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楕円
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[[File:Conic sections 2.png|thumb|right|300px|円錐切断面の4つのタイプ([[放物線]]、[[楕円]]、[[円]]、[[双曲線]])]] '''楕円'''(だえん、'''橢円'''とも。ellipse)とは、[[平面]]上のある2定点からの距離の和が一定となるような点の集合から作られる[[曲線]]である。基準となる2定点を[[焦点 (幾何学)|焦点]]という。[[円錐曲線]]の一種である。 2つの焦点が近いほど楕円は[[円 (数学)|円]]に近づき、2つの焦点が一致したとき楕円はその点を中心とした円になる。そのため円は楕円の特殊な場合であると考えることもできる。 楕円の内部に2焦点を通る[[直線]]を引くとき、これを長軸という。長軸の長さを長径という。長軸と楕円との交点では2焦点からの距離の差が最大となる。また、長軸の[[垂直二等分線]]を楕円の内部に引くとき、この線分を短軸という。短軸の長さを短径という。 [[Image:Ellipse axis.png|thumb|300px|right|楕円の長辺と短辺]] == 楕円の方程式 == [[2次元]][[直交座標系]]で、原点 ''O'' が長軸と短軸の交点となる楕円は代数的に次のように書ける。これを標準形という。 :<math>\frac{x^{2}}{a^{2}} + \frac{y^{2}}{b^{2}} = 1 </math> ''a'' > ''b'' > 0 のとき、2''a'' は長軸の長さ(長径)、2''b'' は短軸の長さ(短径)となる。''xy'' 平面上にグラフを書くと横長の楕円となる。また、焦点は''x'' 軸上にあり、その座標は <math>\left( \sqrt{a^2 - b^2} , 0\right) , \left( -\sqrt{a^2 - b^2} , 0\right)</math> となる。 ''b'' > ''a'' > 0 のときは逆に、2''b'' が長軸の長さ(長径)、2''a'' が短軸の長さ(短径)となる。したがって、''xy'' 平面上にグラフを書くと縦長の楕円となる。また、焦点は ''y'' 軸上にあり、その座標は <math>\left(0, \sqrt{b^2 - a^2} \right) , \left(0, -\sqrt{b^2 - a^2} \right)</math>となる。 同じ楕円は、''t'' を[[媒介変数]]とする[[媒介変数表示]]では、次のように表現できる。 :<math>x = a\,\cos t</math> :<math>y = b\,\sin t</math> :<math>0 \leq t < 2\pi</math> ただし、''t'' は楕円の[[複素数#極形式|偏角]]を意味していない( <math>\arg(a\,\cos t+ib\,\sin t)\neq t</math> である。)。 {{seealso|緯度#更成緯度 (reduced latitude)}} == 楕円の幾何学的諸量 == 楕円の形状は[[離心率]] ''e'' で表現される。 :<math>e = \sqrt{1 - \frac{b^2}{a^2}}</math> 別途、[[扁平率]] ''f'' でも表現できる。 :<math>f = 1 - \frac{b}{a}</math> 楕円の[[面積]] ''S'' は次のように表現できる。 :<math>S = \pi ab\, </math> 楕円の[[周長]] ''C'' は ''a'' > ''b'' のとき、[[楕円積分#第二種完全楕円積分|第二種完全楕円積分]]を用いて次のように表現できる。 :<math>\begin{align}C & = 4 \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \sqrt{a^2 \cos^2 t + b^2 \sin^2 t}\,dt \\ & = 4a \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \sqrt{1-e^2 \sin^2 t}\,dt\\ & = 2\pi a \sum_{n=0}^\infty {e^{2n}\over 1-2n} \prod_{m=1}^n \left(1-{ 1 \over 2m}\right)^2 \end{align}</math> 計算機で計算する場合に有用な式としては、分母が <math>\tfrac{27}{1024} \left (\tfrac{a-b}{a+b} \right )^{8} </math> の率で消える式が次のように導出されている<ref>Cetin Hakimoglu-Brown [http://www.iamned.com/math/ iamned.com math page ]</ref>。 :<math> C = \frac{8\pi}{Q^{5/4}}\sum_{n=0}^\infty \frac{(\tfrac{1}{12})_{n}(\tfrac{5}{12})_{n}(v_{1}+nv_{2})r^{n}}{(n!)