松野鶴平のソースを表示

{{出典の明記|date=2013年2月|ソートキー=人1962年没}}
{{政治家
|人名 = 松野 鶴平
|各国語表記 = まつの つるへい
|画像 = Tsuruhei Matsuno.jpg
|画像説明 = 
|国略称 = {{JPN}}
|生年月日 = [[1883年]][[12月22日]]
|出生地 = [[熊本県]][[山鹿市]]（旧・[[城北村 (熊本県)|城北村]]）
|没年月日 = {{死亡年月日と没年齢|1883|12|22|1962|10|18}}
|死没地 = 
|出身校 = 旧制[[城北学館]]
|前職 = 
|現職 = 
|所属政党 = （[[立憲政友会]]→）<br />（立憲政友会正統派→）<br />（[[日本自由党 (1945-1948)|日本自由党]]→）<br />（[[民主自由党 (日本)|民主自由党]]→）<br />（[[自由党 (日本 1950-1955)|自由党]]→）<br />[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]
|称号・勲章 = [[従二位]]<br />[[勲一等旭日桐花大綬章]]
|世襲の有無 = 無
|親族（政治家） = 三男・[[松野頼三]]<br />孫・[[松野頼久]]
|配偶者 = 妻・松野タキノ（[[野田卯太郎]]の子）
|サイン = 
|ウェブサイト = 
|サイトタイトル = 
|国旗 = JPN
|職名 = 第5-7代 [[参議院議長]]
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|選挙区 = 
|当選回数 = 
|就任日 = [[1956年]][[4月3日]]
|退任日 = [[1962年]][[8月6日]]
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|国旗2 = JPN
|職名2 = 第19代 [[鉄道省|鉄道大臣]]
|内閣2 = [[米内内閣]]
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|就任日2 = [[1940年]][[1月16日]]
|退任日2 = 1940年[[7月22日]]
|退任理由2 = 
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|元首職2 = 
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|国旗3 = JPN
|職名3 = [[参議院|参議院議員]]
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|選挙区3 = [[熊本県選挙区]]
|当選回数3 = 2回
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|退任日3 = [[1962年]][[10月18日]]
|退任理由3 = 在職のまま死去
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|元首3 = 
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|職名4 = [[衆議院|衆議院議員]]
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|選挙区4 = [[熊本県第1区 (中選挙区)|熊本県第1区]]
|当選回数4 = 7回
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|元首4 = 
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}}
'''松野 鶴平'''（まつの つるへい、[[明治]]16年（[[1883年]]）[[12月22日]] - [[昭和]]37年（[[1962年]]）[[10月18日]]）は[[日本]]の[[政治家]]。[[衆議院議員]]、[[鉄道大臣]]、[[参議院議長]]などを歴任。権謀術数に長けたことから「'''松のズル平'''」とあだ名された。また、[[実業家]]として菊池電気軌道（現・[[熊本電気鉄道]]）の社長も務めた。[[熊本県]][[平民]]<ref name="zinzi7pま59">『人事興信録. 7版』（大正14年）ま五九</ref>。

妻・タキノは[[商工大臣]]等を務めた[[野田卯太郎]]の娘。[[自由民主党 (日本)|自由民主党]][[政調会長]]、[[総務会長]]などを務めた[[松野頼三]]は三男。[[民主党 (日本 1998-)|民主党]]、[[日本維新の会 (政党)|日本維新の会]]の衆議院議員[[松野頼久]]は孫にあたる。

== 来歴・人物 ==
=== 生い立ち ===
明治16年（[[1883年]]）12月22日、[[熊本県]][[菊池郡]]城北村（後に鹿本郡[[菊鹿町]]、現在の[[山鹿市]]）[[農家#農民の階層区分|中農]]の長男として生まれる<ref name="nikkei">[http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXNASFK0701P_X00C12A5000000&uah=DF110520127580 原敬内閣の総選挙で初当選 「吉田茂を引き出した男」松野鶴平（1）]</ref>。父・長八は[[農業]]を営む傍ら[[馬]]の[[仲買 (商業)|仲買]]人をしていたが、鶴平が生まれて間もなく、農業に見切りをつけて[[造り酒屋]]を始めた<ref name="nikkei"/>。鶴平少年は家業の酒造業を手伝いながら地元の木野小学校に通った<ref name="nikkei"/>。

旧制城北学館中学校出身。松野によれば「[[酒造業]]は[[灘五郷|灘]]などのように名前が通るようになれば別だが、地方の片田舎での営業は、なかなか波があってむずかしい。私の家もご多分にもれず、どんともうかったかと思うと、バッタリといけなくなったりして、とにかく浮き沈みが激しかった。だから小学校を出て中学校に入ったけれども、家業の方が気がかりで仕方がなかった。（中略）家業をつぶしては困るから私も小さいながらよく働いたものである。学校はどうせ中途半端な通学しかできないのなら、いっそやめてしまえ、と思って中途で退学してしまった。そして、それからはもっぱら家業に励むことになったのである。これが私の社会へ出た第一歩である」という<ref name="nikkei"/>。

