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抹茶
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[[File:Matcha tea.jpg|thumb|right|250px|抹茶]] [[ファイル:Unryuin Kyoto06bs4592.jpg|thumb|250px|[[雲龍院]]で出された抹茶]] '''抹茶'''(まっちゃ)は[[緑茶]]の一種。[[碾茶]]を[[粉末]]にしたもの。またそれに[[湯]]を加え[[撹拌]]した[[飲料]]。[[茶道]]で飲用として用いられるほか、[[和菓子]]、[[洋菓子]]、[[料理]]の素材として広く用いられる。 == 概要 == === 粉末としての抹茶 === [[チャノキ]]の葉(茶の葉)を[[蒸す|蒸して]]から乾燥させた碾茶を[[茶臼]]でひいたものである。[[江戸時代]]までは挽きたてのものを飲用していた<ref>{{Cite web |author=三輪茂雄 |url=http://bigai.world.coocan.jp/msand/powder/j_kieta.html |title=茶道具から消された茶磨(茶臼) |work=石臼 & 粉体工学 粉体の話はまず高貴な粉から 茶磨(茶臼)の日本史 |language=日本語 |accessdate=2009-08-13 }} </ref>。現代でも茶道では前日などに茶臼でひいたものを供する。家庭用にはすでに粉末化され[[プラスチック]]の[[フィルム]]袋に密閉されたもの、もしくは金属製の筒にいれられたものが流通している。変質を避けるため開封後は密閉容器に入れ冷暗所に保存する。 種類は、高級品や一般向け製品の違いを別にすると単一であるが、その年の茶畑や茶葉の仕上がりによって取れた茶葉の種類の配合を混ぜ、味を従来のものと統一させる為に茶舖において合組(ごうぐみ)される。濃茶用、薄茶用(いずれも後述)のもととなる茶葉の配合は茶舖により異なり、合組される際には茶畑毎に分かれている。甘みがより強く、渋み・苦味のより少ないものが良しとされ、高価である。一般に高級なものは濃茶に用いられるが、もちろん薄茶に用いてもよい。 爽やかな苦味は[[砂糖]]の甘味と良く馴染み風味が際立つため、[[菓子]]の[[フレーバー|風味]]付けにも好まれる。和菓子はもちろん、洋菓子にも用いられ、抹茶味のアイスクリームは日本では定番風味の一つともなっている。日本アイスクリーム協会の調査では[[1999年]]([[平成]]11年)から[[2009年]](平成21年)まで、[[バニラ]]、[[チョコレート]]に次いで第3位の地位を占めている<ref>[http://www.icecream.or.jp/data/05/hakusho01.html アイスクリーム白書2009Voi.2]([[日本アイスクリーム協会]]調べ)。<br />ただし2009年(平成21年)2月に行われた調査では、新たに調査に加えられるようになった「[[クッキー]]&クリーム」に抜かれ一時的に4位となっている→[http://www.icecream.or.jp/data/05/pdf/hakusho2009.pdf アイスクリーム白書2009Vol.1]</ref>。 === 飲料としての抹茶 === [[File:Three piece matcha set.jpg|thumb|茶碗と茶杓と茶筅]] 黒味を帯びた濃緑色の'''濃茶'''(こいちゃ)と鮮やかな青緑色の'''薄茶'''(うすちゃ)がある。茶道では、濃茶は[[茶杓]]に山3杯を1人分として、たっぷりの抹茶に少量の湯を注ぎ、[[茶筅]]で練ったものを供する。薄茶は茶杓1杯半を1人分として、柄杓半杯の湯を入れ茶筅で撹拌する。茶道では茶を「点(た)てる」(点茶=てんちゃ)というが、濃茶は特に「練る」という。現在の[[茶道]]では、濃茶を「主」、薄茶を「副(そえ)」「略式」と捉えている。 茶筅で撹拌する際に、[[流派]]によって点てかたが異なる。