特殊空挺部隊のソースを表示

{{Otheruses|イギリスの部隊|他国の部隊}}
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{{Sakujo/本体|2014年5月26日|特殊空挺部隊}}
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{{参照方法|date=2012年11月}}

'''特殊空挺部隊'''（とくしゅくうていぶたい）、略称'''SAS''' (Special Air Service) は、[[イギリス陸軍]]の[[特殊部隊]]である。

== 概説 ==
機械化された近代戦争において敵陣内での主要施設（通信、輸送など）の潜入破壊工作専門の特殊部隊としては、世界で二番目の特殊部隊である。「Air」の語から[[空軍]]を連想しやすく、「空軍特殊部隊」という誤訳がたまに見られるが、[[陸軍]]の部隊で、[[第二次世界大戦]]中に[[エアボーン|空挺]]作戦による敵陣への進入を想定して生まれた名称である。

現在の各国に置かれている特殊部隊の手本となった。[[オーストラリア]]など[[イギリス連邦]]諸国には、合同訓練を実施した上で、名称まで同じSASとした特殊部隊がいくつか存在している。「特殊[[エアボーン|空挺]]部隊」と訳されるが、現在の部課は空挺・海挺・偵察・山岳に分かれており、破壊工作や敵陣付近での軍用車による偵察活動だけでなく、[[イギリスの君主|イギリス国王]]など国内外の要人の警護、テロ行為に対する治安維持活動（[[北アイルランド]]）、および、人身および捕虜の救出作戦の実行など、幅広い分野で活躍している。

モットーは「{{en|Who Dares Wins}}（挑む者に勝利あり／危険を冒す者が勝利する／敢えて挑んだ者が勝つ）」。
対になる組織として、[[イギリス海兵隊|海兵隊]]の[[特殊舟艇部隊]] (SBS、{{en|Special Boat Service}}) がある。

== 沿革 ==
{{multiple image
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 | header = 
 | header_align = center
 | width = 250
 | image1 = Special Air Service in North Africa E 21337.jpg 
 | caption1 =  3ヶ月に及ぶパトロール任務から帰還したSASの一部隊。<br/>1943年1月頃、北アフリカにて
 | image2 = SAS jeep 18 November 1944.jpg
 | caption2 = 特別な装備を施されたSAS用ジープ。<br/>1944年11月、[[ドイツ]]の[[ガイレンキルヒェン]]付近にて
}}
SASは、第二次世界大戦中に組織された特殊部隊である。これに先立つものとして[[1940年]]の[[ブリティッシュ・コマンドス]]が存在している。

デビッド・スターリング[[少佐]]により提案されたものであり、[[航空機]]を破壊するために、その知識や操縦経験を持つ者も多く集められた。そして先に同様の特殊任務を行っていた{{仮リンク|長距離砂漠挺身隊|en|Long Range Desert Group}}（LRDG、Long Range Desert Group）と共同し、1941年から実戦投入された。創設当時のSASは[[戦後]]のような人質救出訓練などは行われておらず、[[ドイツアフリカ軍団]]の補給線や飛行場を攻撃する小規模な部隊であった。

SASの名称は、イギリスの偽装工作と密接に関連しており、当初特殊空挺旅団L分遣隊と呼称することで多数存在していた空挺連隊の一つと誤認させるためであった<ref name=m22>Molinari, p.22</ref><ref name=ha39>Haskew, p.39</ref>。

最初の任務では、その名の通りの空挺作戦も実行されているが失敗。その後は、[[機関銃]]を取り付けた武装[[ジープ]]で最前線を大きく迂回して[[砂漠]]を踏破、敵の飛行場に機関銃を乱射しながら殴り込み、駐機中の航空機を[[ダイナマイト]]で爆破し、コクピットに[[手榴弾]]を投げ込んで破壊した他、[[ジープ]]に取り付けた[[重機関銃]]を乱射して[[戦闘機]]や[[連絡機]]などの小型の軍用機を銃撃、爆薬類が尽きると手斧で破壊するなど、文字通り突撃部隊として活動し、最終的に300機以上に損害を与えたという。

