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'''定量分析'''(ていりょうぶんせき、quantitative analysis)とは、試料中にある成分量を決定するために実施する[[化学分析]]である。試料中の成分が未知である場合は、定量分析に先立って[[定性分析]]を実施する。 古典的には[[成分]]の[[重量]]を測定する'''重量分析'''〈じゅうりょうぶんせき、gravimetric analysis〉、[[容量]]を測定する'''容量分析'''〈ようりょうぶんせき、volumetric analysis〉、化学変化による色調変化を比較測定する'''比色分析'''〈ひしょくぶんせき、colorimetric analysis〉の3つの分析方法に分類される。前二者は物理的な物理量を直接測定し物質量を決定するが、比色分析は予め、含量を精密に決定した'''基準試料'''〈きじゅんしりょう、authentic sample〉を複数用意して化学変化の度合を未知試料と比較して間接的に決定する。 重量分析では、測定に先立って成分の分離を行い、その後質量を計測する必要がある。たとえば、試料中の[[塩化物イオン]]を[[硝酸銀]]を加えて[[塩化銀]]としてすべて沈澱させ、生成した塩化銀を[[濾過]]で分離捕集して乾燥重量を測定する。あるいは[[元素分析]]では[[炭素]]、[[水素]]、[[窒素]]量は重量分析で決定する。 容量分析は分離精製した気体の体積測定も含まれるが、通常は[[滴定]]法による滴下した容量を測定することを意味する。すなわち、滴下容量は試料中の成分の[[当量]]に比例するので、容量から当量を換算して成分量を決定する。 今日の機器分析では色調以外にも、[[電気]],[[分光法|光学的強度]],[[磁気]],[[熱]],[[放射能]]など多彩な物理量を測定することで定量分析が可能であるが、それらも比色分析同様に基準試料の応答と比較することで間接的に物質量を決定する。測定する物理変化量と物質量の間に、線形な[[統計図表|グラフ]]が成立する場合は[[検量線]]により、基準試料の空隙を[[補完法|補完]]することで精密に定量することが可能である。 今日では成分分離に[[高速液体クロマトグラフィー]]法を量測定に各測定器を組み合わせた分析機器が定量分析用機器の主流になっている。 == 純度 == 定量分析により決定した主成分の試料中に占める割合を'''純度'''〈じゅんど、 purity〉と呼ぶ。通常、純度は重量比で示されるが、利用目的によっては重量の代わりに容量で比を取る場合がある。そのため、主成分あるいは全試料の測定方法を示す符号を純度とともに併記する場合もある。 {|border="1" |- !符号!!主成分の測定量!!全試料の測定量!!備考 |- |'''W/W'''||重量||重量||測定量無表示の場合は、通常W/Wを意味する。 |- |'''W/V'''||重量||容量||滴定用基準試料によく用いられる。 |- |'''V/V'''||容量||容量||気体以外はほとんど用いられない。 |- |'''V/W'''||容量||重量||極めて稀。 |} == 関連項目 == * [[定性分析]] == 参考文献 == * [[長倉三郎]] ほか(編)「定量分析」『岩波理化学辞典』第5版、CD-ROM版、岩波書店、1998年。 * 綿抜邦彦「化学分析」『世界大百科事典』CD-ROM版、平凡社、1998年。 {{DEFAULTSORT:ていりようふんせき}} [[Category:分析化学]]
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