小田急3000形電車 (2代)のソースを表示

{{鉄道車両
|車両名=小田急3000形電車
|社色=#00677E<!--帯の色のロイヤルブルー 鉄道ピクトリアル通巻829号（2010年1月号臨時増刊）「特集・小田急電鉄」p191の表から色を抽出-->
|画像 =Odakyu Erectric Railway 3000(2nd).jpg
|pxl =300px
|画像説明 =3000形電車（2007年12月9日）
|unit = self
|編成 = 6両固定編成<br/>8両固定編成<br/>10両固定編成
|起動加速度 =3.3[[メートル毎秒毎秒|km/h/s]]（単独運用時）<ref name="rj422-81"/><br/>2.7km/h/s（他形式と連結時）<ref name="rj422-81"/>
|営業最高速度 =100[[キロメートル毎時|km/h]]<ref>PHP研究所「小田急電鉄のひみつ」34頁。</ref>
|設計最高速度 =120km/h<ref name="rj422-81"/>
|最高速度 =
|定格速度 =
|減速度（常用最大）=4.0km/h/s<ref name="rj422-81"/>
|減速度（非常） =4.5km/h/s<ref name="rj422-81"/>
|編成定員 =
|車両定員 =145名（1次車・先頭車）<ref name="rj422-81"/><ref group="注釈" name="車両定員">先頭車の車椅子スペースに存在する3人がけの折畳み座席を折畳んだ状態の立席定員増加分は3名なので、総定員は変わらない（[[#RJ422|小田急運転車両部 (2001) p.81]]）。</ref><br/>144名（2次車以降・先頭車）<ref name="rp829-314315"/><ref group="注釈" name="車両定員"/><br/>157名（1次車・中間車）<ref name="rj422-81"/><br/>155名（2次車以降・中間車）<ref name="rp829-314315"/>
|編成長 =
|最大寸法 =20,000[[ミリメートル|mm]]<ref name="rp829-314315"/>×2,866mm<!--手すりや雨樋まで含めた最大幅--><ref name="rp829-314315"/>×4,120mm<ref name="rp829-314315"/><!--全車両同じ-->
|全長 =
|全幅 =
|全高 =
|車体長 =
|車体幅 =2,786mm<!--こっちは手すりや雨樋は含まない車体の幅--><ref name="rp829-262"/>
|車体高 =
|編成質量 =
|車両質量 =
|軸配置 =
|軌間 =1,067mm
|電気方式 =[[直流電化|直流]]1,500[[ボルト (単位)|V]]<br/>（[[架空電車線方式]]）
|出力 =
|主電動機 =[[かご形三相誘導電動機]]<br/>[[三菱電機]] MB-5092-A（1次車・2次車）<ref name="rp829-314"/><br/>三菱電機 MB-5102-A（3次車以降）<ref name="rp829-314315"/>
|モーター出力 =180[[ワット|kW]]（1次車・2次車）<ref name="rp829-314"/><br/>190kW（3次車以降）<ref name="rp829-314315"/>
|機関出力 =
|編成出力 =
|定格出力 =
|定格引張力 =
|駆動装置 =[[WN駆動方式|WNドライブ]]
|歯車比 =99.14 (7.07)（1次車・2次車）<ref name="rp829-314"/><br/>97.16 (6.06)（3次車以降）<ref name="rp829-314315"/>
|変速段 =
|台車 =[[東急車輛製造]] TS-1026<ref name="rj422-81"/>（電動台車）<br/>東急車輛製造 TS-1026<ref name="rj422-81"/>（付随台車）
|制御装置 =[[インテリジェントパワーモジュール|IPM]]-[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]2レベル[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]<ref name="rp829-314315"/><br/>三菱電機 MAP-196-15V96（1次車・2次車）<ref name="rp829-314"/><br/>三菱電機 MAP-198-15V-115（3次車以降）<ref name="rp829-314315"/><br/>三菱電機 MAP-198-15V-116（3次車以降）<ref name="rp829-314315"/>
|ブレーキ方式 =[[電力回生ブレーキ|回生制動]]併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令電気演算式]][[電磁直通ブレーキ|電磁直通制動]] (MBSA-R)<ref name="2002-151">[[#大幡2002|大幡 (2002) p.151]]</ref>
|保安装置 =[[自動列車停止装置#多変周式信号ATS（多変周式（点制御、連続照査型））|OM-ATS]], [[自動列車停止装置#D-ATS-P（デジタルATS-P）形|D-ATS-P]]
|製造メーカー =[[日本車輌製造]]・[[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]]・[[東急車輛製造]]
|備考 =
|備考全幅 =
}}
'''小田急3000形電車'''（おだきゅう3000がたでんしゃ）は、[[小田急電鉄]]（小田急）が2001年度以降に運用している[[通勤形車両 (鉄道)|通勤車両]]<!--小田急では「通勤形」という区分ではないため。2400形までは竣功図に「並等電動車両」というように書いてあるようですが-->である。

車体構造等について大幅な見直しを図り<ref name="rp829-261"/>、一層のコスト削減<ref name="rp829-261"/>と[[環境負荷]]の低減を図る<ref name="rp829-49"/>車両として登場した車両で、増備の過程で「[[通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン]]」が制定され<ref name="rp829-261"/>、これを受けて車体の基本構造に変更が加えられている<ref name="rp829-261"/>ため、製造年次によって細部仕様が異なることが特徴である<ref name="tech12-87"/>。2001年から2006年までの間に合計312両が製造され<ref name="rp829-261"/>、[[高度経済成長#日本の高度経済成長|高度成長期]]から[[オイルショック|オイルショック期]]にかけて製造された[[小田急2600形電車|2600形（NHE車）]]・[[小田急4000形電車 (初代)|初代4000形]]・[[小田急5000形電車|5000形]]・[[小田急9000形電車|9000形]]を置き換え、小田急の通勤車両では最多両数となった<ref name="rp829-49"/>。2010年度以降、一部編成の増強のため中間車のみが増備されている<ref name="rj537-148"/>。

