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'''曹 羲'''（そう ぎ、? - [[249年]]）は、[[中国]]の[[三国時代 (中国)|三国時代]]の政治家。[[魏 (三国)|魏]]に仕えた。大司馬[[曹真]]の次子。[[大将軍]][[曹爽]]の弟。[[曹訓]]・曹則・[[曹彦]]・曹皚の兄。『[[三国志 (歴史書)|三国志]]』魏志「諸夏侯曹伝」に記録がある。

曹真が亡くなると、父の爵位を兄が継承すると共に、曹羲も含んだ5人の曹真の子達もすべて列侯に封じられた。

[[曹叡]]（明帝）の死後、曹爽は[[司馬懿]]と共に幼帝[[曹芳]]（斉王）の後見にあたった。まもなく曹爽は、側近の[[丁謐]]の策略で、司馬懿を名誉職である[[太傅]]に祭り上げる上奏をし、政治の実権を独占しようと図った。『魏書』によると、このときの上奏文を作成したのは曹羲である。曹爽の一族と[[何晏]]を中心とした側近達は要職を独占し、曹爽の権力を支える存在になった。曹羲も中領軍を率いる将軍となっている。

曹爽は政治の独占に成功すると驕り高ぶり、何晏らと共に私腹を肥やし、享楽に溺れるようになった。曹羲はそれを憂えて、弟達への訓戒という名目で曹爽を間接的に諌めた。曹爽は曹羲の批判が実は自分に向けられたものであると悟ったので、不機嫌になったが、態度を改めることはなく、曹羲は涙を流した。また、あるとき[[傅カ|傅嘏]]が曹羲に対し、何晏を重用しないよう勧めたが、曹羲は何もしなかったため、かえって何晏は傅嘏を免職にした（「傅嘏伝」）。

249年、明帝の陵に詣でるため、皇帝の伴として曹爽と曹羲達兄弟が揃って外出した隙を見計らって、司馬懿がクーデターを起こした。このとき[[大司農]]の[[桓範]]は、曹真と同郷で曹爽達とも親しかったため、危険を冒して曹爽達の下に赴いた。『魏略』によると桓範は、曹爽達は[[皇帝]]を擁しており、桓範は食料を掌る大司農の地位にあるのだから、皇帝を連れて武器が豊富にある[[許昌]]へ拠り、兵士を集めれば司馬懿と対抗できると進言した。そして、桓範は曹羲に対しても、司馬懿が中領軍を手中にしてから日が浅いことから、曹羲が決断すれば中領軍を味方に引き戻せると進言して、司馬懿とあくまで敵対すべきと説得した。しかし、曹爽兄弟は決断できず、桓範の進言を容れることができなかったため、曹羲は曹爽やその他の弟達と共に桓範に罵倒された（『魏氏春秋』）。

結局、曹爽と曹羲を初めとする兄弟達は司馬懿に降参し謹慎する。『魏末伝』には、司馬懿の監視下で怯えて過ごす曹爽兄弟達の姿が描写されている。結局、曹爽は謀反の容疑をかけられ、曹羲も曹訓や何晏達と共にそれに連座し、三族皆殺しの刑に服した。

『[[論語集解]]』の編纂に何晏・[[荀顗]]・鄭沖・孫邕と共に携わるなど、文学的な才能に長けていた（『晋書』「鄭沖伝」）。また、発石車の改良について[[馬鈞]]と[[裴秀]]が対立したとき、安郷侯であった曹羲は最初は裴秀の意見に理解を示したところ、馬鈞に師事していた[[傅玄]]が熱心に説得したことによって、馬鈞の発明を認め、兄の曹爽へのとりなしを約束したが、曹爽は馬鈞の発明を無視したため、結局とりあげられることはなかった（魏志「方技伝」に引かれた傅玄の序）。

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