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暴走族
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{{出典の明記|date=2010年7月25日 (日) 16:16 (UTC)}} '''暴走族'''(ぼうそうぞく)は、主に[[日本]]に見られる、[[オートバイ]]や[[乗用車]]を用いて騒音を伴う無秩序な運転をする集団。 [[ファイル:JapaneseBosozoku.jpg|250px|サムネイル|暴走族風ファッションを模した『[[単位上等!爆走数取団|数取団]]』の[[コスプレ]]]] [[ファイル:Illegal Vehicle 001.jpg|250px|サムネイル|暴走車両の典型的改造が施された車両]] 集団による交通の妨害や危険をもたらす一連の行動は、主に[[道路交通法]]の[[共同危険行為]]として罰せられる。また、集団の自動車やオートバイは、ほとんどが[[改造車#違法改造車|違法改造車]]であるため、この点で検挙されることもある。車両が無改造であるからとはいえ、それで暴走族としての名指しを免れるわけではない。 2004年11月現在、共同危険行為で摘発された場合、最高で2年の懲役または50万円の罰金、[[交通反則通告制度]]に基づく違反点数25点が課され、[[運転免許]]取り消し後の欠格期間(免許を再取得できない期間)が数年におよぶ。このため、摘発された場合には、その後の就業に支障をきたす部分もあり、取り締まりも年々強化されていることから、全盛期と比べて構成者の大幅な減少も見られる。 一方で、小人数でゲリラ的に暴走するケースが増えている<ref>[http://www.gov-online.go.jp/k/contents/useful/201306/2_02.html 少人数によるゲリラ的な暴走行為が主流に - 政府広報オンライン] 内閣府大臣官房政府広報室</ref>。このことは「たまたまその場に居合わせただけ」という逃げ口が設けられるため、「集団」に対する取り締まり方法である共同危険行為を適用しにくいという問題も生じさせている。また、警察車両がこれらの犯罪行為を確認したとしても、自動車の入り込めない路地裏などへ逃避されるなどのため、警察の能力では対処できない例も増加している。 未成年による暴走行為に対しては[[道路交通法]]に沿った判断だけではなく、[[少年法]]による保護方針を考慮した対応を行うべきという意見に対して、警察組織として柔軟な対応が行えていないという問題もある。 == 分類 == [[警察]]の分類では、大きく分けて「共同危険型」と「違法競走型」の二種の分類が存在する<ref>[http://www.npa.go.jp/hakusyo/h16/hakusho/h16/html/F6013010.html 警察庁『平成16年 警察白書』「第6章 安全かつ快適な交通の確保 - 13 総合的な暴走族対策 - (1) 暴走族の実態と動向」]</ref>。 === 共同危険型暴走族 === マフラーの消音機を外したり、マフラーを途中で切断するなどして、意図的に大きなエンジン排気音を発生させる、あるいは大音響の[[警笛|ホーン]]を鳴らすといった騒音を出したり、何台も車両を連ねて路上を占拠し低速で[[蛇行]]走行などを行う形態の暴走族を、'''共同危険型暴走族'''という。おもに、幹線道路や繁華街の[[一般道路]]、一部[[高速道路]]などで活動する。集団走行等の暴走行為をメインに活動していることを除けば、一般市民を威嚇したり、活動するテリトリー内で起きる暴走族同士の抗争事件などの暴力的側面や直接的に暴行や恐喝を行う犯罪傾向も併せ持ち、実質的に[[ストリートギャング]]に近い集団である。 [[1970年代]]から[[1980年代]]にかけて大きく社会問題化したこともあり、一般に「暴走族」というと、この共同危険型暴走族の姿が想起されることが多い。構成員の多くが若い男性で、女性のみの集団は「レディース」という俗称で呼ばれることもある。車両改造は、排気音を大きくしたり派手な装飾を施すことに費やされることが主で、かつてはスポーツバイクが主流だったが、近年では[[スクーター]]や[[セダン]]型の四輪自動車など多岐に渡る。 [[不良行為少年]]の代表格と見られることが多く、1970年代から1980年代にかけ、一種独特の服装や髪型などが暴走族への所属有無に係らずファッションとして不良少年全般に広まっていた。ブームが終焉した後はより一般的なファッションに戻った者も少なくない。グループごとに地域性が強く、主に中学校の同級生同士の不良グループがチームを元に組織して結成され、周辺中学への征圧傘下を繰り返し、中学卒業後に暴走族として結成されるケースが多い(場合によっては高校の同級生同士で結成されるケースもある)。地元近圏を初めとした知人・後輩の不良グループを勧誘、複数の暴走族グループの連合化や傘下吸収等を繰り返し、組織の維持と勢力拡大を図っていく。そのため、それら中学校・高校の不良グループが結束した[[クラブ|クラブ活動]]のような存在となり、加入予備軍となる軽度の不良少年に対しても背後で一定の影響を及ぼしている。さらには[[暴力団]]の下部組織として機能、または同団体への加入斡旋の場となるケースも多い。 地縁血縁等により比較的容易に参加できるが、[[体育会系]]的な体質からグループ内に見られる「掟」や負の同調圧力などのために脱退が難しく、掟を破ると[[私刑|リンチ]]を加えるなどで拘束される。一方で時代の変化とともに、掟の厳しさが青少年層に受け入れられ難くなり、[[1982年]]ごろを境に規模は縮小傾向にある。基本的に、18歳または成人となる20歳をもって暴走族から引退し、替わりに年少者を加入させるという慣習があるとされてきた。[[1990年代]]以降には、求心力の低下から後継者ができずに一定の年齢になっても引退できない状況に陥ったり、人数不足を成人OBの再加入によって賄ったりするなどで、構成員が高年齢化する傾向もある。 ;[[旧車會]] :成人版の共同危険型暴走族。[[2000年]]前後から、共同危険型の暴走族を引退した後も楽しさを忘れられない者や、参加経験はないものの関係者と接点を持っていた者などの成人が集まり、自らの現役時代に人気だったバイク(現在では[[絶版]]車=[[旧車]])を改造して活動するようになった。一般的な旧車愛好家によって主宰される旧車の[[オーナーズクラブ]]「[[旧車会]]」というジャンルが既に存在しており、類似する名称に拠る両者の混同なども発生している。[[#呼び換え運動|呼び変え運動]]では、暴走族→「珍走団」にならい旧車會→「珍古會」とも揶揄されている。 ;[[バイカー|バイカー(バイカーギャング)]] :成人版の共同危険型暴走族。1990年代中盤に一時的に流行した集団で、アメリカの[[モーターサイクルギャング]]に影響を受けた者が、バイカーファッションで暴走族同様の行為をするもの。暴走族との違いは服装と乗っているバイクであり、革ジャンや革パンなどのスタイルで統一し、[[アメリカンバイク]]<!--([[ハーレーダビッドソン・ツーリング]]や[[ドラッグスター]]など)-->を乗り回すのが特徴。<!--元暴走族も多い。--> === 違法競走型暴走族 === 一台ずつや複数台で連なって、速度を競うように走行する形態の暴走族を、“違法競走型暴走族”という。山間部の[[ワインディングロード|峠道]]、直線・環状の一般道路や高速道路などにおいて、純正品より排出音の大きいエンジンやマフラーに付け替えた車両を用いることや、[[ドリフト走行]]による摩擦音が発生することなどによって、通常の通行車両よりも大きな騒音を出して走る。本人らは共同危険型暴走族と同一視されることを嫌う傾向が強く「[[走り屋]]」の呼称を好んで用いる。速度を競う性質上「その進行を制御することが困難な高速度([[危険運転致死傷罪|刑法第208条の2]])」での走行になりやすい運転の仕方であり、他の車両の運転者に危険を感じさせ急ブレーキをかけさせたり<ref>[http://web.archive.org/web/20110616011455/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110323/dst11032318350047-n1.htm MSN産経ニュース「首都高「ルーレット族」を逮捕 警視庁」(2011年3月23日)]</ref>、無関係な人を巻き込んで死亡させる事故も起きている<ref>[http://response.jp/article/2005/09/25/74614.html Response.「箱根で正面衝突…走り屋の事故が多い有料道路」(2005年9月25日)]</ref>。 [[モータースポーツ]]を真似た「イベント」を無断開催し、大規模なものになると、[[パーキングエリア]]や沿道などに同好の見物人も擁して占拠する。車両は[[スポーツカー]]などの高速走行向きのものがおもに用いられ、走行性能を高めるための車両改造には、共同危険型暴走族よりも多額の資金を費やし違法改造をすることが多い。 [[1950年代|1950]]-[[1960年代]]の[[カミナリ族]]の嗜好を受け継ぐ形態であり、歴史的には古いものであるが、1970-1980年代に共同危険型暴走族が社会問題化した印象が大きく、一般的な認知度は低かった。