潮崎哲也のソースを表示

{{Infobox baseball player
|選手名 = 潮崎 哲也
|所属球団 =埼玉西武ライオンズ
|役職 = 二軍監督
|背番号 = 86
|選手写真ファイル名 =
|写真サイズ =
|写真のコメント =
|国籍 = {{JPN}}
|出身地 = [[徳島県]][[鳴門市]]
|生年月日 = {{生年月日と年齢|1968|11|26}}
|没年月日 =
|身長 = 177
|体重 = 75
|利き腕 = 右
|打席 = 右
|守備位置 = [[投手]]
|プロ入り年度 = {{NPBドラフト|1989}}
|ドラフト順位 = ドラフト1位
|初出場 = 1990年4月14日
|最終出場 = 2004年9月21日
|年俸 =
|経歴 = <nowiki></nowiki>
* [[徳島県立鳴門高等学校]]
* [[パナソニック野球部|松下電器]]
* [[埼玉西武ライオンズ|西武ライオンズ]] (1990 - 2004)
|経歴補足題 = 監督・コーチ歴
|経歴補足 = <nowiki></nowiki>
* 西武ライオンズ<br/>埼玉西武ライオンズ (2007 - 2010、2013 - )
}}
{{MedalTop}}
{{MedalSport|男子 [[野球]]}}
{{MedalSilver|[[ソウルオリンピック|1988]]|野球}}
{{MedalBottom}}
'''潮崎 哲也'''（しおざき てつや、[[1968年]][[11月26日]] - ）は、[[徳島県]][[鳴門市]]出身の元[[プロ野球選手]]（[[投手]]）。右投右打。

現役時代は[[西武ライオンズ]]に所属。[[魔球]]と呼ばれた<ref name="base_20041129_55">週刊ベースボール、2004年11月29日号、P.55</ref>[[シンカー・スクリューボール|シンカー]]を駆使する投球術で、同球団の黄金期を支えた。{{by|2013年}}から[[埼玉西武ライオンズ (ファーム)|西武]][[監督|二軍監督]]へ就任。

== 経歴 ==
=== アマチュア時代 ===
[[徳島県立鳴門高等学校|鳴門高校]]では[[速球|ストレート]]と[[カーブ_(球種)|カーブ]]を持ち球としていたが決め球がなく<ref name="base_19970714_55"/>、控え[[投手]]兼[[外野手]]という時期が続いた<ref name="Number_20041111_70">Number、2004年11月11日号、P.70</ref>。このため[[フォークボール]]や[[パーム]]を習得しようとしたが、うまく行かなかったという<ref name="base_19990614_12">週刊ベースボール、1999年6月14日号、P.12</ref>。3年生の春に[[香川県立高松西高等学校|高松西高]]と練習試合を行なった際に同じ[[サイドスロー]]の相手投手が[[シンカー・スクリューボール|シンカー]]を投げており、監督の勧めもあって習得に挑戦したという<ref name="base_19970714_55">週刊ベースボール、1997年7月14日号、P.55</ref>。握りと手首の角度をカーブの逆にしてみたところ1球目から驚くほど落ちるシンカーが投げられ、楽に[[三振]]が取れるようになり、同年夏の[[全国高等学校野球選手権徳島大会|徳島県大会]]でチームが決勝まで進む原動力となった<ref name="base_19970714_56">週刊ベースボール、1997年7月14日号、P.56</ref>。なお、決勝では[[徳島県立池田高等学校|池田高校]]に敗れて甲子園出場はならなかった。