本項では以下必要に応じて、以下の表記を使用する。
* 小田急では、編成表記の際には「[[新宿駅|新宿]]寄り先頭車両の[[鉄道の車両番号|車両番号]]（新宿側先頭車の車号）×両数」という表記を使用している<ref>『鉄道ダイヤ情報』通巻145号 p.15</ref>ため、本項もそれにならい、特定の編成を表記する際には「3263×6」「3654×8」「3091×10」と表記。
* 特定の車両を表記する場合は、[[鉄道の車両番号|車両番号]]から「デハ3200番台」などのように表記。
* 「山側」とした場合、[[小田原駅|小田原]]方面に向かって右側。
* 「海側」とした場合、小田原方面に向かって左側。
* 「1次車」とした場合、2001年から2002年までに製造された車両。
* 「2次車」とした場合、2003年1月から同年6月までに製造された車両。
* 「3次車」とした場合、2003年11月から2004年4月までに製造された車両。
* 「4次車」とした場合、2004年7月から同年11月までに製造された車両。
* 「5次車」とした場合、2005年3月から同年7月までに製造された車両。
* 「6次車」とした場合、2005年9月から2006年2月までに製造された車両。
* 「7次車」とした場合、2006年3月から同年6月までに製造された車両。
* 「8次車」とした場合、2006年12月から2007年2月までに製造された車両。
* 「9次車」とした場合、2010年度以降に製造された中間車<ref group="注釈">交通新聞社「小田急電鉄の世界」においてこのグループは「9次車」であることが記載されている。</ref>。

== 登場の経緯 ==
[[21世紀]]に入ると、社会的には「環境負荷の低減」や「[[バリアフリー]]化」に高い関心が示されるようになった<ref name="rp829-49"/>。また、社会環境の変化や[[失われた10年|不況]]などにより輸送人員は減少傾向となり、より一層のコスト削減も求められることになった<ref name="rp829-261"/>ため、日本の鉄道業界では車両の仕様や機器の標準化によってコスト低減を図る「標準車両」への取り組みが始まっていた<ref name="rp829-49"/>。一方、小田急において当時通勤車両の主力として運用されていた2600形・5000形・9000形は製造から30年前後となり<ref name="rp829-261"/>、旅客サービスレベルからは十分とは言えず<ref name="rj422-80"/>、置き換えを検討する時期となっていた<ref name="rp829-261"/>。

こうした環境下において、「環境負荷の低減」と「バリアフリー推進」をコンセプトとして<ref name="rj422-80"/>、低コストを強く意識し<ref name="rp829-49"/>、在来車両とも連結が可能で<ref name="rp829-261"/>[[箱根登山鉄道鉄道線|箱根登山線]]にも乗り入れ可能<ref name="rj422-80"/>な地上線専用車両<ref name="rp829-261"/>として登場したのが3000形である。

== 車両概説 ==
本節では、登場当時の仕様を基本として、増備途上での変更点を個別に記載し、更新による変更については沿革で後述する。増備途上での変更点については、[[#製造時期による構成の差異|巻末の一覧表]]も参照されたい。

全長20m級の車両による6両固定編成と8両固定編成で製造されており<ref name="rp829-262"/>、2011年以降は中間車を増備の上6両固定編成に組み込んだ10両固定編成が登場している<ref name="rj537-148"/>。形式は先頭車が[[制御車]]のクハ3050形で、中間車は[[動力車|電動車]]のデハ3000形と[[付随車]]のサハ3050形である。車両番号については、[[#編成表|巻末の編成表]]を参照のこと。

1次車では[[小田急2000形電車|2000形]]に準じた仕様が採用されているのに対し、2次車では「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」にあわせて汎用品の導入を拡大<ref name="rp829-266"/>、3次車以降はガイドラインによる標準化仕様の機器類を採用した「標準型車両」に移行した<ref name="rp829-266"/>。

=== 車体 ===
先頭車・中間車とも車体長19,500mm・全長20,000mmで、車体幅は2,786mmとした<ref name="rp829-262"/>。車体は[[小田急1000形電車|1000形]]・2000形と同様に[[台枠]]・構体とも[[ステンレス鋼]]製とした[[オールステンレス車両]]で、[[日本車輌製造#日車式ブロック工法（日車式SUSブロック構体）|日車式ブロック工法]]を採用した<ref name="tech12-86"/>ため、側面扉部分の外板が独立し<ref name="rp829-262"/>、幕板部分の途中に継ぎ目がある<ref name="rp829-262"/>。1000形・2000形と同様に表面をダルフィニッシュ（梨地）仕上げとしている<ref name="rj422-80"/>が、扉部分についてはヘアライン仕上げとすることでアクセントとすることを図った<ref name="rj422-80"/>。車体断面形状は2600形から2000形まで継続された裾絞り構造をやめて直線とした<ref name="2002-56"/>。外板は1000形・2000形の厚さ1.5mmから2.5mmとし<ref name="rj422-80"/>、その分車体下部窓下（腰板）や隅板の補強を割愛することによって軽量化を図り<ref name="2002-56"/>、適切な側柱の配置にすることで車体の強度を維持した<ref name="rp829-262"/>。これはコスト低減にもつながる方策でもある<ref name="rj422-80"/>。また、床面の高さはそれまでの車両より30mm低く設定し<ref name="rj422-80"/>、ホームとの段差を縮小することを図った<ref name="rj422-80"/>。車体以外の部分も後述するように軽量化を図った結果、それまでの小田急のステンレス車両と比較して約15[[パーセント|%]]の軽量化を実現した<ref name="tech12-86"/>。なお、8次車以降は2005年4月に[[福知山線|JR福知山線]]で発生した[[JR福知山線脱線事故|事故]]を踏まえ<ref name="rp829-50"/>、骨格の材質や部材の板厚の変更を行なって<ref name="rp829-50"/>側面衝突時の車体強度向上を図ったために自重が増加した<ref name="rp829-267"/>。