[[三千家]]ではそれぞれ、たっぷりと泡を立てるのが[[裏千家]]、うっすらと泡立てるのが[[表千家]]、もっとも泡が少ないのが[[武者小路千家]]といわれる。 現在では一般的な飲料としては[[煎茶]]([[緑茶飲料]]を含む)の方が需要が多いものの、地域によっては農作業の間の休憩などに抹茶を飲用する習慣が残されている。 == 歴史 == 喫茶の風習は元々[[中国]]の[[唐]]代から[[宋 (王朝)|宋]]代にかけて発展したものである。[[8世紀]]頃、中国の[[陸羽]]が著した『[[茶経]]』(ちゃきょう)には茶の効能や用法が詳しく記されているが、これは固形茶を粉末にして[[鍑]](現在の茶釜の祖先)で煎じる'''[[団茶|団茶法]]'''であった。 抹茶(中国喫茶史では'''点茶法'''(てんちゃほう)と呼んでいる)の発生は、10世紀と考えられている。文献記録は宋時代に集中しており、[[蔡襄]]の『茶録』(1064)と'''[[徽宗]]'''の『大観茶論』(12世紀)などが有名であるが、これらの文献では'''龍鳳団茶'''に代表される高級な団茶を茶碾で粉末にしたものを用いており、団茶から抹茶が発生した経緯をよく表している。この抹茶を入れた碗に湯瓶から湯を注ぎ、茶筅で練るのが宋時代の点茶法であり、[[京都]]の[[建仁寺]]、[[鎌倉]]の[[円覚寺]]の'''四つ頭茶会'''はこの遺風を伝えている。 日本には[[平安時代]]初期に唐から喫茶法(おそらく団茶法)が伝えられたが、抹茶法が伝わったのは[[鎌倉時代]]とされる。その伝来としては、[[臨済宗]]の開祖となる[[栄西]][[禅|禅師]]が[[1191年]]中国から帰国の折に茶種と作法を持ち帰り<ref>Discover Japan CULTURE 『日本茶のこと説明できますか? 』28頁</ref>、その飲み方などが日本に広まったという説が有名である(詳しくは[[茶道#茶道の歴史|茶道]]の項を参照のこと)。 栄西の『[[喫茶養生記]]』には茶の種類や抹茶の製法、身体を壮健にする喫茶の効用が説かれている。[[1214年]](建保2年)には[[源実朝]]に「茶徳を誉むる所の書」を献上したという。この時代の抹茶は、現在のような、緑色ではなく茶色であった。 == 日本の製法 == 原料となる碾茶(てんちゃ)に用いる茶は葭簀(よしず)と藁(わら)を用いて直射日光を遮り「簀下十日、藁下十日」被覆栽培する([[玉露]]と同様の栽培法)。これにより茶葉は薄くなり、うまみやコクが増す。収穫は1年に一度。若葉をていねいに手で摘む。手摘みした茶葉はその日のうちに蒸した後、揉捻(じゅうねん)を行わずに乾燥させる。もまないところが[[煎茶]]や[[玉露]]との大きな相違点である。 この碾茶を刻み、葉柄、葉脈などを取り除いて真の葉の部分だけにし、粉末にする。45℃前後の一定温度で乾燥させ、茶葉に変化の少ない[[石臼]](茶臼)で挽く。この工程は11月までに行う。12月以降の冬場は味が変わってしまうからである。 === 茶銘とお詰め === 茶にはそれぞれ「初昔(はつむかし)」、「後昔(あとむかし)」、「千代昔」、「葵の白」、「青海白」などの銘がつけられる。茶人が茶銘に趣向を凝らして楽しむようになったのは江戸時代に入ってからだと考えられている。茶畑は「茶園」、製茶業者は「茶師(ちゃし)」と呼ばれる。茶師はもともと茶葉を茶壷などに詰めて納めたところから「お詰め」とも呼ばれる。 === 「昔」と「白」 === 茶銘の末尾についている「昔」、「白」という表現は、現代では濃茶と薄茶の区別として用いられる。しかし、本来は昔だけであり、後になって昔に対して白という表現が用いられた。昔という字は、最上級の茶の初摘みを行うといわれる[[3月20日 (旧暦)]](廿日)の「廿(にじゅう)」と「日」を組み合わせたものとの説がある。 白という表現は、三代将軍家光の時代に見られ、当時の大名茶人が盛んに「茶を白く」と宇治茶師に求めたことがきっかけといわれる。当時の「白く」という表現が何を意味していたかは不明である。[[古田重然|古田織部]]は青茶を、[[小堀政一|小堀遠州]]は白い茶を好んだという記録が遺されている。白と青の違いを、宇治では茶葉の蒸し加減によるとされる。おそらくは、嗜好の移り変わりを示すものと考えられる。 