石井丈裕のソースを表示

{{Infobox baseball player
|選手名             = 石井 丈裕
|所属球団           = 埼玉西武ライオンズ
|役職               = コーチ
|背番号             = 77
|選手写真ファイル名 = 
|写真サイズ         = 
|写真のコメント     = 
|国籍               = {{JPN}}
|出身地             = [[東京都]][[大田区]]
|生年月日           = {{生年月日と年齢|1964|10|25}}
|没年月日           = 
|身長               = 185
|体重               = 90
|利き腕             = 右
|打席               = 右
|守備位置           = [[投手]]
|プロ入り年度       = {{NPBドラフト|1988}}
|ドラフト順位       = ドラフト2位
|初出場             = NPB/1989年4月13日 <br /> TML/2000年
|最終出場           = NPB/1999年10月2日 <br /> TML/2001年
|年俸               = 
|経歴               = <nowiki></nowiki>
* [[早稲田大学系属早稲田実業学校初等部・中等部・高等部|早稲田実業学校高等部]]
* [[法政大学野球部|法政大学]]
* [[プリンスホテル硬式野球部|プリンスホテル]]
* [[埼玉西武ライオンズ|西武ライオンズ]] (1989 - 1997)
* [[北海道日本ハムファイターズ|日本ハムファイターズ]] (1998 - 1999)
* [[台北太陽|台北声宝太陽<br/>台北誠泰太陽]] (2000 - 2001)
|経歴補足題         = 監督・コーチ歴
|経歴補足           = <nowiki></nowiki>
* 台北誠泰太陽 (2002)
* [[ロッテ・ジャイアンツ]] (2003)
* [[埼玉西武ライオンズ|西武ライオンズ<br />埼玉西武ライオンズ]] (2004 - 2009, 2011, 2014 - )
}}
{{MedalTop}}
{{MedalSport|男子 [[野球]]}}
{{MedalSilver|[[ソウルオリンピック|1988]]|野球}}
{{MedalBottom}}
'''石井 丈裕'''（いしい たけひろ、[[1964年]][[10月25日]] - ）は、[[東京都]][[大田区]]出身の元[[プロ野球選手]]（[[投手]]）、野球指導者。現在は、[[埼玉西武ライオンズ]]の一軍投手コーチ。

== 経歴 ==
=== プロ入り前 ===
[[東京都]][[大田区]]で自営業の家庭に生まれる。3人姉弟の末っ子で姉が2人いる<ref name="Number_19921120_25"/>。[[大田区立羽田中学校|羽田中学]]では途中から就任した野球部の顧問が練習を指導せず、意欲をそがれて退部したという<ref name="base_19921121_18">週刊ベースボール、1992年11月26日号、P.18</ref>。その後、誘いを受けた事から大田シャークボーイズで[[硬式野球]]を始めた<ref name="base_19921121_18"/>。中学の一年先輩には元[[プロレスラー]]の[[安田忠夫]]がいる。[[早稲田大学系属早稲田実業学校初等部・中等部・高等部|早稲田実業]]時代は、球速は速かったものの[[カーブ_(球種)|カーブ]]も投げられず故障がちなこともあり<ref>朝日新聞、1998年7月4日付朝刊、東京地方面。同、2014年5月3日付スポーツ面</ref>、同期の[[荒木大輔]]の控え投手だった。3年次の[[第64回全国高等学校野球選手権大会|夏の選手権大会]]では準々決勝の[[徳島県立池田高等学校|池田高校]]戦に登板し、[[水野雄仁]]に満塁ホームランを打たれて敗北している。

高校卒業後は[[法政大学野球部|法政大学]]に進学。1学年上の[[西川佳明]]や同期の[[猪俣隆]]がエースだったため[[東京六大学野球連盟|六大学リーグ戦]]に初登板したのは3年秋と遅かった<ref name="base_19890616_50"/>が、4年生になると頭角を表し{{by|1986年}}春のリーグ戦では3勝を挙げてベストナインに選出された。また、学生を主体とした同年の[[ハーレムベースボールウィーク]]の日本代表に選ばれ、純粋な力勝負ができる国際試合の魅力に取りつかれたという<ref>別冊宝島、1545号、P.72</ref>。リーグ戦の通算成績は8勝4敗。