[[北アフリカ]]での任務の終結後、同隊は5個[[連隊]]に拡大した。

戦後、必要性の無い部隊として1945年10月8日に解散した<ref name=sb16>Shortt & McBride, p.16</ref> 。その後[[植民地]]のマラヤ（[[マレーシア]]）での紛争に対応するため第22連隊として再編成された。1980年ロンドンの[[駐英イラン大使館占拠事件]]で対テロ専門の対革命戦部隊（CRWウィング、Counter Revolutionary Warfare (CRW) wing）の存在が明らかとなった。

[[在ペルー日本大使公邸占拠事件]]などのテロ事件で現地政府の特殊作戦の側面支援なども行っている。
{{-}}

== 年表 ==
* [[1941年]]11月{{0|00日}} - 陸軍将校デビッド・スターリングの提案により、[[北アフリカ戦線]]の砂漠にて創設される。
* [[1942年]]10月{{0|00日}} - 正式にSAS連隊となる。
* [[1945年]]10月{{0|00日}} - 第二次世界大戦終結に伴い、一時解体する。
* [[1947年]]{{0}}1月{{0|00日}} - 国防義勇軍に第21SAS連隊が創立される。
* [[1951年]]{{0|00月00日}} - マラヤ斥候隊が創立される。
* [[1952年]]{{0|00月00日}} - マラヤ斥候隊、第22SAS連隊となる。
* [[1965年]]～[[1966年]] - [[インドネシア]]・[[ボルネオ紛争]]に投入。
* [[1967年]]{{0|00月00日}} - 旧[[イエメン]]・[[アデン暴動]]に投入。
* [[1969年]]以降{{0|0000}} - 北アイルランドでの[[治安維持]]任務に投入。
* [[1971年]]～[[1976年]] - オマーン内戦に投入。
* [[1980年]]{{0|00月00日}} - [[駐英イラン大使館占拠事件]]を解決。
* [[1982年]]{{0|00月00日}} - [[フォークランド紛争]]に投入。
* [[1991年]]{{0|00月00日}} - [[湾岸戦争]]に投入。
* [[1992年]]{{0|00月00日}} - [[ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争]]に投入。
* [[1995年]]{{0|00月00日}} - [[コロンビア]]での[[人質救出作戦]]に参加。{{要出典|date=2013年9月}}
* [[2000年]]{{0}}9月10日 - [[シエラレオネ]]で捕虜となった英国と現地の友軍兵士を救出。{{仮リンク|バラス作戦|en|Operation Barras}}
* [[2001年]]以降{{0|0000}} - [[アフガニスタン紛争 (2001年-)|アメリカのアフガニスタン侵攻]]に伴う作戦に投入。
* [[2003年]]以降{{0|0000}} - [[イラク戦争]]に投入。
* [[2011年]]{{0|00月00日}} - [[エラミー作戦|リビア上空に飛行禁止空域を設定する作戦]]に投入。

