宇陀松山藩のソースを表示

'''宇陀松山藩'''（うだまつやまはん）は、[[大和国]]に存在した[[藩]]。藩庁として松山（[[奈良県]][[宇陀市]]大宇陀）に[[陣屋]]が置かれた。
[[画像:Uda Matsuyama20s3872.jpg|thumb|250px|松山西口関門（国の[[史跡]]）]]

== 藩史 ==
関ヶ原の戦いの功績により[[福島高晴]]が3万石余で[[伊勢国]]長島から加増転封されて立藩した。高晴は[[1615年]]の[[大坂の陣#大坂夏の陣|大坂夏の陣]]で豊臣氏に内通した嫌疑をかけられて改易され、[[織田信雄]]が大和国と[[上野国]]両国内に合わせて5万石を与えられて入封した。その際、天下人であった[[織田信長]]の子であるという所以から[[四品以上に昇進する大名家一覧|国主格]]も与えられた。

信雄は上野の所領を四男の[[織田信良|信良]]に与え、自身は隠居領として大和2万8000石を領した。[[1630年]]に信雄が死去すると、大和の所領は五男の[[織田高長|高長]]が継いだ。その後、[[織田長頼|長頼]]・[[織田信武|信武]]と続くが、藩内に混乱が起こり信武は自殺した（[[宇陀崩れ]]）。信長の血統であるということを重んじられて、信武の子・[[織田信休|信休]]への家督相続こそ認められたが、所領を2万石に減らされた上で[[丹波国|丹波]][[丹波柏原藩|柏原藩]]へ減移封。国主格として扱われていた待遇も、このときに剥奪されてしまった。宇陀松山藩はこれをもって廃藩となった。

== 歴代藩主 ==
=== 福島家 ===
[[外様大名|外様]] - 3万1717石
{| class="wikitable" border="1" frame="box" rules="all" cellspacing="0" cellpadding="3" 
|- style="background:#eee"
! 代
! 氏名
! よみ
! 官位・官職
! 在任期間
! 前藩主との続柄・備考
|-
! style="background:#eee"|1
|[[福島高晴|高晴]]
|たかはる
|掃部頭
|[[慶長]]5年 - 慶長20年<br>[[1600年]] - [[1615年]]
|[[福島正信]]の次男
|}

=== 織田家 ===
外様 - 2万8000石
{| class="wikitable" border="1" frame="box" rules="all" cellspacing="0" cellpadding="3" 
|- style="background:#eee"
! 代
! 氏名
! よみ
! 官位・官職
! 在任期間
! 前藩主との続柄・備考
|-
! style="background:#eee"|1
|[[織田信雄|信雄]]
|のぶかつ
|[[正二位]]<br>[[内大臣]]
|[[元和 (日本)|元和]]元年 - [[寛永]]7年<br>[[1615年]] - [[1630年]]
|[[織田信長]]の次男
|-
! style="background:#eee"|2
|[[織田高長|高長]]
|たかなが
|[[従四位]]下<br>[[出雲国|出雲]]守・[[侍従]]
|寛永7年 - [[万治]]2年<br>1630年 - [[1659年]]
|先代の五男
|-
! style="background:#eee"|3
|[[織田長頼|長頼]]
|ながより
|従四位下<br>[[山城国|山城]]守・侍従
|万治2年 - [[元禄]]2年<br>1659年 - [[1689年]]
|先代の次男
|-
! style="background:#eee"|4
|[[織田信武|信武]]
|のぶたけ
|従四位下<br>出雲守
|元禄2年 - 元禄7年<br>1689年 - [[1694年]]
|先代の長男
|-
! style="background:#eee"|5
|[[織田信休|信休]]
|のぶやす
|[[従五位]]下<br>山城守
|元禄8年<br>[[1695年]]
|先代の長男
|}

== 主な重臣 ==
*[[津田氏]]（500石）
:[[津田頼房]]（織田高長の五男）－[[津田頼城|頼城]]－頼張－頼利－頼矩＝頼稲＝頼匡＝頼道＝頼順（要）
*[[生駒氏]]（1700石）佐々木高一は[[六角義治]]の弟で、織田信雄に仕え、その次女を娶った。その子正勝は、外祖父信雄の母方の生駒氏を名乗ることを許された。
:[[佐々木高一]]－[[生駒正勝]]－正興＝[[生駒正純|正純]]－邦綱－通綱－方綱－宏綱＝美綱－克綱－高令
*[[生駒氏]]（1500石）生駒忠親は、本姓は谷氏。織田信雄に仕え、その養女を娶った。その跡は弟の範親が相続。宇陀崩れで則正が上意討ちにより殺害され家名断絶。
:生駒忠親＝[[生駒範親|範親]]－則旦－[[生駒則親|則親]]－[[生駒則正|則正]]
*[[生駒氏]]（400石）生駒範親の次男重玄に始まる家。宇陀崩れで本家断絶後も存続。
:[[生駒重玄]]－玄矩－玄忠－玄成＝玄連＝晴農＝頼寛－忠得－忠教－寛栗－寛敏
*[[田中氏]]（650石）宇陀崩れで、安定が藩主信武に殺害され家名断絶。
:[[田中清安]]－宗興－宗氏＝[[田中安定|安定]]
*浅津氏（500石）浅津家は、加賀衆（織田高長が加賀前田家に仕えていた時期に家臣となった家）の重鎮であったが、重満と長頼五女矢都姫との醜聞の噂が立ち、長頼の命で殺害され家名断絶。
:[[浅津重俊]]－[[浅津重満|重満]]－重保
*中山氏（400石）中山家は、初代藤田正就が加賀で高長に仕え、後に藤田を中山に改める。
:中山正就－正朝＝[[中山正峯|正峯]]－正親＝正佳－親純－親用－忠貞－親寶－親和＝正固－康吉

== 関連項目 ==
*[[松山 (宇陀市)|宇陀市松山重要伝統的建造物群保存地区]]
*[[藩の一覧]]

{{DEFAULTSORT:うたまつやまはん}}
[[Category:藩]]
[[Category:大和国]]
[[Category:福島氏|藩うたまつやま]]
[[Category:勝幡織田氏|藩うたまつやま]]
[[Category:奈良県の歴史]]
[[Category:宇陀市の歴史]]