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歴史小説
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{{出典の明記|date=2013年9月}} '''歴史小説'''(れきししょうせつ)は、主として歴史上に実在した人物を用い、ほぼ史実に即したストーリー、またはその時代を設定して、その中での空想上の物語が書かれたものが展開される小説のことである。 == 歴史小説と時代小説 == 一般的には、歴史小説と[[時代小説]]とはほぼ同じ意味に用いられているが、文学の上ではかなり明確な区別がある。 歴史小説は、主要な登場人物が歴史上実在した人物で、主要な部分はほぼ史実の通りに進められる。著者がその主人公の生き方や思想に感動したことによって物語が生まれ、主人公の行動あるいは言動に、著者が訴えたいモチーフが込められており、歴史を題材とした[[評価|評論]]的な趣が強い。[[山岡荘八]]の『[[徳川家康 (山岡荘八)|徳川家康]]』や[[丹羽文雄]]の『[[親鸞]]』、『[[蓮如]]』などは典型的な歴史小説といえる。 これに対して時代小説は、『[[銭形平次]]』のように架空の人物を登場させるか、実在の人物を使っても史実と違った展開をする。[[徳川光圀]](水戸黄門)は実在の人物であるが、『[[水戸黄門|水戸黄門漫遊記]]』のように助さん・格さんの二人の子分を従え、諸国を巡り歩いて裁きをするなどというのは、史実と照らし合わせるとかなり荒唐無稽である。いくら「天下の副将軍」でも、[[大名]]が勝手に他の領主の領地に入ることは禁止されていたからである。つまり、史実や著者の訴えよりも面白さ、いわゆるエンターテインメント性を重要視したのが時代小説である。[[吉川英治]]の一連の作品や[[池波正太郎]]の『[[鬼平犯科帳]]』などは時代小説である。かつて「チャンバラ」と呼ばれた劇を「[[時代劇]]」というが、その小説版と見てもいい。 == ジャンルの歴史 == {{Seealso|戦争文学}} 歴史小説が出来る以前にも[[ウィリアム・シェイクスピア]]『[[ジョン王 (シェイクスピア)]]』『[[リチャード二世 (シェイクスピア)|リチャード二世]]』『[[ヘンリー四世 (シェイクスピア)|ヘンリー四世]]』『[[ヘンリー五世 (シェイクスピア)|ヘンリー五世]]』『[[ヘンリー六世 第1部]]』『[[ヘンリー六世 第2部]]』『[[ヘンリー六世 第3部]]』『[[リチャード三世 (シェイクスピア)]]』『[[ヘンリー八世 (シェイクスピア)|ヘンリー八世]]』や[[フリードリヒ・フォン・シラー]]『{{仮リンク|ヴァレンシュタイン (戯曲)|de|Wallenstein (Schiller)|en|Wallenstein (play)|label=ヴァレンシュタイン三部作}}』([[1799年]])などがいた。 [[19世紀]]初頭の[[スコットランド]]の小説家[[ウォルター・スコット]]はイギリス文学のみならず、西洋文学における歴史小説の先駆者である。[[1814年]]に発表された『{{仮リンク|ウェイヴァリー (小説)|en|Waverley (novel)|label=ウェイヴァリー}}』に続く一連の作品は多くの模倣者を生み出し、歴史小説という新しいジャンルを確立した。[[19世紀]]前半における[[ヨーロッパ]]の歴史小説ブームの背景には、[[フランス革命]]後、民主化の進む社会において、一般市民の居場所のある新しい[[歴史観]]が求められていたからとする説もある。 