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'''恒星の種族'''(こうせいのしゅぞく、stellar population)とは、[[恒星]]の分類の一種である。恒星は'''種族I'''及び'''種族II'''と呼ばれる2つのグループに分けられる。(I,IIの数字はローマ数字で表記される習慣になっている。)ある恒星がどちらの種族に分類されるかの基準は、その恒星の空間速度、[[銀河]]の中での位置、年齢、化学組成、[[ヘルツシュプルング・ラッセル図|HR図]]上での分布の違いによる。 種族Iの星は[[ヘリウム]]より重い元素([[天文学]]では慣習的に「金属 (metal)」と呼ばれる)を多く含む。これらの重元素はより以前の世代の星の中で作られ、[[超新星]]爆発によって撒き散らされたものである。我々の[[太陽]]は種族Iの星である。種族Iの星は[[銀河系]]の[[ディスク]]部分によく見られる。 種族IIの星は[[ビッグバン]]の後に作られた最初の長寿命の星々であり、それ故に含まれる[[金属量 (天文)|金属量]]は少ない。従って、種族IIの星の周囲には[[惑星]]の材料となる物質もあまり多量には存在しないだろうと考えられている。種族IIの星は銀河系の[[ハロ|ハロー]]の中の[[球状星団]]や[[銀河バルジ|バルジ]]に存在する。また、種族IIの星は[[固有運動]]が非常に大きく、銀河内を高速で運動している。これは銀河形成の初期に生まれた星であるため、銀河を作ったガス雲が収縮する前の運動状態を残しているためであると考えられている。 I,II という番号付けの順序とは裏腹に、星の年齢は種族IIの方が種族Iの星よりもずっと古い。これは天文学における歴史的事情による。星の種族構成が最初に調べられた頃には、ある種の星がなぜ他の星々に比べて金属量が少ないのか、その理由が分かっていなかったからである。 また、今はまだ仮説の段階だが、'''種族III'''と呼ばれる第三の種族も提唱されている。この種族の星は[[宇宙]]で最初に誕生した第1世代の星であり、それ故に金属量は0である。種族IIIの星は、[[クエーサー]]の[[スペクトル]]に重元素が見られることや、宇宙初期に宇宙全体が[[宇宙の再電離|再電離]]された理由を説明するために考えられたものである。種族IIIの星は存在が予言されているものの、実際に確実に存在するという観測結果は今のところ得られていない。種族IIIの星は極端に大きく高温で寿命が短かったと考えられている。その質量は[[太陽]]の数百倍に達していたとされる。極めて金属量の少ない恒星はいくつか発見されており、[[HE 0107-5240]]や[[HE 1327-2326]]はそれぞれ太陽の20万分の1以下の金属量しかない。 == 関連項目 == * [[銀河バルジ]] * [[ケフェイド変光星]] * [[銀河]] * [[楕円銀河]] * [[渦巻銀河]] * [[宇宙の年表]] {{DEFAULTSORT:こうせいのしゆそく}} [[Category:恒星の種類|*]] [[Category:宇宙論・宇宙物理学]] [[Category:天文学に関する記事]] [[en:Stellar_population]]
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