大学卒業後は[[社会人野球]]の[[プリンスホテル硬式野球部|プリンスホテル]]に進み、最速149km/hを記録する<ref name="base_19890306_32">週刊ベースボール、1989年3月6日号、P.32</ref>など才能が開花。{{by|1988年}}には[[第59回都市対抗野球大会|都市対抗]]の東京都予選1回戦で打球が当たり、1.2だった右眼の[[視力]]が一時は0.1まで低下した<ref name="base_19890828_30">週刊ベースボール、1989年8月28日号、P.30</ref>が、同年の[[ソウルオリンピック野球日本代表]]に選ばれる。

五輪前の[[IBAFワールドカップ]]では粘り強い投球で計32奪三振を挙げ<ref name="takarajima_70">別冊宝島、1545号、P.70</ref>、同大会で[[渡辺智男]]がヒジを故障したこともあって[[ソウルオリンピックにおける野球競技|ソウル五輪]]では[[潮崎哲也]]や[[野茂英雄]]と組んだローテーションの柱を務めている。予選リーグ初戦の対[[野球プエルトリコ代表|プエルトリコ]]戦で完投勝利を収め、続く対[[野球台湾代表|台湾]]戦では同点で迎えた9回表から5イニングを4安打無失点に抑えてチームを勝利に導いた<ref>別冊宝島、1545号、P.68</ref>。準決勝の対[[野球大韓民国代表|韓国]]戦および決勝の対[[野球アメリカ合衆国代表|アメリカ]]戦にも先発したが、決勝では4回に四番の[[ティノ・マルティネス]]に2ランホームランを打たれ、敗戦投手となっている<ref>別冊宝島、1545号、P.74</ref>。大会通算ではチームトップの23.2イニングを投げ、12奪三振、防御率1.14の成績を残した<ref name="takarajima_70"/>。

まだ十分に会社に貢献できてないとして[[1988年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)|同年のドラフト会議]]前にはプロ入り拒否を表明したが、[[埼玉西武ライオンズ|西武]]が2位で強行指名。所属するプリンスホテルが西武系列だったため、一部で密約説も噂された<ref name="base_19890116_25">週刊ベースボール、1989年1月16日号、P.25</ref>。しかし同年は3・4番の[[小川博文]]と[[中島輝士]]もドラフト指名されたため、プリンスホテルの監督[[石山建一]]が石井のプロ入りに難色を示した<ref name="base_19890116_25"/>。その後スカウトの[[毒島章一]]による家族への説得もあり、最終的に入団が決定。1位指名の渡辺智男と同じ契約金7,000万円、年俸840万円（いずれも推定）という高条件だった<ref name="base_19890116_25"/>。

=== 西武・日本ハム時代 ===
プロ1年目の{{by|1989年}}のキャンプでは順調な仕上がりを見せ、バッテリーコーチの[[黒田正宏]]からは「前年の[[最優秀新人 (日本プロ野球)|新人王]]の[[森山良二]]並に活躍できる」と高い評価を受け、監督の[[森祇晶]]にも開幕ローテーション入りを期待されていた<ref name="base_19890616_50">週刊ベースボール、1989年6月16日号、P.50</ref>。また、投手コーチの[[八木沢荘六]]からはアマチュア時代に2番手だったため肩を酷使していない点も評価されている<ref name="base_19890306_32"/>。

[[オープン戦]]でも150km/h近い[[速球]]を武器に13回1/3で失点1と好投し、開幕から一軍入りを果たす<ref name="base_19890424_30">週刊ベースボール、1989年4月24日号、P.30</ref>。開幕後は[[4月29日]]の対[[福岡ソフトバンクホークス|ダイエー]]戦で初[[セーブ]]を挙げるが、続いて[[先発投手|先発]]した[[5月4日]]の対[[オリックス・バファローズ|オリックス]]戦は10安打4失点と打ち込まれるなどプロの壁に当たった。後半戦はリリーフを務め、最終的に[[防御率]]4.33の成績に終わった。徐々に思い切りの良さが失われ、また変化球の制球が悪いことから投球が単調になったという<ref name="base_19890616_50"/>。また、プリンスホテルの先輩である中島輝士に[[死球]]を与えて骨折させた事を気にし、内角が攻めにくくなっていた<ref name="Number_19921120_25"/>。

