林董のソースを表示

{{政治家
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|生年月日 = [[1850年]][[4月11日]]
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[[画像:Republic of Ezo members.jpg|thumb|200px|後列右から2番目]]
'''林 董'''（はやし ただす、[[1850年]][[4月11日]]（[[嘉永]]3年[[2月29日 (旧暦)|2月29日]]） - [[1913年]]（[[大正]]2年）[[7月20日]]）は[[幕末]]の[[幕臣]]。[[明治]]期の[[日本]]の[[外交官]]、[[政治家]]。[[伯爵]]。初代[[陸軍]][[軍医]]総監・[[男爵]]の[[松本良順]]は実兄。

'''董三郎'''（とうさぶろう）とも。変名、'''佐藤 東三郎'''（さとう とうさぶろう）。

== 略歴 ==
[[下総国]][[佐倉藩]]（のち[[千葉県]][[佐倉市]]）の蘭医[[佐藤泰然]]の五男として生まれ、後に[[徳川幕府|幕府]]御典医[[林洞海]]の養子となる。養母・つるは泰然の長女・董の実姉である。

[[ジェームス・カーティス・ヘボン|ヘボン塾]]（のちの[[明治学院大学]]）で学んだ後、幕府の[[留学]]生として[[イギリス]]へ行った後、[[榎本武揚]]率いる脱走艦隊に身を投じ、[[箱館戦争]]時には佐藤東三郎と名乗った。敗戦後、[[香川県|香川]]・[[兵庫県|兵庫]]の県[[知事]]、[[ロシア]]・イギリスの駐在公使、[[外務大臣 (日本)|外務大臣]]、[[逓信大臣]]などを務めた。

董の孫・[[岩崎忠雄|忠雄]]は[[三菱財閥]]の4代目総帥・[[岩崎小弥太]]の養嗣子となった。忠雄の妻・淑子は[[旭硝子]]の創業者・[[岩崎俊弥]]の次女として生まれ、伯父・小弥太の養女となった。忠雄が小弥太の婿養子となったことにより、林家は[[三菱グループ|三菱]]の創業者一族・[[岩崎家]]と姻戚関係となる。また、董の娘・菊は[[福澤諭吉]]の次男・捨次郎に嫁ぐ。

[[1902年]]（明治35年）[[1月30日]]に、在英日本[[特命全権公使|公使]]として[[ロンドン]]で[[日英同盟]]を調印した。このときの英国代表は[[外務英連邦大臣|外務大臣]]の第3代[[ランズダウン侯爵]][[ヘンリー・ペティ＝フィッツモーリス (第5代ランズダウン侯爵)|ヘンリー・ペティ＝フィッツモーリス]]であった。[[1903年]][[5月]]、イギリスのエンパイア・ロッジにて[[フリーメイソン]]に入会<ref name="freemasonryinjapan">{{Cite web|url=http://www.freemasonryinjapan.com/J-famous.htm|title=七人の有名な日本人メィーソン|publisher=東京メソニックセンター|archiveurl=http://replay.waybackmachine.org/20090607101047/http://www.freemasonryinjapan.com/J-famous.htm|archivedate=2009-06-07|accessdate=2011-03-30}}</ref>。

日露戦争後の[[1905年]]（明治38年）12月2日、ロンドンの在英日本公使館が昇格して[[大使館]]となった。林董は初代駐英大使に任命され、日本の外交官としては初めての大使となった。

