枝野幸男のソースを表示

{{政治家
|人名 = 枝野 幸男
|各国語表記 = えだの ゆきお
|画像 = Yukio Edano Sakado 20100910.JPG
|画像サイズ = 200px
|画像説明 = 2010年9月10日、埼玉県にて
|国略称 = {{JPN}}
|生年月日 = {{生年月日と年齢|1964|5|31}}
|出生地 = {{Flagicon|JPN}} [[栃木県]][[宇都宮市]]
|没年月日 =
|死没地 =
|出身校 = [[東北大学]][[法学部]]卒業
|前職 =
|現職 =
|所属政党 = （[[日本新党]]→）<br />（民主の風→）<br />（[[新党さきがけ]]→）<br />（[[民主党 (日本 1996-1998)|旧民主党]]→）<br />[[民主党 (日本 1998-)|民主党]]([[前原グループ]]、[[菅グループ]])
|称号・勲章 = [[法学士]]（東北大学・[[1987年]]）<br />[[弁護士]]
|親族（政治家） =
|配偶者 =
|サイン =
|ウェブサイト = http://www.edano.gr.jp/
|サイトタイトル = 枝野幸男オフィシャルサイト 民主党衆議院議員
|国旗 = JPN
|職名 = [[内閣府特命担当大臣（原子力損害賠償支援機構担当）|内閣府特命担当大臣<br />（原子力損害賠償支援機構担当）]]
|内閣 = [[野田内閣]]<br />[[野田内閣 (第1次改造)|野田第1次改造内閣]]<br />[[野田内閣 (第2次改造)|野田第2次改造内閣]]<br />[[野田内閣 (第3次改造)|野田第3次改造内閣]]
|選挙区 =
|当選回数 =
|就任日 = [[2011年]][[10月3日]]
|退任日 = [[2012年]][[12月26日]]
|所属委員会 =
|議員会館 = 衆議院第1議員会館804号室
|元首職 =
|元首 =
|国旗2 = JPN
|職名2 = 第16代 [[経済産業大臣]]
|内閣2 = 野田内閣<br />野田第1次改造内閣<br />野田第2次改造内閣<br />野田第3次改造内閣
|選挙区2 =
|当選回数2 =
|就任日2 = 2011年[[9月12日]]
|退任日2 = [[2012年]][[12月26日]]
|元首職2 =
|元首2 =
|国旗3 = JPN
|職名3 = [[内閣府特命担当大臣（行政刷新担当）|内閣府特命担当大臣<br />（行政刷新担当）]]
|内閣3 = [[菅内閣 (第2次改造)|菅第2次改造内閣]]
|選挙区3 =
|当選回数3 =
|就任日3 = [[2011年]][[6月27日]]
|退任日3 = 2011年[[9月2日]]
|元首職3 =
|元首3 =
|国旗4 = JPN
|職名4 = 第79代 [[内閣官房長官]]<br />[[内閣府特命担当大臣（沖縄及び北方対策担当）|内閣府特命担当大臣<br />（沖縄及び北方対策担当）]]
|内閣4 = 菅第2次改造内閣
|選挙区4 =
|当選回数4 =
|就任日4 = 2011年[[1月14日]]
|退任日4 = 2011年9月2日
|元首職4 =
|元首4 =
|国旗5 = JPN
|職名5 = 内閣府特命担当大臣<br />（行政刷新担当）
|内閣5 = [[鳩山由紀夫内閣]]
|選挙区5 =
|当選回数5 =
|就任日5 = [[2010年]][[2月10日]]
|退任日5 = 2010年[[6月8日]]
|元首職5 =
|元首5 =
|国旗6 = JPN
|その他職歴1 = [[衆議院|衆議院議員]]
|就任日6 = [[1993年]][[7月19日]]
|退任日6 = 現職
}}
'''枝野 幸男'''（えだの ゆきお、[[1964年]][[5月31日]] ‐ ）は、[[日本]]の[[政治家]]、[[弁護士]]（登録番号：22259、[[司法修習]]43期、第二東京弁護士会）。[[民主党 (日本 1998-)|民主党]]所属の[[衆議院|衆議院議員]]（7期）。

民主党政策調査会長（第6代）、[[民主党幹事長]]（第10代）、[[内閣府特命担当大臣|内閣府特命担当大臣（行政刷新担当）]]、[[内閣官房長官]]（[[菅内閣 (第2次改造)|第79代]]）、[[内閣府特命担当大臣（沖縄及び北方対策担当）]]、[[経済産業大臣]]（[[野田内閣|第16代]]）、[[内閣府特命担当大臣（原子力損害賠償支援機構担当）]]などを歴任した。予算委員会等の答弁では、野田内閣の[[内閣法制局長官]]に代わって、憲法及び法律解釈も担当していた。

== 来歴 ==
=== 生い立ち ===
[[栃木県]][[宇都宮市]]出身。

[[祖父]]が[[尾崎行雄]]のファンで、男の初孫である枝野には「ゆきお」という名前をつけろと父が祖父から言われていて、字は違うが"幸男"と名付けたというのが名前の由来である<ref name = "TheJournal2009">{{cite web
|author = 《THE JOURNAL》編集部
|date = 2009年12月12日
|url = http://www.the-journal.jp/contents/politician/2009/12/19.html#more
|title = 政治家に訊く：枝野幸男
|publisher = THE JOURNAL
|accessdate = 2010-12-22
}}</ref>。自身の名前の由来を聞かされたことが影響し、物心がついた頃から政治家を志望していた<ref name = Hayano> {{cite book
|author = 早野透
|year = 2002
|title = 政治家の本棚
|publisher = 朝日新聞社
|pages = 439p
|isbn = 4-02-257746-0
}}</ref>。

=== 学生時代 ===
[[宇都宮市立陽東中学校]]時は[[生徒会長]]を務めた。[[栃木県立宇都宮高等学校]]時代は校内の弁論大会で3年連続優勝した。高校の[[弁論大会]]では環境問題や[[日本教職員組合|日教組]]批判を演題にしていた<ref name = "Shimotsuke">{{cite news
|title = 少年時代から政治志す 宇都宮出身の枝野民主党新幹事長
|newspaper = 下野新聞
|date = 2010年6月8日
|url = http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20100607/333165
|accessdate = 2010-12-22
}}</ref>。また中学・高校と合唱部に所属し、中学2年・3年では2年連続で[[NHK全国学校音楽コンクール]]で全国優勝している<ref name = profile>[http://www.edano.gr.jp/profile.html 枝野幸男オフィシャルサイト｜枝野幸男 プロフィール]</ref>。

[[早稲田大学]]に合格したら[[ジャーナリスト]]を、[[東北大学]]に合格したら弁護士を目指すことにして両校を受験する<ref name = Hayano/>。早稲田大学は不合格となり、[[東北大学]]法学部進学（同級生に[[森まさこ]]らがいる）、[[法曹界]]を目指すことになった。東北大学では憲法学者の[[小嶋和司]]のゼミに所属、ここで憲法も法律も道具であるという考え方になる<ref name = Hayano/>。

=== 弁護士として ===
[[1988年]]、24歳で[[旧司法試験|司法試験]]に合格。司法修習を経て[[弁護士]]となり、東京の法律事務所に就職し当時のボス弁[[高山征治郎]]の子息で現在は[[小沢チルドレン]]の代議士[[高山智司]]も司法試験浪人中（[[小沢自由党]][[参院議員]][[渡辺秀央]][[政策秘書]]就職以前）は枝野の選挙ボランティアでその実弟（征治郎の末っ子）[[高山泰三]]は[[議員会館]]スタッフだった。

=== 政界へ ===
[[1993年]]、[[日本新党]]の候補者[[公募]]を見つけて応募し合格。当時初の公募による候補者として[[第40回衆議院議員総選挙]]に[[埼玉県第5区 (中選挙区)|旧埼玉5区]]から日本新党公認で立候補する<ref name = "TheJournal2009"/>。手作り選挙を貫き、[[上田清司]]（現[[埼玉県知事]]）に次ぐ2位（定数4）で初当選した。