卒業後は[[パナソニック|松下電器]]へ入社し、同社保有の[[社会人野球]]チーム[[パナソニック野球部|松下電器野球部]]へ入部<!-- 月給に関する記述との整合性を取るため、このような記述とします。-->。勤務先の月給は11万円強と高額ではなかったものの好きな野球ができて嬉しかったという<ref name="Number_20041111_70"/>。監督の[[鍛治舎巧]]に素質を評価されて<ref name="mainichi_19990705">毎日新聞、1999年7月5日付夕刊、P.3</ref>1年目から先発を務め、{{by|1987年}}の[[第58回都市対抗野球大会|都市対抗野球大会]]に初出場。{{by|1988年}}の[[第59回都市対抗野球大会|都市対抗]]では1回戦で[[日立製作所硬式野球部|日立製作所]]を破って勝利投手となったが、2回戦では同大会の[[久慈賞]]を受賞した[[NTT西日本硬式野球部|NTT東海]]の[[上原勝男]]と投げ合って敗戦投手となっている。

同年の[[ソウルオリンピック]]（以下、五輪）では19歳という最年少で[[ソウルオリンピック野球日本代表|日本代表]]に選ばれ、同じメンバーで参加した五輪直前の[[IBAFワールドカップ]]で好投。特に対[[野球オランダ代表|オランダ]]戦では6回1/3を投げて12個の三振を奪うなど、シンカーが威力を発揮した<ref name="takarajima_66">別冊宝島1545号、宝島社、P.66</ref>。五輪では[[野茂英雄]]や[[石井丈裕]]と共に[[先発ローテーション]]を構成し、予選リーグ第3戦の対オランダ戦で先発して5回を2安打8奪三振の内容で勝利投手となった。また、同大会では予選リーグ第1戦以外の4試合全てに登板して8回2/3を投げ1失点と、影のMVPと呼ばれるほどの活躍<ref name="takarajima_70">別冊宝島1545号、宝島社、P.70</ref>で銀メダル獲得に貢献した。なお、決勝の対[[野球アメリカ合衆国代表|アメリカ]]戦では6回から2イニングを完璧に抑えたが、監督の[[鈴木義信]]が迷いながら続投させた<ref name="takarajima_68">別冊宝島1545号、宝島社、P.68</ref>8回に[[ティノ・マルティネス]]に外角低めの直球を打たれ、左翼席上段まで届く[[本塁打]]にされている<ref name="takarajima_71">別冊宝島1545号、宝島社、P.71</ref>。

翌{{by|1989年}}の[[第60回都市対抗野球大会|都市対抗]]では大阪府予選の第一代表決定戦で野茂と投げ合い<ref name="mainichi_19990705"/>、この試合は12三振を奪いながら敗れたものの本大会に出場。準決勝で[[プリンスホテル硬式野球部|プリンスホテル]]と対戦し、10回1/3を投げ抜いた末に敗戦投手となった。同年は野茂や[[与田剛]]とともに社会人三羽ガラスと並び称され<ref name="base_19900507_128">週刊ベースボール、1990年5月7日号、P.128</ref>、[[1989年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)|この年のプロ野球ドラフト会議]]で[[埼玉西武ライオンズ|西武]]に1位指名されて入団。契約金、年俸はそれぞれ7,800万円、840万円（いずれも推定）で、担当スカウトは[[浦田直治]]と[[鈴木照雄]]だった<ref>読売新聞、1989年12月5日付朝刊、P.19</ref>。また、[[野球の背番号|背番号]]は[[松沼雅之]]が着けていた16になっている。社会人時代に野茂や与田、[[佐々岡真司]]らの投球を目の当たりにしていた事で、プロ入り後に気持ちの余裕が生まれたという<ref name="base_20041129_56">週刊ベースボール、2004年11月29日号、P.56</ref>。