{{Triple image|right|OER 3551 Ebina.jpg|140|OER 3960.jpg|140|OER-3562-3474.jpg|140|2次車までは前面の帯は太帯だった（その後細帯に変更）|3次車以降は前面の帯は細くなった|3次車以降（右）からはスカート形状が2次車まで（左）の形状から変更された}}
前面は一般車両では[[小田急2200形電車|2200形]]以来となる非貫通型で、それまでの小田急の通勤車両のイメージとは大きく異なる<ref name="tech12-86"/>。前面の構体を覆う箇所は、リサイクルを考慮して<ref name="rp829-262"/>1000形・2000形の[[繊維強化プラスチック]] (FRP) 製成型品から鋼製に変更し、シルバーメタリック塗装とした<ref name="2002-56"/>。2次車までは先頭車の前面ガラス下部の帯に青色の帯を入れていた<ref name="rj422-80"/>が、機器構成が変わった3次車以降は細帯に変更された<ref name="rp829-267"/>。

前面下部には[[排障器|台枠下部覆い（スカート）]]が設置されたが、3次車からは形状が変更され、側面にもスカートが装着できる構造となったほか<ref name="rp829-267"/>、乗務員ステップと一体化された<ref name="tech12-86"/>。
{{-}}
{{Double image aside|right|OER-3000widedoor-sideview.jpg|180|OER-3000-sideview.jpg|180|1次車では扉幅が1,600mmで戸袋窓がある|2次車以降は扉幅が1,300mmで戸袋窓はない}}
側面客用扉は各車両とも4箇所で、天地寸法をそれまでの車両より40mm高くした1,870mmとした<ref name="2002-58"/>。扉の幅については、1次車では2000形に引き続き[[操縦席|乗務員室（運転室）]]に隣接する箇所のみ1,300mm幅<ref name="2002-58"/>・それ以外の箇所は全て1,600mm幅の両開き扉とした<ref name="2002-58"/>が、2次車以降では全ての扉が1,300mm幅に変更された<ref name="rp829-266"/>。車両間の貫通路は800mm幅とした<ref name="rj422-82"/>。

側面窓の配置は、1次車では客用扉間には戸袋窓と1,000mm幅の一段下降窓を配した<ref name="rp829-262"/>が、2次車以降では戸袋窓を省略し<ref name="rp829-266"/>、側面窓は一段下降窓と固定窓の組み合わせとした<ref name="rp829-266"/>。車端部の窓は1次車が戸袋窓のみ、2次車から7次車までが固定式で、8次車以降は一段下降窓となった<ref name="rp829-267"/>。全ての側面ガラスは[[紫外線|UV]]カット遮光ガラスとし<ref name="2002-58"/>、客用窓のロールカーテンは廃止した。扉の窓については[[複層ガラス]]とすることで結露防止策とする<ref name="rj422-82"/>とともに、扉部分での段差解消を図った<ref name="rj422-81"/>。また、小田急の通勤車両では初めて妻面の窓を廃止した<ref name="rj422-82"/>。
{{-}}
{{Double image aside|right|LED Outside Information Board of OER 3000-First 3.jpg|180|LED Outside Information Board of OER 3000.jpg|180|側面LED式行先表示器は3258×6までは横128ドット×縦32ドット|3259×6からは横192ドット×縦48ドットに側面LED式行先表示器を大型化}}
前面・側面とも[[方向幕|種別・行先表示器]]は[[発光ダイオード|LED]]式とした。側面の表示器は2次車の3258×4までが横128[[dpi|ドット]]×縦32ドット<ref group="注釈">16ドットの表示器を横に8枚並べたものを縦に2列で並べた（[[#岸上829|岸上 (2010) p.266]]）。</ref>であったのに対し、2次車の3259×6以降は横192ドット×縦48ドット<ref group="注釈">16ドットの表示器を横に12枚並べたものを縦に3列で並べた（[[#岸上829|岸上 (2010) p.266]]）。</ref>に拡大し、視認性の向上を図った。また、7次車以降はフルカラー式LED表示器を採用した<ref name="rp829-267"/>。
{{-}}

=== 内装 ===
{{Double image aside|right|Odakyu 3251 inside.jpg|120|Inside Odakyu 3366.JPG|120|1次車の車内|2次車以降の車内}}
座席はすべて[[鉄道車両の座席#ロングシート（縦座席）|ロングシート]]で、客用扉間に7人がけ・客用扉と連結面の間には3人がけの座席が配置される<ref name="rp829-262"/>。座席は[[バケットシート]]を採用、[[モケット]]は赤から紫への[[グラデーション]]模様とし<ref name="rp829-262"/>、[[優先席]]では配色を逆転させることで同一の柄を使用できるようにした<ref name="rj422-81"/>。座席は着脱のメンテナンスを考慮し<ref name="rj422-81"/>、7人がけ座席を3人がけと4人がけに分割している<ref name="rj422-81"/>が、1車両のうち2箇所は緊急脱出用のスロープとして使用するために分割していない<ref name="rj422-81"/>。2次車以降は片持ち式座席を採用し<ref name="rp829-266"/>、座席の袖仕切りも大型化された<ref name="rp829-266"/>ほか、優先席は青色系のモケットとして区別した<ref name="tech12-87"/>。先頭車の座席のうち、乗務員助士席側直前の箇所は[[車椅子スペース]]を設け、車椅子利用がない際に使用するための3人がけ収納式座席を設置した<ref name="2002-58"/><ref group="注釈" name="車両定員"/>。握り棒は、6次車までは7人がけ座席の中央部付近に1本ずつ<ref name="rj422-81"/>、7次車・8次車では7人がけ座席と優先席に1本ずつ<ref name="rp829-267"/>、9次車では7人がけ座席に2本ずつ・優先席に1本ずつ配置した<ref name="rj537-148"/>。握り棒形状は、1次車は直線で構成している<ref name="tech12-87"/>が、優先席付近のみ湾曲させて位置を低くした<ref name="rp829-263"/>。2次車以降は[[網棚|荷棚]]との接続部分は曲線をつけた<ref name="tech12-87"/>。9次車では握り棒の曲線半径を大きくした<ref name="tech12-87"/>ほか、優先席付近の握り棒に黄色のカバーを装着した<ref name="tech12-87"/>。

