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[[File:Military chaplain.jpg|thumb|right|250px|[[イラク]]の[[ファルージャ]]で、聖書を読む[[アメリカ海軍]]建設工兵隊Naval Mobile Construction Battalion所属の従軍牧師(階級は[[大尉]])]] [[File:US Navy 040411-N-1290G-005 Navy Chaplain Milton Gianulis conducts an Easter morning Orthodox Liturgy candlelight service aboard USS Harry S. Truman (CVN 75).jpg|thumb|right|250px|[[ハリー・S・トルーマン (空母)|空母ハリー・S・トルーマン ]]艦内で、[[復活大祭]]の[[聖体礼儀]]を司式する[[正教会]]の従軍司祭と、参祷する乗組員達(2004年4月11日)]] [[File:US Navy 040411-N-7781D-059 Navy Chaplain Burnette prepares holy communion during a Catholic Easter Sunday Mass in the Forecastle aboard the nuclear powered aircraft carrier USS Harry S. Truman (CVN 75).jpg|thumb|right|250px|[[ハリー・S・トルーマン (空母)|空母ハリー・S・トルーマン ]]艦内で、[[復活祭]]の[[ミサ]]を司式する[[カトリック教会]]の従軍司祭と、参祷する乗組員達(2004年4月11日)]] '''従軍牧師'''(じゅうぐんぼくし、英語:military chaplain)は、[[軍隊]]内部で[[牧師]]として活動する[[軍人]]または[[軍属]]のことである。 [[正教会]]や[[カトリック教会]]の[[聖職者]]として活動する軍人の場合は'''従軍[[神父]]'''や'''従軍[[司祭]]'''と呼び分けられる場合もある。また、国や時代によっては[[仏教]]や[[イスラム教]]、[[ユダヤ教]]などの従軍聖職者が存在する場合もある。 本項目では、一般的な事柄については項目名に従って従軍牧師の名称を用いる。 == 概要 == 従軍牧師の歴史的な起源は古く、遅くとも4世紀の[[ローマ帝国]]軍には既に存在していたようである。公式に軍務の一環として認められたのは、742年に[[レーゲンスブルク]]の会議で[[聖ボニファティウス]]が従軍牧師の職務を軍務として認めたことに始まる。従軍牧師は軍人ではあるが非戦闘員として扱われ、このことは1864年の[[ジュネーブ条約]]でも強調された。社会における宗教の関わり方が多様化、複雑化したことは、従軍牧師の役割をより重要なものとし、兵士個々人と部隊全体の精神状態を良好な状態に促す機能を果たしてきた。 現代の軍事組織において、部隊の規模が拡大するに従って従軍牧師も増員されており、例えば第一次世界大戦のアメリカ陸軍では2363名の従軍牧師が従事し、アメリカ海軍では203名が従事していた。これほどの規模になった従軍牧師の部隊は、部隊長となったジョン・B・フライザー (John B. Fraizer) によって初めて組織化され、遠征部隊 (American Expeditionary Force, AEF) では聖職者が体系的に運用された。第一次世界大戦の経験と第二次世界大戦の総動員では、従軍牧師がかつてない規模で運営され、民間人の聖職者が従軍牧師として従事し、9117名の従軍牧師が陸軍で勤務し、2934名が海軍で任務に従事した。 今日において従軍牧師の任務は、礼拝や教育、記念行事などの宗教に関連する式典を執り行うだけでなく、戦場や医療の現場で臨終の人員を見取ることだけに留まっていない。平時における軍人や軍属などに対して宗教教育や統率訓練、部隊や将兵に対する精神面からの支援などに拡大し続けている。 従軍牧師は[[大学]]の[[神学部]]や[[神学校]]を卒業して牧師の資格を持つ者にとっては、[[徴兵]]・[[志願兵]]を問わず軍隊に入隊する場合に人気のある[[兵科]]である。 国や時代によって差があるため絶対とは言えないが、一般的に[[聖職者]]は[[医師]]などと同等の「特殊で高度な技能の持ち主」とみなされるため、[[士官]](もしくは士官相当の[[軍属]])<!--[[大尉]]や[[少佐]]-->の[[階級 (公務員)|階級]]で勤務する場合が多い。 == 国際法上の保護資格 == 従軍宗教者はその任務の専門性と特殊性から、[[戦時国際法]]では[[衛生兵]]とほぼ同等の保護資格が与えられており、保護資格者であることを示す標章は衛生兵と同じ[[赤十字]]のマークである<ref>「戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する1949年8月12日の[[ジュネーヴ諸条約 (1949年)|ジュネーヴ条約]]」第24条、「海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約」第36条、「捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約」第33条、第35条、第36条などを参照</ref>。 == 日本 == かつて旧[[日本軍]]においては、'''従軍僧'''([[仏教]])が存在したが、軍人ではなく[[軍属]]扱いであった。[[浄土真宗]]各教団においては'''軍隊布教使'''と呼ぶ布教使を派遣している場合もあった。また、旧日本軍では聖職者でも一般人と変わらず[[徴兵]]の対象とされたので、[[神職]]や[[僧侶]]の資格を持つ軍人が、臨時に従軍神主や従軍僧のような役割を行う場合があった。 なお、現在の[[自衛隊]]においては、宗教活動に従事する職種(兵科)は存在しない。 == 脚注 == <references /> == 参考文献 == *Drury, C. M. 1948. The history of the chaplain corps, U.S. Navy. Washington, D.C.: Government Printing Office. *Groh, J. E. 1986. Air force chaplains. Vol. 4, 1971-1980. Washington, D.C.: Government Printing Office. *Honeywell, R. J. 1958. Chaplains of the U.S. Army. Washington, D.C.: Government Printing Office. *Jorgensen, D. B. 1961. Air force chaplains. Vol. 1, 1917-1946. Washington, D.C.: Government Printing Office. *Jorgensen, D. B. 1962. Air force chaplains. Vol. 2, 1947-1960. Washington, D.C.: Government Printing Office. *Pitts, C. F. 1957. Chaplains, in gray: The Confederate chaplain's story. Nashville, Tenn.: Broadman Press. *Smith, W. E. 1967. The navy chaplain and his parish. Ottawa: Queen's Printer and Controller of Stationery. == 関連項目 == *[[特技兵]]([[宗教家]]・[[聖職者]]は特技として扱われる場合がある) *[[チャプレン]]([[アメリカ軍]]ではどの宗教の従軍聖職者もチャプレンと呼ぶ。[[キリスト教]]以外に[[ユダヤ教]]・[[イスラム教]]・[[仏教]]のチャプレンが存在している) *[[救世軍]]([[イギリス軍]]と[[オーストラリア軍]]の従軍牧師は救世軍の[[牧師|士官]]が務めている場合がある) *[[政治将校]] *[[従軍]] *[[ジュネーヴ諸条約 (1949年)]] *[[葬式]] *[[士気]] *[[良心的兵役拒否]]/[[代替役]]/[[兵役逃れ]] {{DEFAULTSORT:しゆうくんほくし}} [[Category:従軍牧師|*]] [[Category:キリスト教の称号・役職]] [[Category:軍隊]] [[Category:軍事関係者]] [[Category:宗教に関連する人物]]
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