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機動部隊
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{{otheruses||東京消防庁の機動部隊|消防救助機動部隊|警察の機動隊|機動隊}} '''機動部隊'''(きどうぶたい)とは、一種以上の[[兵科]]で構成された[[機動]]力を保有する戦闘[[部隊]]を指す。 海上においては、一般的に[[航空母艦]]を基幹とする航空打撃力を発揮するための[[艦隊]]を指し、一般に「機動部隊」と言えば、「海軍の空母機動部隊」を指す。なお、陸上においても「機動部隊」は存在し、主に諸兵科連合部隊である[[戦闘団]]を、あるいは主力となる部隊と比較して高速機動力をもって付与された任務に応じ運用される部隊を指す。<!--陸上部隊についての解説もされている実情に合わせて定義編集。--> ==海上における機動部隊== ===概要=== 海上部隊における機動部隊は、[[航空母艦]]を中心として、これを護衛・支援する[[戦艦]]・[[巡洋艦]]・[[駆逐艦]]等で構成される。陸上の航空部隊では攻撃可能な範囲は基地から一定の範囲に限られるのに対し、空母機動部隊は遥か遠方の敵勢力範囲まで進出し、空母[[艦上機]]による敵陸上基地の攻撃、敵[[艦隊]]の撃滅、上陸部隊の支援等を行えるのが最大の特徴である。 なお、必ずしも部隊名が「機動部隊」となっているわけではない。[[太平洋戦争]]中期の日本海軍の機動部隊は、「[[第三艦隊 (日本海軍)#六代(1942年7月14日新編~1944年11月15日解散)|第三艦隊]]」が部隊の名称である。 === 歴史 === ==== 第二次世界大戦前 ==== 航空母艦が実用化された後、列強の海軍の一部は、航空母艦を艦隊編制に組み入れていった。しかし、戦艦こそが[[主力艦]]であると考えられていたため、空母はあくまで偵察などの補助的任務を期待されていた。そのため、戦艦を中心とした艦隊に、少数の空母が付属するような運用が一般的だった。例えば[[アメリカ海軍]]も、1941年ころから[[タスクフォース]](''Task force''、任務部隊)の一種として空母を中核としたものを編成する構想はもっていたが、戦艦を中心としたタスクフォースに協力するのが用途であって、独立した打撃戦力と考える者はあまりなかった。 もっとも、航空技術の進歩をふまえ、空母艦上機が強大な打撃力となりうると考える者もあらわれた。 ==== 第二次世界大戦 ==== [[第二次世界大戦]]が始まると、空母を集中した[[タラント空襲]]のような対艦攻撃が成功する例も起きた。ただし、タラント空襲は奇策としての意味合いが強かった。 [[大日本帝国海軍|日本海軍]]でも戦前は他国と同様の分散運用を考え、戦艦などを中心とした艦隊に、2隻程度の空母から成る航空戦隊を補助兵力として組み込んでいた。しかし、[[1940年]]6月に[[第一航空戦隊]]司令官[[小沢治三郎]][[少将]]が「空母(を集中配備の艦隊)と基地航空隊を一つにまとめた艦隊による集中攻撃で敵方の艦隊を殲滅する」といった内容の意見書を提出し、これを参考に空母6隻と少数の駆逐艦からなる[[第一航空艦隊]]が[[1941年]]4月に創設され、司令長官に[[南雲忠一]][[中将]]が任命された。主力艦攻撃を目的として常設的に空母の集中配備・運用をする機動部隊の事例は、日本海軍のそれが初の試みであった。太平洋戦争が始まると、第一航空艦隊には臨時の護衛兵力が追加されて「機動部隊」と命名され、1941年12月の[[真珠湾攻撃]]をはじめとした戦闘で活躍した。陸上航空部隊による[[マレー沖海戦]]の結果もあり、その後の[[海戦術]]はそれまでの[[大艦巨砲主義]]から航空機中心へと様変わりすることとなる。 真珠湾攻撃での機動部隊の威力に[[アメリカ海軍]]首脳は驚き、戦艦の多くが使用不能であったこともあって、空母艦載機を打撃力とした機動部隊の運用を始めた。呼称としては従来通りのタスクフォースが用いられているが、その一部が機動部隊としての実質を有するようになった。そのため、「[[第38任務部隊|第38機動部隊]]」(Task Force 38)のように、日本語訳に際して“Task force”を「機動部隊」と意訳する例が見られる。 日米両軍が機動部隊を保有したことから、[[珊瑚海海戦]]のように機動部隊同士が衝突する海戦も発生した。戦訓から、空母の脆弱性も明確になり、護衛強化策が必要となった。その結果、アメリカ海軍は、[[レーダーピケット艦]]や無線による[[航空交通管制|航空管制]]を組み合わせた防衛システム([[ジョン・サッチ#ビッグ・ブルー・ブランケット|ビッグ・ブルー・ブランケット]])を発展させていった。 [[イギリス海軍]]も[[東洋艦隊 (イギリス)|東洋艦隊]]のA部隊のように小規模な機動部隊を用いることがあり、大戦後期には太平洋方面での作戦のため、本格的な機動部隊を編成した。アメリカ海軍の機動部隊と協同して、[[沖縄戦]]などで活動している。ただし、[[大西洋]]方面ではドイツ海軍は空母を所有せず、Uボートを活用した[[通商破壊]]戦術を主としたため、連合国側も船団護衛のために[[護衛空母]]を運用したにとどまり、機動部隊としての運用は見られなかった。 ==== 冷戦時代 ==== {{節stub}} アメリカ海軍は強大な機動部隊を整備した。[[ソビエト連邦軍]]の[[対艦ミサイル]]や[[潜水艦]]に備えて、防衛システムをさらに発展させた。 [[航空機の離着陸方法#短距離離陸垂直着陸機|STOVL機]]を搭載した[[軽空母]]中心の機動部隊も現れ、イギリス海軍のものは[[フォークランド紛争]]で活躍した。 === 現在の機動部隊 === {{see also|空母打撃群|遠征打撃群|タスクフォース}} ==== アメリカ海軍 ==== [[アメリカ海軍]]の空母機動部隊は[[空母打撃群]](CSG)と呼ばれ、[[原子力空母]]([[ニミッツ級航空母艦|ニミッツ級]])1隻を中心にして周辺を[[ミサイル巡洋艦|イージス巡洋艦]]([[タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦|タイコンデロガ級]])、[[ミサイル駆逐艦|イージス駆逐艦]]([[アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦|アーレイ・バーク級]])、ミサイル[[フリゲート]]([[オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート|オリバー・ハザード・ペリー級]])、[[潜水艦#攻撃型潜水艦|攻撃型原子力潜水艦]]([[ロサンゼルス級原子力潜水艦|ロサンゼルス級]]、[[バージニア級原子力潜水艦|バージニア級]])等で護衛している。随伴している艦艇は合計で5~6隻程度。旗艦任務は[[ブルー・リッジ級揚陸指揮艦]]のような[[揚陸指揮艦|指揮専用艦]]や通信機能の充実している大型[[揚陸艦]]などが有機的に受け持つ。 ニミッツ級の最大搭載機数は90機であるが、[[冷戦]]の終結により、[[F-14 (戦闘機)|F-14]][[艦上戦闘機]]、[[A-6 (航空機)|A-6]][[艦上攻撃機]]、[[S-3 (航空機)|S-3]][[対潜哨戒機#艦上哨戒機|艦上哨戒機]]などを退役させた為、現在は[[F/A-18 (航空機)|F/A-18C/D]]・[[F/A-18E/F (航空機)|E/F]][[戦闘爆撃機|戦闘攻撃機]]が50機程度、[[EA-6 (航空機)|EA-6B]]または[[EA-18G (航空機)|EA-18G]][[電子戦機]]が数機、[[E-2 (航空機)|E-2]][[早期警戒機]]が数機、[[対潜哨戒機#哨戒ヘリコプター|対潜哨戒]]と[[救難機|救難用]]に[[SH-60 シーホーク]]数機、合計70機程度と一時期よりは搭載機数が押さえられている。 世界中に展開するアメリカの空母打撃群には、高速で随伴する[[補給艦]]も同行している。また、水面下では原子力潜水艦が随伴していて、機動部隊の前路哨戒や[[トマホーク (ミサイル)|トマホーク]][[巡航ミサイル]]の攻撃任務を行う。原子力潜水艦よりも更に前方は、世界中に前方展開している陸上基地から飛来した[[P-3 (航空機)|P-3C]]地上配備哨戒機が前路哨戒をし、空母から飛び立ったE-2早期警戒機が空を監視する。 空母打撃群と並ぶアメリカ海軍のもう一つの機動部隊といえるのが[[遠征打撃群]](ESG)である。従来からあった[[両用即応グループ]]を拡張したもので、[[強襲揚陸艦]]([[ワスプ級強襲揚陸艦|ワスプ級]])、[[ドック型揚陸艦|ドック型揚陸艦・輸送揚陸艦]]([[ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦|ホイッドビー・アイランド級]]、[[ハーパーズ・フェリー級ドック型揚陸艦|ハーパーズ・フェリー級]]、[[サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦|サン・アントニオ級]])に[[イージス艦]]を含む水上戦闘艦艇を3隻と攻撃型原子力潜水艦1隻を加えて対地・対空・対水上・対潜の攻撃能力を高めたものとなっている。