[[1990年代]]以降になって、共同危険型暴走族の活動が比較的下火になったことで相対的に違法競走型暴走族の比率が高まったため、社会問題として注目されるようになり警察などの取り締まりも本格化してきた。被害の大きい峠道などでは、夜間通行止めにせざるを得ない状況にもなっている。 人間関係などに制約の多い共同危険型暴走族よりも楽に活動しやすいことから、従来よりも不良少年が違法競走型暴走族に流入する傾向にあり、活動内容的に差異が薄い者もみられる。 ==== 種別 ==== 活動内容の違いによって、呼び名にはいくつかの種別がある。子細は「[[走り屋#種別]]」も参照。なお、共同危険型の「暴走族」ないし「旧車會」「バイカー」等の自ら呼称する集団とは異なり、以下の呼称は警察やマスコミにより命名された通称であり自称するものではない。 ;[[首都高速都心環状線#備考|ルーレット族]] :[[首都高速都心環状線]]や[[阪神高速1号環状線]]など、[[都市高速道路]]の環状部分で周回する速度を競いあう。「イベント」開催時にはパーキングエリアを大挙して占拠することもある。関西では[[環状族]]とも呼ばれる。 ;[[ローリング族]] :峠道で急カーブの続く道程を競走しあう。山間部の一般道や観光路線などが用いられる。 ;[[ドリフト走行#関連事象|ドリフト族]] :峠道や港湾地区の一般道などで、車体を横に滑らせてタイヤをスリップさせながら走るドリフト行為を行う。タイヤが擦れる[[スキール音]]が非常に大きいのが特徴である。 ;ゼロヨン族 :直線の続く一般道で[[ドラッグレース]]を行う。「ゼロヨン」とはドラッグレース競技全般に対する通称で、1/4マイル(約402m)区間競技が多いことから「0-400m」の略語。 == 歴史 == === 勃興 === [[1950年代|1950]]-[[1960年代]]頃から、富裕層を中心に当時まだ高価であったオートバイを集団で乗り回す若者が登場、マフラーを外してけたたましい爆音を響かせながら走り回る様から「[[カミナリ族]]」という呼称が生まれた。交通を妨げて疾走することから交通事故が懸念されたものの、時代は高度成長期であったため、社会が大きく変容することの[[ストレス (生体)|ストレス]]を受けた[[モラトリアム]]の範疇として、[[マスメディア]]や[[文化人]]を中心にある程度容認される傾向も見られた。 しかし[[1970年代]]になると、オートバイは低価格化とともに広く一般へも普及し、「狂走族」と呼ばれていた[[不良行為少年|不良少年]]達に浸透していくと[[暴行]]・[[恐喝]]事件を起こす傾向が強くなり、一般市民への暴力事件やグループ同士の抗争事件が社会問題として取り上げられるようになった。[[1972年]]に[[富山県]][[富山市]]中心部の[[城址大通り]]から端を発して全国に広がった騒動をきっかけに、「暴走族」の呼び名が広まり警察当局もこの名称を公文書に用いた<ref>[http://www.npa.go.jp/hakusyo/s48/s480600.html 警察庁『昭和48年 警察白書』「第6章 交通安全と警察活動 - 4 交通指導取締り - (5) 地方都市に多発した暴走族騒ぎ」]</ref>。東日本では1972年ごろからグループ化が始まり、[[1974年]]には確認されているだけで86件の抗争事件が発生。同年にはグループ数の増加が顕著となり、日本各地のグループが「東北連合」、「[[関東連合]]」、「武州連合」などといった連合体を結成する動きも見られた<ref>[http://www.npa.go.jp/hakusyo/s50/s500400.html 『昭和50年 警察白書>図4-31 性犯少年の人員と人口比』] 1975年 [[警察庁]]</ref>。[[1975年]]上半期の時点では、全国に571グループ、約2万3千人が存在しており<ref group="注釈" name="KC1975"> {| class="wikitable" style="text-align: center;" !colspan="9"|警察庁資料(1975年) |- !colspan="5"|年齢構成||rowspan="16"| ||colspan="3"|職業構成 |- !年齢!!東京!!神奈川!!秋田!!大阪!!職業||東京||秋田 |- !15歳以下 ||―||0.3%||0.5%||rowspan="3"|― !高校生 |45.0%||9.0% |- !16歳 |19.3%||10.8%||1.3% !大学生 |5.4%||1.5% |- !17歳 |35.4%||24.2%||10.0% !公務員 |0.5%||1.3% |- !18歳 |13.5%||20.8%||15.1%||8.8% !会社員 |12.8%||15.8% |- !19歳 |12.2%||13.8%||15.1%||31.6% !店員 ||11.4%||17.6% |- !小計!!80.4%!!69.9%!!41.9%!!40.3%!!運転手 ||3.9%||5.6% |- !20歳 ||9.8%||13.7%||23.8%||21.6% !自動車修理 |colspan="2"|― |- !21歳 ||4.3%||7.6%||17.9%||10.0% !工員 |colspan="2"|9.2% |- !22歳 ||1.4%||3.3%||7.9%||9.1% !土建業 |3.6%||12.8% |- !23歳 ||2.0%||2.8%||4.9%||4.1% !農業 |―||11.8% |- !24歳 ||0.7%||1.5%||1.5%||2.8% !家事手伝い |6.4%||― |- !25歳 ||1.2%||0.5%||rowspan="2"|2.0%||rowspan="2"|2.2%(※) !無職 |2.0%||11.8% |- !26歳以上 ||0.7%||― !その他 |―||6.1% |- !サンプル数!!4,994名!!1,201名!!391名!!320名!!サンプル数||4,994名||391名 |} ※25 - 29歳まで </ref>、包丁、[[火炎瓶]]、[[ヌンチャク]]、角材や木刀などで武装するグループも現れた。グループ同士の対立の増加は、結果として「自衛を目的とした連合の結成」を促すこととなり、1975年ごろの大組織の台頭は小組織の小競り合いを減らした反面、抗争の規模を肥大化させ<ref group="注釈" name="1975-06-08_400vs200">特に大規模な抗争の例として、1975年6月8日に[[国道134号]]で、東京の暴走族([[ブラックエンペラー]]、ルート20、スペクター、アーリーキャッツなど)400名と、神奈川と横須賀の暴走族(ピエロ、ホワイトナックル、崇族、邪道会など)の連盟200名が、同年5月8日に起こった傘下グループ間の諍いを理由に大乱闘を行った。4台の車両が炎上、21台が大破、相当数の負傷者を出した。のちに神奈川県警の[[鎌倉警察署]]はこの件に関する捜査本部を設置し、抗争に関与した者の一部を逮捕した。</ref>、グループ同士の争いのみならず、暴徒化した一般の群衆を巻き込んだ暴動にまで発展する事もあった<ref group="注釈" name="1975-5-17_Hyougo+Aichi">特に大規模な暴動の例として、1975年5月17日に[[兵庫県]][[神戸市]]で、約3,000名の群衆が250台の暴走族車両と合流し[[フラワーロード]]を占拠した。タクシーを横転させ、立看板に放火、建物の窓ガラスを割り、警察官や派出所へ投石し44名の警察官を負傷させた。また同日には[[愛知県]][[岡崎市]]でも、約500名の暴走族と約1,000名の群集が国道を占拠し、愛知県警の警察部隊と衝突する事件があった。</ref>。この時代になると、社会の安全を脅かす存在として、従来の「モラトリアムの範疇」という論は低調になっていった。 [[1978年]]に道路交通法の改正により「共同危険行為等禁止規定」が新設され、一旦は鳴りを潜めたが以後も再び勢威は増していった。元来のカミナリ族の嗜好に相当する、運転技術を重視するスタイルの者は、仲間うちで「街道レーサー」と呼ばれた後に「[[走り屋]]」を自称しその様態は存続し続けるが、一時的に社会の注目は薄れていく。 === 共同危険型の盛衰 === [[1980年]]前後に暴走族は最盛期を迎えた。警察庁の1980年11月調査<!--1981年1月22日に発表-->では、全国で754グループ、38,902名の暴走族が確認された。これは1980年6月に比べて10.8%増の数字である(女性暴走族は948名から1,426名に増加)。低年齢化も進み、15歳以下の構成員は、[[1976年]]当時の47名から1,208名へと約25倍になっていた。[[1981年]]にもグループ数は更に増加し、835グループが確認され、8,255名が検挙された(前年比82.5%増)。 彼らは、パンチパーマに剃り込みを入れた髪型に、[[刺繍]]などの装飾を施した[[特攻服]]を着用、自身らのことを“[[ツッパリ]]”という語で呼ぶようになり、徒党を組んで集会などを行った。この後、「ツッパリ」は暴走族以外にも拡大し、次第に不良行為を行うことで自己を顕示する少年少女らのスタイルとして定着するようになる。