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[[画像:Hinomisaki09.JPG|thumb|240px|雲間から差す太陽光。]] '''太陽光'''(たいようこう、Sunlight)とは、[[太陽]]が放つ[[光]]である。'''日光'''(にっこう)とも言う。[[地球]]における[[生物]]の営みや[[気候]]などに多大な影響を与えている。人類も、太陽の恵みとも言われる日の光の恩恵を享受してきた。 == 太陽のメカニズム == === 発生 === [[画像:SunLayers_ja.png|thumb|180px|太陽の構造(「[[太陽]]」より)]] # 太陽中心部における[[水素]]の[[原子核融合|核融合]]により、[[ガンマ線]]が発生する。 # ガンマ線は、1500万[[ケルビン|K]]という高温のために固定されずに飛び交っている[[電子]]や[[陽子]]により直進を阻害される。 # 直進を阻害された[[ガンマ線]]は、近くのガスに吸収されて[[エックス線]]として放出される。 # エックス線は、ガスへの吸収と放出を繰り返し、直進できるほどの外側部に到達した頃には、[[周波数]]が下がり[[可視光線]]や[[赤外線]]、[[紫外線]]となる。 # 外側部の可視光線、赤外線、紫外線は、太陽光として放射される。 === 地球到達 === [[画像:SunLightSpectrum-280-2500nm-J.PNG|thumb|right|200px|地球軌道上での太陽光(AM0)、および温帯の地上での平均的太陽光スペクトルの概形(AM1.5G)]] 太陽光として[[太陽]]から放出された[[光]]は、[[地球]]軌道付近で約1.37kW/m<sup>2</sup>([[太陽定数]])の[[エネルギー]]を持つ。これが地球軌道上の[[人工衛星]]が受光できるエネルギーとなる。[[光子]]の数にして1平方メートル・秒あたり6×10<sup>21</sub>個(十[[垓]]個)以上になる。 エックス線は殆どが大気で遮断される。また有害な紫外線も[[成層圏]]の[[オゾン層]]で90%以上がカットされる。可視光線、赤外光も、[[大気圏]]中での[[反射]]・[[散乱]]・[[吸光|吸収]]などによって平均4割強が減衰し、地上に到達する([http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/climate_change/2005/a3.1.html 気象庁による解説])。大気を通過する距離が変わるため、地上の各地点で受光できるエネルギー密度は緯度や季節、時刻に従って変化する。日本付近では最大約1kW/m<sup>2</sup>のエネルギーとなる。 * 太陽光が太陽から放たれて地上に到達するまでの時間は約8分17~19秒([[天文単位]]、[[太陽]]と[[地球]]の半径、[[光速]]から計算できる)。 * 地球に到達した太陽光線の1時間あたりの総エネルギー量は[[20世紀]]後半の世界の1年間で消費されるエネルギーに匹敵する。<br>そのエネルギーの地上での内訳は、 ** 地上で熱に変わってしまうエネルギーは約45% ** 海中に蓄えられるエネルギーは20数% ** 風や波を動かす原動力へ変わるエネルギーは0.2%程度 ** [[光合成]]に使われるエネルギーは0.02%程度 ** 宇宙へ反射してしまうエネルギーは30%程度 最終的には、[[可視光]]や[[赤外線]]などの[[電磁波]]として宇宙へ再放射される。詳しくは[[地球のエネルギー収支]]を参照。 太陽光から変換された熱エネルギーは、[[気象]]現象の駆動力として働き、地球上のさまざまな場所に[[雨]]や[[風]]をもたらすことに寄与している。 また、植物や植物プランクトンは[[光合成]]によって必要な[[酸素]]やエネルギーを産生している。動物も、太陽光を浴びることによって体温維持を行っているものがいる。また、日射量の変化つまり[[昼]]と[[夜]]の移り変わりは、生物の活動に多大な影響を与えている。 == 太陽光の利用 == [[画像:Akashi-koen-hidokei.JPG|thumb|right|140px|極軸式[[日時計]]]] [[Image:Solaranlage IMG 0533.jpg|thumb|right|160px|[[太陽光発電]]パネル(ドイツ)]] 地上に到達したエネルギーは直接的、間接的に人間の生活に利用されている。 === 古代からの利用 === ; 物を乾かす、干す : 濡れた衣類を乾かす事や、土器を乾かして作る。 ; 乾かして殺菌する : 食物を干してつくる[[乾物]]への利用。 ; 育てる : [[農耕]]と[[牧畜]]。[[穀物]]を乾かす。 ; 点火 : [[オリンピック聖火]]の[[点火]]。 === 発明 === ; [[日時計]] : 太陽の傾きを太陽光を利用して時刻として利用した。 ; [[鏡]] : 採光のためや合図、伝言に使用された。 ; [[レンズ]] : [[カメラ]]や、[[望遠鏡]]、[[顕微鏡]]など光学機械を産んだ。 === 発電 === ; [[太陽光発電]]・[[太陽熱発電]] : 太陽光のエネルギーを、太陽電池やタービンを用いて電力に変える。 ; [[水力発電]] : 河川の流れは太陽光によって温められた雨雲が降らせた雨である。 ; [[風力発電]] : 風は太陽光が暖めた空気の流れである。 ; [[波力発電]] : 海面の上下は風に煽られた波のうねりである。 ; [[海流発電]] : 海流は太陽に温められた海水の循環である。ちなみに潮力発電は太陽光とは無関係。 ; [[バイオマス]]発電 : 植物の光合成は太陽光のエネルギーを用いて行われ、そうして作られた有機化合物を利用して発電する。 == 太陽光の悪影響 == 太陽光に含まれる紫外線は、[[合成樹脂]](プラスチック)を[[光反応]]により分解して劣化する原因となる。また、その他の材料においても、紫外線が劣化や変色の原因になるものは多い。 太陽光に含まれる紫外線の一部は、殺菌作用を持つと同時に、[[発がん性]]を持つことも確認されている。[[国際がん研究機関|IARC]]の[[IARC発がん性リスク一覧|発がんリスク区分]]では「太陽光曝露」がGroup1(発がん性が認められる)に分類されている。特に、[[皮膚がん]]の発症要因の1つとされる。疫学的には、UV-C(地表にはほとんど到達しない)やUV-Bによるがんにつながりうる遺伝子損傷が認められているほか、同人種間では緯度が低いほど皮膚がんの発生率が高いという研究結果もある<ref>[http://gantoku3.umin.jp/topics/nishikiori.html 第19回国際色素細胞学会に参加して] 錦織千佳子、がん研究に係わる特定領域研究。</ref><ref>[http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/11/ 紫外線と日焼けの関係解説インタビュー] 梅田正隆、日経BP SAFETY JAPAN、2005年8月18日。</ref>。 == 脚注 == <references /> == 関連項目 == * [[光]] - [[光子]] - [[可視光線]] - [[紫外線]] - [[赤外線]] - [[電磁波]] - [[放射線]] * [[フラウンホーファー線]] - [[大気の窓]] * [[太陽]] - [[太陽系]] - [[太陽風]] * [[オゾンホール]] - [[地球温暖化]] * [[日光浴]] - [[ひなたぼっこ]] - [[天日干し]] - [[日焼け]] * [[アルベド]] * [[月]] - [[月の光]] - [[星]] * [[キセノンランプ]]は太陽光に近い。 * [[太陽帆]] {{DEFAULTSORT:たいようこう}} [[Category:光]] [[Category:光学]] [[Category:気象学]] [[Category:天文現象]] [[Category:太陽]] [[Category:エネルギー]] [[Category:太陽エネルギー]] [[no:Sollys]]
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