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'''無糖練乳'''('''むとうれんにゅう'''、[[英語]]:Evaporated milk)とは、[[牛乳]]を濃縮した[[乳製品]]であり、粘状の[[液体]]。英語を略して'''エバミルク'''と称されたり、かつては日本語で「煉乳」と書いたが、[[常用漢字]]による表記の関係上、新聞等では「練乳」、法令では「れん乳」と書かれる。なお呼称上「練乳」というと、[[加糖練乳]]を指す場合が多い。 == 概要 == 日本の[[乳等省令]]で、成分は「乳脂肪分7%以上・乳固形分25%以上・[[細菌]]数0」とされ、「無糖れん乳は濃縮乳であって直接飲用に供する目的で販売されるものをいう」と定義されている。なお濃縮乳の成分は無糖練乳とほぼ変わりないが、原料として食品加工される際に殺菌されることを見越して、細菌数は1gあたり10万以下と定義が緩くなっている。 通常、[[缶詰]]として販売されている。[[砂糖]]を加えたものは加糖練乳またはコンデンスミルクといい、区別されるが、加糖練乳ほどの粘度はないため、チューブ入りの製品もない。 == 製法 == 一般的には、原料の牛乳を加熱殺菌し煮詰めて半分以上濃縮し、成分を均質化させたのち[[缶]]などに詰め、再度加熱殺菌する。この製法は[[スイス]]の[[メインバーグ]]が発明し、[[1885年]]に製品として売り出した。 現在の製品は、単純に生乳を煮詰めるのではなく、[[脱脂粉乳]]、[[カゼイン]]などの粉末の[[乳製品]]や[[植物性脂肪]]、[[増粘多糖類]]などを配合して、濃度や風味を調整する製法が一般的である。 製品によって原料が異なり、風味にも違いがあるため、消費者が嗜好によってブランドを選び分けることもある。 == 用途 == 無糖練乳は[[ベシャメルソース|ベシャメル]]などの料理用クリームソース、[[クリームシチュー]]、タイ風[[カレー]]、[[中華料理|中華]]の野菜のクリーム煮などの料理に使われる。 また、ミルク風味の[[饅頭]]などの[[菓子]]、[[マンゴープリン]]、[[杏仁豆腐]]などの[[生菓子]]、[[氷菓]]などを作る時の製菓材料としても用いられる。 海外では、[[コーヒー]]や[[紅茶]]用のクリーマーとして使う事が一般的であり、日本の一部の[[喫茶店]]でも利用している。[[シンガポール]]では[[ネスレ]]のカーネーションブランドの無糖練乳を加えたコーヒーを「コピC」、無糖練乳を加えた紅茶を「テーC」と呼ぶ。Cはカーネーションの略。[[香港]]の[[茶餐廳]]でもカーネーションブランドの無糖練乳は「花奶」(ファーナーイ)と呼ばれ、[[香港式ミルクティー]]、[[鴛鴦茶]]などの飲み物やマンゴープリンのトッピングなどに欠かせないものとなっている。 [[ネスレ日本]]は「ミルクメイド」(Milkmaid)という別ブランドの商品を製造販売しているが、生乳を原料にしているため、脱脂粉乳を加えている「カーネーション」とは風味が異なる。 == 製造業者 == === 日本 === * [[ネスレ日本]](ミルクメイド) * [[明治乳業]] * [[雪印乳業]] * [[筑波乳業]] * [[守山乳業]] === 日本以外 === * [[ネスレ]](カーネーション) * [[フリースラントフーズ]](ブラック&ホワイト) == 関連項目 == * [[加糖練乳]] {{DEFAULTSORT:むとうれんにゆう}} [[Category:乳製品]] [[category:牛乳]] [[de:Kondensmilch]] [[ru:Концентрированное молоко]] [[uk:Згущене молоко]]
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