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海水
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[[ファイル:Plain water (seawater of the Finnish Gulf).JPG|thumb|right|250px|海面上から見た海水]] '''海水'''(かいすい)は、[[海]]に蓄積される[[水]]の事である。 == 概要 == 海水は水を主成分とし、3.5%程度の[[塩 (化学)|塩]](えん)、微量[[金属]]から構成される。 地球上の海水の量は約13.7億 km<sup>3</sup>で、地球上の水分の97%を占める。 水温は気温・[[季節]]・深さで異なり、-2度~28度<ref>塩水のため[[凝固点]]は0度を下回る。高圧になる深海部ではさらに下回る可能性がある。また[[海底火山]]など熱水噴出部ではさらに上回る可能性がある。</ref>。 密度は1.02~1.035g/cm<sup>3</sup>。 == 塩分 == [[ファイル:WOA05 sea-surf SAL AYool.png|thumb|250px|大洋の年平均表面塩分濃度 [http://www.nodc.noaa.gov/OC5/WOA05/pr_woa05.html].]] 上述の通り、海水は3.5%程度の塩分を含む。これは、[[地球]]が形成され、海が形成された当時、海水は酸性であり、それにより地殻を溶かし、[[アルカリ金属]]・[[アルカリ土類金属]]によって中和した事による。ただ、海水が中性になって以降も僅かながら地殻を溶かし続けており、これにより塩分濃度は徐々に上昇を続けている。しかし[[氷河期]]による極地氷冠の成長や融解メルトダウンで多少の上下がある。 海洋の塩分は地球上の観測場所により3.1%から3.8%のばらつきがあり、海洋において一様ではない。とくに河口や氷河の崩落する地域では[[汽水]]化されている。最も塩分が高い外洋は[[紅海]]であり、海水の蒸発量の多さ、降水の少なさ、河川の流入、地形により海水の攪拌が少ないことなどが影響している。 なお、[[塩湖]]においては、海水よりもさらに塩分が高い場合がある。最も高いのは[[死海]]であり、塩分濃度は約30%である。これら塩湖は、河川から淡水が流入するものの、蒸発が激しく、流出する河川が無い事によって成立している。河川の淡水は僅かながら塩分を含んでいるため、水分の蒸発により塩分が濃縮されるのである。河川による水の流入はあっても流出がないという意味では、塩湖は海と同じである。 === 塩分と生物 === [[ファイル:Kesselaid. animals.JPG|thumb|right|250px|通常は水分の摂取には適さないが、塩分摂取を目的として飲用する場合がある。<br /><small>海水を飲む牛、エストニアKesselaid島の海岸にて。</small>]] 塩分組成の比率はヒトの体液とほぼ同じであるとまことしやかに言われることもある(一部の[[天然塩]]の宣伝など)が、ヒト生体の[[塩分濃度]]は約0.9%であり、海水の塩分濃度は生体よりもかなり高い。大量に飲まない限り害はないが、塩分が多く[[浸透圧]]が高すぎるため水分の摂取には適さない。また、体質により[[マグネシウム]]イオンに対して敏感な場合は[[下痢]]の原因となる。ただし海に近い場所に生息する動物は、塩分の摂取を目的として海水を飲用する場合はある。しかし[[ヒト]]の場合は、そのまま海水を飲用するのではなく、水分を蒸発させて固体の[[食塩]]を採取するか、過去に海だった陸地において[[岩塩]]を採取し、摂取する。 塩分組成の比率については、現在の塩分濃度よりも、その生物が生まれた当時の海水の塩分濃度・組成に近いと言える<ref>http://plaza.umin.ac.jp/~histsite/fluidtxt.pdf</ref>。硬骨魚類を含む多くの脊椎動物は塩分濃度は0.8-0.9%前後であり、これは4億年ぐらい前の海水の塩分濃度に近いと考えられている<ref>[http://web-mcb.agr.ehime-u.ac.jp/evolution/ocean01.htm 原始の海洋ー人間の血液中でもフジツボが成育する]</ref>。[[脊椎動物]]の登場が5億4200万年前、脊椎動物([[両生類]])の上陸が3億6000万年前と言われている。一方で硬骨魚類と異なり淡水での進化を経験していない軟骨魚類、クラゲやイソギンチャクなどの刺胞類、イカやタコなどの頭足類、ウニやヒトデなどの棘皮類、ホヤ類、軟体動物、甲殻類などの無脊椎動物については、体液は海水とほぼ同じ組成で、浸透圧も海水と等張である。 ==炭素循環== [[炭素循環]]において海洋は非常に重要なリザーバーであり、とくに深海が地球上でもっとも炭素保持量が多い。 {{See also|炭素循環}} == 用途 == [[File:NCM 0263.JPG|170px|thumb|海水を使用するフェリーの水洗便所]] *生活用水 :風呂水として用いられる例が見られる。船舶・艦船などは真水の備蓄に限界があり、風呂水として海水を利用する場合が見られる。 :海水がミネラルを含む事から、[[温泉]]と同様に人体にも好影響であるとして、その目的で海水を風呂水として積極的に用いる例もある。