総選挙後、[[非自民・非共産連立政権|非自民・非共産連立]]の[[細川内閣]]が誕生。[[経済産業委員会|商工委員会]]に所属し、公約に掲げていた[[製造物責任法|PL法]]立案に携わる<ref name = "Edano1998">{{cite book
|author = 枝野幸男
|year = 1998
|title = それでも政治は変えられる 市民派若手議員の奮闘記
|publisher = マネジメント伸社
|pages = 214p
|isbn = 4-8378-0393-8
}}</ref>。日本新党の党則改正を担当し「[[細川護熙|細川]]代表の個人商店」と言われていた党運営の近代化に取り組むが、党事務局の抵抗により失敗する<ref>{{cite journal
|author = [[中島章夫]]・[[小沢鋭仁|小澤鋭仁]]・[[牧野聖修]]・枝野幸男
|year = 1994
|title = 日本新党 解党宣言
|journal = [[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]
|volume = 1994年6月号
|pages = 126-135
|publisher = [[文藝春秋]]
}}</ref>。[[1994年]]4月に細川首相が辞任し[[羽田内閣]]が発足。[[首班指名選挙]]では自民政権は阻止すべきと考えて[[羽田孜]]に投票した<ref name = "Edano1998"/>。羽田内閣発足時に日本新党が[[新党さきがけ]]との統一会派を解消して[[新生党]]などを含む新会派「[[改新]]」に参加したことに反発し、5月に日本新党を離党<ref>{{cite news
|title = 日本新離党さらに二人
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1994-05-20
|page = 1
}}</ref>。[[院内会派]]「民主の風」を結成し、続いて[[新党さきがけ]]、グループ青雲とともに統一会派「さきがけ・青雲・民主の風」へ合流した。6月「さきがけ・青雲・民主の風」内で態度が分かれた羽田内閣への[[内閣不信任決議|不信任案]]には反対を表明した<ref>{{cite news
|title = 揺らぐ党内結束 背景に小選挙区 自社、不信任案に賛否
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1994-06-14
|page = 2
}}</ref>。

1994年6月、[[自社さ連立政権|自社さ連立]]の[[村山内閣]]が発足。これを期に新党さきがけに合流し、政策調査会副会長に就く。[[1996年]]1月に[[第1次橋本内閣|橋本連立内閣]]が成立、首班指名では造反すると言われた<ref>{{cite news
|title = 首相指名 社党“造反”は4、5人？ さきがけも難色議員説得
|newspaper = 読売新聞
|date = 1996-01-09
|page = 2
}}</ref>が[[村山富市]]から後継指名を受けた[[自民党]]の[[橋本龍太郎]][[自由民主党総裁|総裁]]に投票した。橋本がPL法の対象から[[血液製剤]]を外すよう抵抗した[[族議員|厚生族]]のドンであったためで、最後まで悩んだという<ref name = "Edano1998"/>。連立与党の行政改革プロジェクトチーム座長を務め、1996年5月に[[国家公務員]]人事の一括採用や[[天下り]]規制を含む公務員制度改革の座長私案を提示した<ref>{{cite journal
|year = 1996
|title = 官僚の本籍地は省庁でなく国だ
|journal = 週刊東洋経済
|volume = 1996年7月13日号
|pages = 158-159
|publisher = [[東洋経済新報社]]
}}</ref>。同年6月に超党派の若手有志議員による政策勉強会「司馬遼太郎哲学研究会」の呼びかけ人となり発足させた<ref>{{cite news
|title = 超党派の若手有志「司馬哲学」の勉強会 きょう約30人で発足
|newspaper = 読売新聞
|date = 1996-06-18
|page = 2
}}</ref>。この会は、鳩山新党（旧民主党構想）をにらんだ若手による交流会と見られた。

[[1995年]]から[[薬害エイズ問題]]を追求し、真相究明と和解を実現して一躍注目された。1995年1月に薬害エイズ裁判の原告弁護団から接触を受け、国の責任を確信。8月、[[井出正一]]厚生大臣と被害者の面談を官僚に内密に実現した。10月に裁判所から和解勧告が出されても厚生省が責任を認めなかったため、衆院[[厚生労働委員会|厚生委員会]]で追及。[[厚生省]]の当時の対応について説明を求める[[質問主意書]]を提出した<ref>{{cite journal
|author = 枝野幸男
|year = 1996
|title = 厚生省を獲れ！
|journal = [[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]
|volume = 1996年8月号
|pages = 188-197
|publisher = [[文藝春秋]]
}}</ref><ref name = "Edano1998"/>。[[1996年]]1月から橋本内閣の厚相として薬害エイズ問題に取り組んだ[[菅直人]]をサポートし<ref>{{cite news
|title = 民主幹事長に枝野氏 『菅氏といいコンビ』 薬害エイズ問題で支え
|newspaper = 東京新聞
|date = 2010年6月8日
|url = http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/saninsen10/saitama/CK2010060802100004.html
|accessdate = 2010-12-22
}}</ref>、"郡司ファイル"発見などの真相究明と国の和解受け入れにつなげた。2月の大臣謝罪の場で司会を務め、7月には[[安部英]]元エイズ研究班班長らへの[[証人喚問]]で尋問に立った。

=== 野党民主党 ===
[[1996年]][[民主党 (日本 1996-1998)|旧民主党]]結成に参加。同年10月の[[第41回衆議院議員総選挙|総選挙]]に[[埼玉5区]]からボランティア中心の選挙で挑む<ref>{{cite news
|title = 新総選挙ルポ 裏路地をゆく 埼玉5区の場合 上
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1996-10-03
|page = 7
}}</ref>。しかし小選挙区では自民現職の[[福永信彦]]に敗れ、[[重複立候補]]していた[[比例北関東ブロック]]から[[比例復活]]で再選した。[[1997年]]旧民主党政調会長に就任する。同年5月に、社民党出身議員の族議員的体質に批判的な旧民主党内の若手衆院議員による政治集団「2010年の会」を立ち上げ、代表世話人となる<ref>{{cite news
|title = 民主若手、グループ結成 社民出身ベテランに対抗
|newspaper = 読売新聞
|date = 1997-06-02
|page = 5
}}</ref>。

[[1998年]]1月、旧民主党を含む衆院野党が統一会派[[民主友愛太陽国民連合]]（民友連）を結成し、その一員となる。同1月、民友連の若手衆院議員による勉強会「ダッシュの会」の発足に参加<ref>{{cite news
|title = ダッシュの会 民友連若手36人 政権奪取へ結束
|newspaper = 読売新聞
|date = 1998-01-28
|page = 5
}}</ref>。[[野党]]議員となってから、[[夫婦別姓]]の選択を可能にする[[民法 (日本)|民法]]改正案、行政監視院法案、臓器移植法案、児童買春・児童ポルノ禁止法案などを提出。法案の提出数と委員会での発言数は群を抜いていて、「[[議員立法]]ブーム」の中心人物となった<ref>{{cite news
|title = NPO法成立、買春規制・3連休促進も準備 議員「立法ブーム」
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1998-04-06
|page = 2
}}</ref>。

1998年4月[[民主党 (日本 1998-)|民主党]]結成に参加し、政策調査会筆頭副会長に就任。[[金融国会]]では、[[金融機能の再生のための緊急措置に関する法律|金融再生法]]成立に関わる<ref>{{cite news
|author = 広川高史
|title = 民主・枝野氏：「脱小沢」の象徴、新首相補佐する46歳の与党幹事長
|newspaper = Bloomberg.co.jp
|date = 2010年6月7日
|url = http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=a9y7LS_tp89U
|accessdate = 2010-12-26
}}</ref>。この時、大蔵官僚や守旧派議員を排し、専門知識を持つ若手政治家の間で協議を重ねて法案が作られたことが、新しい政治の形として注目され、[[塩崎恭久]]、[[石原伸晃]]らとともに「政策新人類」と呼ばれた<ref>{{cite journal
|year = 1998
|title = 与野党内で台頭する「実務派新人類」 「金融国会」の修羅場を若手が取り仕切る
|journal = [[選択 (雑誌)|選択]]
|volume = 1998年10月号
|pages = 48-49
|publisher = 選択出版
}}</ref>。

[[1999年]]1月、[[菅直人]]に[[松沢成文]]が挑む形となった[[民主党代表選挙]]では、「[[憲法改正論議|論憲]]」や「[[郵政民営化|郵政三事業]]・[[特殊法人]]の民営化」を掲げる松沢成文の推薦人に名を連ねた<ref>{{cite news
|title = 「無風」若手が危機感 松沢氏出馬表明 民主党代表選、一転実施へ
|newspaper = 毎日新聞
|date = 1999-01-09
|page = 2
}}</ref>。同年9月の代表選では菅直人の選対事務局長を務めた<ref>{{cite news
|title = ’99民主代表選選ぶ争う 推薦人集め三者三様
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1999-09-09
|page = 2
}}</ref>。同10月、[[鳩山由紀夫|鳩山]]新体制で政策調査会長代理に就任し、[[次の内閣|ネクストキャビネット]]の官房副長官となった<ref>{{cite news
|title = 民主党「ネクストキャビネット」
|newspaper = 毎日新聞
|date = 1999-10-17
|page = 2
}}</ref>。

[[2000年]]の[[第42回衆議院議員総選挙]]で当選。2000年11月、民主党の旧さきがけ系を中心とする当選3回以下の若手議員による新勉強会（名称未定）を立ち上げ世話人になる<ref>{{cite news
|title = 民主 党内グループ 派閥？ 続々
|newspaper = 読売新聞
|date = 2000-11-04
|page = 4
}}</ref>。[[2001年]]4月、前年に立ち上げた勉強会の参加者を中心とした勉強会「高朋会」の発足に参加<ref>{{cite news
|title = 民主若手の勉強会続々「離党予備軍」との警戒感も
|newspaper = 読売新聞
|date = 2001-04-30
|page = 4
}}</ref>。

