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河東節
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'''河東節'''(かとうぶし)は[[浄瑠璃]]の一種。また[[古曲]]の一つ。国の[[重要無形文化財]]。 江戸半太夫([[半太夫節]]の創始者)の門下である江戸太夫河東(1684年~1725年)が、[[享保]]二年([[1717年]])に'''[[十寸見河東|十寸見 河東]]'''(ますみ かとう)を名乗って創始した。代表的な[[江戸浄瑠璃]]のひとつである。 初期には半太夫節に式部節などを加味した語り口を持味にし、[[庶民]]からひろく支持された浄瑠璃であったが、後には[[豊後節]]や[[常磐津節]]によって人気を奪われ、このため豊後節禁止を[[幕府]]に働きかけるなどの策を弄したことでも知られる。江戸中期以降は人気、[[歌舞伎]]の[[伴奏]][[音楽]]の地位をともに奪われ、主にお座敷での素[[浄瑠璃]]として富裕層に愛好された。特に[[吉原遊廓|吉原]]との関係は深く、二代目(?~1734)、三代目(?~1745)の河東は吉原に暮らし、初代、二代、三代の[[十寸見蘭洲|蘭洲]]は妓楼の主であったといわれる。 [[三味線]]は[[細棹]]を用い、語り口は豪気でさっぱりしていて「[[粋|いなせ]]」である。後に[[山田流]][[箏曲]]に影響を与えた。 重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されているのは 浄瑠璃 山彦節子、 三味線 山彦千子 である。 == 助六 == ''→ 詳細は「[[助六]]」の記事を参照。'' [[歌舞伎]]にはさまざまな流派の浄瑠璃が用いられるが、今日この河東節を使うのは『[[助六由縁江戸桜]]』<small>(すけろく ゆかりの えどざくら)</small>ただ一作においてのみとなっている。 [[享保]]十八年 (1733) に[[市村座]]で『助六』の前身である『英分身曾我』<small>(はなぶさ ぶんしん そが)</small>』が上演された際、その「出端の唄」の曲名が「所縁江戸櫻」<small>(ゆかりの えどざくら)</small>だった。この唄はこれ以後、市村座の座元である代々の[[市村羽左衛門]]がこの市村座で助六を演じるときのみにしか使われないようになる。これが[[宝暦]]年間 (1751~63) になるともっぱら代々の[[市川團十郎]]がこれを使うようになり、[[市川團十郎 (7代目)|七代目市川團十郎]]の[[化政文化|化政期]]にはとうとうこの河東節の「所縁江戸櫻」が[[成田屋]]市川宗家の専売特許のような扱いを受けるまでになってしまった。このため他家が『助六』を上演するときは成田屋に遠慮して、この「出端の唄」を半平太節・常磐津節・清元節そして長唄などに書き替えたもので行うようになる。そして「出端の唄」の曲名に準じて、演目の[[外題]]も変わるという、独特の慣習が成立したのである。 助六を勤める役者と、その演目の本外題、および「出端の唄」の浄瑠璃形式は以下の通り: {| class="wikitable" !通称 !本外題 !出端の唄 !流派 !助六を勤める役者 |- |rowspan="6"|<small>すけろく</small><br />'''助六''' |<small>すけろく ゆかりの えどざくら</small><br />'''助六所縁江戸櫻'''<ref>当初は「ゆかりの」の部分を「所縁」と書いたが、今日ではこれを「由縁」と書いて『助六由縁江戸桜』とすることがほとんど。</ref> |所縁江戸櫻 |[[河東節]] |[[成田屋]]・[[市川團十郎]]<small>及び</small>[[市川海老蔵]] |- |<small>すけろく くるわの えどざくら</small><br />助六曲輪江戸櫻 |曲輪江戸櫻 |[[長唄]]<ref>当初は半平太節だったが、これが廃れたため長唄に替わった。</ref> |[[高麗屋]]・[[松本幸四郎]] |- |<small>すけろく くるわの ももよぐさ</small><br />助六曲輪菊 |曲輪菊 |[[清元節]]<ref>当初は半平太節だったが、これが廃れたため清元に替わった。</ref> |[[音羽屋]]・[[尾上菊五郎]] |- |<small>すけろく くるわの はつざくら</small><br />助六曲輪初花櫻 |曲輪初花櫻 |[[長唄]] |[[松嶋屋]]・[[片岡仁左衛門]] |- |<small>すけろく さくらの ふたえおび</small><br />助六櫻二重帯 |櫻二重帯 |[[常磐津節]]<ref>当初は半平太節だったが、これが廃れたため常磐津に替わった。</ref> |[[大和屋]]・[[坂東三津五郎]] |- |<small>すけろく くるわの いえざくら</small><br />助六曲輪澤瀉櫻 |曲輪澤瀉櫻 |[[長唄]]<ref>当初は河東節だったが、成田屋に遠慮して長唄に替えた。</ref> |[[澤瀉屋]]・[[市川猿之助]] |} {{reflist}}<!-- 浄瑠璃には河東節「所縁江戸桜」を用いるという慣習があるためで、[[江戸っ子]]を体現する助六を、[[江戸]]の代表的な[[役者]]である[[市川団十郎]]が演じ、江戸浄瑠璃の雄である河東節が伴奏し、そして江戸気質の粋ともいうべき吉原と[[日本橋 (東京都中央区)|日本橋]][[魚河岸]]が後援するというところにその特殊性がある。(ちなみに現在では[[市川宗家]]以外の役者が『助六』を上演する際には、上記の慣習に遠慮して外題に『[[助六所縁江戸桜]]』を用いず、浄瑠璃も別の流派にする)。 --> {{DEFAULTSORT:かとうふし}} [[Category:歌舞伎用語]] [[Category:浄瑠璃]] [[Category:三味線]] [[Category:重要無形文化財]]
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