^{2}} </math> ::<math> r = \tfrac{432(a^{2}-b^{2})^{2}(a-b)^{6}ba}{Q^3}\, </math> ::<math> Q = b^{4}+60ab^{3}+134a^{2}b^{2}+60a^{3}b+a^{4}\, </math> ::<math> v_{1} = ba(15b^{4}+68ab^{3}+90a^{2}b^{2}+68a^{3}b+15a^{4})\, </math> ::<math> v_{2} = -a^{6}-b^{6}+126ab^{5}+1041a^{2}b^{4}+1764a^{3}b^{3}+1041a^{4}b^{2}+126a^{5}b\,</math> [[近似式]]としては、[[シュリニヴァーサ・ラマヌジャン]]による次の二式がある。簡便なものとしては、 :<math>C \approx \pi \left[3(a+b) - \sqrt{(3a+b)(a+3b)}\right]= \pi \left[3(a+b)-\sqrt{10ab+3(a^2+b^2)}\right]</math> があり、さらに良い近似として、次式がある。 :<math>C\approx\pi\left(a+b\right)\left(1+\frac{3\left(\frac{a-b}{a+b}\right)^2}{10+\sqrt{4-3\left(\frac{a-b}{a+b}\right)^2}}\right)\,</math> より一般的には、対応する[[角度]]の関数としての、周長の一部である楕円[[弧長]]は、第二種不完全楕円積分で表される。対応する角度を[[緯度#地理緯度 (geographic latitude)|地理緯度]]に見立てた場合の楕円弧長については、{{see|子午線弧#子午線弧長の計算}} === その他の楕円の用語 === * 長軸と短軸の交点は楕円の'''中心'''と呼ばれる。 * 長軸を中心で分けた2つの線分は'''半長軸'''と呼ばれ、その長さを'''長半径'''という。 * 短軸を中心で分けた2つの線分は'''半短軸'''と呼ばれ、その長さを'''短半径'''という。 * 短径と長径の比は'''楕円率'''と呼ばれる。 == 作図法 == [[Image:ElipseAnimada.gif|thumb|200px|糸を使った作図例]] [[File:Archimedes Trammel.gif|thumb|200px|アルキメデスの楕円コンパス[[:en:Trammel of Archimedes]]を使った作図例]] [[Image:Ellipse as hypotrochoid.gif|thumb|500px|楕円は内トロコイドの特殊な場合として表される。図は ''r''<sub>c</sub> = 10, ''r''<sub>m</sub> = 5, ''r''<sub>d</sub> = 1 の場合。]] 2つの焦点に、焦点間距離よりも長い1本の糸の両端をそれぞれ固定し、糸が張る状態で頂点に取り付けた筆記具を動かす。この他、楕円コンパス、楕円テンプレートなどを使って作図はできる。 また、[[トロコイド#内トロコイド|内トロコイド]]の特殊な場合に楕円が描画される。 == 歴史 == [[中国語]]で楕円の楕は「木の切り株」の意味で「木の切り口」の 形から名けられたと考えられている。 日本では田畑の実際の形から「[[飯櫃]]」「平卵形」などと呼ばれていたが、[[関孝和]]は「側円」と呼んだ。江戸時代には多くは、側円と呼ばれ明治になって楕円と呼ばれるようになった。 == 関連項目 == * [[円錐曲線]]: 楕円は円錐曲線のひとつに分類される。円錐曲線には[[放物線]]、[[双曲線]]も含まれる。 * [[楕円軌道]]: [[惑星]]、[[衛星]]、[[人工衛星]]の[[軌道 (力学)|軌道]]は楕円軌道を描く。 ** [[ケプラーの法則]] * [[楕円曲線]]: 楕円形をした曲線のことを指している用語ではないので、注意が必要である。 * [[オーバル]] * [[楕円積分]]: もともと楕円や[[レムニスケート]]の周長から研究されてきた。 * [[楕円関数]]: [[楕円積分#第一種楕円積分|第一種楕円積分]]の[[逆関数]]を発端として研究されてきた。 * [[楕円体]] ** [[回転楕円体]] ** [[地球楕円体]] * [[子午線弧]] == 外部リンク == *[http://math-info.criced.tsukuba.ac.jp/museum/Mathematics_tools/oval_gear/oval_gear.htm 楕円歯車]: [[オランダ]]の[[数学者]][[:en:Frans van Schooten]]が著書 "[http://books.google.co.jp/books/download/Francisci_a_Schooten_Leydensis_De_organi.pdf?id=fZg_AAAAcAAJ&output=pdf&sig=ACfU3U0GHkSs2WlagrGWvUvSLKSHAe8f9Q ''De organica conicarum sectionum in plano descriptione tractatus'']" において紹介している機構 == 参考文献 == <references/> * 『曲線の事典 性質・歴史・作図法』 礒田正美、Maria G. Bartolini Bussi編、田端毅、讃岐勝、礒田正美著:共立出版、2009年 ISBN 9784320019072 {{commons&cat|Ellipses|Ellipses}} {{DEFAULTSORT:たえん}} [[Category:閉曲線]] [[Category:初等数学]] [[Category:数学に関する記事]]
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