=== プロ野球選手時代 ===
入団1年目の{{by|1990年}}は、西武のドラフト1位投手としては[[森繁和]]以来の11年ぶりとなる開幕一軍入りを果たした<ref name="base_19900507_129">週刊ベースボール、1990年5月7日号、P.129</ref>。[[4月14日]]の[[平和台野球場|平和台]]での対[[福岡ソフトバンクホークス|ダイエー]]戦で初登板し、ブルペンでの投球練習がわずか10球だったにも関わらず<ref name="base_19900507_130">週刊ベースボール、1990年5月7日号、P.130</ref>2回1/3を2安打無失点、4奪三振に抑えている<ref name="base_19900521_22">週刊ベースボール、1990年5月21日号、P.22</ref>。2回目の登板となった[[4月24日]]の[[阪急西宮スタジアム|西宮]]での対[[オリックス・バファローズ|オリックス]]戦では[[山越吉洋]]に[[本塁打]]を打たれるも、2回1/3をこの1失点に抑えてプロ初勝利を挙げた<ref name="base_19900521_22"/>。さらに[[7月5日]]の西宮での対オリックス戦では、同日2本塁打を放っていた[[門田博光]]を含む[[ブルーサンダー打線]]を相手に、新人としては{{by|1962年}}の[[尾崎行雄]]以来となる8連続奪三振を記録した。7回に9人目の代打・[[柴原実]]にレフト前ヒットを許して日本タイ記録はならなかったが、翌日のスポーツ紙などで大きく報じられた。

同年は[[鹿取義隆]]とともにダブルストッパーを務め、主に[[リリーフ#セットアッパー|セットアッパー]]として鹿取の[[最優秀救援投手|最多セーブ投手]]獲得を支えた。リーグ優勝を決めた[[9月23日]]の[[西武ドーム|西武球場]]での対[[北海道日本ハムファイターズ|日本ハム]]戦では、最後に鹿取が登板する予定だったが、1死1、2塁の場面で[[田中幸雄_(内野手)|田中幸雄]]をゲッツーに打ち取ったため潮崎が[[胴上げ]]投手となっている<ref name="Number_19910120_30">Number、1991年1月20日号、P.30</ref>。[[1990年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]では、第2戦で4回途中から2番手として登板し、4回2/3を投げて被安打2、自責点2の内容で勝利投手となった<ref>[http://bis.npb.or.jp/scores/nipponseries/boxscore1990_2.html NPB日本シリーズ記録 1990年 第2戦]</ref>。第4戦でも7回から3イニングを無失点に抑え、シリーズ初セーブを挙げるとともに胴上げ投手になっている<ref>[http://bis.npb.or.jp/scores/nipponseries/boxscore1990_4.html NPB日本シリーズ記録 1990年 第4戦]</ref>。なお、レギュラーシーズンと日本シリーズ双方で胴上げ投手となった新人は{{by|1975年}}の[[山口高志]]以来、史上2人目だった。<ref>[http://www.sponichi.co.jp/baseball/special/calender/calender_08october/KFullNormal20081021158.html スポニチ 日めくりプロ野球08年10月]</ref>。同年は[[最優秀新人 (日本プロ野球)|最優秀新人]]の選考は野茂に敗れたものの、102回2/3を投げて123奪三振、防御率1.84の活躍で[[パシフィック・リーグ]]会長特別賞を受賞した。

{{by|1991年}}は、疲れさえ残さなければ前年並の成績を残せると自信を持って<ref name="Number_19910120_29">Number、1991年1月20日号、P.29</ref>鹿取とともに自主トレを行ない、所沢キャンプでは体力向上に努めている<ref name="Number_19910405_50">Number、1991年4月5日号、P.50</ref>。しかしキャンプに入ると納得の行くストレートが投げられず、[[2月26日]]の紅白戦初登板では[[辻発彦]]、[[奈良原浩]]、[[安部理]]に3連続[[盗塁]]を喫するなど、3回4失点の不本意な内容に終わった<ref name="Number_19910405_50"/>。前年の投球フォームをビデオで確認するなど修正に務めたが、シーズンの防御率は4.48と大幅に悪化した。[[1991年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]では第2戦で1回を無失点に抑えた。第4戦では2回を投げ3連打を含む4安打3失点で決勝点を奪われたものの、敗戦投手にはなっていない<ref>[http://bis.npb.or.jp/scores/nipponseries/boxscore1991_4.html NPB日本シリーズ記録 1991年 第4戦]</ref>。同年の契約更改では中継ぎだけでなく[[先発ローテーション]]の谷間も埋めたフル回転の働きが評価され<ref>読売新聞、1991年12月11日付朝刊、P.19</ref>、年俸は1,300万円増の4,100万円（推定）となった。

