洞爺湖のソースを表示

{{Infobox 湖
|名称= 洞爺湖
|画像= [[ファイル:130922 Lake Toya Toyako Hokkaido Japan03s3.jpg|300px]]<br />[[ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ]]から望む洞爺湖（2013年9月）
|所在地= [[北海道]]（[[胆振総合振興局]]）
|coords= {{coord|42|34|44|N|140|51|16|E|region:JP_type:waterbody|display=inline,title}}
|面積= 70.7
|周囲長= 50
|最大水深= 180.0
|平均水深= 117.0
|貯水量= 8.19
|標高= 84
|成因= [[カルデラ|カルデラ湖]]
|淡汽= [[淡水]]
|湖沼型= 貧栄養湖
|透明度= 10.0 
}}
{{Mapplot Japan|140.8694|42.6048|洞爺湖}}

'''洞爺湖'''（とうやこ）は、[[北海道]][[虻田郡]][[洞爺湖町]]と[[有珠郡]][[壮瞥町]]にまたがる[[湖]]。[[二級河川]][[長流川]]水系に属する。地域一帯が[[支笏洞爺国立公園]]となっており<ref>{{cite web |url=http://www.env.go.jp/park/shikotsu/ |title=支笏洞爺国立公園 |publisher=[[環境省]] |accessdate=2014-08-09}}</ref>、[[洞爺湖有珠山ジオパーク]]として「'''日本ジオパーク'''」・「'''世界ジオパーク'''」に登録されている<ref>{{cite web |url=http://www.geopark.jp/ |title=日本ジオパークネットワーク |accessdate=2014-08-01}}</ref>。また、「'''[[日本百景]]'''」・「'''[[新日本旅行地100選]]'''」・「'''[[美しい日本の歩きたくなるみち500選]]'''」にも選定されている<ref>{{cite web |url=http://www.env.go.jp/nature/ari_kata/shiryou/031208-4-3.pdf |title=日本八景（昭和２年）の選定内容 |format=PDF |work= |publisher=環境省 |accessdate=2014-08-01}}</ref><ref>{{cite web |url=http://www.walking.or.jp/tournament/select500/course.html |title=「美しい日本の歩きたくなるみち」500選 全コース一覧 |publisher=[[日本ウォーキング協会]] |accessdate=2014-08-09}}</ref>。

== 地理 ==
北海道南西部に位置し、「洞爺カルデラ」内にできた湖<ref>{{cite web |url=https://gbank.gsj.jp/volcano/Quat_Vol/volcano_data/C20.html |title=volcano |publisher=[[産業技術総合研究所]] [[地質調査総合センター]] |accessdate=2014-08-01}}</ref>。[[面積]]は日本で9番目、カルデラ湖としては[[屈斜路湖]]、[[支笏湖]]に次いで日本で3番目の大きさである。

東西約11km、南北約9kmのほぼ円形の湖で、[[有珠山]]・[[昭和新山]]・[[洞爺湖温泉]]などがあり、北海道有数の観光地域となっている。

中央に浮かぶ'''中島'''（面積4.85km&sup2;）の最高点[[トーノシケヌプリ]]（標高455m）を中心として、東北東～南東～南南西にかけてが壮瞥町、それ以外が洞爺湖町になっている。なお、中島には昭和35年頃に2世帯6人の定住者がいたが<ref>出典：角川日本地名大辞典による</ref>、現在は定住する者はいない。

* 島：中島、観音島、弁天島、饅頭島
* 流入河川：ソウベツ川、大川など
* 流出河川：[[壮瞥川]]

* 湖畔の南側を[[北海道道2号洞爺湖登別線]]、北西部を[[北海道道578号洞爺虻田線]]、東側を[[北海道道132号洞爺公園洞爺線]]が通っており、湖畔を一周することができる。

== 名称の由来 ==
「とうや」は[[アイヌ語]]の'''「トヤ（ト・ヤ)」（湖の岸）'''に由来する。湖の北岸を指す地名であったが、和人はその北岸を向洞爺と呼び、洞爺を湖の名にした<ref>出典：[[山田秀三]]『北海道のアイヌ語地名十二話』、『アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集』第1巻42頁所収、草風館、1982年。</ref>。[[アイヌ]]の人々は洞爺湖のことを「キムント(キ<small>ム</small>・ウン・ト)」（山の湖）と呼んでいた。地元では「どうや」と呼ばれることもある。

