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[[File:JNR suhafu32.jpg|thumb|200px|[[日本国有鉄道|国鉄]]時代の客車[[列車]]の一例<br />旧型客車と呼ばれる、[[荷物車]]を含む 種々の車両で[[編成 (鉄道)|編成]]された[[宗谷本線]]の[[普通列車]]。]] [[File:JRN PC24 HTS3 20061102 001.jpg|thumb|200px|現在の日本の客車列車の一例<br />サービス電源の[[ジャンパ連結器|引き通し線]]や応荷重式[[自動空気ブレーキ]]を持つ、固定編成用車両を用いた[[寝台列車|寝台]][[特急列車|特急]][[北斗星 (列車)|北斗星]]]] '''客車'''(きゃくしゃ)とは、主に[[旅客]]を輸送するために用いられる[[鉄道車両]]である。[[座席車]]と[[寝台車]]を中心とするが、[[展望車]]、[[食堂車]]、[[荷物車]]、[[郵便車]]なども構造的には共通であり、旅客車と一体での運用も多いことから、これらも客車に分類される。 狭義では、[[機関車]]などにより牽引される無動力([[動力集中方式]])の旅客車両を指す。[[電車]]や[[気動車]]とは区別される。本稿では'''狭義の客車'''について記す。 同じく機関車に牽引される車両の中でも、[[貨物]]を運ぶ車両は[[貨車]]といい、客車とは区別される。 == 概要 == 日本の国鉄の場合、過去には鉄道車両を(広義の)客車と貨車に大別していた。(広義の)客車には、(狭義の)客車、電車、気動車を含んでいたが、[[国鉄客車の車両形式#1955年改正|1956年2月の車両称号規程改正]]で、広義の大分類を「旅客車」と改めた。したがってそれ以後は、客車とは自ら運転用の動力を持たない旅客車のみを指すことになった。 また、[[軌道 (鉄道)|軌道]]や[[架線]]の検査・測定を行う[[職用車]]や、[[救援車]]、[[配給車]]などの[[事業用車]]にも客車に分類されるものがある。 いずれも[[プラットホーム]]の低い線区で運転されることが多く、それに合わせたドア[[ステップ]]がついている車両が多い。 鉄道の黎明期においては、旅客輸送は機関車が客車を牽引する方式から始まり、その後自ら動力を持つ電車、気動車の出現後も長く旅客輸送の中心的役割を占めてきた。([[鉄道車両の歴史]]、特に[[鉄道車両の歴史#初期の客車と貨車|初期の客車と貨車]]を参照)。しかし特に日本においては、下記のような特徴の比較により[[動力分散方式]]が有利とみなされるようになってきて、客車の数は減少の一途をたどった。しかし世界的にはその状況は大きく異なっている(後述)。 == 特徴 == 動力分散方式([[電車]]・[[気動車]]・[[蒸気動車]]など)との比較では以下のようになる。[[動力集中方式#長所と短所]]も参照。 === 長所 === [[File:JRWest-Suhahu14-32.jpg|thumb|200px|[[発電機|発電セット]]を搭載した日本の客車の例([[国鉄14系客車|スハフ14形]])]] *[[電車]]や[[気動車]]に比べ製造・保守コストが低い。 **上記の理由により、通年運行ではない(稼動日数の少ない)[[波動輸送]]用に適する。 **同様に、編成が長い場合、コスト的に有利になる。過去の日本の研究では次のように算定されたことがある<ref>『[[鉄道ピクトリアル]]』785号 P.10 - 12。</ref>。 **直流電化区間では12両以上の場合。 **交流電化区間では10両以上の場合。 **非電化区間では5両以上の場合。 *[[機関車]]の付け替えだけで電化区間([[交流]]・[[直流]]、[[周波数]]、[[電圧]]などの違い)・[[非電化]]区間を直通できる。 *[[電動機]]や[[エンジン]]がないため、騒音、振動が少ない(サービス電源用の[[発電機|発電セット]]を持つものや[[電源車]]を除く)。このことは静粛性が特に求められる[[夜行列車]]には有利である。 *組成時の制限が少ない。 **<!