[[2002年]]12月の代表選挙で菅直人が党代表に返り咲くと政調会長に就任し、[[次の内閣]]の官房長官となった。[[2003年]]の[[第43回衆議院議員総選挙]]での、民主党の[[マニフェスト]]を発表した<ref>[http://www.dpj.or.jp/news/?num=5474 ]{{リンク切れ|date=September 2012}}</ref>。

[[2004年]]、代表が菅直人から[[岡田克也]]に代わり、党憲法調査会長に就任。

[[2005年]]9月の[[第44回衆議院議員総選挙]]では[[小泉フィーバー]]で民主党が苦戦の中、自身は[[牧原秀樹]]に完勝し、5度目の当選を果たす。岡田の後任を争う代表選では盟友の[[前原誠司]]を支援した<ref>2005年9月15日 枝野幸男Eメールニュースレター</ref>。同年、政権戦略・報道担当の幹事長代理に就任。[[2006年]]に[[小沢一郎]]が代表に就任して以降しばらくは党役職から離れることとなる。[[2008年]]9月の党代表選で[[前原誠司]]、[[岡田克也]]らの不出馬を受け、無投票での小沢再選を回避するため自らの立候補を模索するが、推薦人を確保できず断念した。

[[2009年]]8月の[[第45回衆議院議員総選挙]]で6度目の当選。

=== 民主党政権 ===
==== 鳩山内閣 ====
[[ファイル:James Steinberg and Yukio Edano 20110127.jpg|thumb|200px|[[2011年]][[1月27日]]、[[総理大臣官邸]]にて[[アメリカ合衆国]][[アメリカ合衆国国務副長官|国務副長官]][[ジェイムズ・スタインバーグ]]（左）と]]
2009年9月に[[鳩山由紀夫内閣]]が発足すると、当初は閣僚に起用される見方も強まったが<ref>{{cite news|url=http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091001000946.html |title=閣僚人事、川端、原口氏有力に 枝野氏も入閣の方向 |agency=共同 |date=2009-09-10 }}</ref>、起用はなかった。一部では小沢一郎との確執が原因であるとの憶測も流れた<ref>朝日新聞9月25日号</ref>。

10月、[[内閣府]]に設置された[[行政刷新会議]]の[[事業仕分け]]チームの統括役を[[行政刷新会議|行政刷新]]担当大臣の[[仙谷由人]]から任命され、事業仕分けでは、予算の編成過程を公開することで国民の注目を集め、鳩山内閣の支持率を下支えした<ref>[http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100211/plc1002110025002-n1.htm ]{{リンク切れ|date=September 2012}}</ref>。この仕分けでは原子力施設等防災対策等委託費、原子力施設等防災対策等交付金等の仕分けを行った<ref>{{cite news|url=http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010101901001050.html |title=事業仕分け第3弾の対象事業一覧 |agency=共同 |date=2010-10-19 }}</ref>。

[[2010年]]1月に仙谷が[[国家戦略局|国家戦略]]担当大臣を兼任することとなり、<!-- 枝野が<ref>2009年1月7日 起用の理由についての鳩山首相会見</ref> -->仙谷を補佐するため[[首相補佐官]]に起用されることが発表される<ref>2010年1月7日 共同ニュース</ref>。しかし正式に任命されることはなく、仙谷の兼務を解く形で[[行政刷新会議|行政刷新]]担当大臣への就任が決まる<ref>[http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/meibo/daijin/edano.html 内閣府特命担当大臣(行政刷新)]</ref>。<!-- 本人も「寝耳に水」と言う<ref>2009年2月11日「医療政策サミット2010」</ref>ほどの突然であった。ノートご確認ください -->

==== 菅内閣 ====
2010年5月末、鳩山内閣が退陣し、後任の代表選挙では[[前原誠司]]、[[岡田克也]]らと共に[[菅直人]]を支持した。6月、民主党[[幹事長]]に就任した<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15708720100607 民主・新役員が決定、枝野幹事長「党運営の透明化に取り組む」]</ref>。7月、幹事長として戦った[[第22回参議院議員通常選挙]]では改選前から10議席減の44議席獲得に留まり、参議院での過半数割れを許す。9月の[[菅内閣 (第1次改造)|菅第1次改造内閣]]発足に伴い幹事長を退任となり、後任の[[岡田克也]]の要請により幹事長代理に就任した<ref>朝日新聞9月18日朝刊 http://www.asahi.com/politics/update/0917/TKY201009170452.html</ref>。

[[2011年]][[1月14日]]に行われた[[内閣改造]]により、[[菅内閣 (第2次改造)|菅第2次改造内閣]]の[[内閣官房長官]]に就任した<ref>[http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110114/plc1101141326016-n1.htm 【内閣改造】枝野新官房長官「老壮青バランスとれた実務強力推進内閣」 史上最年少で就任] 産経新聞 2011年1月14日閲覧</ref>。46歳7ヶ月での就任は史上最年少であった。3月上旬では、退任した前原誠司外務大臣の臨時代理を[[松本剛明]]が任命された3月9日まで務めた。6月27日からは補佐官になった[[蓮舫]]の後任として行政刷新担当大臣を兼務することとなった。鳩山内閣が[[内閣総辞職|総辞職]]してから約1年ぶりに行政刷新担当大臣に再登用されることとなる。

;東日本大震災・福島第一原子力発電所事故での対応
*官房長官就任から2ヶ月弱後の[[2011年]][[3月11日]]、[[東北地方太平洋沖地震]]・[[福島第一原子力発電所事故]]が発生。連日ほぼ主としてスポークマンとして働いた。その精力的な働きぶりから、海外の一部メディアからテレビドラマ『[[24 -TWENTY FOUR-]]』の[[ジャック・バウアー]]に喩えられた<ref>{{Cite news
|url = http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/japan/8383430/Japan-earthquake-Yukio-Edano-the-Jack-Bauer-of-the-crisis.html
|title = Japan earthquake: Yukio Edano, the 'Jack Bauer' of the crisis
|newspaper = [[デイリー・テレグラフ]]
|date = 2011-03-15
|accessdate = 2013-01-15
}}</ref>。
*この際に枝野が情報の一元化を指示したと報道されており、例えば[[文部科学省]]は3月15日夜以降、同原発から半径20～30km範囲内について、同省の観測車両で放射線量をド測定した結果を発表していた。しかし記者から健康への影響を問われた際に担当者は「データの評価は行わない。官房長官の指示でコメントできない」と述べている<ref>{{Cite news
|url = http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110316-OYT1T01030.htm
|title = 放射線観測の評価、枝野長官が一元化を指示
|work = YOMIURI ONLINE
|newspaper = [[読売新聞]]
|date = 2011-03-16
|accessdate = 2011-09-12
}}</ref>。また、[[産経新聞]]記者の[[阿比留瑠比]]は枝野が「情報はどこかで一元化して勝手に出さないように」と指示したことにより、[[緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム]] (SPEEDI)情報の公開がストップされたとしている<ref>{{Cite news
|url = http://megalodon.jp/2012-0108-1745-59/sankei.jp.msn.com/politics/news/120108/plc12010803130003-n3.htm
|title = SPEEDIは隠蔽
|work = msn 産経ニュース
|newspaper = [[産経新聞]]
|date = 2012-01-08
|accessdate = 2012-01-08
}}</ref>。ただし、原子力安全・保安院の解析したSPEEDIの予測結果は枝野の一元化の指示に反し、45件のうち、2件しか官邸に送付されていなかった<ref>{{Cite news
|url = http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110902-OYT1T00978.htm
|title = 保安院、官邸に報告せず…放射性物質の拡散予測
|newspaper = 読売新聞
|date = 2011-09-11
|accessdate = 2013-01-14
}}</ref>。この一方で、[[文部科学省]]は事故の直後に外務省を通じて試算結果をアメリカ軍には提供していた<ref>[http://megalodon.jp/2012-0120-0318-11/www3.nhk.or.jp/news/html/20120117/t10015315481000.html SPEEDI情報 米軍に提供]</ref>。
*[[米原子力規制委員会]]（NRC）が東京電力[[福島第一原子力発電所]]事故発生直後の内部文書を公表した。その中に、日本への支援として首相官邸に専門家を常駐させたいと求めたという記録があった<ref>[http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/352897.html 北海道新聞社説 米NRC文書 日本政府の対応検証を（2月24日）]</ref>。しかし、読売新聞によると、枝野は「協力はありがたくお願いしたい。ただ、官邸の中に入るのは勘弁してほしい」と条件を付けたという<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110410-OYT1T00101.htm?from=top 原発危機に初動から後手の政府、いらだつ米]</ref>。
*また、[[東京電力]][[福島第一原子力発電所]]3号機原子炉建屋で水素爆発が起きた際、[[内閣府]][[原子力安全委員会]]側からの「避難指示を半径20キロから30キロ圏内まで広げるべきです」との提案に対して、枝野らは大規模な避難計画の立案が必要になり、混乱する懸念があったため「30キロに拡大するのはいいが、屋内退避にとどめた方がいい」と反論した<ref>[http://archive.is/20120716191829/mainichi.jp/select/jiken/graph/fukushima3/index.html 検証・大震災 福島原発事故3カ月]</ref>。3月12日午前2時の[[内閣官房]]記者会見で、ベント開放に備えた住民への安全の考慮について「発電所から3km以内の避難、10km以内での屋内退避の措置により、住民の皆様の安全は充分に確保されている」と説明した<ref>[http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4477.html 平成23年3月12日（土）午前2-内閣官房長官記者会見]</ref><ref>[http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201103/12_a2.html 官房長官記者発表平成23年3月12日（土）午前]</ref>。