== 洞爺カルデラ ==
[[ファイル:Lake Tōya 3D 2012.jpg|thumb|258px|カルデラの地形図。湖の下部で突き出ているのが有珠山（活火山）。<small>{{スペースシャトル}}</small>]]

約11万年前<ref name="geo"></ref><ref>約10万年前と記述される場合も見受けられる。</ref>に巨大な[[噴火]]が起こり、「洞爺カルデラ」が形成された。このときに放出された[[火山噴出物]]（洞爺火砕流）の総体積は150km&sup3;を超え、広範囲に渡り数十mの厚さで堆積している<ref name="tomiya">{{cite web |url=https://staff.aist.go.jp/a.tomiya/usu/suii.html |title=有珠火山における過去の噴火の推移の例 |date=2008-01-23 |publisher=産業技術総合研究所 地質調査総合センター |accessdate=2014-08-09}}</ref>。この大規模な噴火による[[火山灰]]は北海道から東北にかけての広い範囲の地層に見られる。カルデラ壁周辺には火砕流堆積物による台地も形成されている。

湖の中央に浮かぶ4つの島を総称して中島と呼んでいる<ref name="geo_nakajima">{{cite web |url=http://www.toya-usu-geopark.org/?page_id=46#anc02 |title=約5万年前 中島の形成 |publisher=洞爺湖有珠山ジオパーク |accessdate=2012-11-09}}</ref>。これは約5万年前の火山噴火に伴って形成された[[溶岩ドーム]]と[[火砕丘]]の集まりである<ref name="geo_nakajima"></ref>。湖底を含めると11の火山体が確認されている<ref name="geo_nakajima"></ref>。2万年くらい前から洞爺湖の南岸で噴火が繰り返され有珠山が誕生した<ref name="geo">{{cite web |url=http://www.toya-usu-geopark.org/?page_id=20 |title=ジオパーク イントロダクション |publisher=洞爺湖有珠山ジオパーク |accessdate=2012-11-09}}</ref>。

== 変遷 ==
=== 湖水水質の変化 ===
元々は極貧栄養湖で透明度は高かったが、閉山した鉱山廃水や洞爺湖温泉街をはじめとした排水の流入が増えていったため、透明度の低下が著しい。

[[1920年]]に電源開発を目的に流出河川に建設された壮瞥発電所と、[[長流川]]の川水を利用した洞爺発電所、さらに従来流入していなかった長流川上流部に建設された久保内ダムなどにより、長流川の川水が流入することになった。長流川上流には1907年頃より相次いで操業していた幌別硫黄鉱山、徳舜瞥鉱山、弁景鉱山があり、1939年から1973年の閉山までpH2ほどの鉱山廃水が洞爺湖に流入し続け、湖水は1970年のpH5まで酸性化した結果多くの生物が死滅した<ref name="005_sake">{{cite web |url=http://www.fish-jfrca.jp/02/pdf/lake/sakura/005_sakuramasu-etc.pdf#search='%E6%B9%96%E6%B2%BC%E3%83%BB%E6%B2%B3%E5%B7%9D%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%A2%97%E6%AE%96%E4%BA%8B%E4%BE%8B' |title=湖沼・河川における増殖事例 |format=PDF |publisher=社団法人日本水産資源保護協会 |accessdate=2014-08-09}}</ref>。

これに伴い、[[1973年]]から長流川上流の鉱山廃水の中和事業が本格的に行われたことと<ref>{{cite web |url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/shigentosozai/120/10,11/120_10,11_577/_article/-char/ja/ |title=酸化マグネシウムによる坑廃水中和処理殿物のフェライト化に関する研究 |author=吉田哲也、五十嵐敏文、朝倉國臣、宮前博子、彌富 信義、橋本 晃一 |publisher=資源と素材 Vol.120 |pages=577-583 |year=2004 |accessdate=2014-08-09}}</ref>、1977年（昭和52年）の有珠山の噴火活動に伴う大量の火山灰が洞爺湖へ降り注ぐことにより、アルカリ性の火山灰によって酸性の湖水が中和され、1995年にはpH7前後まで回復した。但し、中和作用全体に対する中和事業による作用と火山灰による作用と、どちらの影響が強かったのかは不明である。

=== 漁業 ===
在来種は[[アメマス]]、[[ウグイ]]、[[ヨシノボリ]]、[[カジカ (魚)|ハナカジカ]]等で、現在までに[[ワカサギ]]、[[ヒメマス]]、[[ニジマス]]、[[サクラマス]]、[[コイ]]、[[ブラウントラウト]]等が漁業および遊漁を目的として人為放流されている。1970年代を中心に湖水が酸性化した影響で生息数と魚種の減少がみられたが、現在では酸性化の影響は残っていない。

