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'''景徳傳燈録'''(けいとくでんとうろく、新字表記:景徳伝灯録、全30巻)は、[[中国]]・[[北宋]]代に'''[[道原]]'''によって編纂された[[禅宗]]を代表する'''[[燈史]]'''である。 [[過去七仏]]から[[天台徳韶]]門下に至る禅[[僧]]その他僧侶の伝記を収録している。多くの禅僧の伝記を収録しているため、俗に「1,700人の公案」と呼ばれているが、実際に伝のあるものは965人である。 [[1004年]]([[景徳]]元年)に道原が[[朝廷]]に上呈し、[[楊億]]等の校正を経て[[1011年]]に[[続蔵]]に入蔵を許されて天下に流布するようになったため、年号をとって、景徳傳燈録と呼ばれるようになった。これ以降、中国禅宗では燈史の刊行が相次ぎ、それはやがて[[公案]]へと発展した。 現在もなお、景徳傳燈録は禅宗を研究する上で代表的な資料であり、必ず学ぶべきものとされるが、内容は必ずしも史実とは限らない部分もある。 なお、撰者に関しては、元々は[[拱昻]]が編集したが、朝廷に提出する旅の途中で道原に横取りされて提出されてしまったとの説があるが、中国の仏教学者[[陳垣]]によって否定<!--中国仏教史籍概論による-->されている。 == 内容 == 全30巻の内容は次の通りである。 # [[釈迦]]を含む過去七仏から西天14祖の[[龍樹]]まで # 西天15祖の迦那提婆から西天27祖の[[般若多羅]]まで # [[菩提達磨]]から東土五祖の[[弘忍]]まで # 四祖[[道信]]傍流の[[牛頭宗]]及び、北宗[[神秀]]など南宗以外の僧 # 六祖[[慧能]]門下。[[荷沢神会]]、[[南岳懐譲]]、[[青原行思]]、[[慧忠]]国師など # 南嶽門下。[[馬祖道一]]など。及び、馬祖門下。[[百丈懐海]]など # 馬祖門下の続き。[[西堂智蔵]]、[[塩官斉安]]、[[帰宗智常]]など # 馬祖門下の続き。[[南泉普願]]など # 百丈門下。[[潙山霊祐]]、[[黄檗希運]]、[[福州大安]]など # 南泉門下。[[趙州従諗]]など。及び、[[白居易]]など # 潙山門下。[[仰山慧寂]]、[[香厳智閑]]、[[王敬初]]など # 黄檗門下。[[臨済義玄]]、[[裴休]]など。及び、仰山門下 # 南岳系統。[[風穴延沼]]、[[首山省念]]など # 青原門下。[[石頭希遷]]。及び、石頭門下。[[天皇道悟]]、[[丹霞天然]]、[[雲巌曇晟]]、[[投子大同]]など # 青原三世。[[徳山宣鑑]]、[[石霜慶諸]]、[[洞山良价]]、[[夾山善会]]など # 徳山門下。[[巌頭全豁]]、[[雪峯義存]]など。及び、石霜門下。[[九峯道虔]]など # 洞山門下。[[雲居道膺]]、[[曹山本寂]]など # 雪峯門下。[[玄沙師備]]、[[長慶慧稜]]、[[鏡清道怤]]など # 雪峯門下の続き。[[保福従展]]、[[雲門文偃]]など # 雲居門下。及び、曹山門下。[[育王弘通]]など # 玄沙門下。[[羅漢桂琛]]など # 雪峯三世。 # 雲門門下。 # 羅漢門下。[[法眼文益]]など # 法眼門下。[[天台徳韶]]など # 法眼門下の続き # 禅宗以外の参禅者。[[宝誌]]、[[傅大士]]、[[衡山|南岳]][[慧思]]、[[智ギ|智顗]]、[[僧伽 (僧)|僧伽]]、[[万廻|萬迴]]、[[豊干]][[寒山拾得]]、[[布袋]]。及び、短い問答 # 長い問答 # [[偈|偈頌]] # 銘・歌・書 == テキスト == * 『東禅寺版 景徳傳燈録』([[禅文化研究所]]) 古版 * 『[[四部叢刊]]』第104巻、第105巻 * 『高麗本 景徳傳燈録』([[中文出版社]]) * 『[[大正新脩大蔵経]]』第51巻「史伝部」3 元版 * 『中華大蔵経』景徳傳燈録 金版 * 『景徳傳燈録』([[新文豊出版公司]]) 民国常甯寺本 上記のように、テキストには諸版あり、その校訂だけでも1つの研究分野を為し得、これまでに数多くの研究成果が公表されている。 == 関連項目 == * 『[[祖堂集]]』 * [[五灯]] * [[燈史]] == 参考文献 == * 『国訳一切経 史伝部14 景徳伝灯録(上)』([[佐橋法龍]]・[[増永霊鳳]]訳、[[大東出版社]]) * 『国訳一切経 史伝部15 景徳伝灯録(下)』([[大東出版社]]) * 『景徳伝灯録(上)』([[佐橋法龍]]、[[春秋社]]) * 『景徳伝灯録 三(巻第七・八・九)』([[入矢義高]]監修・景徳伝灯録研究会編、[[禅文化研究所]]) * 『景徳伝灯録 四(巻第一〇・一一・一二)』([[入矢義高]]監修・景徳伝灯録研究会編、[[禅文化研究所]]) * 『宋代禅宗史の研究』([[石井修道]]、[[大東出版社]]) * 「東禅寺本 景徳伝灯録解題」([[西口芳男]]、『東禅寺版 景徳傳燈録』、[[禅文化研究所]]) * 「宋・元版『景徳傳燈録』の書誌的考察」([[椎名宏雄]]・[[鈴木哲雄]]、『駒澤大学禅研究所年報』4,5号) == 外部リンク == * [http://iriz.hanazono.ac.jp/data/zenseki_138.html IRIZ>禅籍データベース>景徳傳燈録] [[category:禅籍|けいとくてんとうろく]] [[Category:宋朝|けいとくてんとうろく]] [[Category:11世紀の書籍|けいとくてんとうろく]]
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