--旧型客車(ここでは、[[国鉄20系客車|20系客車]]以前に設計・製造された客車のこと)や[[国鉄50系客車|50系客車]]であれば と言うより、緩急車1両でOKな筈だが。-->最小1両単位での客車の編成が可能。<!--但し、外国では、昔から固定編成でしか運用しないものも多い。 --> <!--**[[日本国有鉄道]]では、原則的にすべての車両規格を統一しており、その[[機関車]]・'''客車'''の形式等にこだわることなく、多様に編成した列車を運転することができた。そのため、[[国鉄12系客車|12系客車]]と明治時代の蒸気機関車を同時に連結したり、電車を改造して客車に、客車を改造して電車・気動車にするなどのことがあったが、現在では、[[JR]]各社やその編成、機関車、用途によって固定運用しかできないものも出できている。 これは歴史では?--> === 短所 === *運転時分の短縮が難しい。 **<!--性能が著しく向上した1990年代以降の//電車はこの注釈必要なし。気動車も、キハ181系登場時点。-->急勾配や急曲線に加え、高速通過が困難な[[分岐器]]が多く、[[鉄道駅|駅]]間距離も短い日本では、[[電車]]や[[気動車]]に比べると、[[起動加速度]]や[[鉄道のブレーキ|ブレーキ性能]]、勾配での[[均衡速度]]で劣る。この事から電車、気動車で組成された[[列車]]に追い越されることが多く、また[[ラッシュ時]]の[[ダイヤグラム|ダイヤ]]に組み込むにも制約がある。 *[[機回し]]が必要で、折り返し時分の短縮が難しい。 **常に[[機関車]]を先頭にする必要があり、終着駅や[[スイッチバック]]での付け替えを要する。特に、2列車を1列車に併合する場合は、駅構内での[[入換 (鉄道)|入換]]が必要となり、時間がかかる。ただし、海外(特に[[ヨーロッパ|欧州]]・[[北アメリカ|北米]])の近距離列車などでは、一端に機関車を固定し、他端に連結された[[付随車|付随]][[制御車]]の[[操縦席#鉄道車両の運転席・運転台|運転台]]から制御できる=機関車を最後部にした「高速」[[推進運転]]ができる=ものが多く見られる。日本でも、速度域は低いが[[北海道旅客鉄道|JR北海道]]の[[トロッコ列車|ノロッコ号]]用など、一部にこの方式を採用したものがある。特に欧州の車両は、日本や北米と[[連結器]]が異なるため、推進運転に適し、乗り心地、速度とも他の動力方式と比べ遜色は無い。2列車を併結することもあり、その場合は、機関車 + 客車 + 機関車 + 客車のような編成となり、乗客の通り抜けはできない。また、機関車に申し訳程度の客室(1・2等合造の場合もある)を持つものがある。 *[[ワンマン運転]]ができない。 **これも、海外においては上記の折返し運転の事情と共通する。 *電気運転の場合、[[回生ブレーキ]]の効率が悪い。(客車にモーターがないため) *重量や[[活荷重|軸重]]の不均衡が大きい。 **機関車の重量によっては、軌道や橋梁の強化が必要になる場合がある。(日本の場合、構築物の耐震性を考慮する必要性が高い)しかし、許容の強度を満たしている場合、電車中心の運転の方がクリアランス悪化(狂い)が速い場合もある。 *機関車の分だけ編成長が長くなる。 **[[鉄道駅|駅]]、[[信号場]]、[[車両基地|操車場]]の[[有効長]]の延伸工事が必要になる場合がある。ただし、駅の場合は延伸工事をせず、[[ドアカット]]([[プラットホーム]]にかからないドアを開けない操作)で対応する事がある。 **短編成であるほど、列車長あたりの有効客室床面積の割合が低くなる。 *1個の連結器にかかる牽引力が大きく、乗り心地の面で不利。 **加減速で前後方向の衝動が発生し、特に発進、停止時は大きい。日本では、自動連結器が大勢を占めるため、特にウィークポイントとなっている。 == 日本の客車 == {{Sound|Kyakusha-chime.ogg|Image:Kyakusha-chime.ogg|客車で使われている「ハイケンスのセレナーデ」を用いた車内チャイム}} {{see also|日本の客車史}} 日本では、客車による定期旅客列車は[[1990年代]]以降、少数の[[寝台列車]]([[夜行列車]])を除き、電車や気動車に置き換えられて姿を消した。 