2年目の{{by|1990年}}はキャンプでコーチの[[小山正明]]から[[パームボール]]を伝授され、遅い[[球種_(野球)|球種]]を得たことで投球の幅が大きく広がった。シーズン初先発となった[[5月12日]]の対ダイエー戦では2回途中でKOされたが、ブルペンでの内容は良かったことから5日後の[[5月17日]]の対[[千葉ロッテマリーンズ|ロッテ]]戦に再び先発。[[大宮龍男]]の好リードもあって初[[完封]]を挙げると、次の[[5月25日]]でも[[完投]]で勝利し、[[先発ローテーション]]入りを果たした。7月までに6勝を挙げる活躍で初の[[1990年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスター]]にも出場した。後半はやや伸び悩み8勝に終わったものの、チームの優勝に貢献した。[[1990年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]では、西武の4連勝という圧勝で投手を6人しか起用しなかったこともあり、出番はなかった。

{{by|1991年}}は右後背筋痛などに苦しみ<ref name="Number_19921120_25">Numeber、1992年11月20日号、P.25</ref>、シーズン通算は7勝に終わったものの、チームは連覇を飾った。[[1991年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]では、第6戦で[[郭泰源]]の後を受けて4回を無失点で切り抜け、シリーズ初勝利を挙げた。

{{by|1992年}}は、[[6月28日]]の対オリックス戦では被安打1のみの準完全試合という好投を見せる<ref name="base_19921121_19">週刊ベースボール、1992年11月26日号、P.19</ref>など先発の柱として働く一方、シーズン当初は[[鹿取義隆]]や潮崎と並んで抑え役もこなすなどの活躍ぶりを見せ、シーズン通算15勝3敗3S、防御率1.94の成績で優勝の原動力となり、[[沢村栄治賞|沢村賞]]、[[最優秀選手 (野球)|MVP]]など多くのタイトルを獲得した。[[WHIP]]は0.88を記録し、9月には4勝0敗で初の[[月間MVP (日本プロ野球)|月間MVP]]も受賞した。この年躍進した要因として、前年オフに[[伊東勤]]の勧めで始めたメンタルトレーニング<ref name="Number_19921120_25"/>や[[ノーラン・ライアン]]の[[ピッチャーズ・バイブル]]を読んだ事で精神的に成長したことが挙げられている<ref name="base_19921121_19"/>。レギュラーシーズンの優勝決定戦で7点をもらいながら4回2/3で降板したため、[[東京ヤクルトスワローズ|ヤクルトスワローズ]]との[[1992年の日本シリーズ|日本シリーズ]]では初戦の先発を外された<ref name="Number_19921120_25"/>。石井自身は与四球の少なさからシリーズではリリーフ起用もあると考えていたというが、監督の森は7戦まで勝負がもつれる事を想定して最終戦の先発を石井にしたと語っており、そこから逆算して起用された第3戦の先発では1失点で完投勝利を挙げている<ref name="base_19921121_16">週刊ベースボール、1992年11月26日号、P.16</ref>。さらに第7戦では0-1で迎えた7回表に[[岡林洋一]]から自ら右中間に同点タイムリーを放って延長戦に持ち込み、10回155球を投げて[[完投|完投勝利]]で日本一に輝きシリーズMVPにも選出された。

{{by|1993年}}はシーズン当初より完全に先発投手として起用され、郭の故障や[[渡辺久信]]の不調がある中、[[工藤公康]]とともに安定した働きを見せる<ref name="base_19930920_24"/>。しかし後半は調子を落とし、4完封こそしたものの12勝止まりに終わる。[[1993年の日本シリーズ|日本シリーズ]]では第4戦で先発し、1失点ながら4回降板で敗戦投手となった。

{{by|1994年}}は勝ち数こそ6勝にとどまったものの、シーズン終盤には[[郭泰源]]とともに[[リリーフ]]に回りチームの11連勝を支えた<ref>読売新聞、1994年10月3日付夕刊、P.3</ref>。9月は1勝0敗4S、防御率1.20と好投し、月間MVPに選ばれている<ref>[http://www.pacific.npb.or.jp/bluebook/blumonth.html パ・リーグ BLUE BOOK 月間MVP賞]</ref>。この終盤の石井の活躍もあり、チームは5連覇を飾った。[[1994年の日本シリーズ|日本シリーズ]]でも抑え役を務め、第3戦では敗戦投手となったものの第4戦では9回途中から延長12回までを投げ抜き、勝利投手となった。オフには3,200万円増の1億1,000万円で契約を更改し、1億円プレイヤーとなっている<ref>朝日新聞、1993年12月24日付朝刊、P.20</ref>。