*2011年4月に文部科学省は児童への安全基準として毎時3.8マイクロシーベルト・年換算20ミリシーベルトを示したが、除染対策を自治体に任せ、積極的に動いていなかった<ref>[http://archive.is/20120905233343/www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20110527_20.htm 放射線に揺れる学校（中）線量データ／校内調べHPで公表]</ref>。そのため自治体は独自に校庭の表土除去を実施した<ref>[http://archive.is/20120908062109/www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20110528_30.htm 放射線に揺れる学校（下）校庭の表土除去／国に先行、独自で判断]</ref>。この表土除去に関して枝野は、これらの表土は放射性廃棄物と認識しつつ、除去については「文部科学省から示した指針に基づいて対応をいただければ必要はない」との見解を示した<ref>[http://megalodon.jp/2011-0502-0023-14/mainichi.jp/select/jiken/news/20110502k0000m010067000c.html 福島第1原発：「校庭汚染土は放射性廃棄物」枝野官房長官]</ref>。

==== 野田内閣 ====
2011年9月2日、[[野田内閣]]発足に伴い内閣官房長官を退任。当初は「一兵卒として政府を支える」と話していたが、同月12日、福島第一原子力発電所事故をめぐる不適切な言動で辞任した[[鉢呂吉雄]]の後任として第16代[[経済産業大臣]]に就任し、10日で閣内に戻ることとなった<ref>[http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110913k0000m010130000c.html 枝野経産相：原子力経済被害担当相も兼務] 毎日新聞 2011年9月12日閲覧</ref>。2011年10月3日、[[内閣府特命担当大臣（原子力損害賠償支援機構担当）]]が加わる<ref>[http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201110/3_p.html 官房長官記者会見]首相官邸 2011年10月3日</ref>。

2012年12月の[[第46回衆議院議員総選挙]]では小選挙区で当選し<ref>[http://www.asahi.com/politics/update/1213/TKY201212130776.html 枝野経産相が7選「反省踏まえて力をつけろ、という票」]朝日新聞デジタル 2012年12月17日</ref>、7選。

;原子力政策に関する言動
[[2012年]]4月13日、定期検査で運転中止中の[[関西電力]][[大飯発電所|大飯原発]]3、4号機について、関電の安全対策が政府の安全基準を満たしていることを確認し、安全宣言を出した。また大飯原発が再稼働せずに2010年並の猛暑を迎えた場合、関電管内で最大2割程度の電力不足に見舞われ電力料金の値上げにもつながるとして「再稼働の必要性が存在する」と述べた<ref>[http://www.asahi.com/politics/update/0413/TKY201204130511.html 大飯原発「再稼働妥当」 政権が安全性確認、地元要請へ]朝日新聞デジタル 2012年4月13日</ref>。翌14日、福井県の[[西川一誠]]知事との会談で3、4号機の安全性が確保されていることを説明するとともに電力需給面での必要性も挙げ、再稼働への協力を要請した<ref>[http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/npp_restart/34161.html 大飯原発再稼働、知事に要請 枝野経産相が来県]福井新聞 2012年4月14日</ref>。6月1日、「2基ともフル出力で発電するのは7月を越える」と述べ、関電管内で15％の節電要請が始まる7月2日に間に合わないとの認識を示した<ref>[http://www.asahi.com/politics/update/0601/TKY201206010185.html 大飯原発フル稼働「7月を越える」 枝野経産相]朝日新聞デジタル 2012年6月1日</ref>。6月16日、政府は西川知事の同意を得て再稼働を正式決定<ref>[http://web.archive.org/20120617233455/www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120616-OYT1T00378.htm 大飯再稼働、政府が決定…7月下旬にもフル稼働]読売新聞 2012年6月16日</ref>。6月18日、関電の[[八木誠 (実業家) |八木誠]]社長に対して再稼働に向けた作業の安全を徹底するよう指示するとともに、再稼働の前提となる安全対策の確認を求めた<ref>[http://www.news24.jp/articles/2012/06/18/06207814.html 大飯再稼働、経産相が関電に“安全”指示]日テレNEWS24 2012年6月18日</ref>。7月25日、4号機のフル稼働を受け関電の八木社長が[[高浜発電所|高浜原発]]3、4号機の再稼働について「優先的に再稼働する方向で、これから国と調整をさせていただきたい」と述べたことに対し「大変不快な発言だ。安全性についてしっかりチェックすることなしに再稼働はあり得ない」と述べ、9月に発足する[[原子力規制委員会 (日本) |原子力規制委員会]]の評価・判断を見守るべきとの考えを示した<ref>[http://www.j-cast.com/2012/07/26140808.html 関電社長「次の再稼働は高浜3・4号機」 枝野経産相は不快感]J-CASTニュース 2012年7月26日</ref>。8月28日、夏の節電目標を達成して推移している関電管轄内の電力需給について、大飯原発3、4号機が再稼働しなかった場合、最大需要を記録した8月3日<ref>[http://www.kantei.go.jp/jp/headline/summer2012_denryoku.html 今夏の電力需給について]首相官邸</ref>の供給余力が3％を割り込む計算だったことを挙げ「大飯原発が再稼働できていなければ、大変厳しい状況だった」と述べた<ref>[http://sankei.jp.msn.com/life/news/120828/trd12082811540010-n1.htm 「大飯再稼働なければ関電は厳しかった」と枝野経産相]MSN産経ニュース 2012年8月28日</ref>。

9月15日 青森県の三村知事や原子力施設のある市町村の首長らと青森市内で会談し、東日本大震災後に工事を中断した電源開発大間原子力発電所（青森県大間町）と中国電力島根原発3号機（松江市）の建設再開・稼働を事実上、容認する考えを伝えた。原発再稼動の是非が問われる中で両原発の建設が再開されれば、震災後初めての原発建設となる。この会談の中で枝野は「原子炉の設置と工事計画許可が与えられている原発について、経産省の立場として変更は考えていない」と述べ、19日に発足する原子力規制委員会が安全を確認すれば、建設再開・稼働を認める方針を示した<ref>{{cite news |title=経産相、大間原発・島根3号機の建設を容認 |newspaper=読売新聞 |date=2012-09-15 |url=http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120915-OYT1T00402.htm |accessdate=2012-09-20|archiveurl=http://web.archive.org/20120916034608/www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120915-OYT1T00402.htm|archivedate=2012-09-16}}</ref>。

== 政策・主張 ==
=== 福祉・医療 ===
*[[福島県立大野病院産科医逮捕事件]]で医師・看護師の訴訟について、[[指揮権]]の発動を主張するとともに、医療ミスについての過失責任については一般の業務上過失致死罪とは別にすることを提案した<ref>2007年2月7日・衆議院予算委員会</ref><ref>2009年1月9日・衆議院予算委員会</ref>。
*費用負担が高額となる[[不妊]]治療に対して、夫人が不妊治療を行い子供を授かったという経験も併せ国の支援について評価しつつ、所得制限付きの回数制限ありの無料化を主張した<ref>2009年2月6日・衆議院予算委員会</ref>。

脳死状態からの臓器移植には賛成だが、脳死を人の死と法で定めることには反対している。1997年の[[臓器の移植に関する法律|臓器移植法案]]についての審議では、脳死を人の死としない法案（[[金田誠一|金田]]案）の提案者となり、「脳死状態では、自らの臓器を提供して、他人の生命を救うことに限定される。その中で自分の命を縮めるという自己決定も許されるのではないか」などと発言した<ref>{{cite news
|title = 臓器移植法案の質疑要旨 衆院厚生委
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1997-04-16
|page = 29
}}</ref>。2009年の[[臓器の移植に関する法律#2009年改正の経緯|臓器移植法改正案]]についての審議では、脳死の判定基準を厳格化するC案の提案者となった<ref>{{cite news
|title = 移植法、新案作り本格化 大型連休明け提出を目指す
|newspaper = 朝日新聞
|date = 2009-04-24
|page = 4
}}</ref>。