{{by|1992年}}はシンカーのキレが今ひとつだった<ref name="Number_19921120_36">Number、1992年11月20日号、P.36</ref>が、初の二桁セーブを挙げた。[[1992年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]では抑えの切り札として第4戦までのうち3試合に登板し、シンカーの復調もあっていずれも無失点に抑えて2セーブを挙げている<ref name="Number_19921120_36"/>。しかし、[[大宮龍男]]と組んだ第5戦では連投の疲れから球威が落ちたストレートを狙われ<ref name="Number_19921120_36"/>、3イニング目に入った延長10回に[[池山隆寛]]に決勝点となる本塁打を浴びて敗戦投手となった。続く第6戦でも延長10回に[[秦真司]]にサヨナラ本塁打を打たれている<ref>[http://bis.npb.or.jp/scores/nipponseries/boxscore1992_6.html NPB日本シリーズ記録 1992年 第6戦]</ref>。オフには年俸6,500万円（推定）で契約を更改した<ref>毎日新聞、1992年12月13日付朝刊、P.19</ref>。

{{by|1993年}}には[[杉山賢人]]が入団し、鹿取と3人で勝ち試合の終盤を任されるようになり、サンフレッチェと呼ばれた。森監督の起用法にも支えられて安定感の高い救援トリオを形成し<ref name="base_20000326_112">週刊ベースボール、2000年3月26日号、P.112</ref>、自身はいずれもキャリアハイとなる53試合登板、防御率1.18の成績を残している。なお、優勝がかかった[[10月6日]]の対[[大阪近鉄バファローズ|近鉄]]戦では延長10回に[[ラルフ・ブライアント]]を迎えた場面で一時[[左翼手]]の守備に就くという珍しい経験をしている<ref>毎日新聞社・編『西武ライオンズファンブック 1994年度版』、P.60</ref>。[[1993年の日本シリーズ|この年の日本シリーズ]]は第3戦から第7戦まで5試合連続で登板し、そのうち第4戦から第6戦まではサンフレッチェが揃って登板した。シリーズでは計6回2/3を投げ自責点2、2セーブの内容で優秀選手賞を受賞している。またオフには身体障害者などを招待する「潮崎シート」を西武球場に新設し、[[所沢市]]に運用を委託した<ref>毎日新聞社・編『西武ライオンズファンブック 1994年度版』、P.61</ref>。

{{by|1994年}}は2年連続で50試合に登板し、防御率2.39と安定した成績を残している。[[1994年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]は3試合で3回2/3を投げ自責点1で、勝敗やセーブはつかなかった。オフには1,000万円増の年俸1億円（推定）で契約を更改し<ref>読売新聞、1994年12月11日付朝刊、P.27</ref>、[[清原和博]]と並ぶ球団史上最速の6年目で1億円の大台に達した。

{{by|1995年}}は[[1995年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスターゲーム]]に初出場を果たし、第2戦で1イニングを投げている。シーズン通算では5勝6敗12Sと負け越したものの、防御率が2年振りに1点台となり、奪三振率も9.73と高かった。