== 部隊編制 ==
=== イギリス陸軍（正規軍） ===
*SASは、特殊部隊指揮官 (DSF) の下に配置され、第22SAS連隊と[[国防義勇軍]]2個連隊より構成される。
** 第22SAS連隊
*** A中隊
*** B中隊
*** C中隊は[[ローデシア軍]]SASとなり実質的には現存しないが、[[マラヤ動乱]]とローデシアでの活躍を称え部隊名のみ残されている。
*** D中隊
*** G中隊
*** ORU（作戦調査班）
*** 第264通信中隊
*** 訓練中隊
*** 付属専門部隊
*** CRW中隊（対革命戦） - 各戦闘中隊が6ヶ月単位での当番制
*** R中隊（予備役）
**** 各専門小隊 - それぞれの戦闘中隊には、4つの専門分野に特化した小隊があり、それぞれの小隊には、4名編成のパトロール隊がある。
***** 航空小隊 - 空挺作戦、[[ヘリボーン]]担当。
***** 機動小隊 - 車両運用による偵察作戦担当。[[中東]]の砂漠や[[アフリカ]]の平地の戦場で活躍する。
***** 舟艇小隊 - 洋上作戦を担当する。海軍のSBSと共同で訓練を行う。
***** 山岳小隊 - [[山岳戦|山岳地帯]]の厳しい環境下における作戦を担当する。イギリスには標高の高い山岳がないため、[[ドイツ陸軍 (ドイツ連邦軍)|ドイツ連邦陸軍]]の特殊部隊と[[アルプス山脈]]の高原をつかって合同訓練が行われる。
****** パトロール隊 - 部隊の最小行動単位で、通信要員、医療要員、[[爆発物]]取り扱い要員、語学要員の4名編制である<ref group="註">語学要員については、外国での作戦実行に最低必要な読解および会話能力を備えていなければならないが、イギリスは以前の[[イギリス帝国|帝国]]の遺産として世界中に利権があるので、外国語教育が充実している。イギリスの第3[[政党]]である[[自由民主党 (イギリス)|自由民主党]]の前党首である[[パッディ・アッシュダウン]][[男爵]]の前歴はSBSの部隊長で、[[香港]]で[[中国語]]の通訳の教育を受けている。</ref>。

=== 国防義勇軍（予備役） ===
* 第21SAS連隊
** A中隊
** C中隊
** E中隊
* 第23SAS連隊
** B中隊
** D中隊
** G中隊
* 第63SAS通信中隊 - 第21SAS連隊、第23SAS連隊を支援する。

=== キリング・ハウス ===
「キリング・ハウス」は、SASの訓練施設である。この施設は各種テロ状況を実演できる一連の部屋で、[[人質救出作戦|人質救出]]や[[CQB]]の訓練に使用される。または、ここで奇襲攻撃戦術を学び、敵と味方、人質の区別を即座にできるようにする。 このキリング・ハウスは、アメリカ陸軍[[デルタフォース]]の訓練施設である「恐怖の館」の手本（見本）となった。

== 登場作品 ==
<!--タイトルだけでは載せる意義がある関わりかどうか不明であり、記載あるまで一時コメントアウト。
* 『[[バトルフィールド2]]』
* 『[[スペシャルフォース]]』
* 『[[OPRATION7~RELOAD~]]』
* 『[[Killing Floor]]』
* 『[[長いお別れ]]』
* 『襲撃待機』([[クリス・ライアン]]シリーズ)
-->
=== 映画 ===
* 『[[ファイナル・オプション]]』
: 1982年、イギリス。1980年のイラン大使館占拠事件をモデルとした映画。
* 『[[ガルフ・ウォー/スカッドミサイル爆破指令]]』
: 1996年、イギリス。『ブラヴォー・ツー・ゼロ』の関連作品。[[クリス・ライアン]]のノンフィクションを[[ポール・グリーングラス]]が映画化。
* 『[[ブラヴォー・ツー・ゼロ (映画)|ブラヴォー・ツー・ゼロ]]』
: 1999年、イギリス。SASの「[[ブラヴォー・ツー・ゼロ]]」部隊で唯一生還した[[アンディ・マクナブ]]による1993年のノンフィクションの映画化。
* 『[[キラー・エリート (2011年の映画)|キラー・エリート]]』
: 2011年、オーストラリア。実際の事件を基に、元SAS隊員への報復テロを依頼された[[殺し屋]]を題材とした映画。

=== TV番組 ===
* 『[[シエラレオネ人質救出作戦]]』
: [[ディスカバリーチャンネル]]製作のドキュメント番組。
* 『[[S.A.S. 英国特殊部隊]]』 シリーズ
: トム・クレッグ、ディアマド・ローレンス、2002年放送開始。イギリスのテレビドラマ。