=== 選択的夫婦別姓法案 ===
選択的[[夫婦別姓]]制の実現を初当選時の公約に掲げて以来、推進している<ref name = "Edano1998" /><ref>[http://www.edano.gr.jp/works.html 枝野幸男オフィシャルサイト]</ref>。[[自社さ連立政権]]時代の1996年に[[法制審議会|法制審]]が答申した[[夫婦別姓]]の選択を認める[[民法 (日本)|民法]]改正案を「子供の姓を婚姻届を出す際に決めるなど改正案には不十分な点もあるが、別姓を法制化する点で評価できる」として政府提案に向けて動いたが<ref>{{cite news
|title = 家族と民法改正 夫婦別姓…「党」超え賛否
|newspaper = 毎日新聞
|date = 1996-02-29
|page = 23
}}</ref>、この案は自民党一部議員の反対によって国会提出が見送られ続ける<ref>{{cite news
|title = 民法改正案の今国会提出 断念 「夫婦別姓」に自民党内激突
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1996-05-22
|page = 3
}}</ref>。1997年には「別姓夫婦の子の姓は、出生時に父母が協議して決める」と法制審案より踏み込んだ民法改正案（民主党案）の提案者となり、衆院[[法務委員会]]で論陣を張った<ref>{{cite news
|title = 「一体感」巡り論戦 衆院法務委別姓審議開始 子供の姓も議論
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1997-06-12
|page = 37
}}</ref>。

=== 憲法改正論議 ===
2013年9月10日、民主党憲法総合調査会長に任命された枝野は[[憲法9条]]の改正私案を発表している<ref>文芸春秋2013年9月10日</ref>。[[自衛権]]行使の要件を明文化した条項を9条に追加し、[[法解釈|憲法解釈]]の幅を極力狭めることで、無原則な軍拡に歯止めをかける必要性を打ち出している。「時の[[内閣]]の判断で憲法解釈を変更できる可能性がある」ことが現行憲法の最大の問題と指摘。解釈変更で[[集団的自衛権]]の行使容認を目指す[[安倍政権]]の姿勢を批判している<ref>産経新聞、2013年9月7日</ref><ref>琉球新報、2013年9月7日</ref>。

=== 経済・金融 ===
明治以来続いてきた、欧米に追いつき追い越すことを目標とする「キャッチアップ型社会」の限界だと認識し、日本の政治・経済・社会の構造を多様性・独創性のあるものに転換すべきだと考えている<ref name = "Voice1999">{{cite journal
|author = 枝野幸男
|year = 1999
|title = 米国との知恵比べ
|journal = [[Voice (雑誌)|Voice]]
|volume = 1999年11月号
|pages = 96-99
|publisher = [[PHP研究所]]
}}</ref>。金融業界の[[護送船団方式]]とはじめとする[[中央集権]]の[[官僚制|官僚機構]]による経済統制と、[[終身雇用]]制や[[年功序列]]型賃金などで構築された従順で同質性の高い労働力は、乏しい資本と乏しい人材を効率よく活用するのに合理的だったが、他国の労働力の質が向上し、もはや規格大量生産の分野で価格競争に勝つことは不可能である<ref name = "Voice1999"/>。中央集権をやめ、[[地方分権]]によって地域ごとの個性を生かした競争を促し、[[規制緩和]]によって独創性のある技術や経営を生み出すべきだ、としている<ref name = "Voice1999"/><ref name = "Nagano2006"/>。職業移動と雇用の流動化を促進して産業構造を変えるべきで、公共事業による景気対策ではなく失業対策や社会保障対策が必要だと主張している<ref>{{cite journal
|author = 枝野幸男
|year = 1998
|title = 公共事業依存型の産業構造を変えない限り景気はよくならない
|journal = 政界往来
|volume = 1998年2月号
|pages = 44-49
|publisher = 政界往来社
}}</ref>。

[[バブル景気|バブル]]崩壊後に我が国は内需主導経済へ転換すべきであったが、[[労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律|労働者派遣法]]の緩和等が製造業の規格大量生産に軸足を置いた輸出に依存する経済構造を保ってしまったとして、当時の政策を批判している<ref name = "Ascii2009">{{cite book
|author = アスキー書籍編集部
|year = 2009
|title = 雇用崩壊
|pages = 192p
|publisher = アスキー・メディアワークス
|isbn = 978-4-582-85532-6
}}</ref>。介護や医療、教育、保育といった少子高齢化対応事業に財政を投入し雇用を創出すべきだ、と主張している<ref name = "Ascii2009"/>。製造業で国際的競争力を保てるのは品質管理や技術力を含めた高付加価値分野に限られ、高付加価値を維持するためには職業内訓練を実践できる安定した雇用が必要だとしている<ref name = "Ascii2009"/>。そのため[[偽装請負]]を厳しく批判し、特に[[キヤノン]]の偽装請負については、[[食品偽装問題]]と同列かそれ以上に悪質な行為として扱われるべきだと言及している<ref>2009年1月9日・衆議院予算委員会</ref>。

*絶対的な金額は別として、低所得者の所得上昇分は消費に回る割合だけは相対的に高いという判断をしている<ref>2009年1月9日・衆議院予算委員会</ref>。<!-- * 税による所得再分配の一環として高額所得者への[[累進課税]]強化の検討を表明している<ref>2010年7月4日放送 「サンデーフロントライン」</ref>。ノートご確認ください -->

1998年の金融危機では、[[公的資金]]は預金者保護と健全な借り手保護に限定すべきだとして、破綻前処理に一貫して反対した<ref>{{cite journal
|author = 枝野幸男
|year = 1998
|title = 反省なき自民・大蔵省の「悪あがき」
|journal = [[月刊現代]]
|volume = 1998年11月号
|pages = 126-127
|publisher = [[講談社]]
}}</ref>。[[不良債権]]を処理しなければ金融機関の貸し渋りは続くと考え、不良債権処理を強制して過小資本に追い込んでから公的資金で立ち直らせるべきで、厳しい査定と強制的な資本注入が必要だと主張した<ref>{{cite journal
|author = 枝野幸男
|year = 1998
|title = 「金融早期健全化法では金融システムはよくなりません」
|journal = [[財界 (雑誌)|財界]]
|volume = 1998年11月10日号
|pages = 44-45
|publisher = 財界研究所
}}</ref>。

*多重債務問題（[[サラ金]]問題）について[[消費者金融]]に厳しい立場を取り、[[第1次安倍内閣|安倍内閣]]では[[グレーゾーン金利]]制度を追求した<ref>{{cite conference |url = http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/165/0018/16510060018003a.html |date = 2006-10-06 |title = 予算委員会 |volume = 3 |conference = 第165回国会 |quote = 私は、ある意味ではこの国会で最優先しなければならない課題がこの貸金業法の問題ではないかと思っておりますが}}</ref>。[[グレーゾーン金利]]を復活させようとする[[甘利明]]、[[西川公也]]ら[[金融サービス制度を検討する会]]の動きを警戒し、超党派の議員連盟を結成して[[後藤田正純]]と共同代表を務めている<ref>「多重債務者問題解決めざす－超党派の議員連盟が発足」しんぶん赤旗　2008年4月25日</ref>。

=== 外交・安全保障 ===
どんな状況になっても複数の選択肢（外交カード）を確保できるようにすることが必要だとし、[[イラク戦争]]開戦時に日本にアメリカ無条件支持しか選択肢が残らなかった外交プロセスを批判している<ref name = "Tahara2003">{{citation
|author = 枝野幸男
|year = 2003
|contribution = 国際平和と日本の国益 外交の生命線は多様な選択肢の確保である
|editor = 田原総一朗
|title = 田原総一朗の早大講義録 政治・経済のカラクリ
|publisher = アスコム
|pages = 95-122
|isbn = 4-7762-0112-7
}}</ref>。「中国の体制が中長期的に継続するとは思っていません」とし<ref name = "Nagano2006">{{citation
|author = 枝野幸男
|year = 2006
|contribution = 憲法改正は政界再編のきっかけにならない
|editor = [[長野祐也]]
|title = 日本が動く時 政界キーパーソンに聞く PART6
|publisher = ぎょうせい
|pages = 44-56
|isbn = 4-324-08094-1
}}</ref>、中国全体が民主化してアメリカの東アジアにおける軍事プレゼンスが必要なくなったときを見据えて、[[朝鮮半島]]、[[台湾]]、[[ASEAN]]等の東アジアと経済統合を進めて米中と対抗できるようにすべきだとしている<ref>{{citation
|author = 枝野幸男
|year = 2005
|contribution = 東アジア戦略と活発化するFTA締結交渉
|editor = 田原総一朗
|title = 田原総一朗の早大「大隈塾」講義録2005 『激論！日本』政治編
|publisher = ダイヤモンド社
|pages = 109-130
|isbn = 4-478-18040-7
}}</ref>。

