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外交特権
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'''外交特権'''(がいこうとっけん, Diplomatic priviledges and immunities)とは、外交使節団の接受国が国内に駐在している[[外国公館]]や[[外交官]]及び[[国際機関]]などに対して与える特権及び免除。公館の不可侵や刑事裁判権の免除などがある。これらの特権は[[外交関係に関するウィーン条約]]に基づいている。 == 概要 == 外交使節団は主権国家を代表しており、主権国家間は原則として平等である以上、外交使節団は他の主権国家の支配に服さないという'''代表性説'''と、外交使節団が効率的にその業務を行うために認められたものであるという'''機能性説'''がある。 外交官に対する特権は、当該外交官の個人意思では放棄できない。派遣国政府の正式な意思表示があって初めて放棄できる。 == 対象者 == 特権を受けるためには、外交[[旅券]]を所持しているだけでは足らず、接受国による認証([[アグレマン]]。接受)を必要とする(故に、外交旅券を所持して任国以外を私的旅行中の外交官や、本国から臨時に短期出張した外交官には、正式の外交特権は無い)。非行や[[犯罪]]関与など、相応しからざる行為があった場合は、理由を示さずに国外退去を求めることもできる。これを[[ペルソナ・ノン・グラータ]]という。 [[外交官]]に対する特権に関しては、[[駐在武官]]や[[外交官]]と生計を共にする家族も含まれるが、公館勤務の事務・技術職員や現地採用職員などは適用範囲が限定されている場合がある。また、[[元首]]や[[首相]]、[[外相]]については、[[外交官]]同様の特権・免除を与えることとされている。 日本においては、外務省から有効な「外交官等身分証明票」を交付されていればその人物は外交特権を有する外交官である。 === 外交使節団に関する特権・免除 === [[在外公館|外交使節団]]に関する特権には以下のようなものが有る。 *公館の不可侵権(外交使節団の長の公邸並びにその輸送手段、及びその他の外交官の私邸並びに、その輸送手段([[自動車]]など)にも及ぶ。[[駐車]]違反([[日本]]では[[放置違反金]]の行使に対する納付義務も、事実上無視出来る)による罰則も、原則として使節団の長の同意が無ければ、接受国官憲は[[大使館]]・[[在外公館]]など公館等に立ち入ることが出来無いが、右「同意」が常に必要か)は、学説上争いがある。接受国による保護義務あり。 *公館に対する課税免除。 *通信の不可侵。(機密書類、[[書簡]]など通信文書は「外交行嚢」に入れて[[クーリエ]]に運ばせるが、現代では通常の業務文書は民間輸送会社に委託している場合も多い) *使節団の公館、使節団長の公邸並びにその輸送手段の[[国旗]]掲揚権(大使公使領事の公用車が必要に応じて小型の国旗をバンパーポールに掲げるのもここから来ている) === 外交官に関する特権 === *外交官の身体の不可侵(抑留・拘禁の禁止) *刑事裁判権の免除、民事裁判権・行政裁判権の免除(一部訴訟を除く) *住居の不可侵権 *接受国における関税を含む公租・公課及び社会保障負担の免除 *被刑事裁判権、証人となる義務等の免除 *接受国による保護義務 === 外交団ナンバー === 外交特権の保持者は、自動車について「外交団ナンバー」と呼ばれる特殊な[[ナンバープレート (自動車)|ナンバープレート]]が交付され、これを自家用車に装着する。 == 日本における扱い == 日本で外交官等身分証明票と免税カードを発行しているのは、[[外務省]](大臣官房[[儀典長]])である。 日本では、外交特権として課税免除を認めており、免税特権を有する証明書として外交官に対して免税カード(DSカード)を発行している。[[租税特別措置法]]第86条に、外国公館等に対する課税資産の譲渡等に係る[[免税]]という条文があり、適用範囲は広く、[[固定資産税]]や[[所得税]]以外にも[[消費税]]や[[ガソリン税]]など[[間接税]]も免除される。