{{by|1996年}}は、東尾の方針で鹿取に代わるクローザーに指名された<ref name="base_19960715_56">週刊ベースボール、1996年7月15日号、P.56</ref>。しかし肩痛による調整遅れやプレッシャーなどもあり、シーズン序盤は18試合に登板して1勝4敗6セーブ、防御率6.00と不振に苦しみ、[[6月2日]]には自身初となるケガ以外での二軍落ちを経験している<ref name="base_19960715_56"/>。二軍での調整を経て[[6月13日]]に一軍に復帰すると翌日の[[福岡ドーム]]での対ダイエー戦で3回2/3を1安打無失点に抑え、続く[[6月16日]]の対ダイエー戦でも1回を零封した<ref name="base_19960715_56"/>。この試合の後に先発転向を命じられ、[[6月21日]]の西武球場での対日本ハム戦で8回を2安打無失点に抑える好投を見せている。[[7月10日]]の対日本ハム戦では7回2/3まで[[完全試合]]の内容で投げるなど先発として一定の成果を残したが、8月からはリリーフに戻った。

{{by|1997年}}は前年に[[中華職業棒球大聯盟|台湾プロ野球]]で最多セーブを記録した[[ロバート・ウィッシュネフスキー|ロバート]]を獲得したこともあり、東尾監督の勧めと本人の希望から先発に転向した。[[4月15日]]の対日本ハム戦では7回2/3を投げて4安打無失点で初勝利を挙げ、順調なスタートを切っている<ref name="base_19970519_115">週刊ベースボール、1997年5月19日号、P.115</ref>。[[5月18日]]の西武球場での対ロッテ戦では被安打2で初の[[完封]]勝利を記録するなど白星を重ね、[[8月28日]]の対ダイエー戦は9回途中まで1失点に抑える内容で初の二桁勝利を達成した。同年は自己最多の12勝を挙げ、防御率はリーグ3位の2.90を記録した<ref>[http://bis.npb.or.jp/yearly/pacificleague_1997.html パ・リーグ1997年成績]</ref>。[[1997年の日本シリーズ|同年の日本シリーズ]]は第2戦に先発し、1失点ながら6安打を浴びて3回で降板。第4戦では[[新谷博]]の後を受けて2番手として登板し、2/3回を投げて2安打1死球で満塁となったが、杉山が後続を断った。また、オフには翌年の[[1998年アジア競技大会|アジア大会]]の日本代表合宿に参加し、[[立石尚行]]にシンカーを教授している<ref name="base_19990614_13">週刊ベースボール、1999年6月14日号、P.13</ref>。

{{by|1998年}}は[[西口文也]]に次ぐ先発2番手として期待されたが<ref>毎日新聞、1998年5月9日付朝刊、P.21</ref>、前年を下回る7勝となった。[[1998年の日本シリーズ|日本シリーズ]]では2連敗で迎えた第3戦に先発し、緩急や高めの球をうまく使って<ref name="base_19981109_28">週刊ベースボール、1998年11月9日号、P.28</ref>[[横浜ベイスターズ]]の[[マシンガン打線]]を抑えた。オフには、同年取得したFA権を行使した上でチームに残留している<ref>毎日新聞、1998年11月5日付朝刊、P.20</ref>。{{by|1999年}}は高速シンカーを習得し、[[4月18日]]の対日本ハム戦では8回を投げて4安打1失点の好投を見せた<ref name="base_19990614_13"/>が、シーズン通算では5勝に終わっている。

{{by|2000年}}[[4月30日]]の西武球場での対ロッテ戦で、1000投球回を達成。{{by|2001年}}頃からは投球の計算が立ちにくくなり、不安を抱えながら投げることが多くなったという<ref name="base_20041129_56"/>。また、点差をつけられた場面などでの起用が増えていった<ref name="base_20041129_58">週刊ベースボール、2004年11月29日号、P.58</ref>。{{by|2002年}}は[[石井貴]]の故障などから<ref>毎日新聞、2002年4月28日付朝刊、P.23</ref>13試合に先発し、[[4月27日]]の対日本ハム戦では1年半ぶりに先発勝利を上げた。