=== 政界へ ===
地方政界を経て、大正9年（[[1920年]]）、[[第14回衆議院議員総選挙]]に故郷の旧熊本県第4区から[[立憲政友会]]公認で立候補し当選<ref>[http://www.senkyo.janjan.jp/election/1920/99/008407/00008407_22379.html 熊本4区 第14回衆議院議員選挙 - ザ・選挙 -]</ref>。以後、7期当選。政友会では[[鳩山一郎]]派に所属し、[[内務省 (日本)|内務]][[政務次官]]、政友会[[幹事長]]、[[米内光政]][[内閣]]の鉄道大臣などを歴任した。昭和7年（[[1932年]]）[[2月20日]]の[[第18回衆議院議員総選挙]]では、政友会の選挙対策を取り仕切り、466議席中、304議席を獲得し「選挙の神様」の異名をとった。昭和14年（[[1939年]]）年に政友会が分裂した際は鳩山や[[久原房之助]]らとともに政友会正統派に所属した。

=== 吉田茂とともに ===
戦後は、鳩山とともに旧政友会正統派鳩山系勢力を糾合し、[[日本自由党 (1945-1948)|日本自由党]]の結党に参加<ref>旧政友会の議員でも昭和14年（[[1939年]]）の政友会分裂に際し革新派・中立派に与した議員は[[日本進歩党]]の結党に参加した。また、政友会分裂に際し松野とともに正統派に与した議員でも久原系の議員は自由・進歩両党の結党には参加せず、院内会派・[[無所属倶楽部]]の結成に参加した。</ref>。総務となる。しかし、昭和21年（[[1946年]]）5月に鳩山が[[公職追放]]となったため、後継総裁をめぐり[[古島一雄]]、[[松平恒雄]]、[[外務大臣 (日本)|外務大臣]]の[[吉田茂]]らの名前が取りざたされる中で、鳩山とともに吉田を訪問し、後継を打診するが最初拒否される。鳩山はこれであきらめたが、松野はそれから夜な夜な吉田のもとを訪れて「総理概論」とでもいうべき講義を行い、ついには吉田をその気にさせてしまった。これを聞いた鳩山は「松野君は外相公邸の塀を乗り越えてまで吉田君に会いにいくそうじゃないか」と不快を隠さなかったという。

松野自身も公職追放となったが、党務に弱い吉田首相の私的政治顧問として、吉田内閣を支えることになる。昭和27年（[[1952年]]）の追放解除後は、[[参議院議員]]に当選する<ref>[http://www.senkyo.janjan.jp/election/1952/99/00001861.html 熊本選挙区 第2回参議院議員補欠選挙 - ザ・選挙 -]</ref>。政界の寝業師として、同年の[[抜き打ち解散]]を吉田首相に進言したり、吉田派と鳩山派の政権抗争では仲介役を務めた。この間、昭和22年（[[1947年]]）の総選挙で三男・頼三が松野の身代わりとして出馬し、初当選した。

=== 保守合同へ ===
しかし、[[造船疑獄]]をきっかけに吉田体制が崩壊する中で、内閣不信任案をつきつけられ、解散総選挙をもくろむ吉田に対し、「総裁あっての党ではない、党あっての総裁だ!」「自由党から吉田を除名する」と激怒。副総理の[[緒方竹虎]]と共に、退陣へのきっかけを作った。

昭和30年（[[1955年]]）の[[保守合同]]でもプロモーターとして活躍し、[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]結党に参加。自民党の初代参議院議員会長に就任。昭和31年（[[1956年]]）緒方の急死に伴い、2月に後任の総裁代行委員となる。4月には参議院議長に選出される。

=== 参議院議長 ===
戦後の参議院では、議事の遂行において公平を期すために議長在任中は党籍を離脱する慣例となっていた（松野以前の3人が所属していた[[緑風会]]は無所属議員のための会派であって身分的には無所属である）。だが、戦前の[[帝国議会]]で唯一の公選によって選ばれていた[[衆議院議長|衆議院の議長]]（通常は第一党から選出）は、その党籍を維持してその権威によって議事運営を行う一方で、第一党の独断的な動きに対しては党員としての発言力によって阻止し続ける事によってその暴走を食い止めるという慣例が存在していた。

戦前立憲政友会に在籍していた松野はその時代の議長観を戦後になっても保持しており、他党の党籍離脱要求にも関わらず参議院議長在任中も党籍を維持。自民党会派にも所属し続けた。[[日米安保条約]]改訂などで政局が流動的な情勢の中、松野は己の議長観に忠実に従うことによって自民党側の強引な議事運営を防止しつつ、円滑な審議に尽力して一定の成果を収めたが、それは同時に「参議院の政党化」を促進する事にも繋がった。