=== ゲーム ===
* 『[[HIDDEN & DANGEROUS]]』 シリーズ
: 第二次世界大戦時のSASをモチーフとしたタクティカル・シューティングアクション。
* 『[[The Regiment]]』
: [[コナミ|konami]] of europe から発売されたPCゲーム。
* 『[[コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア]]』
: プレイヤーキャラ "ソープ" が所属している。
* 『[[コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2]]』
: 国際特殊部隊[[タスクフォース]]141にソープ他、数々のSAS隊員が所属している(英海兵隊の[[SBS (イギリス海兵隊)|SBS]]やオーストラリアのSAS([[:en:SASR]])、ニュージーランドのSAS([[:en:NZSAS]])から来た隊員も所属していると思われる)。
* 『[[コール オブ デューティ]]』
: 英軍キャンペーンでエバンス軍曹とプライス大尉が第六空挺師団から転属
* 『[[コンフリクト・デルタ 湾岸戦争1991]]』、『[[コンフリクト・デルタII 湾岸戦争1991]]』
: 湾岸戦争を舞台に、プレイヤーは最大4名で編成された第22SASか[[アメリカ陸軍]]特殊部隊デルタフォースのどちらかの部隊を選択する。
* 『[[メタルギアソリッドシリーズ]]』
: 登場人物である[[ザ・ボス]]とゼロ少佐こと[[デイビット・オウ]]は、かつて第22SAS連隊の立ち上げに関わったこととなっている。
* 『[[クロスファイア (FPS)|クロスファイア]]』
: プレイヤーのキャラクターとしてSASを購入、使用する事が可能。
* 『[[カウンターストライク]]』
: カウンターテロリストのキャラクターとしてガスマスクやフード付きスーツを装着したSASを選択する事が可能。

=== 漫画 ===
* 『[[MASTERキートン]]』
: 1988年～94年。主人公の平賀・キートン・太一は、数々の戦果を上げた元SASの[[兵曹長]]で、[[サバイバル]]教官としても勤務したという設定。
* 『[[Cat Shit One|Cat Shit One'80]]』
: 主人公のパッキーが交換将校としてSASに所属、[[駐英イラン大使館占拠事件]]と[[フォークランド紛争]]に参戦した。

== 註 ==
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==出典==
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== 参考文献 ==
* [[アンディ・マクナブ]]『ブラヴォー・ツー・ゼロ―SAS兵士が語る壮絶な湾岸戦記』[[伏見威蕃]]訳、[[早川書房]]、1995年、ISBN 4-15-207919-3（文庫版：2000年、ISBN 4-15-050242-0）
* アンディ・マクナブ『SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録』伏見威蕃訳、早川書房、1997年、ISBN 4-15-208070-1（文庫版：2000年、ISBN 4-15-050239-0（初版）、ISBN 4-15-050240-4（第2版））
* クリス・マクナブ『SAS・特殊部隊 知的戦闘マニュアル―勝つためのメンタルトレーニング』[[小路浩史]]訳、[[原書房]]、2002年、ISBN 4-562-03474-2
* [[クリス・ライアン]]『ブラヴォー・ツー・ゼロ 孤独の脱出行』[[関根一彦]]訳、原書房、1996年、ISBN 4-562-02883-1
*{{Cite book|last=Molinari|first=Andrea|title=Desert Raiders: Axis and Allied Special Forces 1940–43|publisher=Osprey Publishing|year=2007|isbn=978-1-84603-006-2}}
*{{Cite book|last=Haskew|first=Michael E|title=Encyclopaedia of Elite Forces in the Second World War|publisher=Pen and Sword|year=2007|isbn=978-1-84415-577-4}}
*{{Cite book|title=The Special Air Service|last1=Shortt|first1=James|last2=McBride|first2=Angus|publisher=Osprey Publishing|year=1981|isbn=0-85045-396-8}}

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[[Category:軍隊系特殊部隊]]
[[Category:イギリス陸軍]]

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