流出河川の壮瞥川では、アイヌが[[サケ|シロザケ]]をのぼり簗漁で漁獲していた事が記録に残っているが、湖産の魚類を捕獲していたかは不明である<ref name="005_sake"/>。

* ヒメマスは、[[阿寒湖]]から[[1893年]]に最初の放流（卵）が行われ、[[1908年]]には[[支笏湖]]から放流された。漁獲量は1930年頃には年間25トンあり、最も漁獲量が多かったのは1950年代で100トン程の漁獲があったが、鉱山廃水による湖水の酸性化により漁獲量は急激に減少した。その後、水質の回復を受けて1986年には50トンまで漁獲量が回復した<ref>{{cite web |url=http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/srhsh/data/srhsh374.pdf |title=洞爺湖におけるヒメマスの年齢と成長 |year=1996 |work=北海道さけ・ますふ化場研究報告 |publisher=独立行政法人 [[水産総合研究センター]][[北海道区水産研究所]] |accessdate=2014-08-09}}</ref>。
* ワカサギは[[1912年]]に[[霞ヶ浦]]から移植された。
* ニジマスは[[1926年]]に、サクラマスは1928年に千歳孵化場から移植された。

=== 中島のエゾシカ ===
中島には[[エゾシカ]]が多数生息しているが、元来島に生息していたものではない<ref name="rakuno">{{cite web |url=http://www.hokkaido-biosphere.jp/wp-content/uploads/2010/01/b117cd8667a83badc517dee009d1ae2b.pdf |title=中島でみるエゾシカ問題／洞爺湖中島のエゾシカ／中島のシカと植生／中島のシカと土壌／シカの行動を把握する |publisher=[[酪農学園大学]] |accessdate=2014-08-09}}</ref>。これは、日高地方から[[1957年]]にオス1頭、[[1958年]]にメス1頭、[[1965年]]に妊娠したメス1頭の計3頭がこの島に導入されたことによる<ref name="rakuno"></ref>。以後個体数が増え、最大400頭を超したこともあったが、食料となる島内の植物が減少したことにより個体数の増減を繰り返していることが明らかになっている<ref name="rakuno"></ref>。

== 北海道洞爺湖サミット ==
[[2008年]]（平成20年）[[7月7日]]～[[7月9日]]の日程で『'''[[第34回主要国首脳会議]]（北海道洞爺湖サミット）'''』が[[ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ]]を会場に開催された<ref>{{cite web |url=http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/toyako08/ |title=北海道洞爺湖サミット |publisher=[[外務省]] |accessdate=2014-08-01}}</ref>。

== 洞爺湖有珠山ジオパーク ==
洞爺湖有珠山周辺地域が、[[地質学]]的に貴重な遺産を保護しつつ、それらを地域の教育や科学振興及び観光事業に活用し、持続可能な方法で地域活性化を図ることが可能な地域であるとして、[[国際連合教育科学文化機関]]（UNESCO）の支援により設立された世界ジオパークネットワーク（GGN）への加盟申請が行われ、[[2009年]]（平成21年）8月22日に認められ[[洞爺湖有珠山ジオパーク]]が「世界ジオパーク」に認定された（前年には「日本ジオパーク」に認定されている）。

== 周辺施設・観光地 ==
{{Multicol}}
* 洞爺湖遊覧船
* とうや湖ぐるっと彫刻公園
* 洞爺湖ビジターセンター・洞爺湖町立火山科学館
* 北海道洞爺湖サミット記念館
* [[有珠山]]
* [[有珠山ロープウェイ]]
* [[昭和新山]]
* [[昭和新山熊牧場]]
* 昭和新山ガラス館
* 三松正夫記念館
* 横綱北の湖記念館
{{Multicol-break}}
;温泉
* [[洞爺湖温泉]]
* [[洞爺月浦温泉]]
* [[洞爺温泉]]
* [[財田温泉]]
* [[仲洞爺温泉]]
* [[壮瞥温泉]]
{{Multicol-break}}
;キャンプ場
* 仲洞爺キャンプ場
* グリーンステイ洞爺湖
* 水辺の里財田キャンプ場
{{Multicol-break}}
;道の駅・水の駅
* [[道の駅とうや湖]]
* [[とうや水の駅]]
{{Multicol-end}}