{{by|2004年}}は9月上旬に球団から引退を打診され、力の衰えを実感していた事もあってあっさり受け入れた<ref name="base_20041129_56"/>。[[9月21日]]の西武ドームでの対[[千葉ロッテマリーンズ|ロッテ]]戦が[[引退試合]]となった。この試合は1打席限定の登板で先発し、同じく引退打席の[[佐藤幸彦]]にシンカーとストレートを投げて右飛に打ち取り、試合後に胴上げされている<ref name="base_20041129_56"/>。

=== 現役引退後 ===
引退後、西武の編成部調査担当に就任した。{{by|2005年}}には西武ジュニアの監督を務めている。

{{by|2007年}}に[[埼玉西武ライオンズ (ファーム)|グッドウィル]]（西武二軍）の投手コーチへ就任した。{{by|2008年}}、一軍投手コーチ（[[ブルペン]]）に昇格。[[5月24日]]の対巨人戦の[[始球式]]では巨人打撃コーチの[[篠塚和典]]と対決し、左中間へのヒットを打たれた。{{by|2010年}}は一軍投手コーチ（ベンチ）を務めた。2009年はパシフィック・リーグワースト記録となる14回のサヨナラ負けを喫するなど中継ぎ陣の弱さが目立った。2010年はチーム防御率が前身のクラウンライターライオンズ時代以来33年ぶりの最下位に低迷した。

{{by|2011年}}から{{by|2012年}}までは、西武の編成部にプロ担当として在籍。{{by|2013年}}からは、同球団の二軍監督として、3シーズン振りに現場へ復帰する<ref>[http://www.seibulions.jp/news/detail/6937.html 埼玉西武ライオンズ公式サイト　2013年度コーチングスタッフ発表]</ref>。

== プレースタイル ==
右[[サイドスロー]]から投げる150km/h近い[[速球]]<ref name="Number_19910405_50"/>と100km/h前後の[[球速]]で50cm近くも沈む[[シンカー・スクリューボール|シンカー]]<ref name="Number_19910405_50"/>、130km/h台の[[スライダー (球種)|スライダー]]を武器に[[リリーフ]]および[[先発投手|先発]]で活躍した。プロでの先発転向後、{{by|1999年}}には120km/h台の高速シンカーも習得した<ref name="base_19990614_13"/>。サイドスローのフォームは[[鹿取義隆]]や[[斎藤雅樹]]を参考にしており<ref name="base_20041129_58>週刊ベースボール、2004年11月29日号、P.58</ref>、横から投げるためシンカーが浮き上がるようなイメージを作り出していた<ref name="Number_20041111_69">Number、2004年11月11日号、P.69</ref>。

遅いシンカーはカーブと逆の握りで逆に手首をひねって中指と薬指から抜く[[バルカンチェンジ]]のような独特の投げ方<ref name="base_19990614_13"/>で、軌道もスライダーのようにスッと沈むオーソドックスなものではなく、一度浮かんで沈むような[[カーブ_(球種)|カーブ]]に近い軌道だった<ref name="base_19990614_12"/>。右に沈むため自身ではシンカーと呼んでいたが、一般的なシンカーとは別の球種だと指摘されることもあった<ref name="base_19990614_12"/>。[[松沼雅之]]は、[[パームボール]]のように揺れながら浮き上がり[[フォークボール]]のようなスピードで落ちる球、と表現している<ref name="base_19900521_20">週刊ベースボール、1990年5月21日号、P.20</ref>。国際試合などでは2巡目からシンカーにタイミングを合わされる事がしばしばあり、[[リリーフ]]としての短いイニングの起用で威力がより発揮された面もあったという<ref name="base_19990614_12"/>。なお、高速シンカーはストレートに近い握りで、リリースの瞬間に手首を被せるように投げていた<ref name="base_19990614_13"/>。