また業界の一説では、「白」の語源を 茶の製茶過程に於いて特に初摘みの新芽に白い産毛が入ったものが多く見られることがあり、そのような貴重な新芽を用いたお茶はふわふわとした白い産毛が入るお茶となる。その茶を「白」と呼んでいたのではないかと考えられる。 銀座平野園(創業明治16年・東京銀座)には『御園の白』という銘の濃茶が明治時代から今日に至り存在する。当時の店主、草野話一は明治天皇に献上する抹茶の銘を考えていた際、濃茶に用いる上質な茶葉を臼で挽くときに臼の周囲に特有の白い輪が広がることから茶銘を『御園の白』と名付けた。 また明治天皇がお病気をされた際、話一は銀座の地にて自ら臼を挽いて製造した『御園の白』から抹茶のアイスクリームを製造して献上した。 == 成分と効能 == 茶には眠気の除去や利尿作用などさまざまな効能があるが、特に抹茶は茶葉を粉にして飲むため、葉に含まれる栄養素をそのまま摂取することができる。抹茶に含まれる主な成分は次のとおり。 * [[カフェイン]] * [[タンニン]] * [[ビタミン]] * [[ミネラル]] * [[アミノ酸]]([[テアニン]])・[[たんぱく質]] * [[セルロース]] * [[サポニン]] * [[カテキン]]/[[ポリフェノール]]類 * [[鉄]]などの各種[[ミネラル]]類 * 香気成分(数十から数百種類) == 賞味方法 == === 飲む === [[File:Matcha_and_wagashi_by_MShades_at_Daigoji,_Kyoto.jpg|thumb|[[醍醐寺]]境内の茶屋の抹茶]] ;濃茶 :亭主を中心とした少人数の茶事ではひとつの椀の濃茶を主客より順にまわし飲む。菓子は[[生菓子]]で、「主菓子」(おもがし)と呼ばれるもの。 ;薄茶 :「おうす」ともいう。大寄せの茶会や禅寺のもてなしには、一人一椀ずつの薄茶を点てる。茶事の折には薄茶の前に「[[干菓子]]」(ひがし)を出すが、濃茶を出さない茶会やもてなしでは生菓子を出すこともある。 ;グリーンティ :一般家庭や小売店の店頭などで供される。ごく近年普及した飲み方で、抹茶と[[砂糖]]に湯や[[牛乳]]を入れて撹拌し、冷やして飲む。「薄茶糖」(うすちゃとう)や「抹茶ミルク」といった名前で呼ばれることもある。甘く口当たりが良いので、子どもでも無理なく飲める。また近年では、温めた牛乳を用いた飲み方も考案され(「抹茶[[ラテ]]」などと呼ばれる)、喫茶店などで提供されるようになった。 === 食べる === [[File:Matcha and Redbean Cake.jpg|thumb|抹茶ケーキ]] 前述の通り抹茶は他の茶と異なり茶葉そのものも食すことから、料理の素材などとしても広く用いられる。代表的なものとして以下があげられる。 * [[和菓子]] ** [[ういろう (菓子)|外郎]](ういろう) ** [[もみじ饅頭]] * [[カステラ]]、菓子パン、[[クッキー]]などの焼き菓子 * かき氷、[[抹茶アイスクリーム|アイスクリーム]]、[[ソフトクリーム]]などの冷菓、氷菓 * [[チョコレート]]、[[キャンデー]]などの[[洋菓子]]へ和の風味として。 * [[プディング|プリン]]、[[パフェ]]などの[[デザート]]類へ和の風味として * [[天ぷら]]:食べる際に抹茶と食塩を混ぜたもの(抹茶塩)を用いることがある。また衣に抹茶を加えた抹茶衣の天ぷらも存在する。 <!--フレーバーや抹茶塩を「素材」というのか?--> == 脚注 == {{Reflist}} == 参考文献 == *Discover Japan CULTURE 『日本茶のこと説明できますか? 』[[枻出版社]]、2010年10月 == 関連項目 == {{commonscat|Matcha}} * [[茶道]] * [[茶道具]] * [[緑茶]] * [[抹茶アイスクリーム]] {{茶}} {{DEFAULTSORT:まつちや}} [[Category:茶]] [[Category:日本茶]] [[Category:茶道]]
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