== 参考画像 ==
<gallery widths=200 heights=150>
ファイル:130922 Toyako Onsen Toyako Hokkaido Japan01s3.jpg|洞爺湖と中島（2013年9月）
ファイル:Mt Tonoshikenupuri.JPG|ポロモイ山から望む中島（2009年5月）
ファイル:Touya-ko01.jpg|湖面が凪いでいる洞爺湖（2007年8月）
ファイル:Lake Toya.JPG|霧が立ち込めた洞爺湖（2010年5月）
ファイル:Lake-toya、洞爺湖 浮見堂公園.jpg|湖の北岸にある浮見堂公園（2006年6月）
ファイル:LAKE_TOYA_2.JPG|[[羊蹄山]]から望む洞爺湖（2012年6月）
</gallery>

== 洞爺湖が舞台（ロケ地）となった作品 ==
;映画
* 『[[リメインズ 美しき勇者たち]]』（1990年）
* 『[[ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発]]』（2008年）
* 『[[しあわせのパン]]』（2012年）
;テレビドラマ
* 『[[ゆうひが丘の総理大臣]]』（1979年）
* 『[[スチュワーデス刑事]]』（2003年）
* 『[[温泉 (秘) 大作戦]]』（2013年）<ref>{{cite web |url=http://www.tv-asahi.co.jp/dwide/contents/nextweek/0238/ |title=「温泉（秘）大作戦（12）」北海道洞爺湖に渦巻く美人三姉妹の陰謀!?花嫁殺人に秘められた愛と憎しみの25年！ |work=土曜ワイド劇場 |publisher=テレビ朝日 |accessdate=2014-08-09}}</ref>
;漫画
* [[空知英秋]]『[[銀魂]]』 - 主人公[[坂田銀時]]の[[木刀]]には、「洞爺湖」の文字が刻まれている。このことにより、「洞爺湖」と刻まれた木刀が観光客の土産品として人気を集めた<ref>{{cite news |title=http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2007/07/27/20070727m_07.html |title=「洞爺湖」刻んだ木刀、洞爺湖温泉の土産物店で人気 |date=2007-07-27 |newspaper=[[室蘭民報]] |publisher=室蘭民報社 |accessdate=2012-11-09}}</ref>。
;ゲームソフト
* [[ニンテンドーDS]]『[[DS湯けむりサスペンスシリーズ フリーライター 橘 真希 「洞爺湖・七つの湯・奥湯の郷」取材手帳]]』<ref>{{cite web |url=http://www.nintendo.co.jp/ds/software/cukj/ |title=DS湯けむりサスペンスシリーズ フリーライター 橘 真希 「洞爺湖・七つの湯・奥湯の郷」取材手帳 |publisher=任天堂 |accessdate=2014-08-10}}</ref>

ほか

== 脚注・出典 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />

== 参考文献 ==
{{節stub}}

== 関連項目 ==
{{commonscat|Lake Toya}}
* [[日本の湖沼一覧]]
* [[火山湖]]
* [[カルデラ]]
* [[カルデラの一覧 (日本)]]
* [[ジオパーク]]
* [[日本の観光地一覧]]
* [[北海道の観光地]]
* [[洞爺湖電気鉄道]] - かつて運行していた鉄道路線。
;人物
* [[北の湖敏満]] - [[日本相撲協会]][[理事長]]。第55代[[横綱]]「北の湖」。四股名の由来は「洞爺湖」から来ている。

== 外部リンク ==
* [http://www.toyako-vc.jp/ 支笏洞爺国立公園 洞爺湖ビジターセンター]
** {{facebook|toyako.visitor|洞爺湖ビジターセンター・火山科学館}}
* [http://www.toya-usu-geopark.org/ 洞爺湖有珠山ジオパーク]
** {{facebook|ToyaUsu|洞爺湖有珠山ジオパーク}}
* [http://www.laketoya.com/ 洞爺湖温泉観光協会]
** {{facebook|laketoya.eng|Lake Toya Hot spring, Hokkaido, Japan}}
* [http://www.toya-guide.com/ 洞爺ガイドセンター]

{{DEFAULTSORT:とうやこ}}
[[Category:北海道の湖沼]]
[[Category:北海道の火山]]
[[Category:北海道の自然景勝地]]
[[Category:長流川水系]]
[[Category:日本のカルデラ]]
[[Category:支笏洞爺国立公園]]
[[Category:日本百景]]
[[Category:洞爺湖町の地理]]
[[Category:壮瞥町の地理]]