[[東京都]][[品川区]]東品川に存在する[[銭湯]]の「海水湯」は、創業時は近所の[[東京湾]]や[[運河]]から海水を汲み上げて風呂の水に利用していた。現在でも、[[大阪府]][[堺市]]には沖合からパイプで汲み上げた海水を使用した潮湯の浴槽を持つ銭湯が営業している。 :慢性的に水不足の[[香港]]では、水洗[[便所|トイレ]]の洗浄水として海水を利用しており、建物には飲用水と2系統の給水系統を設けている。海水に含まれる[[ヤコウチュウ]]がそのままトイレに入り込んで、トイレの水が光る現象が起きる場合がある。 :また[[フェリー]]等の船舶でも、水洗[[便所|トイレ]]の洗浄水として海水を利用している。この場合便器洗浄用の[[フラッシュバルブ (栓)|フラッシュバルブ]]は腐食防止対策がされた耐海水用のものが使用される。 *塩分・ミネラル :上述の通り、海水は水分摂取に使用するには塩分濃度が高過ぎるため、むしろ塩分摂取の目的に使用される。古来より水分を乾燥させ、[[食塩]]を[[製塩|精製]]するための原料として使われる。 :塩分・ミネラルの摂取目的としてそのまま飲用する例は少ないが、その目的で[[海洋深層水]]が製品として販売されることがある。 :しかしながら現在では、工業原料としてアルカリ金属やアルカリ土類金属、[[臭素]]を得る用途のほうが、より比率が高まっている。 :また、希少な微量金属([[リチウム]]、[[コバルト]]、[[チタン]]、[[ウラン]]など)をも含有しているため、現在海水からそれらを回収する技術が開発途上にあるが、極めて微量であるため、現在の所採算性のある手法は発明されていない。 *水分 :島部や乾燥地帯など、水不足が深刻な地域では、[[逆浸透膜]]などを利用した[[海水淡水化]]装置で海水を真水にして、生活用水として使用している。 *冷却水 :工業施設において大量の冷却水を必要とする場合、海水をその目的に用いるため、施設が海岸に設置される例が多い。主なものとしては、[[火力発電所]]・[[原子力発電所]]がある。これら工業施設からの排水は、周囲の海水より2度から4度程度高く(温排水)、海中の生物に影響を与える恐れもある。原子力発電所の場合はそれに加えて、[[放射能]]を含む事が問題視される場合がある。 *重量物 :[[タンカー]]などの貨物船は、積荷がない時にバランスをとるため、船底に海水を取り込んで[[バラスト水]]として利用している。 ==構成成分== 海水の塩分濃度は測定の位置により一様ではないが、塩分の構成についてはほぼ一定である。 {| class="wikitable" style="float: right; margin: 0 0 1em 1em;" |+海水に含まれる主要なイオン・化学種<ref>松井義人、一国雅巳 訳 『メイスン 一般地球化学』 岩波書店、1970年</ref> |- !成分 !化学式 !質量% !溶質% |- ! [[ナトリウム]]イオン | Na<sup>+</sup> | 1.0556 | 30.61 |- ! [[マグネシウム]]イオン | Mg<sup>2+</sup> | 0.1272 | 3.69 |- ! [[カルシウム]]イオン | Ca<sup>2+</sup> | 0.0400 | 1.16 |- ! [[カリウム]]イオン | K<sup>+</sup> | 0.0380 | 1.10 |- ! [[ストロンチウム]]イオン | Sr<sup>2+</sup> | 0.0008 | 0.03 |- ! [[塩化物]]イオン | Cl<sup>−</sup> | 1.8980 | 55.05 |- ! [[硫酸イオン]] | SO<sub>4</sub><sup>2−</sup> | 0.2649 | 7.68 |- ! [[臭化物]]イオン | Br<sup>−</sup> | 0.0065 |0.19 |- ! [[炭酸水素イオン]] | HCO<sub>3</sub><sup>−</sup> | 0.0140 |0.41 |- ![[フッ化物]]イオン |F<sup>−</sup> | 0.0001 |0.003 |- ![[ホウ酸]] |H<sub>3</sub>BO<sub>3</sub> |0.0026 |0.07 |} *[[水]] 96.6% *[[塩分]] 3.4% この内、塩分は、 *[[塩化ナトリウム]] 77.9% *[[塩化マグネシウム]] 9.6% *[[硫酸マグネシウム]] 6.1% *[[硫酸カルシウム]] 4% *[[塩化カリウム]] 2.1% *その他 == 参考文献 == {{reflist}} == 関連項目 == * [[海氷]] * [[海洋深層水]] * [[水塊]] * [[塩水]] * [[食塩水]] * [[人工海水]] == 外部リンク == * {{EoE|Seawater|Seawater}} {{DEFAULTSORT:かいすい}} [[Category:海]] [[Category:水]] [[Category:塩化ナトリウム]] [[Category:便所]] [http://www.jti.co.jp/Culture/museum/sio/world/index.html 海水の成分] [http://www.chi-net.or.jp/camp/camp98/group_3/seibun.html 海水の成分]
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