車内の化粧板は淡いグレー系とし<ref name="rj422-81"/>、扉部分のみ木目調とした<ref name="rj422-81"/>。床は濃いグレーにピンクの石目模様とした<ref name="rp829-262"/>が、9次車では扉付近の床すべり止めを黄色とすることで明確に区分した<ref name="tech12-87"/>。[[貫通扉]]のガラス面積は天地寸法を1,355mmと大きくすることで車内の見通しに配慮した<ref name="rj422-82"/>。

{{Double image aside|right|LED information board of OER 3000.jpg|180|LCD information board of OER 3000.jpg|180|3次車までの案内表示装置はLEDスクロール式、つり革は1次車は丸型|4次車以降は案内表示装置は液晶モニタ式、つり革は2次車以降は三角形}}
[[つり革]]は荷棚間の中央部にも増設するとともに<ref name="rj422-81"/>、それまでの車両より50mm・優先席部分では100mm低い位置とした<ref name="rj422-81"/>。吊り輪は1次車では丸型であったが、2次車からは三角形に変更された<ref name="rp829-266"/>。

[[車内案内表示装置]]は、3次車まではLEDスクロール式案内表示装置を各車両の客用扉上部4箇所に千鳥配置で設置した<ref name="tech12-86"/>が、4次車では[[液晶ディスプレイ|液晶モニタ]]式案内表示装置の千鳥配置に変更し<ref name="rp829-267"/>、5次車以降では液晶モニタを全ての客用扉上部に設置した<ref name="rp829-267"/>。[[車内放送|放送装置]]は自動放送装置を装備し、併結した在来車両にも自動放送が可能な仕組みとした<ref name="rj422-83"/>。

ドアエンジンは空気式に変わりないが、3次車以降では閉扉後に一定時間戸閉力を弱める戸閉力弱め制御機構が追加された。
{{-}}

=== 主要機器 ===
床下機器について、それまでの車両は台車を除き黒色で統一されていたものを全てグレーに変更した<ref name="rp829-50"/>。

{{Double image aside|right|Odakyu-N3000cab.jpg|180|Odakyu 3000 Door control.JPG|180|運転台|戸閉スイッチ周り}}
[[操縦席|運転台]]は、小田急の通勤車両では初めて[[マスター・コントローラー|主幹制御器]]にブレーキ設定器を一体化したワンハンドル式が採用された<ref name="2002-58"/>が、特急車両とは異なり左手操作式とした<ref name="2002-57"/><ref group="注釈">特急車両では[[小田急7000形電車|7000形LSE車]]から[[小田急30000形電車|30000形EXE車]]までにワンハンドルマスコンの採用実績があるが、いずれも右手操作式である。</ref>。5次車からはハンドル形状は変更されている<ref name="tech12-87"/>。また、運転席の位置をこれまでの車両よりも車体中央側に440mm寄せることで、運転席からの見通しを改善するとともに、居住空間の拡大を図った<ref name="rj422-81"/>。計器盤は運転台を囲むようにスイッチや計器類を配置し、カラーモニタ表示器が組み込まれた<ref name="rj422-81"/>デスクタイプとした<ref name="rp829-263"/>。[[警笛]]には空気笛はAW-5C形<ref name="rp829-189"/>・電子笛には八幡電気産業製のYA-00138形<ref name="rp829-190"/>が搭載された。3次車からは車両の情報を管理するシステムとして[[TIMS|TIOS]]（列車情報小田急型管理装置）が導入され、車体の配線が削減された。これに伴い、3次車以降のクハ3250番台の車両にはTIOS読替装置が設置された<ref name="rp829-267"/>。戸閉操作で使用する鎖錠スイッチは、キーによる鎖錠だったものを押しボタン式の戸締解除スイッチへ変更した<ref name="rp829-50"/>。9次車のサハ3150番台・サハ3250番台では、工場で分割された際に簡易運転台ユニットを装着できる端子とブレーキ管を妻面に収納した<ref name="tech12-87"/>。

[[主制御器|制御装置]]は三菱電機製の[[インテリジェントパワーモジュール|IPM]]-[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]]2レベル方式の[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]装置が採用された<ref name="rp829-263"/>。1次車と2次車では[[主電動機]]2台の制御を行う (1C2M) ユニットを1群として、これを3群で1台の機器としたMAP-196-15V96形を採用し<ref name="rp829-263"/>、デハ3200番台とデハ3400番台の車両に設置している<ref name="rp829-263"/>。3次車以降ではインバータ1基で主電動機4台を制御する (1C4M) ユニットを1群とし、1台の装置の中に2群の機器を収めたMAP-196-15V115形をデハ3200番台・デハ3600番台・デハ3800番台の車両に<ref name="rp829-266"/>、1群のみで使用するMAP-196-15V116形をデハ3400番台の車両に搭載した<ref name="rp829-266"/>。いずれも、素子の冷却方式をドライパネルで自然冷却とする<ref name="rp829-263"/>ことで[[冷媒]]の使用を廃止したほか、装置の簡略化による信頼性・メンテナンス性の向上と軽量化を図っている<ref name="rj422-82"/>。また、[[可変電圧可変周波数制御#制御方式|ベクトル制御]]方式を採用し<ref name="2002-59"/>、安定した加速力および制動力の確保を図っている<ref name="rj422-82"/>ほか、[[定速運転]]機能も導入された<ref name="tech12-86"/>。

{{Sound|OER 3000 sound.ogg|File:OER 3000 sound.ogg|走行音（2009年9月10日）}}
主電動機は[[三菱電機]]製の自己通風式[[かご形三相誘導電動機]]を採用しており、1次車と2次車では出力180[[ワット|kW]]のMB-5092-A形<ref name="rp829-263"/>、歯数比は99:14=7.07とした<ref name="rp829-263"/>のに対し、3次車以降は出力190kWのMB-5102-A形を採用した<ref name="rp829-50"/>上で歯数比を97:16=6.06に設定することによって<ref name="rp829-266"/>、同一の速度における主電動機回転数の低減による低騒音化を図った<ref name="rp829-50"/>。駆動方式はこれまでの通勤車両と同様の[[WN駆動方式|WNドライブ]]である。