そうした一群の作家には、[[エドワード・ブルワー=リットン]]『[[ポンペイ最後の日]]』([[1834年]]、[[イギリス]])、[[ニコライ・ゴーゴリ]]『{{仮リンク|タラス・ブーリバ|ru|Тарас Бульба|de|Taras Bulba (Erzählung)|en|Taras Bulba|label=隊長ブーリバ}}』([[1835年]]、[[ロシア]])、[[アレクサンドル・プーシキン]]『[[大尉の娘]]』([[1836年]]、[[ロシア]])、[[アレクサンドル・デュマ・ペール]]『ボルジア家風雲録』([[1839年]])『[[王妃マルゴ]]』([[1845年]]、[[フランス]])、[[ギュスターヴ・フローベール]]『[[サランボー]]』([[1862年]]、[[フランス]])、[[ジョージ・エリオット]]『{{仮リンク|ロモラ|en|Romola}}』([[1862年]]、[[イギリス]])、[[レフ・トルストイ]]『{{仮リンク|セヴァストポリ物語|en|Sebastopol Sketches}}』([[1855年]])『[[戦争と平和]]』([[1869年]])『{{仮リンク|ハジ・ムラート (小説)|en|Hadji Murat (novel)|label=ハジ・ムラート}}』([[1912年]]、[[ロシア]])、[[ヴィクトル・ユーゴー]]『[[九十三年]]』([[1873年]]、[[フランス]])といった蒼々たる大作家が含まれている。イギリスにおいては、歴史小説はその後ひとたび停滞するが、[[1880年代]]に再びその勢いを取り戻した。 [[フェデリコ・デ・ロベルト]]『{{仮リンク|副王たち|it|I Viceré|fr|Les Vice-rois}}』([[1894年]])『{{仮リンク|至上権|it|L'Imperio}}』([[1929年]]、[[イタリア]])、[[ヨーゼフ・ロート]]『{{仮リンク|ラデツキー行進曲 (小説)|de|Radetzkymarsch (Joseph Roth)|en|Radetzky March (novel)|label=ラデツキー行進曲}}』([[1932年]]、[[オーストリア]])、[[シュテファン・ツヴァイク]]『{{仮リンク|マリー・アントワネット (評伝)|en|Marie Antoinette: The Portrait of an Average Woman|label=マリー・アントワネット}} 』([[1933年]]、[[オーストリア]])、[[ハインリヒ・マン]]『{{仮リンク|アンリ四世の青春|de|Die Jugend des Königs Henri Quatre}}』([[1935年]]、[[ドイツ]])、[[サマセット・モーム]]『昔も今も』([[1946年]]、[[イギリス]])、[[ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ|トマージ・ディ・ランペドゥーサ]]『{{仮リンク|山猫 (小説)|en|The Leopard|label=山猫}}』([[1958年]]、[[イタリア]])などが発表された。[[ヘンリク・シェンキェヴィチ]]『[[クォ・ヴァディス]]』([[1896年]]、[[ポーランド]])、[[イヴォ・アンドリッチ]]『[[ドリナの橋]]』([[1945年]]、[[ユーゴスラビア]])は、[[ノーベル文学賞]]を受賞した。 南米からは{{仮リンク|エウクリデス・ダ・クーニャ|pt|Euclides da Cunha|en|Euclides da Cunha}}『{{仮リンク|奥地の反乱|pt|Os Sertões|en|Os Sertões|label=奥地}}』([[1902年]]、[[ブラジル]])、[[C・L・R・ジェームズ]]『{{仮リンク|ブラック・ジャコバン|en|The Black Jacobins}}』([[1938年]]、[[トリニダード・トバゴ]])、[[マリオ・バルガス・リョサ]]『{{仮リンク|世界終末戦争|es|La guerra del fin del mundo|en|The War of the End of the World}}』([[1981年]]、[[ペルー]])が発表され、[[アレホ・カルペンティエル]]『{{仮リンク|この世の王国|en|The Kingdom of this World}}』([[1949年]]、[[キューバ]])は[[ラテンアメリカ文学]]「ブーム」をもたらした。 [[アフリカ文学]]では、[[ウォーレ・ショインカ]]『[[死と王の先導者]]』([[1959年]]、[[ナイジェリア]])、[[グギ・ワ・ジオンゴ]]『{{仮リンク|泣くな、わが子よ|en|Weep Not, Child}}』([[1964年]]、[[ケニア]])、[[ペペテラ]]『[[マヨンベ]]』([[1980年]]、[[アンゴラ]])、[[チママンダ・アディーチェ]]『{{仮リンク|半分のぼった黄色い太陽|en|Half of a Yellow Sun}}』([[2007年]]、[[ナイジェリア]])が各国の戦争等を題材としている。[[ジョン・ブライリー]]『[[遠い夜明け]]』([[1987年]]、[[アメリカ合衆国]])は、[[スティーヴ・ビコ]]暗殺を描き、[[リチャード・アッテンボロー]]が映画化した。 === 日本における歴史小説 === [[第二次世界大戦]]以前は史実を踏まえて書かれた小説というものは少なく(ただし、舞台を過去に採った[[大衆小説]]や、史実を物語風に記述する[[史伝]]は盛んに執筆されていた)、また歴史を扱った文芸作品として[[江戸時代]]以来の[[講談]]の人気が強かったことも、歴史小説の勃興を遅らせる一因となった。その中でも[[島崎藤村]]の『[[夜明け前]]』は、歴史小説の白眉とされる。続いて、[[森鴎外]]も「歴史其儘」「歴史離れ」という2つの形態の歴史小説を執筆した。昭和期に[[吉川英治]]は多くの読者を獲得し、中でも「剣禅一如」の境地を求める主人公を描いた『[[宮本武蔵 (小説)|宮本武蔵]]』は、戦争下において広く受け入れられ、大衆文学の転機となった。この他、[[子母澤寛]]は『[[父子鷹]]』『勝海舟』などを、[[寺島柾史]]は[[稗史]]物語の『[[日本海軍戰記 怒濤]]』 を発表した。 戦後、[[司馬遼太郎]]らによって歴史小説は大きく変化した。司馬は独自の視点から、『[[竜馬がゆく]]』『[[坂の上の雲]]』などの作品を発表、その後の歴史小説に大きな足跡を残すことになった。[[江戸川乱歩賞]]作家の[[陳舜臣]]は、中国史に題材を求めた『[[阿片戦争]]』などを書き、[[吉村昭]]は「[[記録小説]]」と呼ばれるジャンルを開拓した。女流作家として[[永井路子]]、[[杉本苑子]]、[[安西篤子]]らの活躍も目覚しかった。大物作家でも、吉川英治は『[[私本太平記]]』、[[海音寺潮五郎]]は『[[天と地と]]』などを発表した。中でも[[山岡荘八]]の『[[徳川家康 (山岡荘八)|徳川家康]]』は、異例の長期新聞連載となり、空前の「家康ブーム」を巻き起こした。 近年、推理作家の[[黒岩重吾]]、SF作家の[[高橋克彦]]、ハードボイルド作家の[[北方謙三]]といった、他ジャンルからの作家の活躍も目立つ。 また、西洋史に題材を取った小説を多く発表している[[塩野七生]]、[[藤本ひとみ]]、[[佐藤賢一]]ら、外国歴史小説の書き手が非常に多いのも日本の特徴で、特に中国史に関しては[[陳舜臣]]、[[宮城谷昌光]]、[[塚本青史]]、[[酒見賢一]]らによって大きな一分野を成している{{要出典範囲|言語も異なり宗主関係にあったわけでもない他国についてこれだけ書かれ、読まれているのは世界でも特異な例だが、日本の歴史が明確になる前の時期(三国志時代以前)に人気が集中しており、欧米におけるローマ史やギリシャ史に似た感覚で愛好されているともいえる。|date=2013年12月}}。 == 関連項目 == *[[歴史漫画]] == 外部リンク == * [http://loungecafe2004.com/novels/ 時代小説県歴史小説村] *[http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/study/pdf/isogaikatsutaro.pdf 歴史小説の種本] {{lit-stub}} {{デフォルトソート:れきししようせつ}} [[Category:歴史小説|*]] [[Category:歴史を題材とした作品|*しようせつ]] [[Category:小説のジャンル]]
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