リリーフの時は打球を前に飛ばさない事を第一に考え、カウントを取る球も勝負球もシンカーで、見逃されて[[四球]]になるリスクと隣合わせの投球スタイルだった<ref name="base_19990614_12"/>。一方で先発の時は走者を貯めないことを先決にし、投球の組み立てにおけるシンカーの比重が相対的に小さくなった<ref name="base_19990614_12"/>。リリーフの心構えについては鹿取から教えられたことが役立ったといい、打たれても落ち込まない姿勢や投球に対するシンプルな考え方を学んでいる<ref name="base_20041129_58"/>。

== 人物 ==
身長176cm、体重68kg（入団1年目）の細身の体<ref name="Number_19910405_50"/>に加え[[ジャニーズ|ジャニーズ系]]の甘いルックス<ref name="base_19900507_129">週刊ベースボール、1990年5月7日号、P.129</ref>で、新人時代は1週間に40通のファンレターが届き、スポーツタオルなどのプレゼントも大量に贈られた<ref name="base_19900521_23">週刊ベースボール、1990年5月21日号、P.23</ref>。

[[握力]]が30kgしかなく<ref name="Number_19910405_50"/>、1年目のキャンプでは[[バーベル]]を上げられなかったという逸話もある。

私生活では2人の息子がおり、現役引退時に少年野球をしていた長男には力の衰えを理解してもらえなかったという<ref name="base_20041129_56"/>。

打たれても悔やんで引きずることはなく<ref name="base_20041129_57"/>、抑えたら自分の力だと思うほど開き直りの良い性格だった<ref>毎日新聞社・編『西武ライオンズファンブック 1994年度版』、P.58</ref>。また、[[森祇晶]]からも精神力の強さはチームで一番と評されていた<ref>読売新聞、1991年1月17日付朝刊、P.19</ref>。ホームランバッターをそれほど苦にしなかった一方で、空振りが取れなかった[[新井宏昌]]は対戦したプロ選手の中で印象に残っているという<ref name="base_20041129_57">週刊ベースボール、2004年11月29日号、P.57</ref>。

== 詳細情報 ==
=== 年度別投手成績 ===
{| {{投手成績|リーグ=日本プロ野球}}
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1990}}
|rowspan="15" style="text-align: center; white-space: nowrap;"|[[埼玉西武ライオンズ|西武]]
|43||1||0||0||0||7||4||8||--||.636||416||102.2||70||4||40||4||7||123||0||0||25||21||1.84||1.07
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1991}}
|'''45'''||3||1||0||0||10||3||5||--||.769||390||92.1||90||12||30||3||2||60||3||0||47||46||4.48||1.30
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1992}}
|47||3||0||0||0||6||2||10||--||.750||430||107.0||89||8||26||3||4||95||1||0||41||35||2.94||1.07
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1993}}
|53||0||0||0||0||6||3||8||--||.667||332||83.2||63||2||24||'''6'''||3||64||2||0||14||11||1.18||1.04
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1994}}
|50||1||0||0||0||4||2||1||--||.667||309||75.1||65||5||26||4||5||56||2||0||20||20||2.39||1.21
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1995}}
|45||0||0||0||0||5||6||12||--||.455||277||70.1||48||1||21||6||1||76||4||0||18||15||1.92||0.98
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1996}}
|43||4||0||0||0||8||6||11||--||.571||337||85.2||61||10||24||4||7||72||0||1||28||27||2.84||0.99
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1997}}
|27||26||5||1||1||12||7||0||--||.632||720||174.0||157||18||49||2||'''10'''||108||1||0||60||56||2.90||1.18
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1998}}
|27||17||2||1||0||7||5||0||--||.583||519||122.1||130||13||35||0||4||76||1||2||59||55||4.05||1.35
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1999}}
|20||9||1||0||0||5||3||0||--||.625||322||74.1||92||10||16||0||4||54||0||0||40||38||4.60||1.45
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2000}}
|24||13||0||0||0||3||6||0||--||.333||334||82.0||77||5||14||0||5||52||0||0||36||26||2.85||1.11
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2001}}
|21||2||0||0||0||1||0||0||--||1.000||154||36.1||43||3||8||1||1||29||0||0||18||18||4.46||1.40
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2002}}
|28||13||0||0||0||6||5||0||--||.545||319||81.0||62||7||12||1||1||59||0||0||40||35||3.89||0.91
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2003}}
|37||4||0||0||0||1||3||0||--||.250||222||50.0||55||6||18||1||6||29||1||0||28||27||4.86||1.46
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2004}}
|13||1||0||0||0||1||0||0||--||1.000||60||12.1||20||2||5||1||0||14||1||0||10||9||6.57||2.03
|-
!colspan="2"|通算:15年
|523||97||9||2||1||82||55||55||--||.599||5141||1249.1||1122||106||348||36||60||967||16||3||484||439||3.16||1.18
|}
* 各年度の'''太字'''はリーグ最高