{{by|1995年}}は4月に3完投を含む4勝を挙げ、防御率0.79で月間MVPを受賞するなど順調な滑り出しを見せた。しかし[[7月15日]]の対日本ハム戦の試合前の練習で左ふくらはぎ肉離れを起こし<ref>毎日新聞、1995年7月16日付朝刊、P.22</ref>、[[1995年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|同年のオールスターゲーム]]は欠場して代わりに郭泰源が出場している<ref>読売新聞、1995年7月19日付朝刊、P.23</ref>。この影響と腰痛のため2ヶ月間戦列を離れ<ref name="mainichi_19951217">毎日新聞、1995年12月17日付朝刊、P.22</ref>、シーズン通算では2年振りに二桁勝利を挙げるも規定投球回数には到達しなかった<ref name="base_19960212_">週刊ベースボール、1996年2月12日号</ref>。同年はチームもリーグ優勝を逃し、オフの更改で年俸は9,800万円（推定）と1億円を割り込んだ<ref name="mainichi_19951217"/>。

{{by|1996年}}は[[5月2日]]の対[[北海道日本ハムファイターズ|日本ハム]]戦で降板した直後に右足に激痛を感じ、経過観察後の[[7月9日]]に軟骨除去手術を行ない<ref name="base_19980209_34">週刊ベースボール、1998年2月9日号、P.34</ref>同年はプロで初の無勝利に終わった。

{{by|1997年}}は[[5月24日]]の対日本ハム戦で2年ぶりの勝利を挙げ、ヤクルトとの[[1997年の日本シリーズ|日本シリーズ]]でも先発登板をしたが、同年オフの[[10月29日]]に[[西崎幸広]]との交換トレードを告げられ、[[奈良原浩]]と共に日本ハムファイターズへ移籍した。

{{by|1999年}}、移籍して二年間一軍でも二軍でも思うような結果を残せず、99年シーズンオフに日本ハムから戦力外通告を受ける。[[福岡ソフトバンクホークス|福岡ダイエーホークス]]、[[横浜DeNAベイスターズ|横浜ベイスターズ]]、[[阪神タイガース]]の入団テストを受けるも、いずれも不合格。ちなみに他のチームのテストとの日程の兼ね合いでテストを回避した[[千葉ロッテマリーンズ]]はテストでベテラン選手（[[河野博文]]、[[秦真司]]、[[本西厚博]]）を大量採用する等皮肉な結果になった。（[[ZONE (テレビ番組)|人間解析ドキュメント ZONE]]より）
「人間解析ドキュメント ZONE」では、日本ハムから戦力外通告を受けてから、台湾に渡るまでが放送された。全盛期のイメージと現在とのギャップ、またテストを控えていたが怪我の影響もあり走りこみなどの調整が上手く進めず、調整を手伝って貰っていた捕手に八つ当たってしまう等、この時の苦悩が鮮明に描かれ放送された。この放送回が反響を呼び以後プロ野球の戦力外選手の特集はTBSでのプロ野球オフシーズンの恒例番組になった。現役続行を強く希望して元チームメートの渡辺久信や郭泰源に相談し、[[台湾職業棒球大聯盟|台湾大聯盟]]の[[台北太陽]]に選手兼任コーチとして入団が決まった<ref name="base_20010115_109">週刊ベースボール、2001年1月15日号、P.109</ref>。

=== 台湾球界移籍以降 ===
{{by|2000年}}は16勝5敗、防御率1.74の好成績でチームのリーグ優勝に貢献し、最多勝、最優秀防御率とMVPのタイトルを獲得した<ref name="base_20010115_108">週刊ベースボール、2001年1月15日号、P.108</ref>。球速は135km/h前後と全盛期より落ちていたが、制球の良さを活かした投球をしていた<ref name="base_20010115_109"/>。翌{{by|2001年}}も9勝を挙げたが同年限りで現役を引退し、{{by|2002年}}は同チームの監督を務めた。チームスタッフは自身を含めて6名だけで、[[打撃投手]]も兼任していた<ref>毎日新聞、2002年5月14日付夕刊、西部本社版、P.6</ref>。台湾球界の再編でリーグが消滅すると{{by|2003年}}は[[韓国野球委員会|韓国プロ野球]]・[[ロッテ・ジャイアンツ]]の投手コーチを務めた。