ツッパリファッションを身にまとった「リーゼントロック」<ref group="注釈" name="rock">[[キャロル (バンド)|キャロル]]や[[クールス]]、[[ダウン・タウン・ブギウギ・バンド]]、1980年にデビューした[[横浜銀蝿]]など</ref>[[バンド_(音楽)|音楽バンド]]が、当時の[[管理教育]]に反発する少年層の間で大流行し、ツッパリファッションを子猫に着せた「[[なめ猫]]グッズ」が発売されたのもこの時期である。 しかし暴走族文化の拡大とともに、本来は「10代の若者が、学校や社会に反発していることを示す行動様式」とされた暴走族は、次第にOBを含めた上下関係や既存の暴力団との繋がりを持ち、グループ内の制約遵守や規律を守らない構成員に対する制裁などの掟に、構成員はがんじがらめとなってきた。若者を取り巻く環境の変化に伴って、この厳しい伝統的拘束を嫌う傾向が青少年層に強く見られるようになる。地縁で結ばれた先輩後輩関係の強力なリーダーシップの希薄化、集団行動への忌避意識の高まりといった風潮の影響も受け、大きな責任を背負って主従関係を維持し、組織を編成・運営していくスタイルは成り立ちにくくなってくる。 これに替わって、[[1980年代]]半ば以降の大都市においては、厳しい上下関係を嫌う者たちが、アメリカの[[ストリートギャング]]を真似た「[[カラーギャング]]」や「[[チーマー]]」と呼ばれる集団へ流れる傾向が見られた。[[1990年代]]以降では少年向けファッション誌などの登場に代表されるファッション性重視の少年層増加に伴い、旧来の特攻服をまとったスタイルに垢抜けない「時代遅れ」的なイメージを持つ傾向が強まり、暴走族文化は若者の間で次第に廃れていった。 === 違法競走型への移行と高年齢化=== こうした流れを受け、仲の良い不良少年同士が組織やルールといった従来スタイルに囚われずに、多くても十数名程度の小集団で適当に集まって散発的な暴走行為を行うケースが主流となっていった。これらでは、従来の「[[ヤンキー (不良少年)|ヤンキースタイル]]」をしているケースは稀で、大集団となる傾向は見られない。また、バイクのアクセル音でリズムを刻むことを追求したり、ただ単に「乗りたい」というだけの行動や、走りを重視するゼロヨン族やドリフト族など、新しい形態の暴走族に姿を変えていく傾向が見られ、社会への反抗といった思想性や既存の特定集団への帰属意識は薄れていく。警察でも従来の調査方法では実態を把握しづらくなってきたことから、[[1994年]]からは「従来型」の暴走族に対し、ローリング族やゼロヨン族を「非従来型」として分離して統計を取るようになった。これによって、[[1995年]]には暴走族総数のうち非従来型の暴走族の割合が26.4%を超えていることが判明するなど存在感が増し<ref>[http://www.npa.go.jp/hakusyo/h09/h090202.html 警察庁『平成9年 警察白書』「第2節 高齢者を中心とした安全の確保と地域・ボランティア活動 - 3 運転者の特性に応じた交通警察活動 - (4) 総合的な暴走族対策の推進 - ア 暴走族の実態と動向」]</ref>、彼らが高速道路や山岳道路を占拠する状況が社会問題として取りざたされることも増えてきた。警察では[[1999年]]から、従来型の暴走族を「共同危険型暴走族」、非従来型を「違法競走型暴走族」と呼ぶようになっている<ref>[http://www.npa.go.jp/hakusyo/h11/h110500.html 警察庁『平成11年 警察白書』「第5章 安全かつ快適な交通の確保 - 5 交通秩序の確立 - (3) 総合的な暴走族対策の推進 - ア 暴走族の実態と動向」]</ref>。 一方で、地方では「ヤンキースタイル」が社会的反抗の様式として伝統的に残っている地域・集団もあり、ある種の「モラトリアム・ファッション」として共同危険型暴走族の形を取る少年が見られる。ただ、これらは1980年代の懐古趣味スタイルという位置付けで、個人が単なるファッションとしてそれを行っているに過ぎないケースも多く見られ、やはり思想背景は含まないものとなっている。 社会環境としても、地域の繁華街や観光地・イベントで周囲を威嚇するなどの行為への対策として、2002年に[[広島市]]で[[暴走族追放条例]]が施行<ref group="注釈" name="Hiroshima_ebisukou">広島市では、暴走族が「えびす講祭り」を幹部卒業式と位置づけて、集団で練り歩くなどの示威活動を行って来た背景があり、祭り自体の治安悪化が問題となっていた。この条例制定以降はえびす講期間中における暴走族のトラブルは激減した。→参考:[[1999年胡子講暴挙事件]]、[[広島市暴走族追放条例事件]]</ref>されたのを皮切りに、全国の自治体で暴走族の取り締まりを目的とする条例を制定する動きが広がった。2004年には、道路交通法改正により、共同危険行為の摘発に際して必要だった被害者の証言が不要となり、現場の警察官の現認のみで逮捕が可能となった。全国のグループ構成員の総数は、1982年の4万2510人をピークとしてその後は減り続け、2005年には1万5086人となっている。2010年には、警察庁が統計を取るようになった1975年以降で初めて1万人を下回る9064人となったが、その過半数は特定のグループに加入していない者たちであるため、たとえ一部の者を逮捕しても他の暴走族の情報を入手しづらいことから、全体像の実態把握を難しくしている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110210/dst11021010070001-n1.htm MSN産経ニュース「全国の暴走族、初めて1万人切る 上下関係や「おきて」の厳しさ敬遠」(2011年2月10日)]</ref>。 共同危険型暴走族は減少しているものの、違法競走型暴走族の摘発はむしろ増加しており、そのうえ違法競走型暴走族の場合は、大規模に集団走行している場合を除いて共同危険行為による摘発が難しいことが問題となっている<ref>[http://www.47news.jp/CN/200802/CN2008020701000184.html 47NEWS(よんななニュース)「暴走行為「違法競走」増加 ルーレット族が問題に」【共同通信】(2008年2月7日)]</ref>。 2013年現在の暴走族構成員は最盛期の1/6となる6933人、グループ数は最盛期の1/5となる327団体と大幅に減っており、今後も減少傾向が続くと予想されている<ref>[http://response.jp/article/2014/02/15/217288.html レスポンス - 暴走族の減少傾向続く、構成員数は7000人を割り込む…警察庁調べ(2014年02月15日)] - [[Response.]](2014年6月5日閲覧)</ref>。 若者離れの影響により、従来であれば後輩を加入させることで「成人したら引退する」といった慣習があったとされる共同危険型暴走族では、既存構成員が成人になった後もずるずると所属し続けたり、勢力維持のために成人OBを呼び戻す例が増えるようになった。加えて2000年前後からは、OBや未経験者の成人が独自に暴走族を結成した「[[旧車會]]」も現れるようになった。もともと年齢層が高めな傾向がある違法競走型暴走族の場合も、2008年には50歳代2人を含むグループが検挙されており<ref>[http://response.jp/issue/2008/1208/article117548_1.html Response.「違法競争型暴走族を摘発、参加メンバーには50歳代も」(2008年12月8日)]</ref>高年齢化が進行している。暴走族構成員の平均年齢は年々上がってきており2006年からは成人が過半数となった<ref>[http://www.npa.go.jp/hakusyo/h19/honbun/html/j3a00000.html 警察庁『平成19年 警察白書』「第3章 安全かつ快適な交通の確保 - 10 総合的な暴走族対策の推進 - (1) 暴走族の実態と動向」]</ref>。30歳代から40歳代の成人が検挙されるなど、相対的に少年層よりもこれらの活動のほうが活発という地域も発生し、さらに暴走族の平均年齢を押し上げる要因となっている。 == 社会の対応 == 1970年代以降は、不良少年が既存の暴走族グループに居場所を求め急速に規模を拡大していた。また、暴走族の中に特定のファッションやスタイルが生まれると、これに憧れや興味を持った少年を更に集めていく循環に陥り、未成年の比率が80 - 90%を占めていた。一方で、これらに対しては「社会に適応する準備段階において発生する反発」や「まだ方向を見出せない若いエネルギーの発散」の範疇として、迷惑行為とはされながらも[[モラトリアム]]として容認される向きもあり、警察側も無理な追跡は(事故を防止する上でも)避けるといった傾向も見られたが、次第に道路の占拠や騒音で迷惑度を高め、抗争や暴徒化で暴力事件を引き起こすなど凶悪化していくと、傷害や窃盗などで検挙されることも増えてきた。こうした状況の解決には、カミナリ族の勃興当時には単なる交通違反の取り締まりとして対応されていた状況から、交通違反のみではなく[[三ない運動]]のように家庭や学校などを含めた少年非行問題としての対策へと転換する必要に迫られた。 [[File:1.11_005.jpg|thumb|センターライン上にチャッターバーが設置された峠道]] 一方で、このような未成年者の問題とは異なり、違法競走型暴走族は構成員の社会属性などに特定の共通性を見いだしづらく、また成人が多くなった現在の共同危険型暴走族も同様であることから、そういったものへの対策は交通違反を逐一取り締まっていく従来型が主となる。ルーレット族の集会や[[初日の出暴走]]のように規模の大きなものには、パーキングエリア内の集団を解散させたり検問を行うなどして取り締まっている。違法競走型暴走族の大規模な暴走行為にも共同危険行為が適用されている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090803/crm0908031128006-n1.htm MSN産経ニュース「「捕まっても公道でまた走る!」ドリフト族の大御所40歳を道交法違反容疑で逮捕」(2009年8月3日)]</ref>。しかし、一人もしくは少数グループでのゲリラ的な活動が増加しており、それらの取り締まりは非常に困難である。ドリフト族への予防的対策としては、カーブの路面に凹凸を設けたり、センターライン上に[[チャッターバー]]を設置したりすることや、峠道入り口での検問や夜間閉鎖などの措置が取られている。 [[暴力団]]が一部の暴走族を組織化し、一定の庇護や武器・薬物の提供を見返りに、上納金を納めさせて資金源とする例も見られる。暴走族構成員の少年にアルバイトを世話したり、パーティー会場を斡旋してパーティー券を販売させるなどで、その収益の一部を手数料や上納金として徴収する。1977年からは暴走族の[[違法薬物]]による検挙が顕在化している<ref>[http://www.npa.go.jp/hakusyo/s53/s530700.html 『昭和53年 警察白書』「第7章 交通安全と警察活動 - 6 暴走族の動向と対策 - (2) 特徴的傾向」]</ref>。暴力団と一定の関係を持つ暴走族では、構成員の一部が暴走族「卒業」後に暴力団員として雇用され、暴力団の予備軍的存在となっており、暴力団との関係を断つためにこうした暴走族の解体も図られている。 === 暴走族への助長の禁止 === 法律では暴走族および違法改造車に対して、給油や車検など「暴走族を利する行為」を明確に禁止する規定がないが、その代替として各都道府県の条例により、暴走族や違法改造車に対し違法行為の助長を禁止している例はある。 [[熊本県]]の「熊本県暴走行為の防止に関する条例」を例とすれば、同条例で暴走族および違法改造車に対し、以下のような行為(暴走族の助長)を禁止している。 * (暴走行為を助長する改造の禁止)暴走行為を助長するような自動車等の改造をしてはならない(条例第5条1項) * (違法改造車への給油の禁止)整備不良車両もしくは[[ナンバープレート|車両番号票]]を取り外し、隠ぺいし、若しくは折り曲げた自動車等の運転者に対し燃料を販売してはならない(条例第5条2項) * ([[特攻服]]、旗の製造の禁止)衣服、はちまき、旗等の刺しゅう又は印刷を業とする者は、衣服等に暴走行為を行う集団の名称その他暴走行為に関する表示の刺しゅう又は印刷をしてはならない(条例第5条3項) === 呼び換え運動 === 暴走族が様々な迷惑行為で社会問題視されている一方、主として地方の青少年にとって、漫画や映画などの若者文化で暴走族を「格好良い」などと賛美し、憧れや友情の対象とする者もおり、そういった者たちの中には実際に暴走族に加入して、同種の問題行動に走ることも懸念される。 このため、従来よりあるこういった価値観を全て否定し、ともすれば揶揄することで「格好悪い」ものであると位置づけ、参加者や憧れを持つ少年少女らを減らそうという運動も見られる。これらでは、暴走族そのものはもちろん、「暴走行為を見物」や「違法改造車への車検、給油」で「暴走族を助長」する行動も否定したり、あるいはそういった見物するなど関心がある側と暴走族そのものを分断するためのイメージ戦略も見られる。 ; 珍走団 : おもに深夜ラジオ番組のいくつかで「暴走族に代わる表現」をリスナーから募集した<ref>[[パーソナリティ]]は[[笑福亭鶴光]]、[[所ジョージ]]、[[みうらじゅん]]など。</ref>、その中に「珍走団」はあった。ある番組{{要出典|date=2014年7月|title=該当番組の指定を要請}}で「暴走族から珍走団に改称しよう」と運動したが範囲は番組リスナー内外に留まり「珍走団」は忘れさられようとしていたが[[2001年]]に[[2ちゃんねる]]の[[スレッドフロート型掲示板|スレッド]]「【__暴走族の名前が変わりました___】」で再提起された<ref>[[2ちゃんねる]]・[[裏社会 (2ちゃんねるカテゴリ)|裏社会カテゴリ]]・[[裏社会 (2ちゃんねるカテゴリ)#ちくり裏事情板|ちくり裏事情@@2ch掲示板]][http://yasai.2ch.net/company/kako/978/978969224.html 「__暴走族の名前が変わりました___」]2001年1月9日〜2001年1月11日 - [[データログ|過去ログ]] (2014年3月9日閲覧)</ref>。ここから「暴走族」という呼称を、迫力のない「珍走団(ちんそうだん)」という呼称に言い換えようという運動、いわゆる「珍呼運動(ちんこうんどう)」が[[インターネット]]上で発生した。同様に各「専門用語」も、「レディース」→ 「女珍、女珍団(にょちん、にょちんだん)」、冬季の「[[徒歩暴走族]]」→「珍歩団(ちんぽだん)」、「特攻服」→「珍行服・珍服、[[寿司屋]]の[[茶碗#cup|湯呑み]]」、「族車」→「珍車、珍装車」などと格好悪く言い換えることも提唱されている<ref name="chinsou-yougo">[https://web.archive.org/web/20081006083855/http://chinsou.hp.infoseek.co.jp/whatchin.htm#■知って得する珍走団用語 暴走族を珍走団とお呼び - 珍走団について - 珍走団ってなんだ!? - 知って得する珍走団用語] - 暴走族を珍走団とお呼び - データなし(2008年10月6日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref><ref name="tanteifile">[http://www.tanteifile.com/tamashii/scoop/0301/21_01/ #探偵ファイル/探偵魂 - カッコ悪く呼ぼう!〜「暴走族を珍走団と呼ぼう!」運動は今〜] - [[探偵ファイル]](2014年6月15日閲覧)</ref>。 : この運動を閲覧した[[ダウンタウン (お笑いコンビ)|ダウンタウン]]の[[松本人志]]がテレビ番組内で紹介したことで広く知られることとなった。[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]の<!--冠番組-->『[[ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!]]』において、「何もわざわざカッコエェ名前を付ける必要がないじゃないかっていう動きがあって、今は暴走族と言わずに、”珍走団”って呼ぼうと~~」と発言している{{要出典|date=2014年3月|title=該当発言のある番組の放送年月日の指定を要請}}。松本は著書『松本人志の人生相談 プレイ坊主』([[集英社]]『[[週刊プレイボーイ]]』連載の書籍化・2002年刊)においても「暴走族を珍走団と呼びかえる動きがある」と書いている{{要出典|date=2014年3月|title=該当記述の頁指定を要請}}。また、[[讀賣テレビ放送|よみうりテレビ]]『[[たかじんのそこまで言って委員会]]』において、「[[援助交際]]」や「プチ整形」など罪悪感を薄れさせる言い換え語への反発から生まれた「マイナスイメージに塗りかえる言い換え語」の一例として、珍呼運動が取り上げられたことがある{{要出典|date=2014年3月|title=該当番組の放送年月日の指定を要請}}。なお、同番組にパネラーとして出演もしている[[コラムニスト]]・[[勝谷誠彦]]は、[[朝日放送]]の情報番組『[[ムーブ!]]』において「今どきの暴走族事情」が取り上げられた際{{要出典|date=2014年3月|title=該当番組の放送年月日の指定を要請}}、「『暴走族』なんて呼ぶから付け上がる。『珍走族』と呼びかえるべき」と発言している{{要出典|date=2014年3月|title=該当発言のある番組の放送年月日の指定を要請}}。これらの番組以外でも、2003年の時点で既に[[ABCテレビ]]の『[[ワイドABCDE〜す]]』で紹介されており<ref name="tanteifile"/>、2010年代には、[[テレビ東京]]の[[ドキュメンタリー]][[特別番組]]『[[激録・警察密着24時!!]]』([[2012年]][[7月1日]]放送の第17回<ref name="gekiroku_120701">[http://www.tv-tokyo.co.jp/gekiroku/gekiroku_120701/ 激録・警察密着24時!!