復古カトリック教会のソースを表示

{{観点|date=2014年3月}}

[[File:Altkat Nordstrand P3040068.jpg|thumb|right|180px|ドイツの復古カトリック教会の聖堂]]
[[File:Ignaz v. Döllinger.jpg|thumb|right|180px|[[ヨハン・イグナツ・フォン・デリンガー]]（1860年頃撮影）]]
'''復古カトリック教会'''（ふっこカトリックきょうかい、{{lang-de|Altkatholische Kirche}}, {{lang-en|Old Catholic Church}}）は、[[1870年]]の[[第1バチカン公会議]]で決定された[[教皇不可謬説]]などに反対し、[[カトリック教会|ローマ・カトリック教会]]から分離して成立した[[キリスト教]]の[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]。おもに[[1870年]]代に、ローマ・カトリック教会から離れた、ドイツ語圏のカトリック教会から構成された<ref name="naocc">[http://newsroom.naoldcatholic.com/?page_id=5 External Communications - The North American Old Catholic Church]</ref>。

オランダ・南ドイツ・スイス・オーストリアなど[[中央ヨーロッパ|中欧圏]]を中心に信者がいるほか、アメリカなどにも教会がある。'''古カトリック教会'''とも。また同教会の運動・主張を指す場合、'''復古カトリック主義'''とも呼称される。初期の著名な指導者に[[ドイツ]]の[[神学者]][[ヨハン・イグナツ・フォン・デリンガー]]がいる<ref name="daijiten">『キリスト教大事典　改訂新版』911頁、教文館、昭和52年 改訂新版第四版</ref>。
{{See also|:en:Old Catholic Church|:de:Altkatholische Kirche}}

==歴史==
「オールド・カトリック(Old Catholic)」の語は、[[オランダ]]の[[ユトレヒト]]でローマ[[司教]]（[[教皇]]）の教導権下に無いカトリック教会(Old Catholic Archbishop of Utrecht) を表すため、[[1853年]]最初に使用された<ref name="naocc" />。（ユトレヒトでは、[[18世紀]]に{{仮リンク|ドミニク・マリー・ヴァルレ|en|Dominique Marie Varlet}}司教がローマ教皇の承認を受けないまま他の司教を[[叙階]]したため、司教らとその支持者はローマ教皇から破門されていた。）その後、ほとんどの学者は[[1870年]]からの、復古カトリック教会の運動をこう呼んでいる。

1870年の[[第1バチカン公会議]]で宣言された[[教皇不可謬説]]を、[[オーストリア]]、[[ドイツ]]、[[スイス]]の多くのカトリックの司教・[[司祭]]が拒絶し、ローマ・カトリック教会から離れた。彼らはユトレヒトの独立カトリック教会の支持を得て、後に正式に「{{仮リンク|ユトレヒト・ユニオン|en|Union of Utrecht (Old Catholic)}}」を結んだ。[[1873年]]、教皇不可謬・教皇首位を認めないローマ教皇とは独立の教会組織である復古カトリック教会が[[コンスタンツ]]において形成された。ローマ教皇[[ピウス9世 (ローマ教皇)|ピウス9世]]は同年の回勅で同派につき「教会の基礎を破壊する滅びの子たちである」と非難した<ref name="daijiten" />。

[[1908年]]に復古カトリック教会の司教は[[イングランド]]に渡った。教皇[[レオ13世 (ローマ教皇)|レオ13世]]が[[イングランド国教会]]の[[聖職者按手]]の[[使徒継承]]を無効であると宣言したためにイングランド国教会を去った[[聖公会]]の司祭が復古カトリック教会に来るだろうと考えたのである。国教会からの集団的な改宗の流れは起きなかったが、様々なカトリック教会が独立する動きを作った。

== 沿革・特徴 ==
{{観点|date=2014年3月|section=2}}
{{正確性|date=2014年3月|section=2|本節第2段落は情報量が乏しく、かつローマ・カトリック側の一方的見解への偏りがあり。}}
[[教義]]については、[[聖書]]と[[聖伝]]を信仰の規範とする点ではローマ・カトリック教会と同じであり、[[プロテスタント]]よりはローマ・カトリックに近いとも看做されるが、[[ローマ教皇]]の[[教皇首位説]]、[[教皇不可謬説]]を認めない。これについては同派の著名な指導者である[[ヨハン・イグナツ・フォン・デリンガー]]が、[[ミュンヘン]]の[[大司教]]に対して「（教皇不可謬と教皇首位を）神学者として、歴史家として、市民として」全く肯定出来ないと言明したため、破門された<ref name="daijiten" />。

復古カトリック教会が聖伝として認めるのは、[[8世紀]]以前のものに限定している。ローマ教会の伝承、教皇首位、教皇不可謬、[[聖母マリア]]の[[無原罪の御宿り|無原罪懐胎]]、[[司祭]]の独身制を認めず、[[免償]]、[[聖人]]崇敬、巡礼を否定。聖日の[[聖体拝領]]、断食を義務付けない。[[聖書]]を読む事を推奨し、[[典礼]]も各国語によるものを認める<ref name="daijiten" />。

教会制度面では、大体国別に独立した組織を[[司教]]のもとに置き、司教たちが司教会議で結合している。司教・司祭・[[助祭]]の三職位制が保持されている<ref name="daijiten" />。

[[1980年]]代後半から、女性司祭・女性助祭の[[叙階]]を巡り、女性の司祭・助祭への叙階を容認する者と容認しない者との間での見解の対立が表面化した。1990年代には見解の相違が依然としてある中で、各地で女性の叙階が行われている<ref>[http://touchstonemag.com/archives/article.php?id=12-01-021-f http://touchstonemag.com/archives/article.php?id=12-01-021-f]</ref>。

== 他教派との関係 ==
[[1932年]]以来、[[教皇首位説|教皇首位]]権を認めない[[聖公会]]（[[アングリカン・コミュニオン]]）と、[[フル・コミュニオン]]の関係にある。

ヨーロッパのオールド・カトリック教会は[[ユトレヒト・ユニオン]]を結んでいるが、現在、英語圏のオールド・カトリックとは[[相互陪餐]]関係に無い。また[[スロバキア]]の復古カトリック教会は、ユトレヒト・ユニオンから離脱した。

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
*[http://www.ichibaku.co.jp/cgi-bin/cart/cart.cgi?pid=000116 『神の霊 キリストの霊～「フィリオクェ」論争についてのエキュメニカルな省察』]ルーカス・フィッシャー(著), 沖野政弘(翻訳), 関川泰寛(翻訳), 一麦出版社; 1998
:－復古カトリック教会の当事者が著した論述の含まれる、2014年現在唯一の和書。

== 外部リンク ==
*[http://www.utrechter-union.org/ ユトレヒト・ユニオン - IBK 国際復古カトリック司教協議会] {{nl icon}}
*[http://www.alt-katholisch.de/ ドイツ復古カトリック教会] {{de icon}}
*[http://www.oldcatholic.org/ アメリカ・オールド・カトリック教会] {{en icon}}

==関連項目==
{{commonscat|Old Catholic churches}}
*[[第1バチカン公会議]]
*[[独立カトリック教会]]
*[[アングリカン・コミュニオン]]
*[[公同の教会]]
*[[カトリック_(概念)]]
*[[使徒継承]]

{{Christ-stub}}

{{DEFAULTSORT:ふつこかとりつくきようかい}} 

[[Category:オールド・カトリック|*]]
[[Category:キリスト教の教派]]
[[Category:西方教会]]
[[Category:カトリック]]
[[Category:アングリカン・コミュニオン]]
[[Category:ドイツのキリスト教]]