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'''変文'''(へんぶん)は、[[中国]]で成立した通俗文学、説唱文学の一種を指す用語である。 [[唐]]も後半の[[長安]]などの大都市に建立された大寺院においては、[[俗講]](ぞくこう)と呼ばれる対俗教化のための講唱形式の説法が盛んとなった。俗講を担当する[[僧]]を俗講僧といい、聴衆の前に絵像を掛け、それを指し示しながら説唱を進めた。[[日本]]において盛んとなった[[絵解]]の源流に当たるものである。その講唱文のことを、当時の言葉で、「変文」と呼んでいたのである。これは、講唱の際に用いた絵像を、「○○(経)'''変'''」などと呼んでおり、その際に用いる講唱文なので、こちらのほうも、変文となったのではないか、と推測されている。 変文は、[[北宋]]以降には姿も変貌して、その名称も忘れ去られてしまっていたが、[[20世紀]]初頭に[[敦煌市|敦煌]]から発見された[[敦煌文書]]の中に多数含まれていたため、一躍注目を浴び、盛んに研究されるようになった。その構成は、韻文と散文との交互の組み合わせからなることが多い。これは[[仏教]][[経典]]にもよく見られる形式であり、[[インド]]の説話文学の影響が示唆されている。 変文は、布教・教化のためのものであったが、唐末・[[五代十国時代|五代]]の頃より、世俗的な民間伝承をも取り込み、俗文学として更なる発展を遂げた。同時に宗教性は薄れて行き、娯楽化の度を進めていき、やがて宋代の説話文学へと姿を変えていった。 == 参考文献 == * [[福井文雅]]他訳『敦煌』1、2(『大乗仏典』中国・日本篇 第10-11巻、[[中央公論社]]、1989年、1992年) == 関連項目 == * [[宝巻]] {{DEFAULTSORT:へんふん}} [[Category:中国文学]] [[Category:仏教文学]] [[Category:中国仏教]] [[Category:説話]]
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