対中強硬派として知られる。1995年に[[北京]]で開かれた国連[[世界女性会議]]に参加した際には、中国の[[核実験]]に反対する横断幕を持ち込んで治安当局に没収され、会議場で抗議文を紙に大書きして当局に制止されるなどした<ref>{{cite journal
|year = 1995
|title = さきがけの反核パフォーマンスに外務官僚走る
|journal = [[週刊ポスト]]
|volume = 1995年9月29日号
|pages = 56-57
|publisher = [[小学館]]
}}</ref>。

2010年[[10月2日]][[さいたま市]]での講演で[[尖閣諸島中国漁船衝突事件]]を踏まえて、「中国には[[法治主義]]が通用しないという前提で付き合わないといけない。そのような国と経済的[[パートナーシップ]]を組む企業はお人好しだ。[[カントリーリスク]]を含めて、[[自己責任]]で経営に当たってもらわなければ困る」、「中国と日本は明らかに政治体制が違い、米国や韓国との関係同様に信頼関係をもって協力して物事を進めることを期待する方がおかしい」、「悪しき隣人でも隣人だ。それなりにつきあいをしていかないといけない」などを主旨とすることを語った<ref>{{Cite news
|url = http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101002/plc1010021750009-n1.htm
|title = 【尖閣衝突事件】民主・枝野氏「協力企業はお人よし」「中国に信頼関係期待する方がおかしい」
|newspaper = [[産経新聞]]
|date = 2010-10-02
|accessdate = 2010-10-02
}}</ref><ref>読売新聞2010年10月3日13S版2面</ref>。2011年2月10日、衆院予算委員会の公明党の佐藤茂樹への答弁で「直接にどこかの国をあしき隣人と言ったものではない」「よい隣人であろうと、あしき隣人であろうと、隣人とはよく付き合っていかざるを得ないという一般的なことを申し上げた。（日中両国が）お互いによき隣人となれるよう努力したい」と述べた<ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201102/2011021000414 時事ドットコム]2011年2月10日</ref>。

民主党日本・台湾友好議員連盟に所属し<ref>{{cite news
|author = 犬飼直幸・西田進一郎
|title = 菅再改造内閣：政策重視の布陣も実現の前途は多難
|newspaper = 毎日新聞
|date = 2011-01-15
|url = http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110115k0000m010100000c.html
|accessdate = 2011-02-08
|archiveurl=http://web.archive.org/20110115235911/mainichi.jp/select/seiji/news/20110115k0000m010100000c.html|archivedate=2011-01-15}}</ref>、たびたび訪台して[[台湾]]の政治家と交流している<ref name = "Nagano2006" />、代表的な[[親台派]]議員の一人である。[[李登輝]]元総統を尊敬する人に挙げていて、2010年の行政刷新大臣への就任会見でも言及している<ref>{{cite web
|title = 枝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年2月10日
|date = 2010-02-10
|publisher = 内閣府
|url = http://www.cao.go.jp/minister/1002_y_edano/kaiken/2010/0210kaiken.html
|accessdate = 2011-02-04
}}</ref>。

[[チベット]]問題にも取り組んでおり、チベット亡命政府を支持している<ref>{{cite video
|date = 2008-05-06
|title = SAVE TIBET NETWORK-枝野幸男氏講演於日本青年会館
|url = http://www.youtube.com/watch?v=qURDTHmjqTQ
|location = YouTube
|accessdate = 2011-02-04
}}</ref>。2005年に超党派の国会議員で構成される[[チベット問題を考える議員連盟]]の代表に就任<ref>{{cite web
|date = 2005-10-14
|title = 「チベット問題を考える議員連盟」の新代表に枝野幸男衆議院議員
|publisher = ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
|url = http://www.tibethouse.jp/news_release/2005/051014_giren.html
|accessdate = 2011-02-04
}}</ref>。2008年には、[[2008年のチベット騒乱|チベット弾圧]]が悪化するなら[[胡錦濤]]主席の訪日を歓迎できない、とするチベット議連の声明文を起草した<ref>{{cite journal
|year = 2008
|title = 中国にビビるチベット議連 枝野代表よ、それでも日本男児か！
|journal = 週刊文春
|volume = 2008年4月10日号
|publisher = 文藝春秋
|pages = 143-144
}}</ref>。2009年に議連代表を退き、現在は名誉顧問を務めている。

[[ハト派]]を自認するが現実主義者であり、[[有事法制]]の必要性を訴えている<ref name = "Tahara2003"/>。左右の極端な意見には批判的で、「たしかに安全保障政策などで、[[横路孝弘|横路（孝弘）]]さんや横路さんの側近の意見があまりにもナンセンスで問題外のため、いらつくこともたびたびあります」と述べたこともある<ref>{{citation
|author = 枝野幸男
|year = 2003
|contribution = 法律によって物事が動く法治国家に
|editor = [[長野祐也]]
|title = 日本が動く時 政界キーパーソンに聞く PART3
|publisher = ぎょうせい
|pages = 98-113
|isbn = 4-324-07276-0
}}</ref>。

=== 法律・警察機構 ===
警察権力が拡大しすぎないよう行動しており、警察へのチェック機構の必要性を訴えている。1995年には、[[オウム真理教事件]]で警察が微罪による別件逮捕を繰り返したことについて予算委員会で指摘し、「もしも安易に逮捕することを警察が当たり前という気持ちになったら、戦前の警察国家に向かっていく危惧を覚える」と発言した<ref>{{cite news
|title = オウム捜査 集中審議で疑問の声も 「微罪逮捕」に政府複雑
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1995-04-21
|page = 2
}}</ref>。

1999年の[[犯罪捜査のための通信傍受に関する法律|通信傍受法]]制定のときには、濫用防止のための制度的な歯止めが不十分と考え<ref>{{citation
|author = [[漆原良夫]]・枝野幸男・[[保坂展人]]・[[海渡雄一]]
|year = 1998
|contribution = なぜ盗聴法に反対するのか
|editor = 現代人文社編集部
|title = 盗聴法がやってきた
|publisher = 現代人文社
|pages = 57-74
|isbn = 4-906531-50-4
}}</ref>、盗聴には第三者の立会人と本人への通知が不可欠だと訴えた<ref>{{cite news
|title = どうする通信傍受法案 本人への通知は不可欠
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1999-05-30
|page = 2
}}</ref>。しかし、法務委員会で質疑に立つ前に、[[自自公連立政権]]に審議時間の与野党合意を破られ強行採決された<ref>{{cite journal
|author = 枝野幸男
|year = 1999
|title = 少数者の軽視は社会の危機
|journal = [[世界 (雑誌)|世界]]
|volume = 1999年11月臨時増刊
|pages = 178-179
|publisher = [[岩波書店]]
}}</ref>。

[[共謀罪]]には否定的で<ref>{{cite news
|title = 共謀罪 質疑18時間 ぬぐえぬ懸念
|newspaper = 朝日新聞
|date = 2005-11-09
|page = 33
}}</ref>、「『共謀罪』に反対する超党派国会議員と市民の緊急院内集会」の呼びかけ人を務めた。
*児童買春･児童ポルノ処罰法の改正について、[[児童ポルノ]]を所持しているだけで罰則を課す単純所持規制化には慎重な立場を取る。理由として児童ポルノの定義が曖昧であることと、捜査権の濫用が危惧されることを挙げ、罰則の対象拡大は積極的に収集・購入した者に留めるべきだとしている<ref>2009年6月26日 衆議院法務委員会</ref>。

=== 行政 ===
*[[天下り]]・渡りは、自分がいた役所の所管する独立行政法人や公益法人に対する再就職について、例えば退職後二十年間とか、許可を要するとか、あるいは自分が在職した役所から仕事を発注、受注している企業に対する再就職については退職後二十年とか、そういう場合に許可を要するという制度を提案した<ref>2009年2月6日 衆議院予算委員会</ref>。
*永住外国人への地方参政権については、地方自治という観点から、本来ならば自治体ごとに決めればよいとする一方、今のままでは、地方自治体の選挙で結果が国益に影響が出る可能性があるとして、国と地方の役割分担に関するシステムを批判し、現状での参政権付与に慎重な立場を取っている。<ref>{2000.9.30　枝野幸男オープンミーティング}</ref>。

国会に強力な調査権限を持った行政監視院（日本版GAO）を設置して、行政に対する外部監査機能を持たせるよう主張している。1996年に行政監視院法案を提案、衆院行革特別委で[[総務庁]][[管区行政評価局|行政監察局]]が機能を果たしていないことを指摘し、行政監視院創設の意義を訴えた<ref>{{cite news
|title = 臨時国会を振り返って 問われる政党の「発信機能」
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1996-12-19
|page = 7
}}</ref>。この議論は[[決算行政監視委員会]]の設置につながった<ref>{{cite news
|title = 成果出るか行政監視委 「公務員倫理」で与野党議論へ
|newspaper = 毎日新聞
|date = 1998-03-23
|page = 2
}}</ref>。2005年には民主党憲法調査会長としてまとめた憲法提言に、行政監視院の設置を盛り込んだ<ref>{{cite news
|title = 民主、9条改正に前向き
|newspaper = 読売新聞
|date = 2005-10-06
|page = 4
}}</ref>。