松野の後任となった[[重宗雄三]]も同様に自民党所属のまま参議院議長を9年間務め、党内で絶対的な権力を持つに至った。議長の党籍、ないしは院内会派からの離脱が定着するのは、重宗の後任となった[[河野謙三]]が党籍を離脱してからである。

昭和37年（1962年）10月18日、78歳にて死去。[[位階|従二位]][[勲一等旭日桐花大綬章]]。

== 家族・親族 ==
=== 松野家 ===
;（[[熊本県]][[菊池郡]]城北村（後に鹿本郡[[菊鹿町]]、現在の[[山鹿市]]）、[[東京都]]）
*父・'''長八'''<ref name="zinzi7pま59"/>（[[農業]]、[[馬]]の[[仲買 (商業)|仲買]]人、[[造り酒屋]]<ref name="nikkei"/>）
:[[万延]]元年正月生<ref name="zinzi7pま59"/> -没
*母・'''ソノ'''<ref name="zinzi7pま59"/>（祖父榮三郎長女<ref name="zinzi7pま59"/>）
:[[文久]]3年4月生<ref name="zinzi7pま59"/> -没
*姉・'''スナ'''（熊本県人平井唯蔵に嫁す<ref name="zinzi7pま59"/>）
:明治14年（[[1881年]]）1月生<ref name="zinzi7pま59"/> - 没
*妹
:'''シヅコ'''<ref name="zinzi7pま59"/>
:明治21年（[[1888年]]）10月生<ref name="zinzi7pま59"/> - 没
:'''シツカ'''<ref name="zinzi7pま59"/>（熊本県[[士族]]園田茂一郎二男耕三に嫁す<ref name="zinzi7pま59"/>）
:明治26年（[[1903年]]）1月生<ref name="zinzi7pま59"/> - 没
:'''タマコ'''<ref name="zinzi7pま59"/>（熊本県人宗像龜雄に嫁す<ref name="zinzi7pま59"/>）
:明治28年（[[1905年]]）12月生<ref name="zinzi7pま59"/> - 没
:'''タマエ'''<ref name="zinzi7pま59"/>
:明治35年（[[1902年]]）3月生<ref name="zinzi7pま59"/> - 没
*妻・'''タキノ'''（[[商工大臣]][[野田卯太郎]]長女<ref name="zinzi7pま59"/>）
:明治15年（[[1882年]]）8月生<ref name="zinzi7pま59"/> - 没
*男・'''昌太郎'''<ref name="zinzi7pま59"/>
:明治44年（[[1911年]]）10月生<ref name="zinzi7pま59"/> - 没
*次男・'''[[松野良助|良助]]'''<ref name="zinzi7pま59"/>（実業家）
:大正3年（[[1914年]]）3月生<ref name="zinzi7pま59"/> - 没
*三男・'''[[松野頼三|頼三]]'''<ref name="zinzi7pま59"/>（政治家）
:大正6年（[[1917年]]）2月生<ref name="zinzi7pま59"/> - 没

=== 親戚 ===
*'''[[野田卯太郎]]'''（福岡県[[平民]]、政治家、[[実業家]]）
*'''[[古市公威]]'''（[[男爵]]、[[東京大学|東京帝国大学]]名誉教授）

== 脚注・出典 ==
{{Reflist}}

{{Start box}}
{{S-par}}
{{Succession box 
| title  = {{Flagicon|日本}} [[参議院議長]]
| before = [[河井彌八]]
| years  = 第5・6・7代：1956年 - 1962年
| after  = [[重宗雄三]]
}}
{{S-off}}
{{Succession box 
| title  = {{Flagicon|日本}} [[鉄道大臣]]
| before = [[永田秀次郎]]
| years  = 第19代：1940年
| after  = [[村田省蔵]]
}}
{{S-ppo}}
{{Succession box 
| title  = [[参議院議員団|自由民主党参議院議員会長]]
| before = 結成
| years  = 初代：1955年 - 1956年
| after  = [[野村吉三郎]]
}}
{{End box}}


{{参議院議長}}
{{鉄道大臣}}
{{自由民主党参議院会長}}
{{DEFAULTSORT:まつの つるへい}}
[[Category:参議院議長]]
[[Category:日本の閣僚経験者]]
[[Category:自由民主党の参議院議員]]
[[Category:熊本県選出の参議院議員]]
[[Category:衆議院議員 (帝国議会)]]
[[Category:熊本県選出の帝国議会議員]]
[[Category:日本の鉄道実業家]]
[[Category:熊本電気鉄道|人まつのつるへい]]
[[Category:熊本県出身の人物]]
[[Category:1883年生]]
[[Category:1962年没]]