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'''突発性難聴'''(とっぱつせいなんちょう、英名:Sudden Deafness(SD) もしくはSudden Sensorineural Hearing Loss (SSHL))とは突発的におきる原因不明の[[難聴]]である。 厚生労働省の[[特定疾患]]に指定されている難病である(ただし医療費の助成のある特定疾患治療研究事業対象の疾患ではない)<ref name="難病情報センター 難病とは">[http://www.nanbyou.or.jp/what/index.html 難病とは 難病情報センター 財団法人 難病医学研究財団・厚生労働省]</ref>。 == 概要 == 突然に原因不明な内耳性の感音性難聴が発症する疾患である<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P313"> 加我 他『新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳』、P313 </ref><ref name="新耳鼻咽喉科学 P185">切替 他『新耳鼻咽喉科学 第10版』、P185</ref><ref name="難病情報センター 突発性難聴">[http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/084.htm 突発性難聴 難病情報センター 財団法人 難病医学研究財団・厚生労働省]</ref>。 発症は突然であり、患者は難聴になった瞬間を語ることができるほど突発的である。(たとえば「朝、起きたら」とか、「図書館に行く前はなんともなかったのに、図書館から帰ってきたら聞こえが悪くなっていた」とかである。)<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P313"></ref><ref name="慶應義塾大学病院・医療健康情報・難聴、耳鳴り">[http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000558.html 慶應義塾大学病院・医療健康情報・難聴、耳鳴り]</ref> ある程度の時間をかけて徐々に難聴が進んだようなケースは突発性難聴ではない<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P313"></ref>。 随伴症状として耳鳴りや耳閉憾を伴うことが多く、半数程度の患者は発症の瞬間には強いめまいを伴う<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref><ref name="新耳鼻咽喉科学 P186">切替 他『新耳鼻咽喉科学 第10版』、P186</ref><ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P438">加我 他『新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳』、P438</ref>が強いめまいは1回だけであり、強いめまいを繰り返したらほかの疾患の可能性を考える。 原因は不明であり、かつ原因が不明であることを本症の定義とする。したがって単一の疾患とは限らず、突発性・原因不明を条件とした感音性難聴を一括した疾患群である<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P313"></ref>。 原因がわかるものは突発的な難聴であっても、本症とはせず、原因にしたがって診断名をつける<ref name="新耳鼻咽喉科学 P186"></ref>。 当初は突発性難聴と診断されても、その後に原因が判明すれば診断名を変更する<ref name="新耳鼻咽喉科学 P186"></ref>。 再発はしない。もしも再発したら突発性難聴以外の他の疾患を疑わなければならない<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref><ref name="新耳鼻咽喉科学 P186"></ref>。 == 疫学 == 2001年の調査では、全国受療者数は年間35,000人(人口100万人対で275.0人)である<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref>。 発症率に男女差はない<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref>。 発症は50~60歳代に多いが、小児の発症もあり、全年齢で見ることができる<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P314">加我 他『新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳』、P314</ref>。遺伝的要素はみられない<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref>。 == 原因 == 内耳などに障害が生じる[[感音性難聴]]の一種と考えられているが、原因は不明である。原因が不明な突発性の難聴を本症とするためである<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref>。 [[ステロイド]](感染症に対して抗炎症作用を持つ)が効果を発揮することからウィルス感染を原因とする説と毛細血管の血流が妨げられ内耳に血液が十分届かずに機能不全を引き起こすという内耳循環障害説などがある<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref>。患者調査の傾向からストレスを原因の一つとする意見もある<ref name="慶應義塾大学病院・医療健康情報・難聴、耳鳴り"></ref>。 内耳循環障害説では健康人の発症が多いことや、再発しないことが説明できず<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref><ref name="慶應義塾大学病院・医療健康情報・難聴、耳鳴り"></ref>、きわめて症状が似ている疾患にムンプスウイルス感染によるムンプス難聴やヘルペスウイルス感染による内耳炎があり、ウィルス原因説には矛盾はないためウイルス感染説が有力とされている<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P314"></ref>。 == 症状 == 発症は聴力が低下した瞬間を確実に自覚できるほど即時的(突発的)である(たとえば、ある朝起きたら片耳が聞こえにくくなっていた、TVを見ていたら突然音声が聞き取れなくなりTVの故障かと思ったなど)<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P313"></ref>。 突発的な発症が特徴であり、「何時からかははっきりしないが、徐々に聞こえなくなった」ような難聴は突発性難聴ではない<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref>。 