上記の揚陸艦には約2,200名の[[海兵隊遠征隊]](MEU)が乗り組んでいる。上陸作戦を行う場合にはこれらが主戦力となる。強襲揚陸艦には[[ハリアー II (航空機)|ハリアーII]]V/STOL攻撃機を20機程度搭載可能で、限定的ではあるが空母打撃群の代替的な行動が可能となっている。 ==== イギリス海軍 ==== [[イギリス海軍]]の機動部隊は、[[軽空母]]([[インヴィンシブル級航空母艦|インヴィンシブル級]])を中心にして[[駆逐艦]]([[42型駆逐艦|42型]])とフリゲート([[23型フリゲート|23型]])で護衛している。護衛艦艇は2隻-4隻程度。原子力潜水艦([[トラファルガー級原子力潜水艦|トラファルガー級]])を同行させる事もある。アメリカ海軍と同じくトマホークを発射する能力を持たせている。 搭載機は[[BAe シーハリアー|シーハリアー]]/[[BAe ハリアー II]]V/STOL攻撃機が16機程度、[[シコルスキー S-61|HAS.シーキング]]早期警戒型ヘリコプター3機、[[アグスタウェストランド AW101|マーリン HC.1]]哨戒ヘリコプター数機、合計24機程度。 == 陸上における機動部隊 == [[陸軍]]における機動部隊の概念は、時代や兵制、技術の発展や各国軍の方針により様々であるが、おおむね主力部隊と比較して高速機動力を発揮、あるいは任務に応じた部隊である。その編制には、[[騎兵]]や[[自動車化歩兵]]などの機動力に優れた兵種が多く含まれる。常設の部隊ではなく、迂回別働隊などの必要に応じて[[タスクフォース]]として臨時に編成されることも多い。 陸上の機動部隊の例としては、[[アルジェリア戦争]]中の[[フランス軍]]の例が挙げられる。アルジェリア戦争でフランス軍は40万人を超える大軍を動員したが、駐留軍14個[[師団]]の内10個師団は指定された地域に張り付け、その地域内で警備と[[ゲリラ]]の平定を担当していた。残りの2個[[機甲師団]]と2個空挺師団が機動部隊として運用され、主要都市部やゲリラの篭る山岳地帯から[[サハラ砂漠]]や[[モロッコ]]、[[チュニジア]]国境地帯など縦横無尽に展開し、貼り付け師団を補完する形で状況に応じ各地で作戦した。 なお、相対的に優れた機動力を持つ騎兵部隊や機甲部隊や機械化部隊および航空部隊などを総称して、機動部隊と呼ぶこともある。 == 戦術学における機動部隊 == [[戦術]]学上においての機動部隊の概念は、「機動出来ない戦闘部隊」である城砦・野戦築城された陣地・洋上戦における泊地や港などの守備兵力に対する対語となる。<ref>松村 劭『名将たちの決定的戦術』PHP文庫刊</ref><br>したがって広義の意味での機動部隊とは「機動力を保有する戦闘部隊」であり、徒歩での歩兵や砲兵などの機動力が低い部隊であっても機動自体は可能であるので概念の範疇に含まれることになる。<br>狭義の概念では、戦闘部隊の構成の区分の一つとして扱われる。この場合は「前衛部隊」、「火力部隊」、「兵站部隊」と同列の区分の一として「機動部隊」が存在する。狭義の概念の機動部隊は「歩兵部隊」と「騎兵部隊」に大別することができる。<ref>松村 劭『戦術と指揮』PHP文庫刊</ref> 古代・中世・近世などで歩兵が徒歩でしか機動できない時代などでは(広義の意味では現在でも)、歩兵部隊も機動部隊であり、時代によって機動部隊の概念が変化することに注意が必要である。詳しくは[[機動]]を参照されたい。 == 関連項目 == * [[航空艦隊]] * [[空母打撃群]] == 脚注 == {{reflist}} == 外部リンク == * [[平間洋一]] 『[http://www3.ocn.ne.jp/~y.hirama/yh_ronbun_kuubo_n_1.html 空母機動部隊とは何か-その誕生から今日まで] 』 {{DEFAULTSORT:きとうふたい}} [[Category:軍事史]] [[Category:海軍]] [[Category:艦隊]] <!--以下は[[タスクフォース]]の記事で内容が異なる。 [[da:Task force]] [[de:Task-Force (Militär)]] [[en:Task force]] [[es:Task Force]] [[fa:گروه عملیاتی]] [[fr:Force opérationnelle]] [[it:Task force]] [[no:Task force]] [[pt:Força-tarefa]] [[sv:Insatsstyrka]] -->
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