[[鉄道のブレーキ|制動装置（ブレーキ）]]は[[回生ブレーキ|回生制動]]併用[[電気指令式ブレーキ|全電気指令式電磁直通制動]] (MBSA-R) とすることで空気配管の削減による軽量化を図ったほか、停止直前まで回生ブレーキを有効にしつつ、停止まで電気制御を行なう[[純電気ブレーキ]]を採用した<ref name="rj422-83"/>。[[電磁直通ブレーキ]]（空気指令方式）の制動装置を搭載する1000形までの従来車両と併結運転を行う際にはブレーキを相互に読み替えるため<ref name="rp829-263"/>、ブレーキ読替装置をクハ3250番台の車両に搭載した<ref name="rj422-83"/>。基礎制動装置はシングル式（片押し式）で<ref name="2002-59"/>、小田急では初めて[[踏面ブレーキ#ユニットブレーキ|ユニットブレーキ]]が採用された<ref name="rp829-263"/>。また、[[フラット防止装置|滑走防止制御装置]]を設けることでスキッド防止を図った<ref name="2002-59"/>。

{{Double image aside|right|OER-3000-TS1026-Truck-01.jpg|180|OER-3000-TS1027-Truck.jpg|180|電動台車 TS-1026|付随台車 TS-1027}}
[[鉄道車両の台車|台車]]は軽量化を図って[[東急車輛製造]]製の軸梁式軸箱支持方式[[鉄道車両の台車史#ボルスタレス台車|ボルスタレス台車]]を採用した。電動台車がTS-1026形、付随台車はTS-1027形で、いずれも[[ホイールベース#鉄道|固定軸距]]は2,100mm・車輪径860mmで防音リング付車輪としている。付随台車には滑走防止制御用の速度センサーを軸端に設けている。左右動の防止を図り、空気ばねは前後方向に柔らかく左右方向に硬いものとした<ref name="rj422-82"/>。なお、1次車と2次車においては、デハ3300番台とデハ3500番台の小田原寄りの台車は付随台車としている<ref name="rp829-263"/>。

[[連結器]]については、編成両端は[[連結器#密着連結器|回り子式密着連結器]]、編成中間は[[連結器#棒連結器（永久連結器）・半永久連結器|半永久型連結器]]とした<ref name="rj422-81"/>。クハ3250番台以外の車両では非常時以外は連結しないため、連結器には空気配管も設けていない<ref name="rj422-80"/>。クハ3250番台では他車との連結を考慮し96芯[[連結器#電気連結器|電気連結器]]を装備したが、5次車以降は電気連結器は96芯に加えて36芯電気連結器を下部に設置した2段式となった<ref name="rp829-263"/>。

{{Double image aside|right|Pantograph-Single-arm.jpg|112|Air-Conditioner-Equipment-CU708.jpg|225|集電装置|冷房装置 CU-705}}
[[集電装置|集電装置（パンタグラフ）]]は30000形EXE車で採用実績のある[[集電装置#Z型・シングルアーム型|シングルアーム式]]を採用し、デハ3200番台・デハ3400番台・デハ3600番台・サハ3750番台・デハ3800番台の車両に設置した。舟体は、降雪時の着雪量低減を図るため、強度を上げながら枠を薄くした[[アルミニウム合金|アルミニウム]]製とした<ref name="rj422-82"/>。また、上昇検知装置を設けることで、運転台のモニタ表示で上昇や下降の確認ができるようにした<ref name="2002-59"/>。

[[エア・コンディショナー|冷房装置]]については、小田急では初めて[[集中式冷房装置]]を採用した<ref name="rp829-263"/>。1次車から2次車の3258×6までは[[冷凍能力]]42,000[[カロリー|kcal]]/hの三菱電機CU-705形<ref name="2002-59"/>、2次車の3259×6以降は50,000kcal/hの能力を有する三菱電機CU-709形<ref name="rp829-266"/>、3次車以降はCU-709と同一性能でTIOSに対応した三菱電機CU-710形を採用した<ref name="rp829-267"/>。

補助電源装置は、IGBT素子式[[静止形インバータ]] (SIV) を採用した。出力は1次車から2次車の3258×6までは130[[ボルト (単位)|kV]][[アンペア|A]]、2次車の3259×6以降は140kVAとした<ref name="rp829-266"/>。さらに3次車以降の8両編成では210kVAとした<ref name="rp829-267"/>。いずれも出力電圧を[[三相交流]]440Vにして引き通し電線径を細くすることで軽量化を図っている<ref name="rj422-82"/>。[[圧縮機|電動空気圧縮機]] (CP) については、三相交流440Vで駆動する低騒音スクロール式<ref name="rj422-83"/>のRC1500形を搭載した<ref name="rj422-81"/>。

== 沿革 ==
2001年度は1次車が4編成投入され、2002年2月10日より営業運行を開始した<ref name="rp829-206"/>。これにより2600形NHE車の[[廃車 (鉄道)|廃車]]が進められた<ref name="rp829-206"/>。2002年度に導入された2次車では「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」による標準車両のモデルに合わせて、汎用装置の導入が拡大された<ref name="rp829-266"/>。なお、2002年8月には3254×6に防音スカートを設置し<ref name="rp829-267"/>、騒音低減の効果を確認する試験を行なった<ref name="rp829-267"/>。

{{Triple image|right|OER 3263.jpg|180|Model 3000-Third of Odakyu Electric Railway.JPG|180|Dream Train of OER 3000.JPG|180|床下全体がスカートで覆われた3263×6|電動車の台車周りに防音カバーを設置した3263×6|「でんしゃデザインコンテスト」受賞作品をラッピングした3661×8}}
2003年後後半以降に製造された3次車からは、環境負荷の低減をさらに推進するとともに<ref name="rp829-266"/>、標準化仕様の機器の採用をさらに進めた<ref name="rp829-266"/>ほか、8両固定編成が新たに登場した。この年に製造された編成のうち、3263×6では試験的に側面全体にもスカート（防音カバー）を装着し<ref name="rp829-267"/>、床下全体がスカートで覆われた仕様で登場した<ref name="rp829-267"/>。また、この時期に1次車と2次車の正面の青帯は細帯に変更された<ref name="rp829-267"/>。