〜絶対!逃がさない〜:テレビ東京]</ref>)で「珍走団」の語を使用する{{要出典|date=2014年3月}}など、テレビ番組でたびたび取り上げられた事例がある。 : テレビ以外では、漫画やゲームなどのインターネット文化と親和性の高いメディアで扱われている。例としては、『[[GANTZ]]』([[奥浩哉]])<ref name="oku-gantz-v5">[[奥浩哉]] 『[[GANTZ]]』 第5巻、2002年2月24日発行、ISBN 978-4-0887-6267-8、p126、「チンソうダン」の語句を使用した例。</ref>や『[[警死庁24時]]』([[大和田秀樹]])<ref name="oowada-24ji-v2">[[大和田秀樹]] 『[[警死庁24時]]』 第2巻、2002年5月1日発行、ISBN 978-4-0471-3489-8、p13、「珍走団」の語句を使用した例。</ref>などの漫画、{{要検証範囲|date=2014年3月|2008年発売の[[美少女ゲーム]]『[[G線上の魔王]]』([[あかべぇそふとつぅ]])などで、「珍走団」と呼ぶシーンがある}}。また、{{要検証範囲|date=2014年3月|2007年発売のゲームソフト『[[ことばのパズル もじぴったんDS]]』([[バンダイナムコゲームズ]])で「ちんそうだん」を検索すると「珍走団」に変換される}}。他にもゲーム情報誌『[[ゲームラボ]]』([[三才ブックス]])2010年7月号における第2特集「ヤンキーゲーム特集」<ref>[http://www.sansaibooks.co.jp/gl/%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0%e3%83%a9%e3%83%9c-2010%e5%b9%b47%e6%9c%88%e5%8f%b7.html ゲームラボ 2010年7月号 三才ブックス](2014年3月11日閲覧)</ref>記事中には、「暴走族は『珍走団』『ダサイ族』と呼びかえられ…」という記述が見られる{{要出典|date=2014年3月|title=該当記述の頁指定を要請}}。また同特集では、[[暴走族漫画]]を多く手がける[[漫画原作者]][[佐木飛朗斗]]へのインタビュー記事も掲載され、インタビュアーの発言の中に「珍走団」の語句がある{{要出典|date=2014年3月|title=該当記述の頁指定を要請}}。 : しかし、語感が不謹慎で冗談としての[[隠語]]([[2ちゃんねる用語]])の域を脱しておらず、報道機関や一般社会に浸透しているかは不明である。用語としてインターネット辞典に載る程度の認知度はあるが、インターネットスラングであるともされている<ref>[http://www.weblio.jp/content/%E7%8F%8D%E5%91%BC%E9%81%8B%E5%8B%95 珍呼運動とは - 日本語表現辞典 Weblio辞書] - [[Weblio]]による解説(2014年3月9日閲覧)</ref><ref>[http://www.weblio.jp/content/%E7%8F%8D%E8%B5%B0%E5%9B%A3 珍走団とは - 日本語表現辞典 Weblio辞書] - Weblioによる解説(2014年3月9日閲覧)</ref>。 : 一方で、自治体や都道府県警察により、暴走族追放キャンペーンの際に使用された例も存在する。[[福岡県]][[福岡市]]および[[福岡県警察]]では2003年の時点で<ref>[http://response.jp/article/2003/04/22/50514.html レスポンス 「最近は珍走団って言うらしいよ---女の子にもてたいなら族を抜けな、と警察」 2003年4月22日] [[Response.]](2014年3月9日閲覧)</ref>、[[愛媛県]]および[[愛媛県警察]]では2004年の時点で<ref>[https://web.archive.org/web/20091218005359/http://www.pref.ehime.jp/hiroba/hiro1606.htm 愛媛県庁公式ホームページ えひめ交通安全のひろば 2004年6月1日] - データなし(2009年12月18日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>、それぞれ「珍走団」の用語を使用している。また、非公式のコメントながら、2003年の朝日新聞の取材の際に大阪府警幹部から「珍走団」の用語が語られた事例もある<ref>[http://web.archive.org/web/20030210111249/http://www.asahi.com/osaka/021030f.html asahi.com TODAY'S関西 - 暴走できんでなにわの「族」 ビデオで特定 罰則厳しく] - [[朝日新聞デジタル]] - データなし(2003年2月10日時点のアーカイブ)</ref>。 ; ダサイ族 : [[沖縄県]][[宜野湾市]]の[[宜野湾警察署]]は、市民生活を脅かす集団暴走行為のイメージダウンを狙った名称を公募し、2009年に「ダサイ族」の呼称を選定した<ref name="ryukyushimpo_2009-06-01">[http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-145370-storytopic-5.html 琉球新報記事「暴走族は「ダサイ族」・宜野湾署命名、イメージダウン狙う」]</ref>。同選考では寄せられた685点から一次選考・二次選考を経て「よわむし族」「ゴキブリ族」「ダサイ族」を選び、三次選考で同名称が決定した<ref name="ryukyushimpo_2009-06-01"></ref>。同署では今後標語などに同語を使ってイメージダウンを図り、暴走行為を見物する「期待族」の減少に期待したいとしている<ref name="ryukyushimpo_2009-06-01"></ref>。 == 暴走族の文化 == [[File:Hashiriya002.JPG|thumb|共同危険型暴走族にステッカーを貼られたガードレール([[山梨県]][[道志村]]の[[国道413号]]線)]] 暴走族は自分たちの存在を誇示するために、それぞれ固有の旗やユニフォームを持っている場合があり、それを表す文字や記号を沿道の建築物の壁面や塀、道路設備(電柱や立看板)などに落書きしまたステッカーを貼るなどの縄張り宣言、[[ヴァンダリズム]]が行われることもある。共同危険型暴走族は、それに[[当て字]]でわざと[[旧字体]]のような難しい字や意味のよくない漢字を用いることが多い(例:「夜露死苦(よろしく)」「愛羅武勇(アイ・ラブ・ユー)」)。 服装は、共同危険型暴走族の場合、かつては[[特攻服]]や[[甚平]]などが多かったが、そういった文化が廃れた地域では通常の私服が多くなってきている。[[ヘルメット (オートバイ)|ヘルメット]]は基本的に着用しないか、半キャップ(半帽、半ヘル)と呼ばれるヘルメットを被らずに首に引っ掛けるだけや、あご紐をきちんとかけていない姿が多く見られる(転倒など怖くないがキップを切られるから仕方なく被っている、という姿勢のアピール)。対して違法競走型暴走族はこのような服装はとらず、共同危険型暴走族のイメージと同一視されることを嫌う傾向もある。違法競走型暴走族は「走り屋」の自称に拘るなど違法性(またはその可能性)に対する意識が共同危険型暴走族よりも希薄で、あくまでも自らの活動は各個人の運転欲求に伴う「趣味」だと捉え、一般から迷惑行為と判断される状況を、自分たちは社会から冷遇されているのだと認識している傾向にある。 アマチュア・モータースポーツとして正規の[[サーキット]]で合法的に走行を楽しんでいながらも、同時に公道暴走も行っている者も少なからず存在する。さらには、[[土屋圭市]]ら公道暴走活動からプロの[[ツーリングカー]][[レーサー]]になった人物もおり、[[モータースポーツ]]の中でもツーリングカーレースや二輪レースは違法競走型暴走族の行動形態と親和性が高いため(漫画『[[バリバリ伝説]]』のストーリーは典型)、違法競走型暴走族をこれらモータースポーツの「登竜門」として肯定的に捉える言説もある。日本における二輪レースのイメージが四輪レースに比べて未だに悪い要因は、これらのネガティブイメージに起因しており、二輪モータースポーツ振興の妨げとなっていると見る向きも多い。 違法競走型暴走族の車を待ち伏せして襲う「走り屋狩り」や「つぶし屋」などを行う共同危険型暴走族も存在する。騒音や危険運転など両者の行為一般は似ている面が多く、いわゆる威圧、嫌がらせ目的であったり単に憂さ晴らしである場合が多いとされるが、それに加えて高級スポーツカーや大金を投じた改造車など、経済的に裕福そうな違法競走型暴走族を対象とした恐喝、強盗も少なからず存在している。 二輪車の運転免許を取得できない小・中学生や未取得の高校生の中には、[[自転車]]に乗って共同危険型暴走族のような運転を行う「自転車暴走族」も存在する。これらについては、道路交通法の「軽車両の並進の禁止」での検挙が行われている<ref>[http://response.jp/article/2004/07/06/61885.html Response.