ただし、免税が適用されるのは外務省から在日外国公館免税店の指定を受けている業者から免税カードを提示して購入した場合のみであり、一般の[[コンビニエンスストア]]などでは免税されない。外交官等身分証明票と免税カードは別物であり、外交官だからといって全員が必ず持っているわけではなく、免税カードには免税の適用範囲が書いてあり、在日外国公館免税店であれば、全てが無条件に免税になるというわけでもない。 昔は外交官等身分証明票に有効期限は無かったが、外交官が未返却のまま帰国してしまい、返納されない外交官等身分証明票が大量に出ていることから、有効期限が記載されるようになった。無効になった外交官等身分証明票の身分証明票番号は、[[官報]]で公示されている。 == 外交事件 == * 1973年8月 - [[金大中事件]]が起こる。日本は[[大韓民国|韓国]]大使館の金東雲一等書記官に対し、営利[[誘拐]]容疑で出頭を求めたが拒否。日本は[[ペルソナ・ノン・グラータ]]を発動。 * 1984年4月 - [[イギリス]]の[[リビア]]大使館([[ロンドン]])は、大使館前で反[[ムアンマル・アル=カッザーフィー|カダフィ]]政権デモを行っていた群衆に対し、リビア大使館内より警告なしに自動小銃を発砲。これによりイギリス警官[[:en:Murder of Yvonne Fletcher|Yvonne Joyce Fletcher]]が死亡、イギリスはリビアと断交した。本日まで犯人は明らかにされていない。 * 2006年6月13日 - 午後10時ごろに港区内で韓国大使館の1等書記官が運転する自動車が対向車線に停車中の原付バイクをはね逃走した。被害者は全治1週間のけがを負った。事故2時間後に現場に車で現れた一等書記官を警官が発見し、車内が酒臭かったため酒気帯び検査をしようとしたが、外交特権を理由としてこれを拒否、免許証の提示も拒否し立ち去った。一等書記官は「バイクにぶつかった認識はない。酒は事故の後に飲んだ」と述べた。 *2012年1月20日 - 駐[[ドイツ]]北朝鮮大使が無許可で釣りをしたが逮捕されなかった<ref>{{cite news |language = | author =| url =http://www.afpbb.com/article/politics/2852141/8336479| title =駐ドイツ北朝鮮大使、無許可で釣り 警察が警告 | publisher =| date= 2012-1-21| accessdate =2013-4-24}}</ref>。 *2013年12月12日 - ニューヨークでインド副総領事デブヤニ・コブラガデ(女性、39)が、家政婦のビザ(査証)をめぐって虚偽申請をした容疑で逮捕され、保釈金25万ドルを支払って釈放された。その際、身体検査で服を脱がされたことにインド政府が強く反発し、ケリー国務長官が後に遺憾(regret)の意を表明した。 *2014年3月 - 駐日[[ガーナ]]大使エドモンド・コフィ・アグベヌチェ・デーによる渋谷区内での闇[[カジノ]]開帳疑惑。参加していた日本の民間人10人逮捕。デー大使は摘発直後に[[警視庁]][[生活安全部|保安課]]の事情聴取要請を拒否して出国<ref>[http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140319/crm14031913580013-n1.htm “大使公邸カジノ”摘発、10人逮捕 ガーナ大使の聴取要請 警視庁] [[産経新聞]]2014年3月19日</ref>、以後帰任していない<ref>[http://www.ghanaembassy.or.jp/jp/ambassder.html 大使紹介ページ(2014年7月現在空白のまま)] 駐日ガーナ大使館</ref>。 ==脚注== {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == *[[外交関係に関するウィーン条約]] *[[領事関係に関するウィーン条約]] *[[ペルソナ・ノン・グラータ]] - [[スパイ]] {{Poli-stub}} [[Category:外交|とつけん]] [[Category:特権|かいこうとつけん]]
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