国際刑事裁判所ローマ規程のソースを表示

{{条約
|題名 =国際刑事裁判所に関するローマ規程
|画像 =ICC_member_states_world_map.png
|画像キャプション ={{legend|#005500|締約国}}
{{legend|#DD7700|署名・未批准国}}
|通称 =国際刑事裁判所ローマ規程、ローマ規程
|起草 =
|署名 =[[1998年]]7月17日ローマ会議で採択、同日ローマで署名のため開放。
|効力発生 =[[2002年]]7月1日
|寄託者 =[[国際連合事務総長]]
|番号 =平成19年条約第6号
|言語 =[[アラビア語]]、[[中国語]]、[[英語]]、[[フランス語]]、[[ロシア語]]、[[スペイン語]]
|内容 =[[国際刑事裁判所]]の設立、対象犯罪の規定等
|関連 =
|ウィキソース =
|リンク =
}} 
'''国際刑事裁判所ローマ規程'''（こくさいけいじさいばんしょローマきてい、{{Lang|en|The Rome Statute of the International Criminal Court}}）は、[[国際刑事裁判所]] (ICC) の構成、管轄犯罪、手続などを規定する国際条約である。正式には'''国際刑事裁判所に関するローマ規程'''、通称'''ローマ規程''' (The Rome Statute) という。ICC条約 (ICC Treaty)、ICC規程 (ICC Statute) とも呼ばれる。

== 沿革 ==
[[1998年]]7月17日、ローマにおける国際刑事裁判所の設立に関する国際連合全権外交使節会議（通称'''ローマ会議'''）で、賛成120か国、反対7か国の多数で採択された<ref>詳細は[[国際刑事裁判所#その他の反対]]を参照。</ref>。4年後の[[2002年]]7月1日、発効に必要な60か国以上の批准を受けて発効した。

== 締約国 ==
2013年5月現在の署名国は139か国、締約国は122か国である<ref>{{Cite web |url= http://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=UNTSONLINE&tabid=1&mtdsg_no=XVIII-10&chapter=18&lang=en |title=Treaty Collection: Rome Statute of the International Criminal Court |publisher=United Nations |accessdate=2011-06-25 }}</ref>。

=== 日本 ===
日本は、本規程と同日の1998年7月17日に採択された[[国際刑事裁判所の設立に関する最終合意書]]に署名、締約国会議に参加する[[オブザーバー]]資格を獲得した。

その後、[[2007年]]（平成19年）4月27日、[[国会]]で本規程への[[加入]]が承認されるとともに、[[国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律]]（協力法）が可決され成立した<ref>{{Cite journal |author=中内康夫 |url=http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2007pdf/20070706003.pdf |title=国際社会における法の支配の確立に向けて～国際刑事裁判所ローマ規程・国際刑事裁判所協力法案の国会論議～ |journal=立法と調査 |issue=270 |year=2007 |month=7 }}</ref><ref>[http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DA16DA.htm 衆議院・議案審議経過情報] - 「国際刑事裁判所に関するローマ規程の締結について承認を求めるの件」</ref><ref>[http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DA1702.htm 衆議院・議案審議経過情報] - 「国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案」</ref>。同年5月11日、協力法は平成19年法律第37号として[[公布]]され、同年7月10日、その関連[[政令]]が公布された。そして、同月17日、日本は本規程への加入書を国連条約局に寄託し、10月1日付けで105番目の締約国となった。

なお、同年7月19日、協力法に関連して「国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律による没収保全と滞納処分との手続の調整に関する政令」、「国際刑事裁判所に対する協力の手続に関する規則」（[[最高裁判所規則]]第8号）、「国際刑事裁判所の引渡しの請求に係る護送中の着陸があった場合における警察官による引渡対象者の拘束に関する手続を定める規則」（国家公安委員会規則第14号）が公布された<ref>{{Cite web |url=http://martindale.jp/hourei/2007/07/post_8062.html |title=日本法ニュース：法令等公布情報：国際刑事裁判所の引渡しの請求に係る護送中の着陸があった場合における警察官による引渡対象者の拘束に関する手続を定める規則（国家公安委一四）|publisher= LexisNexis |accessdate=2011-03-17 }}</ref>。

同年10月1日、本規程が日本について効力を発生するとともに、協力法及び関連政令、規則等が全て施行された。

== 管轄 ==
* 事項的管轄（対象犯罪）
*# 集団殺害犯罪（[[ジェノサイド]]）
*# [[人道に対する罪|人道に対する犯罪]]
*# [[戦争犯罪]]
*# [[侵略犯罪]] - [[2010年]]の規程再検討会議で[[侵略]]の定義及び管轄権行使の手続きに関する改正条項が採択された。管轄権行使には別途諸条件を満たす必要があり、かかる要件が満たされる前提で、[[2017年]][[1月1日]]以降、管轄権の行使が可能となる規定となっている<ref>国際刑事裁判所（ICC）ローマ規程検討会議（結果の概要） - 外務省（平成22年6月11日）http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/icc/rome_kitei1006.html</ref>。