== 官職・位階・履歴 ==
:※日付は[[明治4年]]まで旧暦
*1850年（[[嘉永]]3年）2月29日、誕生。幼名：信五郎。
*1862年（[[文久]]2年）6月、幕府医家林洞海の養子となり、林董三郎を称す。
*1866年（[[慶応]]2年）10月26日、幕命により英国留学生となり、横浜より出航。
*1868年（慶応4年）6月、横浜に帰航。その後、[[幕府海軍]]副総裁榎本武揚に従軍し、[[開陽丸]]乗組見習となる。8月、蝦夷函館に赴く。
*1869年（[[明治]]2年）5月、蝦夷函館政権降伏し、捕虜となり、[[弘前藩]]預けの上、禁錮に処せらる。
*1870年（明治3年）4月、禁錮の処分を解かれ、横浜に赴く。
*1871年（明治4年）9月、神奈川県奏仕出仕に就き、維新政府の地方官僚となる（時に、神奈川県知事は[[陸奥宗光]]）。10月、[[岩倉具視]]遣外使節団（[[岩倉使節団]]）随行二等書記官に異動。11月、外務省七等出仕を兼帯（工部大輔[[伊藤博文]]へ依頼による）。11月12日、横浜より出航。時に、林董三郎を称す。
*1873年（明治6年）5月、横浜に帰航。6月9日、[[工部省]]工学寮の工学助（奏任六等）を兼帯（奏任六等外務省二等書記官）し、工学大学校設立に従事（時に工部大輔は伊藤博文）。
*年月日不詳、工部寮少丞に異動。
*年月日不詳、工部省権大書記官に異動。さらに工部省大書記官に異動。
*1882年（明治15年）4月、奏任四等[[宮内省]]大書記官を兼帯（[[有栖川宮熾仁親王]]、欧州歴訪随行員となったため）。月日不詳、参事院員外議官補を兼帯。
*1883年（明治16年）2月、宮内省大書記官の兼帯を解く。
*1885年（明治18年）12月22日、工部省廃止に伴い、新設の[[逓信省]]大書記官に異動。
*1886年（明治19年）3月3日、高等官（勅任官）二等逓信省駅逓局長に異動（時に、[[第1次伊藤内閣]]。逓信大臣は榎本武揚）。
*1887年（明治20年）3月10日、逓信省内信局長に異動。
*1888年（明治21年）12月3日、香川県知事に転出。
*1890年（明治23年）3月、兵庫県知事に転出。
*1891年（明治24年）6月15日、高等官（勅任官）一等外務次官に転出（[[第1次松方内閣]]。外務大臣は榎本武揚）し、外務省総務局長兼帯。8月16日、総務局廃止に伴い、同局長兼帯罷む。
*1895年（明治28年）5月21日、外務次官の任を終える。　6月22日、清国駐剳特命全権公使として着任（時に、[[第2次伊藤内閣]]。外務大臣は陸奥宗光）。10月31日、[[男爵]]を授爵し、[[瑞宝章|勲一等瑞宝章]]に叙勲受章。
*1896年（明治28年）11月2日、清国駐剳特命全権公使の任を終える。
*1897年（明治30年）5月25日、露国駐剳特命全権公使として着任（時に[[第2次松方内閣]]。外務大臣は大隈重信）。同日、[[スウェーデン]]並びに[[ノルウェー]]の特命全権公使を兼帯。
*1899年（明治32年）9月5日、露国駐剳特命全権公使・スウェーデン並びにノルウェーの特命全権公使の任を終える。　12月27日、[[勲一等旭日大綬章]]に叙勲受章。
*1900年（明治33年）7月6日、英国駐剳特命全権公使として着任（時に、[[第2次山縣内閣]]。外務大臣は[[青木周蔵]]）。
*1901年（明治34年）7月21日段階で[[従三位]]。
*1902年（明治35年）2月27日、[[子爵]]に昇叙。[[日英同盟]]締結に活躍し成功を得る。
*1904年（明治37年）、不平等条約の改正外交に現場として活躍。
*1905年（明治38年）12月2日、駐英公使が大使に昇格するに伴い、英国駐剳[[特命全権大使]]となる（時に、[[第1次桂内閣]]。外務大臣は[[小村寿太郎]]）。[[下関条約]]締結に活躍。
*1906年（明治39年）3月19日、英国駐剳特命全権大使の任を終える。　4月1日、[[勲一等旭日桐花大綬章]]に叙勲受章。5月19日、外務大臣として入閣（[[第1次西園寺内閣]]）。以後、[[日仏協約]]・[[日露協約]]・[[第三次日韓協約]]（反故条約）締結に及ぶ。
*1907年（明治40年）9月14日、[[伯爵]]に昇叙。
*1908年（明治41年）7月14日、西園寺内閣総辞職に伴い、外務大臣を辞す。
*1910年（明治43年）5月段階で、正三位。
*1911年（明治44年）8月30日、逓信大臣（[[第2次西園寺公望内閣]]）となり、外務大臣を臨時兼任。10月16日、外務大臣臨時兼任を解く。
*1912年（[[大正]]元年）12月5日、西園寺内閣総辞職に伴い、逓信大臣を辞す。

== 栄典 ==
* [[1891年]]（明治24年）[[10月29日]] - [[ハワイ王国]]王冠第一等勲章<ref>『官報』第2503号、「叙任及辞令」1891年10月31日。</ref>

== 没後 ==
*墓所は[[東京都]]港区の「[[青山霊園]]」。

==著書==
*『有栖川二品親王欧米巡遊日記』（編）回春堂　1883
*『後は昔の記』時事新報社　1910
*『後は昔の記他　林董回顧録』（[[由井正臣]]校注、[[平凡社東洋文庫]]　1970）

===翻訳===
*[[ジョン・スチュアート・ミル]]『彌児經濟論』吉松四郎 1875
*テート『訓蒙天文略論』島村利助 1876
*ホンフレー・プリドウ『馬哈黙（[[ムハンマド・イブン＝アブドゥッラーフ|マホメット]]）伝』干河岸貫一 1886
*賓雑吾（[[ジェレミ・ベンサム|ベンサム]]）『刑法論綱』干河岸貫一 1879
**日本立法資料全集 別巻 406　信山社出版 2006
*『泰西政史』抄訳 回春堂 1881
*[[ニッコロ・マキャヴェッリ|マキァヴエリ]]『[[政略論|羅馬史論]]』博文館 1906
*『修養の模範』訳編 丙午出版社 1909

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

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{{s-off}}
{{Succession box
| title  = {{flagicon|JPN}} [[逓信省|逓信大臣]]
| years  = 第19代：1911 - 1912
| before = [[後藤新平]]
| after  = 後藤新平
}}
{{Succession box
| title  = {{flagicon|JPN}} [[外務大臣 (日本)|外務大臣]]
| years  = 第21代：1906 ‐ 1908
| before = [[西園寺公望]]
| after  = [[寺内正毅]]
}}
{{end box}}
{{外務大臣}}
{{逓信大臣}}
{{在イギリス日本大使|1900年-1906年}}
{{在ロシア連邦日本大使|1897年-1900年|ロシア帝国公使}}
{{在スウェーデン日本大使|1897年-1900年|公使}}
{{在中国日本大使|1895年-1896年|清公使}}
{{香川県知事|官選初代：1888-1889}}
{{兵庫県知事|官選第10代：1889-1891}}

{{DEFAULTSORT:はやし たたす}}
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