利権誘導型の公共事業には反対の立場を取ることが多い。1997年の整備新幹線予算・関連法案について旧民主党は賛成だったが、枝野は他の都市部選出若手議員とともに造反して反対した<ref>{{cite news
|title = 整備新幹線 関連法案が衆院通過
|newspaper = 朝日新聞
|date = 1997-04-18
|page = 2
}}</ref>。

=== 部落解放運動 ===
さいたま市で開かれた[[同和問題|部落]]解放県共闘の第17回総会で枝野は[[副議長]]に選ばれている<ref>[http://www.saitama-peace-center.jp/html/B=UP/200512_03.html#0608 埼玉県平和運動センター#0608]</ref>。

=== その他 ===
*1995年に[[2005年日本国際博覧会|愛知万博]]に反対する集会に参加している<ref>{{cite news
|title = 木に名札「万博中止を」 海上の森トラストで反対派が気勢
|newspaper = 朝日新聞夕刊
|date = 1995-08-18
|page = 11
}}</ref>。
*[[2010年]][[11月14日]]、[[民主党 (日本 1998-)|民主党]]政権が掲げる[[政治主導]]が機能していないとの批判について、地元[[さいたま市]]の講演で「[[与党]]がこんなに忙しいとは思わなかった。政治主導なんてうかつなことを言ったから大変なことになった。なにより欲しいのは、ゆっくり考える時間と、ゆっくり相談する時間だ」と述べた<ref>読売新聞2010年11月15日夕刊3版2面、[http://web.archive.org/20101117173228/www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20101114-OYT1T00509.htm 「政治主導なんてうかつなこと言った…」枝野氏]、[http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101114/plc1011141745022-n1.htm 今さら反省？ 「政治主導とうかつなこと言った」民主・枝野氏]（産経新聞）</ref>。

== 政策 ==
*[[国旗及び国歌に関する法律]]に反対。但し、その理由については、国旗は国際法との兼ね合いで明文化することに意味があり、反対ではないこと、国歌については「多くの国民が国歌として認めていること」こそが重要であり、政治的思惑で左右されかねない明文法とするのではなく、慣習法の世界で対応することが適切だとしており<ref>えだの幸男国会通信Vol.23 1999.8.1</ref>、日の丸と君が代を法的に国旗・国歌と位置付けること自体には賛成している。

== 所属団体・議員連盟 ==
*[[チベット問題を考える議員連盟]]（名誉顧問）
*[[恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟]]

== 家族 ==
*妻と二男（双子）
:1998年10月に[[日本航空]]国際線スチュワーデスと結婚。[[夫婦別姓|選択的夫婦別姓]]を認める民法改正案の提案者であり、[[事実婚]]にするのでは、と注目されていたが、「彼女が法律婚を望んだ」ために入籍に至った<ref>{{cite journal
|author = 青木康晋
|year = 1998
|title = 枝野幸男 スチュワーデスと結婚 市民派議員の別姓問題
|journal = [[AERA]]
|volume = 1998年11月2日号
|page = 80
|publisher = 朝日新聞社
}}</ref>。両家の共通の知人の紹介で、4月に半ばお見合いの形で引き合わされ、7月に結婚を決めたという<ref>{{cite journal
|year = 1998
|title = 結婚 若手代議士「枝野幸男」を支える新妻の「内助の功」
|journal = [[週刊新潮]]
|volume = 1998年11月26日号
|publisher = [[新潮社]]
|page = 130
}}</ref>。2002年から夫人とともに不妊治療を始め、2006年7月に双子の男児を授かった<ref>{{cite journal
|author = 枝野幸男・枝野和子
|year = 2006
|title = 四年間の不妊治療を経て――私たちも愛育病院で帝王切開、そして双子の親に
|journal = [[諸君!]]
|volume = 2006年10月号
|publisher = 文藝春秋
|pages = 102-110
}}</ref>。

== 人物 ==
*血液型はB型<ref name = "AERA1999">{{Cite journal
|year = 1999
|title = 21世紀の30代50人
|journal = AERA
|volume = 1998年12月28日・1999年1月4日合併号
|publisher = 朝日新聞社
|pages = 11-17, 23-25
}}</ref>。趣味はカラオケ<ref name = "AERA1999"/>で、得意なカラオケの歌は[[和田アキ子]]の「[[あの鐘を鳴らすのはあなた]]」<ref>{{Cite journal
|author = 阪東恭一他
|year = 1999
|title = 30代国会議員50人全調査 歌は「サザン」本は「マネー敗戦」
|journal = AERA
|volume = 1999年3月22日号
|publisher = 朝日新聞社
|pages = 28-31
}}</ref>。喫煙者である<ref>[http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100224/plt1002241251001-n2.htm 夕刊フジ]2010年02月24日</ref>。睡眠時間は6時間<ref name = "AERA1999"/>。

*1994年に[[TBSテレビ|TBS]]制作『[[オールスター感謝祭]]』の人気コーナー「[[赤坂5丁目ミニマラソン]]」に参加、TBS周辺を走った事がある。この時の映像が2011年4月9日に放送された同番組にて紹介された。

*[[ダカーポ (雑誌)|ダカーポ]]誌の「我が生涯最高の1冊」に[[塩野七生]]著『[[ローマ人の物語]]』を挙げている<ref>{{Cite journal
|year = 2001
|title = 著名人100人アンケート 我が生涯最高の1冊
|journal = ダカーポ
|volume = 2001年6月6日号
|publisher = マガジンハウス
|pages = 68-99
}}</ref>。
*2002年に、[[山本一太]]、[[福山哲郎]]、[[水野賢一]]とともに、雑誌上に[[政治資金]]の全体像や[[陳情]]への対応を詳細に公開した<ref>{{Cite journal
|author = 枝野幸男・[[山本一太]]・[[福山哲郎]]・[[水野賢一]]
|year = 2002
|title = 全公開 私の資金・秘書・陳情処理 新しい政治文化をつくりたい
|journal = [[論座]]
|volume = 2002年8月号
|publisher = 朝日新聞社
|pages = 16-69
}}</ref>。

*2007年と2008年にジャーナリストの[[田原総一朗]]から[[政治献金|個人献金]]を受けている<ref>{{Cite news
|title = 平成19年分政治資金収支報告書の要旨
|newspaper = [[官報]]
|date = 2008-09-12
|url = http://www.soumu.go.jp/main_content/000047140.pdf
}}</ref><ref>{{Cite news
|title = 平成20年分政治資金収支報告書の要旨
|newspaper = 官報
|date = 2009-09-30
|url = http://www.soumu.go.jp/main_content/000061384.pdf
}}</ref>。田原は[[Ustream]]での放送にて枝野への献金を明らかにした<ref>{{Cite news
|url = http://www.ustream.tv/recorded/8105327
|title = 田原総一朗のタブーに挑戦！ (10.07.06)
|publisher = [[JFN]]
|date = 2010-07-06}}</ref>。

*[[東北地方太平洋沖地震]]の発生に際しては、内閣官房長官として連日記者会見を行った。[[ツイッター]]には枝野の体調を気遣い睡眠をとるよう促すコメントが多く投稿され、それらのコメントにハッシュタグ「#edano_nero」を附与する動きが広まった<ref>「被災者への励まし、Twitterで広まる――枝野官房長官の体調気遣う『#edano_nero』も」『[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1103/14/news085.html 被災者への励まし、Twitterで広まる 枝野官房長官の体調気遣う「#edano_nero」も - ITmedia News]』[[アイティメディア]]、[[2011年]][[3月14日]]。</ref><ref name="Koh20110314">Yoree Koh, "Tireless Edano Earns Twitter Respect", ''[http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2011/03/14/tireless-edano-earns-twitter-respect/ Twitter Implores Edano to Sleep, Kan to Wake Up - Japan Real Time - WSJ]'', [[ダウ・ジョーンズ|Dow Jones & Company]], [[3月14日|March 14]], [[2011年|2011]].</ref><ref name="Kingsley20110314">Patrick Kingsley, "Please, Edano, go to bed", ''[http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/14/edano-go-to-bed Please, Edano, go to bed | World news | The Guardian]'', [[ガーディアン・メディア・グループ|Guardian Media Group]], [[3月14日|March 14]], [[2011年|2011]].</ref><ref>全く寝てない枝野官房長官の寝顔コラが世界に配信される！ “#edano_nero”というハッシュタグも http://getnews.jp/archives/104968/</ref>。一連の動きは『[[ウォールストリート・ジャーナル]]』や『[[ガーディアン]]』にも紹介され<ref name="Koh20110314"/><ref name="Kingsley20110314"/>、この記事を読んだ[[作家]]の[[ウィリアム・ギブスン]]は「Edano, sleep」<ref>[[ウィリアム・ギブスン|William Gibson]], ''[http://twitter.com/GreatDismal/status/47541842178342912 Twitter / William Gibson: Edano, sleep http://blogs. ...]'', [[ツイッター|Twitter]], [[3月14日|March 14]], [[2011年|2011]].</ref>とツイッターでコメントした。一部では105時間寝ずに働いたとも囁かれ、[[デイリー・テレグラフ]]のネット報道では、アメリカの人気ドラマ『[[24 -TWENTY FOUR-]]』に準（なぞら）えて「政界のジャック・バウアー」と報じられた<ref>枝野官房長官の働きぶりを、海外メディアが「政界のジャック・バウアー」と報じる http://rocketnews24.com/2011/03/16/%E6%9E%9D%E9%87%8E%E5%AE%98%E6%88%BF%E9%95%B7%E5%AE%98%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E3%81%B6%E3%82%8A%E3%82%92%E3%80%81%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%81%8C%E3%80%8C%E6%94%BF/</ref>。インターネットではその様子を指して'''枝る'''という言葉も生まれた<ref>[http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110408/plc11040814540028-n3.htm 【東日本大震災】枝野長官会見（3完）「ネットの『枝る』は承知も…」- MSN産経ニュース]2011年4月8日{{リンク切れ|date=2012年7月}}</ref>。この「枝る」という言葉は、[[大修館書店]]が主催する「第6回『もっと明鏡』大賞 みんなで作ろう国語辞典！」で、最優秀作品賞10点の1つに選ばれた<ref>[http://www.taishukan.co.jp/meikyo_campaign6/happyo/can6_release.pdf 全国の中高生から寄せられた8万4,090語 第6回 「もっと明鏡」大賞 みんなで作ろう国語辞典！ 結果発表] 大修館書店</ref>。

