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海溝
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'''海溝'''(かいこう、trench)は、[[海底]]が細長い溝状に深くなっている場所のことである。その深さは深いものでは水面下1万mに達する。ここでは、[[海嶺]]で生まれた[[海洋プレート]]が[[アセノスフェア]]に沈み込んでいる。 == 海洋底が沈む場所 == [[プレートテクトニクス]]では、海溝は海洋プレートが他のプレートの下に沈み込む場所([[沈み込み帯]])とされる。海溝から斜め下に向かって薄い板状の地震多発域([[和達・ベニオフ帯]])があり、その上面では[[断層|逆断層]]型にずれていることが、海洋プレート沈み込みの証拠のひとつと考えられている。また最近、[[海山]]が割れながら海溝に沈んで行くところが発見された。 海溝は'''大陸辺縁部'''の中でも'''活動的辺縁部'''で形成される。大陸辺縁部がプレート境界に近いために大陸棚は狭く、大陸斜面は急峻となり海溝を形成する。反対に大陸辺縁部がプレート境界から遠い場所では大陸棚は広く、コンチネンタル・ライズと呼ばれる緩やかで滑らかな海底斜面を形成し、深海平原へとつながる。活動的辺縁部では地震が多発し[[火山活動]]も活発だが、それ以外の大陸辺縁部は比較的安定しており地震は少なく火山活動もない<ref name = "深海の不思議">瀧澤美奈子著 『深海の不思議』 日本実業出版社、2008年3月20日初版発行、ISBN 9784534043542。</ref>。 == トラフ == {{main|トラフ (地形)}} 海溝と同じような海底構造に'''トラフ'''([[:en:Trough (geology)|trough]]、舟状海盆)がある。6,000m以上の深さのものを海溝と呼び、それより浅いものはトラフと呼ばれる。[[南海地震]]、[[東南海地震]]を起こす[[南海トラフ]]などは、浅いだけで海溝と同じ沈み込み帯だが、トラフの中にはそれとは異なり他の成因のものもある。 == 地震・火山・列島 == 海溝では、沈み込む海洋プレートとその上のプレートとの間の摩擦のため、スムーズにすべるのではなく間欠的に急激にずれることで沈み込みが進行する。この急激なずれが[[地震#プレート間地震|海溝型地震]]で、日本においては[[南海地震]]・[[東南海地震]]・[[東海地震]]などがこれにあたる<ref>これらの地震を引き起こす南海トラフは海溝ではなくトラフであるが、プレートテクトニクスの観点からは同じメカニズムによるものなので海溝型地震に含まれる。</ref>。またそれ以外にも海洋プレート内部が割れたり、その上のプレートが海洋プレートに押されることで割れたりするため、海溝周辺は[[地震]]多発地帯である(詳細は[[断層]]を参照)。 海溝から海洋プレートが沈み込んで一定の深度に達すると[[岩石]]の一部が融解して[[マグマ]]となり、上昇して地表に[[火山]]を形成するため、海溝には平行する[[火山帯]]が伴う(詳細は[[火山]]を参照)。多くは[[日本列島]]のような[[火山列島]]の形をとり、南アメリカ大陸西岸の[[アンデス山脈]]にのみ大陸上に火山帯がある。これを[[島弧‐海溝系]]という。 北アメリカ大陸西岸にも同様の火山帯、[[カスケード山脈]]があるが、海溝は陸からの[[堆積物]]で埋め立てられており不明瞭である。<!--海溝ではなく中央海嶺によるもの、またはホットスポットによる火山ではないだろうか →下鶴ほか編「火山の事典」によれば、北米カスケード火山列は海溝型だが、陸からの土砂の供給が多いため海溝は埋まっているのだそうです。ホットスポットは無いはずです。また海嶺だとすると方向が合いません。--> <!-- 海洋底が直接大陸の下に沈んでゆくペルー・チリ海溝を除いて、海溝には列島それも火山列島がつきもの。火山と地震はペルー・チリを含む全海溝でセットになっている。プレートが沈み込む場所では、対面のプレートとの摩擦・ズレが発生し地震となる。また海洋底プレートに含まれた大量の水分が、地下深部の岩石の溶解温度を低下させ、マグマを生成し(※)火山帯を形成する。 :(※)地殻の岩石は高温でも固体であるが、水分があると融解温度が低下するので同じ温度でも液状化し、マグマとなって上昇する。--> == 主な海溝 == {| class="wikitable" |- ! 海溝 ! 場所 ! 深さ |- | [[マリアナ海溝]] | [[太平洋]] [[マリアナ諸島]]の東側([[サイパン島]]を含む) | 10,924m(世界最深) |- | [[トンガ海溝]] | 太平洋 ケルマデック海溝の北、[[トンガ]]のすぐ東 | 10,800m |- | [[フィリピン海溝]] | 太平洋 [[フィリピン]]の東側 | 10,057m |- | [[ケルマデック海溝]] | 太平洋 [[ニュージーランド]]の北、[[ケルマデック諸島]]の東側 | 10,047m |- | [[伊豆・小笠原海溝]] | 太平洋 [[伊豆諸島|伊豆]]・[[小笠原諸島|小笠原]]両諸島の東にある | 9,780m |- | [[千島海溝|千島・カムチャツカ海溝]] | 太平洋 [[千島列島|千島]]・[[カムチャツカ]]両列島の南東にある | 9,550m |- | [[ニューヘブリデス海溝]] | 太平洋 [[ニューカレドニア島]]の北東 | 9,175m |- | [[ヤップ海溝]] | [[太平洋]] [[ヤップ島]]の東側 | 8,946m |- | [[プエルトリコ海溝]] | [[大西洋]] [[西インド諸島]]、[[プエルトリコ]]のすぐ北側 | 8,605m |- | [[サウスサンドウィッチ海溝]] | 大西洋 [[サウスサンドウィッチ諸島]]の東側 | 8,428m |- | [[チリ海溝]] | 太平洋 [[南アメリカ大陸]]のすぐ西にある | 8,170m |- | [[日本海溝]] | 太平洋 [[東北地方]]の沖合いにある | 8,020m |- | [[アリューシャン海溝]] | 太平洋 [[アリューシャン列島]]のすぐ南 | 7,679m |- | [[琉球海溝|琉球(南西諸島)海溝]] | 太平洋([[フィリピン海]]) [[南西諸島]]の東方に分布している | 7,507m |- | [[ジャワ海溝|ジャワ(インドネシア/スンダ)海溝]] | [[インド洋]] [[ジャワ島]]の南 | 7,125m |- | [[中央アメリカ海溝]] | 太平洋 [[メキシコ]]西岸 | 6,669m |} ''<small>([[理科年表]] 平成19年版より <ref>[[国立天文台]]編 『理科年表 平成19年』 [[丸善]]、2006、ISBN 4-621-07763-5。</ref>)</small>'' なお、マリアナ海溝の一番深いところは、チャレンジャー海淵<ref>海淵(かいえん)は、海底の中でも特に深い場所(凹地)を指す。チャレンジャー海淵は地球上で最も深い海淵である。</ref>と呼ばれている。その海淵付近まで、[[潜水艇]]によって人類は到達している。詳しくは「[[マリアナ海溝]]」を参照。 == 湧水域 == 海溝では海洋プレートが他のプレートの下に沈みこむ時に長年プレートの上に積もった'''堆積物'''から断層に沿って'''間隙水'''が搾り出される'''湧水域'''と呼ばれる場所がある。1984年にオレゴン沖の深度2,000mの海底で初めて発見されて以降、南海トラフ、日本海溝、バルバドス海域でも見つかっている。湧水域では[[硫化水素]]や[[メタン]]を含んだ海水が湧き出している<ref name = "深海の不思議"/>。 == 備考 == 日本では、株価等の暴落や、深い事、深い場所の[[比喩]]として、海溝、日本海溝、マリアナ海溝などの名前が使われる事がある。 == 脚注・出典 == {{脚注ヘルプ}} <references/> ==関連項目== * [[深海]] * [[トラフ (地形)|トラフ]] * [[海嶺]] * [[プレートテクトニクス]] <!-- == 参考文献 == --> <!-- == 外部リンク == --> {{地形}} {{プレートテクトニクス}} {{デフォルトソート:かいこう}} [[Category:地形]] [[Category:海底地形]] [[Category:海溝|*]]
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