{{by|2004年}}からは西武に復帰。{{by|2009年}}までは二軍投手・トレーニングコーチを務め、{{by|2010年}}にはフロント入り。{{by|2011年}}は一軍投手コーチを務め、同年限りで退任<ref>{{Cite web|date=2011-11-07|url=http://www.seibulions.jp/news/detail/5434.html|title=埼玉西武ライオンズコーチ来季契約について|publisher=埼玉西武ライオンズ|accessdate=2011-11-15}}</ref>。{{by|2012年}}からはフロント入りし、ライオンズアカデミーコーチとして、少年らへの指導に当たる<ref>[http://www.seibulions.jp/expansion/academy/coach/index.php ライオンズアカデミーコーチ紹介]</ref>。{{by|2014年}}シーズンより、ライオンズの一軍投手コーチとして現場に復帰する<ref>[http://www.seibulions.jp/news/detail/8316.html 2014年度 コーチングスタッフ発表！] 埼玉西武ライオンズ公式サイト 2013年10月22日配信 2013年11月3日閲覧。</ref>。シーズン当初はブルペン担当だったが、5月27日に配置転換としてベンチに入ることが発表された。

== プレースタイル ==
ワインドアップのアーム式[[スリークォーター]]で最速148km/hの[[速球]]を投げる一方、体幹がブレないため[[社会人野球|社会人時代]]から制球力には定評があった<ref name="base_19890306_32"/>。静かな[[投法|投球フォーム]]は[[ジム・パーマー]]のようだと評され<ref name="base_19890424_31">週刊ベースボール、1989年4月24日号、P.31</ref>、球持ちの長い事が制球の良さに繋がっていた。{{by|1992年}}にはパ・リーグで[[規定投球回]]に達した投手で最少の28[[四球]]を記録し<ref name="base_19921121_16"/>、翌年は191回2/3に投球回が増えながら四球数は増えていない。好調時には[[ストライクゾーン]]の中でコースの投げ分けができたという<ref name="base_19930920_24">週刊ベースボール、1993年9月20日号、P.24</ref>。

アマチュア時代は速球と手元で曲がる[[スライダー_(球種)|スライダー]]を武器にしていた<ref name="base_19890424_31"/>が、西武で[[小山正明]]コーチから[[パームボール]]を習得して投球の幅が大きく広がった。パームは薬指、中指、人差し指の第2関節より下でボールに触れ、親指1本で持って小指を添えるような握りだった<ref name="base_20040607_25">週刊ベースボール、2004年06月07日号、P.109</ref>。主に真ん中低めに投げていたが、手首を固定するためヒジや肩に負担がかかり、ヒジを故障する原因になったという<ref name="base_20040607_25"/>。パームは1992年の時点で球速が120km/h程度あり、さらに遅くして緩急を増すことを目標にしていた<ref name="base_19921121_19"/>。

[[打撃]]については中学時代に基礎を習わず、高校では控え[[投手]]という事もあって練習時間がなかった。その後の社会人、プロでも[[指名打者|指名打者制]]が採用されたため、ほぼ素人に近いレベルだったという<ref name="base_19921121_18"/>。[[1992年の日本シリーズ]]第7戦がプロで初めての打席だったが、この試合で[[岡林洋一]]からタイムリーを放っている<ref name="base_19921121_17">週刊ベースボール、1992年11月26日号、P.17</ref>。

== 詳細情報 ==
=== 年度別投手成績 ===
{| {{投手成績|リーグ=日本プロ野球}}
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1989}}
|rowspan="9" style="text-align:center;"|[[埼玉西武ライオンズ|西武]]
|33||3||0||0||0||4||4||3||--||.500||302||68.2||85||6||21||4||3||39||0||0||33||33||4.33||1.54
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1990}}
|23||17||6||2||0||8||6||0||--||.571||556||133.1||132||14||29||1||0||99||4||0||54||50||3.38||1.21
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1991}}
|17||15||6||1||'''3'''||7||5||0||--||.583||426||110.1||81||15||23||0||0||68||1||1||41||40||3.26||0.94
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1992}}
|27||19||8||3||'''3'''||15||3||3||--||'''.833'''||563||148.1||103||9||28||0||1||123||0||0||34||32||1.94||0.88
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1993}}
|26||26||14||'''4'''||'''4'''||12||10||0||--||.545||766||191.2||173||'''25'''||28||4||3||144||3||0||69||68||3.19||1.05
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1994}}
|27||15||4||1||1||6||6||4||--||.500||482||118.2||106||10||30||6||2||70||1||0||49||44||3.34||1.15
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1995}}
|18||17||5||2||1||10||6||0||--||.625||466||115.1||95||9||28||1||0||82||0||0||38||35||2.73||1.07
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1996}}
|5||4||0||0||0||0||1||0||--||.000||108||25.2||21||4||10||0||1||10||0||0||11||10||3.51||1.21
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1997}}
|30||17||0||0||0||4||5||0||--||.444||471||109.2||109||8||41||1||2||72||1||0||51||42||3.45||1.37
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1998}}
|rowspan="2" style="text-align: center; white-space:nowrap;"|[[北海道日本ハムファイターズ|日本ハム]]
|27||5||0||0||0||2||5||0||--||.286||211||46.1||56||9||17||2||3||35||0||2||35||32||6.22||1.58
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1999}}
|20||0||0||0||0||0||1||0||--||.000||115||25.0||34||3||7||1||2||13||0||0||19||16||5.76||1.64
|-
!colspan="2"|通算：11年
|253||138||43||13||12||68||52||10||--||.567||4466||1093.0||995||112||262||20||17||755||10||3||434||402||3.31||1.15
|}