2005年には比較のため、3265×6の電動車のみ防音カバーの設置を行なった<ref name="rp829-267"/>。2006年2月からは3263×6は電動車の台車付近にのみ防音カバーが設置されるようになり<ref name="rp829-267"/>、同年には3265×6に全密閉式主電動機を搭載して試験を行なった<ref name="rp829-267"/>。これらの試験終了後の2008年7月には、3263×6の台車回りの防音カバーは撤去されている<ref name="rp829-267"/>。

3000形の増備は2007年で終了し、6両固定編成は主に他形式の4両固定編成と連結して10両編成で[[小田急小田原線#急行|急行]]・[[小田急小田原線#快速急行|快速急行]]に運用され<ref name="rj537-148"/>、8両固定編成は主に[[小田急小田原線#各駅停車|各駅停車]]と[[小田急小田原線#区間準急|区間準急]]に運用されるようになった<ref name="rj537-148"/>。

2007年11月から2008年3月にかけて、開業80周年で公募が行なわれた「でんしゃデザインコンテスト」の受賞作品を3661×8の全車両にラッピングして運行が行なわれた<ref name="rp829-267"/>。

{{Double image|right|小田急3041.jpg|180|小田急3191.jpg|180|10両編成化に伴い改番された車両 デハ3041（元デハ3280）|10両編成化に伴い増備された車両 サハ3191}}
2010年度からは6両固定編成の一部に対して新造の中間車4両を組み込む10両固定編成化に着手することになり<ref name="rj537-148"/>、6両編成を前後に分割した上で中間車4両を組み込んだ<ref name="rj537-148"/>。これらの編成では新宿側先頭車に設置されていた電気連結器とブレーキ読替装置を撤去したほか<ref name="rj537-148"/>、先頭車の車椅子スペースの折畳み座席を撤去し<ref name="rj537-148"/>、車椅子スロープの収納場所とした<ref name="rj537-148"/>。10両編成化される編成は、2010年度には最も新しい8次車が選ばれ<ref name="rj537-148"/>、2011年度は7次車の6両固定編成でもっとも新しい3278×6<ref name="dj333-119"/>と3279×6<ref name="dj333-126"/>が選ばれた。
{{-}}

{{Triple image|right|F-Train of OER-3493.jpg|150|Odakyu3000_3093F_Tc3093-side.jpg|145|Odakyu3000_3093F_Tc3493-side.jpg|145|「F-Train」となった3093×10|「F-TrainII」となった3093×10（新宿方より）|「F-TrainII」となった3093×10（小田原方より）}}
2011年8月には、沿線の[[川崎市]][[多摩区]]に[[藤子・F・不二雄ミュージアム]]が開館することを記念して<ref name="od110802"/>、3093×10に対して[[藤子・F・不二雄]]作品のキャラクターをデザインしたラッピングを施し、車内にも装飾を行った上で「小田急 F-Train」として1年間をめどに運行されることになり<ref name="sk110802"/>、同年8月3日から運行を開始した<ref name="rf608-180181"/>。ところが、[[東京都]]から「ラッピングがほぼ全面に貼り付けられており、条例で車体の10%と規定されている<ref group="注釈">{{Cite web|year=2011|url=http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/koukoku/kou_siori.pdf|title=屋外広告物のしおり|format=PDF|publisher=[http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/koukoku/index.html 東京都都市整備局都市づくり政策部緑地景観課]|page=19|language=日本語|accessdate=2012-01-19|quote=車体の一の外面における各広告物等の表示面積の合計は、当該外面面積の10分の1以下としてください。}}</ref>割合を大きく逸脱し、東京都屋外広告物条例に抵触している」と指摘を受けたため<ref name="rf608-181"/>、予定より大幅に早く同年9月30日をもってF-Trainの運行は打ち切られた<ref name="rf608-180"/>。車内の装飾については継続される<ref name="rf608-181"/>。

一旦は運行終了となったF-Trainであるが、ファンなどからの復活を望む問い合わせが相次いだ<ref name="kl120711"/>ことから、小田急電鉄では沿線自治体と協議を重ねた結果、キャラクターの絵柄を小さくしキャラクター数を増やすことで既定条件をクリアした上で、「F-Train II」として2012年7月20日から運行を再開すると発表した<ref name="od120710"/><ref name="kl120711"/>。今回は、都への屋外広告物の届け出も行っている<ref name="od120710"/>。

2013年2月からは、これまで試運転でのみ併結していた[[小田急8000形電車|8000形]]のリニューアル車と併結しての営業運転が開始された<ref name="railf20130224">{{Cite web|date=2013-02-24|url=http://railf.jp/news/2013/02/24/145500.html|title=小田急8000形更新車と3000形が併結して営業運転|publisher=交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース|language=日本語|accessdate=2013-03-13}}</ref>。
{{-}}

== データ ==
=== 製造時期による構成の差異 ===
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:90%;"
|+ 3000形電車の製造時期によるおもな構成の差異
|-style="background-color:#adf;"
!style="background-color:#ddd;"|製造次
|style="width:8em;"|'''1次車'''
|style="width:6em;"|'''2次車<br/>（東急）'''
|style="width:6em;"|'''2次車<br/>（川崎）'''
|style="width:6em;"|'''3次車'''
|style="width:6em;"|'''4次車'''
|style="width:6em;"|'''5次車'''
|style="width:6em;"|'''6次車'''
|style="width:6em;"|'''7次車'''
|style="width:6em;"|'''8次車'''
|style="width:8em;"|'''9次車<br/>（中間新造車）'''
|-
!製造年度
|2001年度
|2002年度
|2003年度
|colspan="2"|2004年度
|colspan="2"|2005年度
|colspan="2"|2006年度
|2010年度
|-
!製造メーカー
|日本車輌
|東急車輛
|川崎重工
|日本車輌
|東急車輛
|川崎重工
|colspan="2"|日本車輌
|colspan="2"|川崎重工
|-
!客用側扉
|colspan="1"|ワイドドア<br/> (1.6m)
|colspan="9"|標準ドア<br/> (1.3m)
|-
!側面行先表示器
|colspan="2"|3色LED<br/>小型
|colspan="5"|3色LED<br/>大型
|colspan="3"|フルカラーLED<br/>大型
|-
!客室内案内表示器
|colspan="4"|LED<br/>千鳥配置
|colspan="1"|LCD<br/>千鳥配置
|colspan="5"|LCD<br/>全ドア上配置
|-
!座席形状
|colspan="1"| [[バケットシート]]
|colspan="9"|片持ちバケットシート
|-
!スカート形状
|colspan="3"|小型スカート
|colspan="9"|ステップ一体型大型スカート
|-
!主電動機定格出力
|colspan="3"|180kW
|colspan="7"|190kW
|}

