつけて固めた「竹芯香(竹ひご線香、{{lang|zh|竹枝香}} {{Lang|zh|zhúzhīxiāng}})」が古くから用いられている。日本でも輸入雑貨店などでよく販売されている。この竹芯香の製法が[[天正|天正年間]]に日本に伝わり、現代の日本の線香の原型になったとされる。折れ難いという利点があり、中国ではこれを大きく振り回して周囲に香りを広げる動作も見られる。 日本では玩具店や[[駄菓子屋]]で扱われ、[[花火]]の点火用など本来の用途ではない利用のされ方をすることもある。 === 束線香 === [[File:IncenseStack0203.jpg|thumb|right|200px|寺で売られている線香]] 束にしてある線香で、多くは紙に巻かれる。[[墓参]]用の線香で戸外で使うため野線香とも呼ばれる。点火に際しては束を解いて扇状に広げて[[ろうそく]]などの火であぶる。点火して後に親族間で束を分け、それぞれが焼香台に添える場合もある。 なお近代化された住宅内で使用される線香では冷暖房の効率を挙げる上で建物の気密性が高いため、香りが穏やかで煙の少ないものが主流だが、この種の戸外で使うものでは煙と香りが強い製品が主流である。 == 製造 == === 一般的な製法 === 以下、棒状の「匂い線香」を例にとって製法を解説する。 # [[椨]]などの木を粉末にしたものに、[[香木]]の粉末や香料を加えて均一になるまで撹拌し、更に湯を加えて練る。 # 出来上がった粘土状のもの(練り玉)を専用の押し出し器で押し出し、一定の太さの棒状に成型する。 # 木の板(盆板)にとり、乾燥用の板(干し板)に移し変える。 # 干し板上にきっちり並べた線香を、規定の長さに切り揃える。 # 一週間から十日間乾燥させた後、箱詰め包装される。 === 材料 === 線香によく使われる材料には下記がある。 * [[タブノキ|タブ]] * [[白檀]] * [[スギ]] * [[沈香]] * [[ヨモギ]] * [[ショウブ]] * [[バラ]]の花 * [[ラベンダー]] === 著名な線香メーカー === * [[日本香堂]] * [[鳩居堂]] * [[孔官堂]] * [[松栄堂]] * [[奥野晴明堂]] * [[敷島線香]] * [[東芳堂]] * [[薫明堂]] * [[森島如鳩堂]] * [[貴田沈清堂]] * [[梅栄堂]] * [[カメヤマ (ローソク会社)|カメヤマ]] * [[ガネッシュ]](この社の製品は消臭やヒーリング専用。仏事には使わない) * HEM(インドの香) === 日本の産地 === * [[堺市]]([[大阪府]]) - [[天正]]年間(1573–1592年) に、堺の薬種商人が渡韓し線香を発見。日本独自の押し出し機を使った製法を導入し、堺で製造したのが日本最古の線香とされている<ref>堺薫物線香商組合(現在の[[堺線香工業協同組合]])『堺の薫物線香』明治35年(1902)</ref>。戦前には全国生産量の約60%を占めていた。 * [[淡路市]](旧[[津名郡]][[一宮町 (兵庫県津名郡)|一宮町]]、[[兵庫県]]) - 嘉永3年(1850年)に堺の職人が製造方法を教え製造が始まる。昭和30年代半ばには線香生産量日本一となり、現在では全国生産量のうち、70%を占めている。 * [[日光市]]([[栃木県]]) - [[杉]]が[[日本]]全国に[[植林]]される前から続く[[日光杉並木]]に代表される杉の[[メッカ]]であり、杉線香の生産量は日本一である * [[京都府]] - 文化的背景に裏付けられた商品力により、生産量対生産額比では日本一の高付加価値製品産地である。 === 日本の生産と輸出入 === 平成18年の全国生産量・額は7315トン、313億円である。(工業統計表・品目編)生産量で平成7年に1万0859トン、生産額では9年の351億円をピークとして、その後は減少傾向である。大手メーカーはすでに生産拠点を海外に移しているところもあり、それらを含め、[[中華人民共和国|中国]]、[[マレーシア]]、[[台湾]]、[[インド]]、[[タイ王国]]、[[ベトナム]]、[[インドネシア]]等海外からの輸入量はすでに国内生産量の半分に達しているとみられている。関東地方では安価な墓参用線香の需要の内すでに 7-80% が輸入品が占め、有力生産地の一つである栃木では、輸入品と競合するメーカーは廃業に至ることが多い。高級品に関しては今のところ海外製は品質が劣るため影響は少なく、市場では中級品、高級品は国内品、普及品は輸入品と、住み分けが進んでいる。輸出は、量は少ないものの、[[アメリカ合衆国]]、[[大韓民国|韓国]]、[[シンガポール]]、[[ヨーロッパ]]などへとされている。特に[[ドイツ]]は「[[禅]]」がブームとなっており、需要が増加している。 == 衛生線香 == 中国では芳香及び駆虫目的で、公衆便所などで{{lang|zh|衛生香}} ({{Lang|zh|wèishēngxiāng}}) と呼ばれる、太い棒状や渦巻き型の線香を焚く例が少なくない。[[殺虫]]目的の[[蚊取り線香]]とは異なる。 == 電気線香 == 仏壇での火災を防ぐため、線香に模した緑色の棒状のプラスチックの先端に赤色の電気の明かりがともるようにした電気線香も販売されている。 == 脚注 == <references /> == 関連項目 == {{Commons|Incense}} * [[香]] * [[香道]] {{DEFAULTSORT:せんこう}} [[Category:仏具]] [[Category:日本の文化]] [[Category:中国の文化]] [[Category:儀式の火]] [[Category:香料]]
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