=== タイトル ===
; NPB
* [[最高勝率 (野球)|最高勝率]]：1回 （1992年）
; TML
* 最多勝：1回 （2000年）
* 最優秀防御率：1回 （2000年）

=== 表彰 ===
; NPB
* [[最優秀選手]]：1回 （1992年）
* [[正力松太郎賞]]：1回 （1992年）
* [[沢村栄治賞|沢村賞]]：1回 （1992年）
* [[ベストナイン (日本プロ野球)|ベストナイン]]：1回 （1992年）
* [[日本選手権シリーズ|日本シリーズ]]MVP：1回 （[[1992年の日本シリーズ|1992年]]）
* [[月間MVP (日本プロ野球)|月間MVP]]：3回 （1992年9月、1994年9月、1995年4月）
* [[最優秀バッテリー賞]]：1回 （1992年、捕手：[[伊東勤]]）

; TML
* 最優秀選手：1回 （2000年）

=== 記録 ===
* 初登板：1989年4月13日、対日本ハム戦（西武）2-5　9回より登板、1回2失点
* 初セーブ：1989年4月29日、対ダイエー戦（西武）6-3　8回より登板、2回無失点
* 初勝利：1989年7月13日、対近鉄戦（藤井寺）10-4　5回1死より登板、4回2/3無失点
* 初完投・初完封：1990年5月17日、対ロッテ戦（西武）3-0　被安打1　奪三振6　四死球1
* [[オールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスター]]出場：3回（1990年、1992年、1995年）

=== 背番号 ===
* '''11''' （1989年 - 1997年）
* '''27''' （1998年 - 1999年）
* '''77''' （2004年 - 2009年、2014年 - ）
* '''88''' （2011年）

== 脚注 ==
{{Reflist|3}}

== 関連項目 ==
* [[東京都出身の人物一覧]]
* [[法政大学の人物一覧]]
* [[埼玉西武ライオンズの選手一覧]]
* [[北海道日本ハムファイターズの選手一覧]]
* [[荒木大輔]] - 早稲田実業野球部同期
* [[小沢章一]] - 早稲田実業野球部同期
* [[猪俣隆]] - 法政大学野球部同期

{{埼玉西武ライオンズ}}
{{Navboxes|title=業績
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{{沢村栄治賞}}
{{正力松太郎賞}}
{{日本シリーズMVP}}
{{パシフィック・リーグMVP}}
{{パシフィック・リーグ最優秀勝率投手}}
{{パシフィック・リーグ ベストナイン (投手)}}
}}
{{ソウルオリンピック野球日本代表}}
{{西武ライオンズ1988年ドラフト指名選手}}

{{DEFAULTSORT:いしい たけひろ}}
[[Category:日本の野球選手]]
[[Category:オリンピック野球日本代表選手]]
[[Category:日本のオリンピック銀メダリスト]]
[[Category:最優秀選手 (NPB)]]
[[Category:沢村栄治賞]]
[[Category:法政大学野球部の選手]]
[[Category:プリンスホテル硬式野球部の選手]]
[[Category:埼玉西武ライオンズ及びその前身球団の選手]]
[[Category:北海道日本ハムファイターズ及びその前身球団の選手]]
[[Category:台湾職業棒球大聯盟の選手]]
[[Category:ロッテ・ジャイアンツ]]
[[Category:野球監督]]
[[Category:東京都出身の人物]]
[[Category:1964年生]]
[[Category:存命人物]]