=== 編成表 ===
; 凡例 : Tc …[[制御車]]、M …[[動力車|電動車]]、T…[[付随車]]、VVVF…[[主制御器|制御装置]]、SIV…補助電源装置、CP…[[圧縮機|電動空気圧縮機]]、PT…[[集電装置]]、簡…簡易運転台

==== 6両固定編成 ====
===== 1次車・2次車 =====
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A; background-color:#ccc;"|&nbsp;
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A;" colspan="11"|{{TrainDirection|[[小田原駅|小田原]]・[[唐木田駅|唐木田]]・[[藤沢駅|藤沢]]|[[新宿駅|新宿]]・[[片瀬江ノ島駅|片瀬江ノ島]]}}
|-
!号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
|-
!形式
| '''クハ3050''' || '''デハ3000''' || '''デハ3000''' || '''デハ3000''' || '''デハ3000''' || '''クハ3050'''
|-
!style="border-bottom:solid 3px #00677E;"|区分
|style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| Tc2 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M4 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M3 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M2 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M1 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| Tc1
|-
![[鉄道の車両番号|車両番号]]
| '''3551'''<br/>'''∥'''<br/>'''3562''' || '''3501'''<br/>'''∥'''<br/>'''3512''' || '''3401'''<br/>'''∥'''<br/>'''3412''' || '''3301'''<br/>'''∥'''<br/>'''3312''' || '''3201'''<br/>'''∥'''<br/>'''3212''' || '''3251'''<br/>'''∥'''<br/>'''3262'''
|-
!搭載機器
| &nbsp;|| SIV,CP|| VVVF,PT || SIV,CP || VVVF,PT || &nbsp;
|-
!style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"|自重
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"|25.8t||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 29.5t||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"|33.7t||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 30.3t ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 33.8t ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 26.8t
|-
!定員<br/><small>()内は2次車</small>
| 145<br/>(144) || 157<br/>(155) || 157<br/>(155)||157<br/>(155) || 157<br/>(155) || 145<br/>(144)
|}

===== 3次車-8次車 =====
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A; background-color:#ccc;"|&nbsp;
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A;" colspan="11"|{{TrainDirection|[[小田原駅|小田原]]・[[唐木田駅|唐木田]]・[[藤沢駅|藤沢]]|[[新宿駅|新宿]]・[[片瀬江ノ島駅|片瀬江ノ島]]}}
|-
!号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
|-
!形式
| '''クハ3050''' || '''デハ3000''' || '''サハ3050''' || '''デハ3000''' || '''デハ3000''' || '''クハ3050'''
|-
!style="border-bottom:solid 3px #00677E;"|区分
|style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| Tc2 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M3 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| T ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M2 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M1 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| Tc1
|-
!車両番号
| '''3463'''<br/>'''∥'''<br/>'''3482''' || '''3413'''<br/>'''∥'''<br/>'''3432''' || '''3363'''<br/>'''∥'''<br/>'''3382''' || '''3313'''<br/>'''∥'''<br/>'''3332''' || '''3213'''<br/>'''∥'''<br/>'''3232''' || '''3263'''<br/>'''∥'''<br/>'''3282'''
|-
!搭載機器
| &nbsp;|| VVVF,PT|| SIV,CP || SIV,CP || VVVF,PT || &nbsp;
|-
!style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"|自重<br/><small>()内は8次車</small>
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"|26.2t<br/>(27.2t）||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 33.6t<br/>(34.0t）||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"|28.5t<br/>(28.9t）||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 33.0t<br/>(33.8t） ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 34.4t<br/>(35.1t） ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 27.1t<br/>(28.1t）
|-
!定員
| 144 || 155 || 155|| 155 || 155 || 144
|}

==== 8両固定編成 ====
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A; background-color:#ccc;"|&nbsp;
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A;" colspan="11"|{{TrainDirection|[[新松田駅|新松田]]・[[唐木田駅|唐木田]]|[[新宿駅|新宿]]}}
|-
!号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
|-
!形式
| '''クハ3050''' || '''デハ3000''' || '''デハ3000''' || '''サハ3050''' || '''サハ3050''' || '''デハ3000''' || '''デハ3000''' || '''クハ3050'''
|-
!style="border-bottom:solid 3px #00677E;"|区分
|style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| Tc2 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M4 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M3 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| T2 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| T1 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M2 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M1 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| Tc1
|-
!車両番号
| '''3951'''<br/>'''∥'''<br/>'''3965''' || '''3901'''<br/>'''∥'''<br/>'''3915''' || '''3801'''<br/>'''∥'''<br/>'''3815''' || '''3851'''<br/>'''∥'''<br/>'''3865''' || '''3751'''<br/>'''∥'''<br/>'''3765''' || '''3701'''<br/>'''∥'''<br/>'''3715'''|| '''3601'''<br/>'''∥'''<br/>'''3615'''|| '''3651'''<br/>'''∥'''<br/>'''3665'''
|-
!搭載機器
| &nbsp;|| SIV,CP|| VVVF,PT || CP || PT || SIV,CP || VVVF,PT || &nbsp;
|-
!style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"|自重
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 26.2t||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 33.0t ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 34.4t||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 26.7t ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 26.3t ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 33.0t||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 34.4t ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| 26.4t
|-
!定員
| 144 || 155 || 155|| 155 || 155 || 155 || 155 || 144
|}

