異性化糖のソースを表示
←
異性化糖
移動先:
案内
、
検索
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
要求した操作を行うことは許可されていません。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
'''異性化糖'''(いせいかとう、high-fructose corn syrup、'''HFCS''')とは、[[デンプン]]を[[酵素]]又は[[酸]]により[[加水分解]]して得られた主として[[ぶどう糖]]からなる糖液を酵素又はアルカリにより異性化した[[果糖]]又はぶどう糖を主成分とする[[糖]]をいう<ref>[http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40HO109.html 砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律]</ref>。デンプンはぶどう糖から構成されているが、ぶどう糖をより[[甘味]]の強い果糖に異性化させることによって甘味をより強めることができる。[[トウモロコシ]]や[[ジャガイモ]]、あるいは[[サツマイモ]]などの[[デンプン]]を酵素で[[糖化]]させた後、含まれるブドウ糖の一部を別の酵素で果糖に[[異性化]]させたものである。 == 分類 == 異性化糖製品は[[日本農林規格]] (JAS) で以下のように制定されている。 ;ブドウ糖果糖液糖: 果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が 50% 未満のもの。 ;果糖ブドウ糖液糖: 果糖含有率が 50% 以上 90% 未満のもの。 ;高果糖液糖: 果糖含有率が 90% 以上のもの。 ;砂糖混合異性化液糖: 上記の液糖に 10% 以上の[[砂糖]]を加えたもの(その液糖がブドウ糖果糖液糖なら砂糖混合ブドウ糖果糖液糖)。 == 生成方法 == デンプンから異性化糖を生成するには、3回の[[酵素]]反応と[[精製]]、濃縮が必要である。一方、砂糖は[[ビート]]や[[サトウキビ]]から[[抽出]]、[[精製]]して作られる。 #液化 — デンプンに[[水]]と[[加水分解]]酵素である α-[[アミラーゼ]]を加え、95 ℃ 程度に加熱する。これにより[[高分子]]のデンプンはある程度小さく[[分解]]される。 #[[糖化]] — 液化終了後に 55 ℃ 程度まで冷却し、グルコアミラーゼを加える。この反応で、糖はさらに細かく分解され、ブドウ糖になる。 #[[異性化]] — 60 ℃ で異性化酵素のグルコース[[イソメラーゼ]]を加え、約半分のブドウ糖を果糖に変化させる。異性化糖の名称はこの反応(ブドウ糖が果糖に異性化する反応)に由来している。 #精製・濃縮 — 異性化後、液糖をろ過機やイオン交換装置で精製し、水分を[[蒸発]]させて濃縮することにより、果糖分 42% のブドウ糖果糖液糖が得られる。さらに、[[クロマトグラフィー]]によって果糖純度を高めることができ、この技術で果糖分 55% の果糖ブドウ糖液糖や果糖分 95% の高果糖液糖などを作ることができる。 == 甘味度 == [[Image:relativesweetness.png|thumb|400px|糖と甘味料の相対的な甘さ]] 砂糖の甘味度(甘みの強さ)を 100 とすると、ブドウ糖の甘味度は 65–80、果糖は 120–170 で、甘味度の強さは 果糖 > 砂糖 > ブドウ糖 の順である。そのため、果糖分 42% のブドウ糖果糖液糖の甘味度は 70–90、果糖分 55% の果糖ブドウ糖液糖は 100–120 である。ただし、果糖は高温では砂糖の 60% の甘味度しかなく、40 ℃ 以下でないと砂糖よりも甘くならないので、異性化糖の甘さは温度によって大きく左右される。 == 特性 == *砂糖より甘みが口中に残りにくく、低温下で甘味度を増すので、[[清涼飲料]]や[[冷菓]]などに多く使われている。また、異性化糖は価格も安い(果糖分 55% の果糖ブドウ糖液糖は砂糖の7割程度)ので、他に[[缶詰]]、[[パン]]、[[みりん]]風[[調味料]]などにも使われている。 *低温での利用に向いている半面で、熱に弱く、加熱すると着色してしまう(このとき[[メイラード反応]]が起きる)。 *[[粘性]]が少ないため、取り扱いやすく、[[タンクローリー]]等により大量に運送したり、[[タンク]]に保存・貯蔵したりすることが容易である。 *液状のため、固形化や粉末化するのが難しく、一般消費者向けにはほとんど販売されていない(果糖ブドウ糖液糖は[[ガムシロップ]]として市販されている)。 *砂糖よりも[[カロリー]]が低く、時折[[ダイエット]]商品にも利用されている。 == 各国の事情 == 異性化糖は主に工業国において生産される。普及の割合には、各国の農業政策と密接な関係がある。なお、補助金制度等は現在の農業自由化の流れの中で変化しつつある。 === 日本 === :日本においては、国内で余剰気味のサツマイモ等などを原料とした糖類を作る技術が求められ、[[農林水産省]]および[[通商産業省]]管轄下の研究所で競って研究が進められた結果、1960年代後半から70年代にかけて技術が確立された。現在の製法は通産省[[工業技術院]](現[[産業技術総合研究所]])の[[高崎義幸]][[博士]]らのグループにおいて開発されたものである(特公昭41-7431)。日本においては普及は急速ではなかったものの、清涼飲料水において普及が進み、今では砂糖類の需要の4分の1程度となっている[http://sugar.alic.go.jp/japan/data/j_html/j_1_01.htm]。また、日本においてもデンプン源として主に使われるのは今はトウモロコシであるが、農業振興のため、一定量の国内産デンプンの引き取り義務がある。 :日本の市場規模は、年間800億円-1,000億円。10社([[日本スターチ・糖化工業会]])が9割のシェアを握る構造となっている<ref>[http://www.47news.jp/news/2012/01/post_20120131115800.html 甘味料販売で価格カルテルか。公取委、10社立ち入り](47NEWS.2012年1月31日)2012年2月3日</ref>。 === アメリカ === :[[アメリカ合衆国]]では[[コーンスターチ]](トウモロコシから作られたデンプン、低コスト生産のため殺虫能力を添加した遺伝子組み換えトウモロコシが主に使用される)を原料に使っているため HFCS ('''h'''igh-'''f'''ructose '''c'''orn '''s'''yrup) と呼ばれている。通商産業省工業技術院(現[[産業技術総合研究所]])は、1966年に再実施権付きの独占実施契約を、[[コーンスターチ]]の5大メーカーの一であったStandard Brands Inc.(現Nabisco)と締結している。この契約は[[国有特許]]の輸出第一号になったものである。FDAの審査を経た後、開発された直後の1970年代に急速に受け入れられ、今では糖類の需要の半分近くを占め、世界の生産量、消費量の7割を占めており、直接ないし清涼飲料水の形で周辺国へ輸出もしている。これには[[キューバ革命]]によって[[キューバ]]からの砂糖の輸入が途絶え価格が高騰したこと、液糖を使う素地が元々あったことが考えられる。普及に伴い、[[肥満]]の原因としてやり玉に挙げられることが多くなり、<!-- 英語版の記事の履歴やノート等を見ても分かる通り -->大きな論争の種となっている。 === 欧州連合 === :[[欧州連合]] (EU) 砂糖規制法規においては'''イソグルコース''' (isoglucose) と呼ばれ、製糖業の保護のために生産割り当てが行われている。その結果、EU諸国における異性化糖の占める割合は多くて 5% 以下で、あまり普及していない。食品表記上では、ブドウ糖果糖液糖に相当するGlucose-Fructose Syrup(GFS)が使われる。果糖ブドウ糖液糖等に相当するFructose-Glucose Syrup(FGS)の表記も規定されているがEU圏内では殆ど生産されていない。 ==引用== <references/> == 関連項目 == * [[水飴]] * [[オリゴ糖]] * [[転化糖]] == 外部リンク == *[http://sugar.alic.go.jp/tisiki/ti_0407.htm お砂糖豆知識2004年7月] *[http://sugar.alic.go.jp/tisiki/ti_0408.htm お砂糖豆知識2004年8月] *[http://sugar.alic.go.jp/tisiki/ti_0409.htm お砂糖豆知識2004年9月] *[http://sugar.alic.go.jp/tisiki/ti_0009.htm#kanmi 甘味料のあれこれ 液糖(異性化糖)はどうして生まれたのか。] *[http://www.aist.go.jp/aist_j/information/result/1965_001/index.html ブドウ糖を果糖に変えるグルコースイソメラーゼ](産業技術総合研究所) {{デフォルトソート:いせいかとう}} [[Category:甘味料]]
異性化糖
に戻る。
案内メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
変種
表示
閲覧
ソースを表示
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
コミュニティ・ポータル
最近の出来事
新しいページ
最近の更新
おまかせ表示
sandbox
commonsupload
ヘルプ
ヘルプ
井戸端
notice
bugreportspage
sitesupport
ウィキペディアに関するお問い合わせ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
特別ページ
ページ情報