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授権法
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'''授権法'''(じゅけんほう、{{lang-en|Enabling Act}}、{{lang-de|Ermächtigungsgesetz}})とは、[[非常事態]]などの発生に際し、[[立法府]]が[[行政府]]やその他の国家機関に対し、一定の権限を授権する[[法律]]。この種の法律の中では[[ナチス・ドイツ]]期の[[ドイツ]]における[[全権委任法]]が特に著名であり、単に授権法と呼んだ場合にも同法を指すことがある。 == 概要 == 非常事態の発生に対し通常の立法・行政手続きを行わずに権力を行使できる権限を与える授権法は、[[憲法]]に定義されている場合が多い。フランス憲法にはこうした授権法規定が明記されており、[[第一次世界大戦]]勃発後の[[フランス第三共和政]]下では授権法制定が頻発され、1940年1月までに13の授権法が発布された{{sfn|村田尚紀|1986|pp=316}}。ドイツにおいても第一次世界大戦勃発直後に制定された。[[ヴァイマル憲法]]にも同様の規定があり、1921年に2度、1923年に1度制定されている{{sfn|南利明|1988|pp=206-207}}。1933年の[[全権委任法]]制定は従来の授権法制定と異なり、憲法改正手続きに従って行われ、[[アドルフ・ヒトラー]]と[[国家社会主義ドイツ労働者党]]の政府は憲法改廃権を含む権力を手中にした。日本においても[[国家総動員法]]は一種の授権法であると見られている。[[アメリカ合衆国]]においては通商・国防などの分野で一定の授権を行う法律が存在している。ただし日本において{{仮リンク|国防授権法|en|National Defense Authorization Act}}などと訳される法律は「{{lang-en|Authorization Act}}」であり、厳密には「Enabling Act」である授権法とは異なる。 == 事例 == === ヴァイマル共和政下のドイツ === {{main|全権委任法}} ヴァイマル共和政下のドイツにおいては3回の授権法が成立している。しかし全権委任法と呼ばれる1933年の授権法は、過去や他の国家の授権法と違い、議会への報告義務が存在しない上に、実質的に憲法改正的法律であるなど極めて異例なものであった。 === フランス === 現行憲法である[[フランス第五共和国憲法]]にも授権法の規定が存在する。これに基づき、1958年から2006年までの期間に多くの授権的法律が成立し、議会は200以上のオルドナンス(政府による委任立法)を承認している{{sfn|岡村美保子|2006|pp=87}}。2003年7月2日には「政府に法の簡素化を授権する2003年7月2日の法律第2003‒591号」が成立し、行政改革と国家改革に関する授権が政府に対して行われた{{sfn|岡村美保子|2006|pp=87}}。 === ベネズエラ === [[ベネズエラ]]議会は2007年1月に[[ウゴ・チャベス]]大統領に対して、18ヶ月間の間国会審議を経ずに政令を発することができる授権を行っている。さらに2010年には水害を理由として一定の分野を対象とした授権法が成立している<ref>[http://www.jetro.go.jp/world/cs_america/ve/biznews/4d14629aee480 大統領に立法権を授与する「大統領授権法」が成立 (ベネズエラ)]</ref>。また後継の[[ニコラス・マドゥロ]]大統領にも、2013年11月19日に経済分野に限って国会審議を経ずに政令を発することを認めた授権が行われている。 == 脚注 == {{reflist}} == 参考文献 == * {{Cite journal|和書|author= [[南利明 (法学者)|南利明]] |title=NATIONALSOZIALISMUSあるいは「法」なき支配体制-2-|date=1988 |publisher=[[静岡大学]] |journal=静岡大学教養部研究報告. 人文・社会科学篇|volume=24|number=2 |naid=110007616176|pages=199-223|ref=harv}} * {{Cite journal|和書|author= 村田尚紀 |title=両大戦間期フランスにおける授権法--1924年3月22日法を素材に|date=1986 |publisher=[[一橋大学]] |journal=一橋論叢|volume=96(3)|naid=120000815839|pages=315-332|ref=harv}} * {{Cite journal|和書|author= 岡村美保子 |title=フランスの新たな行政改革の手法--委任立法による法と行政の簡素化|date=2006 |publisher=国立国会図書館調査及び立法考査局|journal=外国の立法 : 立法情報・翻訳・解説|volume=227|url=http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I7901028-00|pages=84-90|ref=harv}} ==関連項目== *[[国家緊急権]] *[[閣議#日本国憲法下|閣議決定]] {{デフォルトソート:しゆけんほう}} [[Category:法律]]
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