==== 10両固定編成 ====
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A; background-color:#ccc;"|&nbsp;
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A;" colspan="11"|{{TrainDirection|[[小田原駅|小田原]]・[[藤沢駅|藤沢]]|[[新宿駅|新宿]]}}
|-
!号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8|| 9 ||10
|-
!形式
| '''クハ3050''' || '''デハ3000''' || '''サハ3050''' || '''デハ3000''' || '''デハ3000''' || '''サハ3050''' || '''サハ3050''' || '''デハ3000''' || '''デハ3000''' || '''クハ3050'''
|-
!style="border-bottom:solid 3px #00677E;"|区分
|style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| Tc2 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M5||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| T3 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M4||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M3 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| T2 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| T1 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M2 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| M1 ||style="border-bottom:solid 3px #00677E;"| Tc1
|-
!車両番号<br/><small>()内は改番前の番号</small>
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|-
!搭載機器
| &nbsp;|| VVVF,PT|| SIV,CP || SIV,CP || VVVF,PT || 簡 || 簡,PT || SIV,CP || VVVF,PT || &nbsp;
<!--|-
!style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"|自重
|style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| &nbsp;||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| &nbsp; ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| &nbsp;||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| &nbsp; ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| &nbsp; ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| &nbsp;||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| &nbsp; ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| &nbsp;||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| &nbsp; ||style="border-bottom:solid 3px #7B766A;"| &nbsp;-->
|-
!定員
| 144 || 155 || 155|| 155 || 155 || 155 || 155 || 155 || 155 || 144
|}

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}

=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注釈"}}

=== 出典 ===
{{Reflist|2|refs=
<ref name="2002-56">[[#大幡2002|大幡 (2002) p.56]]</ref>
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<ref name="2002-58">[[#大幡2002|大幡 (2002) p.58]]</ref>
<ref name="2002-59">[[#大幡2002|大幡 (2002) p.59]]</ref>
<ref name="rj422-80">[[#RJ422|小田急運転車両部 (2001) p.80]]</ref>
<ref name="rj422-81">[[#RJ422|小田急運転車両部 (2001) p.81]]</ref>
<ref name="rj422-82">[[#RJ422|小田急運転車両部 (2001) p.82]]</ref>
<ref name="rj422-83">[[#RJ422|小田急運転車両部 (2001) p.83]]</ref>
<ref name="rj537-148">[[#RJ537|『鉄道ジャーナル』通巻537号 p.148]]</ref>
<ref name="rp829-189">[[#中山829|中山 (2010) p.189]]</ref>
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<ref name="rp829-50">[[#丹829|丹 (2010) p.50]]</ref>
<ref name="tech12-86">[[#tech12|『鉄道のテクロノジー』通巻12号 p.86]]</ref>
<ref name="tech12-87">[[#tech12|『鉄道のテクロノジー』通巻12号 p.87]]</ref>
<ref name="rf608-180">[[#RF608|『鉄道ファン』通巻608号 p.180]]</ref>
<ref name="rf608-180181">[[#RF608|『鉄道ファン』通巻608号 pp.180-181]]</ref>
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<ref name="kl120711">{{Cite web|date=2012-07-11|url=http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1207110013/|title=控えめに堂々復活、再開望む声多く「ドラえもん電車」小田急が運行へ|publisher=[http://news.kanaloco.jp/ 神奈川新聞]|language=日本語|accessdate=2012-07-13}}</ref>
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}}

== 参考文献 ==
=== 書籍 ===
* {{Cite book|和書|author = 大幡哲海|authorlink = |coauthors = |year = 2002|title = 小田急電鉄の車両|publisher = [[JTBパブリッシング]]|ref = 大幡2002|id = |isbn = 4533044697}}

=== 雑誌記事 ===
* {{Cite journal|和書|author=小田急電鉄（株）運転車両部 |year=2001 |month=12 |title=小田急電鉄3000形通勤車両 |journal=[[鉄道ジャーナル]]|issue=422 |pages= 80-83 |publisher=鉄道ジャーナル社 |ref = RJ422}}
* {{Cite journal|和書|author=岸上明彦 |year=2010 |month=1 |title=小田急電鉄現有車両プロフィール |journal= [[鉄道ピクトリアル]]|issue=829|pages= 241-295 |publisher=[[電気車研究会]] |ref = 岸上829}}
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* {{Cite journal|和書|author=ジェー・アール・アール |year=2011 |month=7 |title=私鉄DATA FILE 私鉄車両のうごき |journal= 鉄道ダイヤ情報|issue=327 |pages= 125-127 |publisher= 交通新聞社|ref = DJ327}}
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* {{Cite journal|和書|author=杉田弘志 |year=2010 |month=1 |title=小田急電鉄 列車運転の変遷とその興味 |journal=鉄道ピクトリアル |issue=829 |pages= 204-219 |publisher=電気車研究会 |ref = 杉田829}}
* {{Cite journal|和書|author=丹克暁・大路弘幸・亀井進 |year=2010 |month=1 |title=車両総説 |journal= 鉄道ピクトリアル |issue=829 |pages= 49-58 |publisher=電気車研究会 |ref = 丹829 }}
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* {{Cite journal|和書|author= |year=2011 |month=7 |title=Railway Topics |journal=鉄道ジャーナル |issue=537 |page=148|publisher=鉄道ジャーナル社 |ref = RJ537}}
* {{Cite journal|和書|author= |year=2011 |month=10 |title=小田急通勤型電車大図鑑|journal=鉄道のテクノロジー |issue=12 |pages= 80-99 |publisher=[[三栄書房]] |ref = tech12|isbn = 9784779613494}}
* {{Cite journal|和書|author= |year=2011 |month=12 |title=RAILNEWS |journal=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]] |issue=608 |pages= 179-181 |publisher=[[交友社]]|ref = RF608|qoute=『小田急電鉄 ラッピング列車が都条例違反』}}

== 外部リンク ==
* [http://www.n-sharyo.co.jp/business/tetsudo/pages/oda3000.htm 日本車輌製造：小田急電鉄3000形通勤電車]

{{Commonscat|Odakyu 3000 series (II)}}
{{小田急電鉄の車両}}

{{デフォルトソート:おたきゆう3000けいてんしや_2}}
[[Category:小田急電鉄の電車|3000_2]]
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