*東日本大震災後、一部ネット上で、放射能を恐れて「家族をシンガポールに逃がした」とする悪質なデマが広がったが、記者会見等で明確に否定されている<ref>平成23年7月12日　内閣官房長官定例会見</ref>。このデマを消すため、枝野の妻は、一時はパスポートを常時持ち歩いて、海外に出ていないことを証明していた<ref>枝野幸男(2012)叩かれても言わねばならないこと「脱近代化」と「負の再配分」東洋経済新報社 234p</ref>。

*ネット上では「えだのん」と呼ばれている。[[紀伊民報]]の報道によれば、枝野は愚問に対しても小ばかにした態度はとらず、外国のメディアからは「嘘は言わない」と評価されている一方で、「情報の全部は出さない」とも評されている<ref>[http://www.agara.co.jp/modules/colum/article.php?storyid=209171 紀伊民報]2011年04月20日</ref>。

==== 報道 ====
'''労働組合との覚書について'''
:[[1996年]]の[[第41回衆議院議員総選挙]]への立候補に際し、[[東日本旅客鉄道労働組合|JR東労組]]大宮支部執行委員長と「私は[[全日本鉄道労働組合総連合会|JR総連]]及びJR東労組の掲げる綱領（活動方針）を理解し、連帯して活動します」などが記された覚書を交わしたことが2010年7月17日発売の『[[新潮45]]』に掲載された<ref name = "Yamamura2010">{{Cite journal
|author = 山村杳樹
|year = 2010
|title = 枝野幹事長が交わした「魔の契約」
|journal = 新潮45
|volume = 29
|issue = 8
|pages = 26-32
|publisher = 新潮社
}}</ref><ref>{{Cite news
|url = http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100717/plc1007171052008-n1.htm
|title = 「枝野氏が革マル幹部と覚書」月刊誌報じる
|newspaper = 産経新聞
|date = 2010-07-17
|accessdate = 2010-07-17
}}</ref>。なお、JR総連およびJR東労組から枝野の政治資金団体「21世紀都市文化フォーラム」へ、覚書が交わされた1996年から4年間にわたって総額404万円の資金提供があった<ref name = "Yamamura2010"/>。これに対し枝野は、覚書は「一般的な政策協定を結ぶ一定のひな型の通りだ」と述べ問題がないとの考えを示し、JR東労組との関係は「連合の各産別とお付き合いする範囲でお付き合いしているが、それ以上でも以下でもない」と述べた<ref>{{Cite news
|title = 「一般的な対応だ」枝野氏 「革マル派幹部と覚書」報道に
|newspaper = 産経新聞
|date = 2010-07-20
|url = http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100720/stt1007202358013-n1.htm
|accessdate = 2011-01-14
}}</ref>。2011年2月、[[予算委員会]]において今後はJR総連・JR東労連から献金の申し出があっても断ると宣言した<ref>{{Cite news
|title = 枝野氏「今後は献金断る」 革マル影響下労組から
|newspaper = 産経新聞
|date = 2011-02-01
|url = http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110201/plc11020119240022-n1.htm
|accessdate = 2011-02-02
}}</ref>。

'''義父からの個人献金について'''
:弁護士であり、[[財務省 (日本)|財務省]]所管の[[公益法人]]「印刷朝陽会」の理事にも就いている義父から毎年献金を受けている。印刷朝陽会の理事長は大蔵省からの[[天下り]]役人であり、「天下り法人理事から献金を受け取る」のは「不適切な関係」ではないかと週刊誌に書かれた<ref>{{Cite journal
|year = 2010
|title = 天下り法人理事から献金受ける枝野の厚顔
|journal = [[サンデー毎日]]
|volume = 2010年6月27日号
|pages = 133
|publisher = [[毎日新聞社]]
}}</ref>。もっとも、義父は弁護士の立場から、当該法人の外部の非常勤理事として無報酬で務めていたものであり、枝野は指摘を受けるまで義父が当該法人の理事を務めていたことを認識していなかった<ref>{2011年2月4日 予算委員会議事録}</ref>。

== 脚注 ==
{{Refbegin}}
{{Reflist|2}}
{{Refend}}

== 関連項目 ==
*[[凌雲会]]
*[[国のかたち研究会]]
*[[民主党国会議員一覧]]
*[[七奉行の会]]
*[[日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派|革マル派]]
*[[東日本旅客鉄道労働組合|JR東労組]]
*[[部落解放同盟]]
*[[夫婦別姓]]

== 外部リンク ==
* [http://www.edano.gr.jp/ 枝野幸男オフィシャルサイト 民主党衆議院議員]

{{start box}}
{{s-off}}
{{succession box
|title = {{Flagicon|JPN}} [[経済産業大臣]]
|before = [[鉢呂吉雄]]
|years = 第16代：2011年 - 2012年
|after = [[茂木敏充]]
}}
{{succession box
|title = {{Flagicon|JPN}} [[特命担当大臣]]（[[内閣府特命担当大臣（原子力損害賠償支援機構担当）|原子力損害賠償支援機構]]）
|years = 第3代：2011年 - 2012年
|before = [[細野豪志]]
|after = [[茂木敏充]]
}}
{{succession box
|title = {{Flagicon|JPN}} [[内閣官房長官]]
|before = [[仙谷由人]]
|years = 第79代：2011年
|after = [[藤村修]]
}}
{{Succession box
|title = {{Nowrap|{{Flagicon|JPN}} [[特命担当大臣]]（[[内閣府特命担当大臣（沖縄及び北方対策担当）|沖縄及び北方対策）]]}}
|before = [[馬淵澄夫]]
|years = 第17代：2011年
|after = [[川端達夫]]
}}
{{succession box
|title = {{Flagicon|JPN}} [[特命担当大臣]]（[[内閣府特命担当大臣（行政刷新担当）|行政刷新]]）
|before = [[仙谷由人]]<br />[[蓮舫]]
|years = 第2代：2010年<br />第4代：2011年
|after = [[蓮舫]]<br />[[蓮舫]]
}}
{{s-par}}
{{succession box
|title = {{Flagicon|JPN}} [[決算行政監視委員会|衆議院決算行政監視委員長]]
|before = [[仙谷由人]]
|years = 2007年 - 2009年
|after = [[川端達夫]]
}}
{{s-ppo}}
{{succession box
|title = [[民主党執行部|民主党幹事長]]
|before = [[小沢一郎]]
|years = 第10代：2010年
|after = [[岡田克也]]
}}
{{succession box
|title = [[民主党執行部|民主党政策調査会長]]
|before = [[海江田万里]]
|years = 第6代：2002年 - 2004年
|after = [[仙谷由人]]
}}
{{end box}}

{{内閣官房長官}}
{{経済産業大臣}}

{{デフォルトソート:えたの ゆきお}}
[[Category:日本の閣僚経験者]]
[[Category:民主党の衆議院議員]]
[[Category:埼玉県選出の衆議院議員]]
[[Category:比例北関東ブロック選出の衆議院議員]]
[[Category:日本の弁護士]]
[[Category:東北大学出身の人物]]
[[Category:栃木県出身の人物]]
[[Category:1964年生]]
[[Category:存命人物]]