「自転車暴走族、秋田で少年9人を検挙」(2004年7月6日)]</ref><ref>[http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/182894 西日本新聞「“自転車暴走族”を摘発 「並進禁止」県内初適用 筑後署 3少年家裁送致」(2010年7月7日)]{{リンク切れ|date=2014年5月8日}}</ref>。暴走族への憧れから、自転車に[[カウル]]や[[マフラー (原動機)|マフラー]]などを模した飾りをつけて、共同危険型暴走族の「族車」に見立てた「[[改チャリ]]」にしている場合もある。 === 車両 === 暴走族が乗る車両はほぼ例外なく改造が施されることが通例で、騒音規制や二輪・四輪車の保安基準に違反する違法改造である場合が大半である(無改造車であっても、暴走行為自体はできる)。 共同危険型暴走族は装飾性に重点が置かれる「[[改造車|カスタムカー]]」のスタイルを取るのに対して、違法競走型暴走族は走行性能の向上を目的に行われる「[[チューニングカー]]」のスタイルとなっている。また、共同危険型は意図的に騒音を大きくするための改造が行われ、違法競走型の場合も性能向上が結果的に騒音を生むため、どちらの車両でも一般車と比べて騒音性が高い。共同危険型の車両は「族車」という俗称で呼ばれることがある。 元になる車両はどちらも国産車が中心になっている。共同危険型では希少な1980年代の旧型車が二輪・四輪ともに人気が高く、四輪車は普通乗用車([[日本のナンバープレート#分類番号|3ナンバー]])の[[セダン]](特に[[後輪駆動#フロントエンジン・リアドライブ方式|FR]]車)が多いが、他にも[[ミニバン]]を派手に改造・装飾する「[[バニング]]」や、高級セダンを独特の改造を施す「[[VIPカー]]」と呼ばれるものなど、それぞれの嗜好に応じて多様な車種が用いられる。違法競走型では、速さを競う必然上から走行性能上位車種に限定され、二輪車は[[スーパースポーツ]]やプロの競技用車両をスペックダウンした「レーサーレプリカ」、四輪車は[[スポーツカー]]と、それに準ずる[[スポーツセダン]]や[[ライトウェイトスポーツ]]などの「スポーティーカー」が多い。車両価格が高価なため少数派ではあるが、日本国外のスポーツカーに乗っている者も存在する<ref group="注釈">なお、スポーツ需要に関しては国産車のラインナップが壊滅的であることから販売台数の多い中古輸入車をベースにする動きもあった。</ref>。 ==== 違法改造 ==== [[Image:cb400n.jpg|thumb|共同危険型暴走族の改造を模した[[ホンダ・ホーク#ホークIII/CB400N|ホンダ・ホークIII/CB400N]]の[[プラモデル]]]] 装飾については、違法競走型も一部装飾性の高い[[エアロパーツ]]やステッカーなどが施される場合もあるものの、見た目の特異さは共同危険型の方がより強い。二輪車の場合、「[[三段シート]]」「爆音[[マフラー (原動機)|マフラー]]([[消音器]]がない直管、また特殊構造で[[メガホン]]化し騒音を増幅する)」「絞り[[ステアリング|ハンドル]]」又は「アップハンドル」の装備が基本で、加えて、派手な模様などの塗装、「ツッパリ[[テールフィン|テール]]」「ロケット[[カウル]]」「布たれ風防」などの装飾部品を装着する。非常に高い二連ロケットカウルと[[イルミネーション|電飾]]を装着した二輪車は「ブチ上げ」と呼ばれる。赤く発光することが義務である[[尾灯]]を白く変える者、白の不動光が義務である[[前照灯]]を閃光を放つように改造する者もいる。四輪の場合、車高を下げる「[[シャコタン]](ローダウン)」、[[タイヤ]]のサイズダウン、「爆音マフラー」装着が基本で、加えて「ロングノーズ(前方に突き出した[[ボンネット]])」「デッパ(出っ歯:鋭利な[[エアロパーツ#フロントスポイラー|チンスポイラー]])」「竹槍マフラー(跳ね上げた長いマフラー)」「オーバー[[フェンダー (自動車)|フェンダー]]」などの装飾部品を装着することが多い。装飾部品はかつて、町工場クラスの所で製造されていた。 これらにより、共同危険型の車両は走行特性が著しく低下している。ローダウン車では一般道の数ミリ程度の凹凸でもシャーシ底面をぶつけて壊すことがあり、スポイラーやフェンダーのアプローチアングルが低過ぎて一部[[踏切]]などの段差を越えられない車両も存在する。ロケットカウルやブチ上げは空力抵抗を無視し目立つことだけを考えた造作である。マフラーを外した二輪車では[[2ストローク機関|2サイクルエンジン]]の吸気効率の低下(→[[チャンバー]])などといった制約を抱えており、極端な低速走行であることが多い。特に二輪車の場合は盗難車を改造していることもよくあるため、盗難被害に遭って返って来た車両が、一般には乗用に適さないほどになっている事例もある。 共同危険型車両が当初目指したのは、「[[チョッパー]]」(映画『[[イージー・ライダー]]』などに登場した改造車)仕様、並びに「レーサー」仕様、「[[プレスライダー]]」仕様を、それぞれ再現することである。 チョッパー仕様の場合、当時の輸入二輪車両は100万円 - 300万円もしたため、購入可能な国産二輪車で、アップハンドルは絞りハンドルで、シーシーバー(背凭れ)は三段シートで、フィッシュテールのマフラーは竹槍マフラーでそれぞれ再現しようとした。 レーサー仕様ではロケットカウルを取り付けることになる。本物のレーサーの場合、セパレートハンドルなどで低い位置にハンドルを取り付けているが、市販車にそのまま取り付けるとハンドルとカウルが干渉してしまう。対処法としてカウル自体をハンドルが干渉しない位置に取り付ける方法と、ハンドルを絞りハンドルにしてカウルとの干渉を避ける方法があった。前者の場合、当時の市販車のハンドル高にあわせると必然的にカウル取り付け位置は高くなる。 プレスライダー仕様の場合には、手本となる仕様自体が市販の国産二輪車を改造したものであるため、他の仕様と比べて再現度が一番高い。当時のプレスライダーが乗る二輪車では、渋滞中のすり抜けを行う際にハンドルが四輪車のサイドミラー<ref group="注釈" name="pres">当時の四輪車のサイドミラーはドアミラーが認可されていなかったことからフェンダーミラーである。</ref>と当たるのを避けるために絞りハンドルや鬼ハンドルに改造したり、風圧による疲労低減のために布たれ風防<ref group="注釈" name="windshield">当時ビキニカウルは一般的ではなく、布とプラスチックシールドのいわゆる「風防」である。</ref>をつけている者がいた。また、彼らは所属する報道機関の旗をつけるために旗棒を取り付けていた。 こうした成り立ちに対して、世代が変わる毎に理念は失われ、個々の改造が「何故その仕様になったのか」に関係なく全てを取り込むようになり、派手さを強調する方向へ変化していった。 「レディース」の場合、[[スクーター]]タイプの原動機付自転車が使われることが多く、[[シール]]や[[フィルム#装飾フィルム|カッティングシート]]などで装飾したり、ナンバープレートを着脱ないし可倒式などで偽装することはあっても、車両自体は改造されていないことが多い。 ==== ベース車種 ==== 二輪車・四輪車ともに特定の車種が好まれる傾向にある。 二輪車の場合、共同危険型では、1970年代のモデルでは[[本田技研工業|ホンダ]][[ホンダ・ドリームCB750FOUR|CB750FOUR]]、[[川崎重工業|カワサキ]][[カワサキ・750RS|750RS(Z2)]]、[[カワサキ・マッハ#750SS MACH IV (H2) |750SS MACH]]、[[スズキ (企業)|スズキ]][[スズキ・GT750|GT750]]、[[ヤマハ発動機|ヤマハ]][[ヤマハ・TX|TX750]]などが人気である。 大型二輪免許規制後は、ホンダ[[ホンダ・CB400FOUR|CB400FOUR(ヨンフォア)]]、[[ホンダ・CBX400F|CBX400F]]、[[ホンダ・CBR400F|CBR400F]]、[[ホンダ・CB400TホークII|ホークII/ホーク III(バブ)]]、スズキ[[スズキ・GS400E|GS400E]]、[[スズキ・GSX400F|GSX400F]]/[[スズキ・GSX400インパルス#初代 GSX400FS|GSX400FSインパルス]]、[[スズキ・GSX400|GSX400/250Eカタナ(ゴキ)]]、[[スズキ・GSX400|GSX400/250E(ザリ)]]、[[スズキ・GT380|GT380(サンパチ)]]、[[スズキ・RG250|RG250]]、カワサキ[[カワサキ・Z400FX|Z400FX(フェックス)]]、[[カワサキ・Z400GP|Z400GP]]、[[カワサキ・GPz400|GPZ400/GPZ400F]]、[[カワサキ・KH|KH400/250(ケッチ)]]、[[カワサキ・マッハ|SS350/250(マッハ)]]、[[カワサキ・Z250FT|Z250FT]]、ヤマハ[[ヤマハ・XJ400|XJ400E]]、[[ヤマハ・RD|RD400]]、[[ヤマハ・RZ|RZ250/350]]など。 