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御福餅
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'''御福餅'''(おふくもち)は、[[伊勢市]][[二見町 (三重県)|二見町]]の御福餅本家が製造販売する餅菓子である。いわゆる[[あんころ餅]]の一種であり、御福餅の歴史は江戸時代創業以来270年以上にわたる。[[赤福餅]]と一見よく似ているが、全く別の会社の製品である。 原材料は、小豆、砂糖、餅米、[[酵素]]、保存料([[ソルビン酸カリウム|ソルビン酸K]])。 == 概要 == 直営本店は伊勢市二見町茶屋([[参宮線|JR参宮線]][[二見浦駅]]海の手)、伊勢支店(「甘味処 御福亭」)は伊勢市黒瀬町(同線<!--1つ伊勢市寄りの-->[[五十鈴ヶ丘駅]]山の手・[[三重県立宇治山田商業高等学校|宇治山田商業高校]]近く)にある。[[伊勢自動車道]]の[[サービスエリア]]、名神高速道路の尾張一宮PA下り線などでも販売している。「餅と漉し餡の組み合わせ」はポピュラーなものであって、一時期はそれを販売する多くの商店がこの地域に存在していたが、現在まで大きく展開するもので残ったのが赤福餅と御福餅であったといえる。 「'''御福'''」の名は、[[二見興玉神社]]([[夫婦岩]]がある)にある[[天岩戸|天の岩屋]]に祀られる神のアマノウズメノミコト([[天鈿女命]])の通称が「'''御福さん'''」である事に因む。 なお餅の形は赤福餅と類似しているが、赤福餅が「五十鈴川の清流」を表現しているのに対して、御福餅は「[[二見浦]]の波の形」を表現している。また、桃色を基調にするパッケージの色調もそっくりであったが、かつては赤福餅と御福餅のいずれのパッケージにも擬宝珠のついた和橋の図案が描かれている点が共通しており、デザイン上もそっくりであった。赤福餅の和橋は[[皇大神宮]](内宮)の参道口にある[[宇治橋 (伊勢市)|宇治橋]]であり、御福餅の橋は[[二見興玉神社]]境内にある橋であった。かつての御福餅のパッケージの方にはそれに加えて[[おかめ]]の面の図案が描かれていた点が相違点であった。一方の赤福餅には、[[伊勢神宮]]の[[神社建築|神殿]]の図案が加えられている他、パッケージ裏側には[[俳句]](冬場用は[[正岡子規]]の句、夏場用は[[山口誓子]]の句)が印刷されているため、識別が可能である。2011年にパッケージに書かれている商品名が「'''御福餅'''」から「'''お福餅'''」に変更され、その年の秋からはデザインも赤福と酷似した和橋のデザインから、夫婦岩の後の富士山から朝日が出ている図柄で、カラー印刷に変更された。ただ、あまりに大きな外観の変更だったためか、2012年には夫婦岩の後の富士山から朝日が出ている図柄のまま、元の桃色を基調とする色調に戻された。それでも、赤福のデザインとの見た目は以前よりもかなり変化が出ている。 かつて、小箱は赤福餅が8個700円、御福餅が8個640円で、御福餅の方が安かったが、2010年4月に8個入りと12個入りは価格改定をし、赤福餅と同額となった。 さらに[[高速道路]]の販売では棲み分けと称すべき状態となっており、例として[[名阪国道]]の[[伊賀サービスエリア|伊賀SA]]では上り線(名古屋方向)のSAでは御福餅、下り線(大阪方向)の「道の駅いが」では赤福餅となっている。1989年頃までは[[新幹線]]車内でも[[都ホテルズ&リゾーツ#その他|都ホテル列車食堂]]、1993年頃まではビュフェとうきょう(現:[[ジェイアール東海パッセンジャーズ]])が担当する[[車内販売]]で購入することができた。大阪地区では、[[JR]][[大阪駅]]の売店や大阪市営地下鉄の売店で扱っていた時期もあったが、現在は[[大阪国際空港|伊丹空港]]、[[関西国際空港]]の一部売店で販売されている。 7月から9月には、御福餅の餡を使用した[[アイスキャンディー]]も販売される。「Merchant Adzuki Beans Candy」の頭文字をとって、「御福MAC(マック)」と呼ばれる。 赤福は、赤福本店で作られているごく僅かの赤福餅以外の製造は工場で機械化されているが、御福餅は生産量の違いもあり、現在でも手造りである。 なお、『[[赤福のれん]]』(原作:[[花登筺]])にて、御福をモデルにしたと思われる「おか福」との葛藤が女一代記としてテレビドラマ化(主演・赤福社長:[[十朱幸代]]、おか福社長:[[藤岡琢也]])されている。作品前半ではライバル関係に描かれているが、後におか福が苦境に立つと援助するなど協力関係でもある。ちなみに「おか福」以外に「赤もち」なるものも登場する。 == 不正表示事件 == *[[2007年]]10月12日に赤福餅が消費期限及び製造日、原材料表示を偽装していた事件が発覚し、赤福餅の販売が自粛された影響で、赤福と同様の商品を販売している御福餅の売上が急増した。 *その矢先の2007年[[10月29日]]、同社による自主申告に基づき、御福餅にも表示不正の疑い(JAS法違反)があるとして、農林水産省東海農政局と県伊勢保健所が同社本社に立ち入り調査に入った。農林水産省などによれば、製造日と消費期限を1日先延ばしして表示する「先付け」および、原材料の表示順の誤り(原材料は”重量順”に「砂糖、小豆、…」と記載されなければならないところを、「小豆、砂糖、…」と記載していた)などの不正が行われていたという。なお同社は当初製造日の偽装を行なった商品は全体の1割程度と説明していたが、実際には8割以上の商品で行なわれていたことが判明した。また、製造日偽装は少なくとも'''1980年から日常的に行われていた'''という。<ref>[http://www.asahi.com/national/update/1030/NGY200710300001.html 赤福に続き「御福餅」、表示不正の疑い 農水省が調査] 朝日新聞 2007年10月30日報道。</ref><ref>[http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/071105.html 農林水産省の2007年11月5日づけプレスリリース]</ref>。 *[[12月5日]]、小橋正生社長は津市にある農林水産省東海農政局三重農政事務所に改善計画書を提出。直営店での営業を再開した。 == 脚注 == <div class="references-small"><references /></div> == 外部リンク == *[http://ofukumochi.com/ 伊勢名物「御福餅」](公式サイト) {{DEFAULTSORT:おふくもち}} [[Category:餅菓子]] [[Category:土産菓子]] [[Category:三重県の菓子]] [[Category:伊勢市の食文化]] [[Category:伊勢市の企業]] [[Category:日本の製菓業者]] [[Category:食品安全事件]] [[Category:老舗企業 (江戸時代創業)]]
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