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'''核家族'''(かくかぞく)とは社会における[[家族]]の形態のひとつ。[[拡大家族]]、[[大家族]]、複合家族と対になる表現である。米国の人類学者である[[ジョージ・マードック]]が[[ヒューマン・ユニバーサルズ|人類に普遍的]]ですべての家族の基礎的な単位という意味で用い始めた"'''nuclear family'''"という用語の和訳である<ref>祖父江孝男『文化人類学入門・増補改訂版』(中公新書560)、中央公論新社、1990年、p.131。</ref>。 ==概要== 核家族とは具体的に、以下である。 #[[夫婦]]とその[[未婚]]の子供 #夫婦のみ #[[父親]]または[[母親]]とその未婚の子供 のいずれかからなる家族を指す。日本では核家族世帯が60%近くを占める。 「核家族」が日本の家族の形態の中心であることは長い間変わっていない。その内訳は「夫婦のみ」が約20%、「夫婦と子」の形態が約30%、一人親家庭が約8%である<ref>『現代用語の基礎知識』([[2007年]](平成19年版))、自由国民社。</ref>。 大家族に比較して、転居や住居の改造など居住に関するフレキシビリティーが高く、親類間のプライバシーが維持しやすいが、多人数で同居する大家族と比べて、親子三世代による家事労働や育児、家内労働の分担がしづらくなる。 ==経緯== nuclear familyという用語について、メリアムウェブスター<ref>[http://www.merriam-webster.com/dictionary/nuclear%20family]</ref>は1947年が初出とする。日本では[[第二次世界大戦|第二次大戦]]後、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]が[[ビキニ環礁]]で[[核実験]]を行った頃から流通し始めた。 日本の場合、核家族率そのものは[[1920年]](大正9年)に55%とすでに過半数を占めており、[[1960年代]]に急激に上昇し[[1963年]](昭和38年)には[[流行語]]となった。その後[[1975年]](昭和50年)の約64%を頂点としてその後は徐々に低下し始めている。 戦後問題とされてきた核家族化の焦点は、むしろ親世帯の単独世帯化と居住構造の変化である。[[1975年]](昭和50年)以降、単独世帯、特に高齢者の単独世帯が急増しており、これは産業構造の変化([[東京一極集中]]など)や人口の都市化、転勤などの物理的事情により、子ども世代が、長寿化してきた親夫婦と同居が困難になっている現状を示している<ref>『少子化と家族』宮坂靖子(奈良女子大学助教授)情報誌「岐阜を考える」1998年秋号岐阜県産業経済研究センター[http://www.gpc.pref.gifu.jp/infomag/gifu/99/miyasaka.html]</ref>。別居している老親の長寿化にともなう介護問題、あるいは夫婦の共稼ぎの増加により下校後の子ども(小中学生前後)が家で独りきりになる問題が「核家族」が議論される原因の一つである。なお、現在では、さらにこういった傾向に加え、「一人暮らし世帯」、[[DINKS]]、「[[夫婦別姓]]の家族」など、さらに家族の多様化が進んでいる。 ==関連項目== * [[家族]] * [[社会学]] * [[家族社会学]] * [[無縁社会]] * [[夫婦別姓]] ==参考文献== <references/> {{DEFAULTSORT:かくかそく}} [[Category:家庭]] [[Category:家族]]
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