JR旅客5社(国鉄分割民営化時点で元々存在しなかった[[東海旅客鉄道]](JR東海)を除く)および私鉄での客車による定期普通列車は、車両限界などの特殊な事情を持つ[[大井川鐵道井川線]]、[[黒部峡谷鉄道]]および[[蒸気機関車]]および一般形(旧型)客車の[[動態保存]]のためほぼ定期運転を行っている[[大井川鐵道大井川本線]]の[[蒸気機関車牽引列車]]を除いて消滅した。なお、日本国内での国鉄形車両・国鉄形近縁車両によって運行される定期普通列車としては、[[国鉄14系客車]]を使用した2006年3月に運行を終了した[[樽見鉄道樽見線|樽見鉄道]]の定期列車が最後となっている。また季節限定であるが[[津軽鉄道]]では客車を3両保有しており、[[ダルマストーブ]]特徴の「ストーブ列車」として冬季運転がある。また、他に、定期運行している観光用のトロッコ列車として[[平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線]]、[[嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線]]などの例はある。 [[2008年]]現在で定期列車として使われる[[寝台車 (鉄道)|寝台車]]以外に残っているものは、[[天理教]]、[[金光教]]など一部の[[宗教団体]]関連や、[[旧盆]]・[[年末年始]]といったピーク時、蒸気機関車の運転といったイベント時に運転する[[臨時列車]](波動輸送)用に少数の車両が残るのみであり、これについても電車などへの置き換えが進められて、運行本数を減らしている。<!--とりわけJR東海は保有していた電気機関車を2009年に全車廃車したことから、{{要出典|=同年6月30日付で同社管内への客車列車乗り入れを禁止するとJR各社に通告している。|date=2013年5月}}--> また、寝台車を始め現存する客車についても、[[1999年]]に[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]が「[[カシオペア (列車)|カシオペア]]」に使用するために製造した[[JR東日本E26系客車|E26系客車]]や、[[2013年]]に[[九州旅客鉄道|JR九州]]が「[[ななつ星in九州]]」に使用するために製造した[[JR九州77系客車|77系客車]]を除いては、製造後30年以上が経過しており、旅客数の低下と老朽化が進行しているため、運転本数は減少傾向にある。 一方、欧米など海外では、大都市近郊の[[地下鉄]]や通勤路線以外は、ほとんど客車列車で運行されている。また車両の購入費や維持費の面で[[気動車]]よりも有利なため、[[開発途上国|発展途上国]]では通勤路線でも客車列車を使っている場合が多く、日本からも廃車になった車齢の若い車両が輸出や無償提供されている。 <!--イタリア国鉄のユーロスターイタリアでは車両の中央部に一等席を置き、二等車座席との間にはガラスなどの透明な仕切りを設けている。--><!--ただし夜行列車では等級により大きく設備が異なるため、等級ごとに独立の客車を使用することが多い。たとえばオーストリア国鉄とドイツ鉄道が共同運航するシティナイトラインでは、シャワー設備を持つ二人定員個室の一等寝台から、一列に二座席を置く二等座席車までさまざまな設備の客車を連結する。?--> == ヨーロッパの客車 == ''歴史については[[鉄道車両の歴史#初期の客車と貨車]]および[[鉄道車両の歴史#客車の発展]]も参照。'' [[File:Austria cityshuttle 02.jpg|thumb|200px|[[オーストリア連邦鉄道]]の客車列車。最後部が機関車であり、最前部の運転台で制御するプッシュプル方式]] [[File:Orient.Express.in.Poland.02.jpg|thumb|200px|[[オリエント急行]]の[[バー (酒場)|バーカー]]]] [[ヨーロッパ|欧州]]各国の鉄道では、客車は依然として幅広く使われている。 欧州の場合、<!--[[イギリス]]などを除くと、 ←英国も複数の国と国境を接していますが?