症状は軽~重度の難聴が主症状であり、ほとんどの患者で[[耳鳴り]]も伴う。それに加えて耳閉感を伴うことも多い。約半数の患者で強いめまいを伴うがめまいは反復することはない。難聴であるにも関わらず一定の音量を超えた音が健常耳に比べ「異常に響き」耳への刺激感・苦痛になる[[補充現象]](リクルートメント現象)を呈することもある。ほとんどの場合片側のみに発症するが、稀に両側性となる場合もある<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref>。 == 検査 == 問診と純音聴力検査が主である<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P315">加我 他『新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳』、P315 </ref>。 突然の難聴を症状とする他疾患の鑑別の為に諸検査も行われる<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P315"></ref>。 聴神経腫瘍を鑑別するためのレントゲン撮影やMRI、内耳性感音性難聴であることを確認するためのABLBテスト、SISIテスト、自記オージオメトリー、内耳梅毒でないことを確認するための血液検査などである<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P315"></ref>。 == 鑑別 == 鑑別すべき疾患には[[メニエール病]]、[[外リンパ瘻]]、[[聴神経腫瘍]]、[[音響外傷性難聴]]、[[流行性耳下腺炎|ムンプス(おたふくかぜ)]]や[[ヘルペス]]など原因の推定される内耳へのウイルス感染症、[[内耳梅毒]]、[[前下小脳動脈梗塞]]、などがある<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P314"></ref>。 低音障害型の難聴を繰り返した場合はメニエール病を、鼻をかむ・くしゃみ・力む・高山へのドライブ・飛行機の離着陸・ダイビングなどをきっかけとした場合や水が流れるような音の耳鳴、耳内に水の流れる感じのある場合あるいは、発症の瞬間にpop音(何かがはじけるような音)があるような場合は外リンパ瘻を疑う<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P314"></ref><ref name="日本めまい平衡医学会・めまいの診断基準化のための資料・外リンパ瘻">[http://www.memai.jp/shindan/05PerilymphFistula.html 日本めまい平衡医学会・めまいの診断基準化のための資料・外リンパ瘻]2011.01.09閲覧</ref>。 爆発音やロックコンサートなどの大音量などが原因と考えられるならば音響外傷性難聴を疑う。 == 治療と予後 == 適切な早期治療と安静が極めて重要である<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P316">加我 他 『新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳』、P316 </ref>。重度であれば入院での加療が望ましい。 治療方法は前述の仮説を想定したものが中心となる。一般的には発症から1週間以内に治療されれば治療成績は比較的良好であるが、それ以降は治療成績は落ち、2週間を過ぎると治癒の確率は大幅に低下する<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P316"></ref>。 治療方法は [[ステロイド]]剤投与(ほとんどの施設で第一選択になっている)<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P315"></ref>、 あるいは血流改善剤(アデホスコーワ等)、代謝促進剤(メチコバール等)、[[高気圧酸素療法]]、[[星状神経節ブロック]]注射等である<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P315"></ref>。 難聴が極めて高度な場合、聴力が一ヶ月以内に回復しない場合、初期にめまいを伴うものは聴力予後が悪いといわれている<ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P313"></ref><ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref><ref name="新耳鼻咽喉科学 P186"></ref><ref name="新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳 P316"></ref>。 == 診断基準 == (厚生省・急性高度難聴に関する調査研究班、1975)による<ref name="難病情報センター 突発性難聴"></ref>。 1)'''主症状''' 1. '''突然の難聴''' 文字通り即時的な難聴、または朝眼が覚めて気付くような難聴。ただし、難聴 が発生したとき「就寝中」とか「作業中」とか、自分がその時何をしていたか が明言できるもの。 2. '''高度な感音難聴''' 必ずしも高度である必要はないが、実際問題としては高度でないと突然難聴になったことに気付かないことが多い。 3. '''原因が不明、または不確実''' つまり、原因が明白でないこと。 2)'''副症状''' 1. '''耳鳴り''' 難聴の発生と前後して耳鳴りを生ずることがある。 2. '''めまい、および吐き気、嘔吐''' 難聴の発生と前後してめまいや、吐き気、嘔吐を伴うことがあるが、めまい発作を繰り返すことはない。 [診断の基準] 確実例 : 主症状、副症状の全事項をみたすもの。 疑い例 : 主症状の1. および2. の事項をみたすもの。 [参考] a. [[聴覚補充現象|Recruitment現象]]の有無は一定せず。 b. 聴力の改善、悪化の繰り返しはない。 c. 一側性の場合が多いが、両側性に同時罹患する例もある。 d. [[内耳神経|第VIII脳神経]]以外に顕著な神経症状を伴うことはない。 == 出典・脚注 == <references/> == 参考文献 == 加我 君孝、市村 惠一、新美 成二 編著『新臨床耳鼻咽喉学 2巻ー耳』、中外医学社、2002、ISBN 4-498-06236-1 切替 一郎 原著 野村 恭也 編著『新耳鼻咽喉科学 第10版』、南山堂、2004、ISBN 4-525-37020-3 == 関連項目 == * [[耳鼻咽喉科学]] * [[メニエール病]] == 外部リンク == * [http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/084.htm 難病情報センター] {{DEFAULTSORT:とつはつせいなんちよう}} [[Category:特定疾患]] [[Category:耳鼻咽喉科学]] [[Category:聴覚]] [[en:Sensorineural hearing loss]]
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