1990年代以降の高年式車としては、[[カワサキ・ゼファー|カワサキ・ZEPHYR]]や[[ホンダ・CB400スーパーフォア|ホンダ・CB400SF]]、[[ヤマハ・XJR#XJR400・XJR400R・XJR400R-II|ヤマハ・XJR400/XJR400R]]、スズキ・インパルス([[スズキ・GSX400インパルス#3代目 GSX400/TypeS|GK79A]]/[[スズキ・GSX400インパルス#4代目 インパルス400|GK7CA]])、[[カワサキ・ZRX#ZRX/II|カワサキ・ZRX/ZRX-II]]など。 2000年代には、[[スクーター#ビッグスクーターブーム|ビッグスクーターの流行]]に応じて[[スクーター#ビッグスクーター|中型排気量のスクーター]]を使用しているケースも見られるようになった。 また、強い人気を持つホンダ・CB系統に連なるデザインの[[ホンダ・JADE]]、[[ホンダ・CB125T]]、[[ホンダ・CBX125]]、[[ホンダ・MBX]]、[[ホンダ・APE]]なども対象とされる事例がある。 二輪車の違法競走型では、1980年代のレーサー・レプリカ・ブームにおける[[ホンダ・NSR|ホンダ・NSR250R]]、[[スズキ・ガンマ|スズキ・RGV250Γ]]、[[ヤマハ・TZR|ヤマハ・TZR250R]]などに人気があった。 四輪車の場合、セダンでは、「[[VIPカー]]」のベースとなるのは、[[トヨタ・マークII|マークII]]、[[トヨタ・チェイサー|チェイサー]]、[[トヨタ・アリスト|アリスト]]、[[トヨタ・ソアラ|ソアラ]]、[[トヨタ・クラウン|クラウン]]、[[トヨタ・セルシオ|セルシオ]]、[[日産・セドリック|セドリック]]、[[日産・ローレル|ローレル]]などの人気が高い。違法競走型の現行車種は、ラリー競技やジムカーナ、ダートトライアルなど公式競技でも活躍するものが主で、[[三菱・ランサーエボリューション|ランサーエボリューション]]、[[スバル・インプレッサ|インプレッサWRX]]などのスポーツセダンや、[[日産・スカイライン|スカイラインGT-R]]、[[日産・フェアレディZ|フェアレディZ]]などのスポーツクーペに人気があり、旧型車では、[[トヨタ・AE86]]型([[トヨタ・カローラレビン|カローラレビン]]/[[トヨタ・スプリンタートレノ|スプリンタートレノ]])、[[トヨタ・スープラ|スープラ]]、[[日産・シルビア|シルビア]]、[[日産・180SX|180SX]]、旧型の[[日産・スカイライン|スカイライン]]などが根強く好まれている。中古車で購入する場合、ラグジュアリーカーは節税対策としての企業の社用車需要もあって新モデルに注目が集まり旧モデルが定期的に市場放出されるが、スポーティーカーでは車種ごとに熱心なファンも存在するためそもそも中古で出回る数も少なく、市場価格は高値安定傾向にある。 「バニング」のベース車両は、[[トヨタ・ハイエース]]、[[トヨタ・エスティマ|エスティマ]]、[[日産・キャラバン]]、[[ホンダ・S-MX]]といった、[[商用車|商用]][[ライトバン#ワンボックスタイプ|バン]]や[[ミニバン]]が多い。 === 積雪地域 === [[豪雪地帯]]では、冬季に積雪・凍結によって車両が[[スリップ]]しやすくなり、警察に追われた場合に暴走族自身はもとより、周りの無関係な人々にも命の危険がおよぶため、シーズンオフが存在する。これらの地域では、活動停止期間の存在から年間を通じて組織を維持することが困難となり、構成員が少ない傾向がある。すなわち、冬季の積雪量・気温に依存した気候の影響で、構成員の分布には「[[エクメーネ|北限]]」が存在する。太平洋側では[[宮城県]]、日本海側では[[新潟県]]が、シーズンオフのない北限といわれている{{誰2|date=2014年3月}}。 例外的存在として、[[北海道]]には「[[徒歩暴走族]]」が存在する<ref name="iza_2013-06-22">[http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130622/waf13062212010022-n1.htm 「徒歩暴走族」とは? 口でエンジン擬音「バーリバリ」、大挙して迷惑行為 産経新聞 2013年6月22日] - [[産経デジタル|iZA]](2014年4月12日閲覧)</ref>。冬期に札幌の[[繁華街]]である[[大通公園|大通]]・[[すすきの]]・[[狸小路]]、あるいは、外の寒さを逃れて[[地下街]]に出没し、[[特攻服]]などの衣装を身につけ、集団で円陣を組んだり列を組んで練り歩き、グループ名を大声で連呼したり、奇声をあげたり、周囲の買い物客や店員を威圧する者もいる。徒歩であるため「暴走行為」ではないが、暴走族がオフシーズン中<!--の組織維持-->に行う活動なので、このように呼ばれている。 豪雪地帯以外でも、祭りなどで大規模な交通規制が敷かれる際に、バイクなどの車両に乗らず騒いだり暴徒化する例もあり、この場合も「徒歩暴走族」と言われることがある<ref name="iza_2013-06-22"/><ref>[http://www.kobe-np.co.jp/news_now/news2-608.html 神戸新聞「姫路ゆかたまつり 若者暴徒化 歯止めなく」(2006年5月19日)]{{リンク切れ|date=2014年3月}}</ref>。 === 暴走族を扱った雑誌 === 雑誌『[[チャンプロード]]』が共同危険型暴走族文化の維持に一役買っているという見方をする者もいる{{誰|date=2014年3月}}。また違法競走型暴走族向けの雑誌の場合、以前は違法な公道暴走や車両改造を教唆・幇助する内容が含まれていた。 * 共同危険型向け ** [[チャンプロード]](1987年 - ) - [[笠倉出版社]]。 ** [[ティーンズロード]](不明 - 1998年) - [[ミリオン出版]]。<!--休刊時期に関しては、内部記事参照。--> ** [[ヤングオート]](1981年<ref name="youngauto2009">[http://www.geibunsha.co.jp/shoseki/b_00000000144.html 芸文社 ヤングオート2009特別復刻版]</ref> - 2001年<ref name="youngauto2009"/>) - [[芸文社]]。 ** [[ライダーコミック]](1986年 - 1995年) - [[辰巳出版]]。<!--暫定的に『ライダーチューニング』は別の扱いとした。--> * 違法競走型向け ** [[Option (雑誌)|Option]](1981年 - ) - [[三栄書房]]。 ** [[OPTION2]](不明 - ) - 三栄書房。 ** [[ドリフト天国]](1997年 - ) - 三栄書房。 ** [[バリバリマシン]](1986年 - 2002年) - [[平和出版]]。 === ファッションの疑似右翼性 === 1970年代後半 - 1980年代の共同危険型暴走族ファッションの特徴のひとつとして、[[特攻服]]や[[日の丸]]鉢巻きを身に着け、車両に「愛国」「尊皇」「神風」などと(右書きで)書かれたステッカーを貼り付けるなど、[[国粋主義]]([[右翼]])的な意匠・記号が取り入れられている点が挙げられる。これらは1970年代当時、東京・築地などの下町地域に存在していた「極悪」というグループが紺色または黒色の特攻服(このグループでは戦闘服と称していた)を着用していたのが始まりとされている。[[ハーケンクロイツ]]など[[ナチス]]の意匠・記号を好んで取り入れた暴走族も存在し<ref>[[佐藤卓己]]、日本ナチ・カルチャー研究会(編著) 『ヒトラーの呪縛』 [[飛鳥新社]]、2000年7月25日、ISBN 978-4-8703-1429-0。</ref>、暴走族内部では、リーダーを「総長」、先頭を走るグループを「特攻隊」と呼び本隊の通行を止めないように交差点で[[コール]]をし他を威嚇し強制的に交通を遮断したり抗争時には先頭で飛び込む役割を果たす、「けつ持ち」とは特攻隊とは逆に本隊を取り締まろうと追跡してくる警察車両など本隊とは直接関係のない他車が入り込まないように交通を妨害する、「旗持ち」は二輪車の後座席でグループの旗を持つ、リーダーの護衛を「親衛隊」などと呼称している事例も多い。 当時の構成員の多くは[[反体制]]的な不良少年であるが、こうした者たちは、かえって、先輩後輩の厳格な上下関係や仁義などの保守的・伝統的・非都会的な価値観を持つ場合が多い。こうした価値観が、復古的、国粋的なメンタリティと結びつく点は、日本の[[暴力団]]が取締りを受け[[右翼団体]]に衣替えを始めたこと(右翼標榜暴力団)とも通底している。また歴史的にも、日本の[[南北朝時代 (日本)|南北朝時代]]の[[後醍醐天皇]]の周囲に「[[悪党]]」と呼ばれる野武士が多く結集したと指摘されている例や<ref>[[網野善彦]] 『異形の王権』 [[平凡社]]〈平凡社ライブラリー〉、1993年6月、ISBN 978-4-5827-6010-1。</ref>、[[幕末]]の[[尊皇攘夷]]運動や[[戦前]]の[[昭和維新]]運動において、[[アウトロー]]的な人物が呼応した例が少なくなかったことなどがある。 == 日本以外の暴走族に類似した集団 == {{出典の明記|date=2014年5月|section=1}} === 米国 === [[アメリカ合衆国|米国]]でも、昼間に[[フリーウェイ]]を集団で爆音を立てながら大型オートバイで疾走することを好むような集団がおり、これらは{{仮リンク|モーターサイクル・クラブ|en|Motorcycle club}}と呼ばれ、[[カリフォルニア]]など一部の都市周辺部・郊外での活動も見られる。ただし当地では、これら集団の立てる爆音も国民性にも絡んで寛容な傾向が見られ、また集団の構成員も30代・40代といった大人が多く、健全な趣味の範疇として扱われる。主に1970年代の懐古スタイルである場合が多く、[[ハーレーダビッドソン]]の二輪車を好むとされる。 これらの集団は季節労働者として全米を移動しながら活動していると見られており、また健全な趣味として認知されるべく、ハイウェイ周辺のゴミ拾い活動を展開するなど、[[ボランティア|社会奉仕]]活動に率先して従事する姿も見られる。その多くは成人の肉体労働者([[ブルーカラー]])であるため、自身の健康を損なう麻薬には手を出さない・社会のルールを守るなど、一定の自負をもって活動している様が見られ、日本の反社会的な存在としての暴走族とは大きな違いがあり、社会的に容認されている。 しかし、その一方で[[ヘルズ・エンジェルス]]などに代表される{{仮リンク|モーターサイクル・ギャング|en|Motorcycle gang}}(ないしアウトロー・バイカー)と呼ばれる大型オートバイを乗り回し違法行為に従事する組織化された犯罪団体([[ギャングスター|ギャング]])も存在する。これらモーターサイクル・ギャングは恐喝・麻薬取引および殺人事件に関わっており、日本の暴力団により近い凶悪な集団である。その構成員は成人であり、日本の暴走族のように暴力団や右翼団体の下部組織的性格はなく、独立した犯罪組織と見られる。 ヘルズ・エンジェルスは1948年に[[カリフォルニア州]]で結成されたが、売春と麻薬の売買で挙げた利益、または[[資金洗浄|マネーロンダリング]]などにより、社会問題化された1960年代には年10億ドルの闇利益を得ていたと[[連邦捜査局|FBI]]では見ている。同団体はしばしば反体制の[[アンチヒーロー]]のように見なされることもあり、度々メディア上にも登場するものの、[[人種差別|白人至上主義]]を掲げたりといった問題行動が見られる。 同団体は健全なモーターサイクル・クラブであると自称しながらも、[[カナダ]]・[[ケベック州]]では1994年より[[爆弾]]の使用や対立組織への抗争などにより、巻き添えを含む100名以上の死傷者が発生している84件の事件、放火や行方不明に絡む130件の事件に関与していると考えられている。 ただし、この犯罪組織であるモーターサイクル・ギャングの特徴とも言えるファッションや行動様式などのスタイルは、健全な趣味の範疇にあるモーターサイクル・クラブにも同様に見られる傾向が多く、外見上で両者を見分けるのは困難なようである。 違法競走型暴走族に関しては、長い直線道路を利用した違法な[[ドラッグレース]]が多く行われている。ナンバープレートを外して走る悪質な者も存在する。地形的に曲がりくねった峠道が少ないことから、[[ローリング族]]は定着していない。 === タイ === [[タイ王国|タイ]]でも、首都[[バンコク]]などで暴走族が出没するようになった。タイでも現地語に訳された日本の[[暴走族漫画]]が幾つか出版されており、日本国内や後述の韓国同様、それらを読んだ若者達が感化され、夜中に大勢でバイクに乗って騒音を撒き散らしたり、スピード違反や信号無視などの交通ルール違反を犯している。これらの無謀運転により事故も誘発され、暴走族自身や事故の巻き添えになった一般人に死傷者も出ている。所得格差のためか、彼らの乗るバイクのほとんどが盗難車である。タイの警察当局も現状を見かねて強硬姿勢で暴走族の摘発に取り組んでいる。日本の旧車會風ライダーも目撃されている{{誰2|date=2014年6月}}。 === サウジアラビア === [[サウジアラビア]]を中心とする中東地域では、公道で[[ドリフト走行]]を行う者が存在し、インターネット上では「[[サウジドリフト]]」と呼ばれている。沿道に見物人も多く集まる中、一般車も通行している脇を平然とドリフトですり抜けるなど危険性が高い。車両は通常のセダン車両が用いられ、改造などは行われていない。 === 北朝鮮・中国 === [[朝鮮民主主義人民共和国]]、[[中華人民共和国]]でも、2000年代に入ってから都市部などで暴走族が出没するようになった<ref name="national_0613_015">[http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0613&f=national_0613_015.shtml サーチナ 2012-06-13(水) 北朝鮮で暴走族が増加か、追跡車両なく取り締まりは困難=韓国] - [[サーチナ]](2014年6月15日閲覧)</ref><ref name="column_0525_010">[http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0525&f=column_0525_010.shtml サーチナ 2009-05-25(月) 暴走族が社会問題化する中国、法律と市民の生命権に挑戦 ] - サーチナ(2014年6月15日閲覧)</ref>。日本やタイ、後述の韓国同様、夜中に大勢でバイクに乗って騒音を撒き散らしたり、スピード違反や信号無視などの交通ルール違反を犯している。これらの無謀運転により事故も誘発され、暴走族自身や事故の巻き添えになった一般人に死傷者も出ている。社会情勢のためか、現地の警察当局による暴走族の摘発に手が回らない状態となっており、事態は深刻化している<ref name="national_0613_015"/>。 === 韓国 === [[大韓民国|韓国]]でも2005年ごろから「ポクジュジョク」({{lang|ko|폭주족}}:暴走族の[[ハングル]]読み)と呼ばれる集団が[[3月1日]]の[[三・一独立運動]]、[[8月15日]]の[[光復節 (韓国)|光復節]]の記念日にあわせて[[大韓民国の国旗|国旗]]を掲げて[[国会議事堂 (大韓民国)|大韓民国国会議事堂]]を目的地に[[ソウル特別市]]を集団暴走する事象が発生している<ref name="j-cast_tv_2007-08">[http://www.j-cast.com/tv/2007/08/17010416.html J-CASTテレビウォッチ 2007/8/17 日本の暴走族マネる韓国若者「愛国心は関係ねぇ!」] - [[J-CAST]](2014年6月15日閲覧)</ref><ref name="yonhapnews_headline_2010-08-06">[http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2010/08/06/0200000000AJP20100806003600882.HTML?2ca292f0 聯合ニュース 2010/08/06 光復節の暴走族、警察は常習者のオートバイ没収方針] - [[聯合ニュース]](2014年6月15日閲覧)</ref>。別名「反日暴走族」と呼ばれているが、日本の[[暴走族漫画]]や初日の出暴走に感化された者が多い<ref name="j-cast_tv_2007-08"/>。中には民間の[[救急車]]や[[レッカー車]]も暴走に加わり取締りを妨害する事例も報告されている<ref name="j-cast_tv_2007-08"/>。構成員は特に中高生が多く、暴走族専用のネットカフェも存在するほどで、車線逆走や信号無視などの危険運転やそれに伴う死亡事故が相次いでいる事から、韓国では社会問題ともなっている。警察では毎年暴走シーズンになると警官や警察車両などを大量に投入しているが、数が多いことから対応できず、ナンバー読み取り用のカメラを設置したりするなどの対応に追われているのが現状である。 == 関連項目 == * [[半グレ]] * [[タギング]] * [[黒バイ]] * [[少年犯罪]] * [[組織犯罪]] * [[キャロル (バンド)|キャロル]] == 脚注 == === 注釈 === {{Reflist|group="注釈"|2}}<!--編注:表「警察庁資料(1975年)」と「※25 - 29歳まで」が同じ列に配置されるよう留意してください。--> === 出典 === {{Reflist|2}} == 参考文献 == {{commonscat|Bōsōzoku}} * 『世界大百科年鑑スペシャル 1973〜79』 [[平凡社]] 1980年5月10日 * 『世界大百科年鑑 1981』 平凡社 1981年4月20日 * 『世界大百科年鑑 1982』 平凡社 1982年4月12日 * [[佐藤郁哉]] 『暴走族のエスノグラフィー―モードの叛乱と文化の呪縛』 [[新曜社]]、1984年10月、ISBN 978-4-7885-0197-3。 {{DEFAULTSORT:ほうそうそく}} [[Category:暴走族|*]]
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