-->周辺国と地続きであるため鉄道についても複数の国々に跨ったネットワークが構築されている。しかし、国ごとに[[鉄道の電化|電化方式]]・[[複線]]区間の通行方向(右側・左側)・車体寸法・[[軌間]]・[[鉄道の保安装置|保安装置]]などがまちまちであるため、国ごとに[[機関車]]を付け替えることができる客車方式が長年にわたって主流となっていた。 近年では、大都市内やその近郊において通勤の利便性を高めるため、[[電車]]・[[気動車]]などの動力分散方式への移行が行われ、通勤形客車列車は少なくなりつつあり、[[ローカル線]]でも、[[合理化]]の一環として、[[低床式車両|低床式]]の新形気動車への置き換えが進んでいる。また、高速鉄道でも動力分散方式への移行(ICE 3など)等の理由により、客車が活躍する舞台は縮小しつつあるが、それでも国際長距離列車の主流はいまだ客車である。 日本の客車のような「固定編成客車」は少なく、1両単位で運用することが多い。専用の[[電源車]]を持つことは少なく、ほとんどの場合電源は機関車から供給されるか、[[車軸発電機]]による給電である。 日本ではあまり一般的ではないが、運転台付の客車を最後尾に連結し、客車側運転台からの遠隔操作により[[機関車]]が客車を押すような運転方法(ペンデルツーク:[[:de:Pendelzug|Pendelzug]]([[ドイツ語|独]]))も一般的である。またTGVや[[タリス]]などの高速列車では、客車に運転台を設けるのではなく、列車の前後に機関車を取り付け、運転時は前後の機関車を同調させる例もある。これらの方法により、駅での方向転換の際、機関車の付け替えを省略することができる。 国際列車を運転する観点から、[[大陸ヨーロッパ|欧州大陸]]の客車には、国際列車用の規格である「[[国際鉄道連合|UIC]]規格(あるいは「RIC規格」)」が存在する。また、国内用ではあるが、[[ダブルデッカー]]も数多く使用されている。 欧州大陸の客車のサイズは、車体長は日本の客車よりも大型で26.4m([[UIC-X]], [[UIC-Z]]など)、あるいは24.5m([[UIC-Y]]など)のものが大多数である。しかし車体幅や高さは、日本の客車とそれほど変わらない。 ==日本を除くアジアの客車== 日本と[[大韓民国|韓国]]、[[マレーシア]]、[[中華人民共和国|中国]]の一部を除くアジアのほとんどはまだ[[開発途上国|発展途上]]にあるため、都市部以外ではいまだに客車列車が全盛である。{{要出典|インドの山奥ではいまだに[[蒸気機関車]]が客車を引っ張っている光景を見ることがある。ちなみにこの場合、[[燃料]]は[[石炭]]ではなく、[[薪]]であることも多い。|date=2014年7月}} また[[東南アジア]]へは、日本で不要になった鉄道車両が輸出されているが、その中には客車も含まれている。多くの車両はそのまま、一部は輸出先の[[軌間]]に合うように[[鉄道車両の台車|台車]]を交換したうえで使われている。このような融通が利くのは、現在[[台湾]]や東南アジアの主な鉄道の中に、[[太平洋戦争]]終了までに日本の[[占領]]下で作られた鉄道([[台湾の鉄道|台湾総督府鉄道]]、[[泰緬鉄道]])があるため、1067mm(1000mmのメーターゲージもある)と言う軌間の他、駅や[[トンネル]]など、様々な規格が日本と同じ、あるいは近いことがその背景にある。 しかし最近では、新製車の輸出、[[中古]]の譲渡車両ともに[[電車]]や[[気動車]]の比率が高まっており、旧来の客車がこれらで置き換えられることもある。 ==脚注== {{脚注ヘルプ}} <references /> ==参考文献== * 電気車研究会『[[鉄道ピクトリアル]]』2007年2月号 No.785 特集『50系客車』<!--(RP785 と略す。なお同誌はこれ以外も必要に応じ、注において略号RPと通巻、頁で指示する。)--> == 関連項目 == * [[日本の客車史]] * [[国鉄客車の車両形式]] {{rail-stub}} {{デフォルトソート:きやくしや}} [[Category:客車|*]]
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