=== 表彰 ===
* パ・リーグ会長特別賞（優秀新人賞） （1990年）
* [[日本選手権シリーズ|日本シリーズ]]優秀選手賞：1回 （[[1993年の日本シリーズ|1993年]]）

=== 記録 ===
; 初記録
* 初登板：1990年4月14日、対[[福岡ソフトバンクホークス|福岡ダイエーホークス]]1回戦（[[平和台野球場|平和台球場]]）、6回裏2死に3番手として救援登板、2回1/3を無失点
* 初奪三振：同上、7回裏に[[藤本博史 (内野手)|藤本博史]]から
* 初勝利：1990年4月24日、対[[オリックス・バファローズ|オリックス・ブレーブス]]1回戦（[[西宮球場]]）、6回裏に4番手として救援登板、2回1/3を1失点
* 初先発：1990年7月18日、対[[大阪近鉄バファローズ|近鉄バファローズ]]15回戦（[[西武ドーム|西武ライオンズ球場]]）、2回4失点で敗戦投手
* 初セーブ：1990年7月29日、対オリックス・ブレーブス14回戦（西宮球場）、6回裏1死に救援登板、3回2/3を無失点
* 初先発勝利・初完投勝利：1991年9月3日、対オリックス・ブルーウェーブ24回戦（西武ライオンズ球場）、9回1失点
* 初完封勝利：1997年5月18日、対[[千葉ロッテマリーンズ]]9回戦（西武ライオンズ球場）
; 節目の記録
* 1000投球回数：2000年4月30日、対千葉ロッテマリーンズ5回戦（西武ドーム）　※史上282人目
* 500試合登板：2003年8月10日、対千葉ロッテマリーンズ21回戦（[[千葉マリンスタジアム]]）、9回裏に3番手として救援登板・完了、1回無失点　※史上72人目
; その他の記録
* 8連続奪三振：1990年7月5日、対オリックス・ブレーブス12回戦（西宮球場）
* [[オールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスター]]出場:1回（1995年）

=== 背番号 ===
* '''16''' （1990年 - 2004年）
* '''86''' （2007年 - 2010年、2013年 - ）

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}

== 関連項目 ==
* [[徳島県出身の人物一覧]]
* [[埼玉西武ライオンズの選手一覧]]

{{埼玉西武ライオンズ}}
{{日本シリーズ優秀選手}}
{{ソウルオリンピック野球日本代表}}
{{西武ライオンズ1989年ドラフト指名選手}}

{{DEFAULTSORT:しおさき てつや}}
[[Category:日本の野球選手]]
[[Category:オリンピック野球日本代表選手]]
[[Category:日本のオリンピック銅メダリスト]]
[[Category:パナソニック野球部及びその前身チームの選手]]
[[Category:埼玉西武ライオンズ及びその前身球団の選手]]
[[Category:野球監督]]
[[Category:徳島県出身の人物]]
[[Category:1968年生]]
[[Category:存命人物]]