* 時間的管轄 - [[国際刑事裁判所]]規程が発効した[[2002年]][[7月1日]]以降に行われた犯罪に限り管轄権を有する。

=== 管轄権行使の前提条件 ===
次の場合には、国際刑事裁判所は上記の犯罪について管轄権を行使できる。

# 犯罪行為地国が締約国である場合
# 被疑者国籍国が締約国である場合
# 犯罪行為地国または被疑者国籍国である非締約国が、国際刑事裁判所の管轄権を受諾する宣言を行った場合
# [[国連憲章第7章]]に基づいて行動する[[国際連合安全保障理事会|安全保障理事会]]が事態を国際刑事裁判所に付託した場合

=== 管轄権行使の方法===
以下の3通りの方法によ り、訴訟が提起される。

# 締約国が国際刑事裁判所の検察官に事態を付託する
# 国連憲章第7章に基づいて行動する安全保障理事会が国際刑事裁判所の検察官に事態を付託する
# 国際刑事裁判所の検察官が捜査を開始する

上記1および3の場合は、前述の[[#管轄権行使の前提条件（対象となるケース）|管轄権行使の前提条件]]のうち1-3のいずれかの条件を満たしていなければならない。

== 関連規則・文書等 ==
=== 手続きと証拠の規則 ===
'''国際刑事裁判所規程に関する手続きと証拠の規則'''（Rules of Procedure and Evidence、以下、「手続き規則」）は、ローマ規程の実施に関する手続きと証拠の扱いに関する規則を詳細に網羅するものである。[[2000年]]7月12日の国際刑事裁判所に関する準備委員会（Preparatory Commission、略称PrepCom）の最終会合で採択され、2002年9月9日、締約国会議で正式に採択された。

=== 犯罪の諸要素 ===
'''犯罪の諸要素''' (Elements of Crimes) は、本規程第5条に定められる[[ジェノサイド|集団殺害犯罪]]、[[人道に対する罪|人道に対する犯罪]]、[[戦争犯罪]]のそれぞれの管轄犯罪を該当する条項ごとに分け、それぞれの要素の確定を容易にする参照用の文書である。最終草案が、上記準備委員会の第5回会合（2000年6月12日-30日）で採択され、その後、第1回締約国会議において、2002年9月9日に正式に採択された。

=== 裁判所規則 ===
'''裁判所規則''' (Regulations of the Court) は、本規程第52条に基づいて策定された規則である。2004年5月17日から5月28日の間、ハーグの[[国際刑事裁判所]]内で開かれた18名の判事による第5回全体会議で審議され、2004年5月26日に正式に採択された。なお、その後2005年3月9日の第6回会議で一部改正された<ref>[http://web.archive.org/web/20070927005328/http://www.icc-cpi.int/library/about/officialjournal/ICC-BD-010104-Rev0105_text_English.pdf Amendments to the regulations of the Court]</ref>。

=== 規程改正条項 ===
'''侵略犯罪に関する国際刑事裁判所ローマ規程の改正'''（Amendments on the crime of aggression to the Rome Statute of the International Criminal Court）は、[[カンパラ]]で開かれた国際刑事裁判所規程再検討会議において審議され、2010年6月11日に当時の締約国111カ国のコンセンサスにより決議RC/Res.6として採択された。[[侵略犯罪]]の定義及び国際刑事裁判所の管轄権行使の諸条件を定める。<ref>{{cite web |url=http://treaties.un.org/doc/publication/mtdsg/volume%20ii/chapter%20xviii/xviii-10-b.en.pdf |title=10. b)  Amendments on the crime of aggression to the Rome Statute of the 
International Criminal Court.（侵略犯罪に関する国際刑事裁判所ローマ規程の改正） |date=2012-05-08 |accessdate=2012-05-14}}</ref>。

== 最近の批准（2003年以降） ==
総数：122カ国<ref>[http://www.iccnow.org/documents/RATIFICATIONSbyRegion_10OCT2011_eng.pdf 国際刑事裁判所を求めるNGO連合 (CICC) 調べ]</ref>
* 88. [[2003年]][[1月31日|01月31日]]、{{ALB}}（[[1998年]][[7月18日]]署名）
* 89. [[2003年]][[2月10日|02月10日]]、{{AFG}}（規程は未署名）
* 90. [[2003年]][[5月12日|05月12日]]、{{LTU}}（1998年[[12月10日]]署名）
* 91. [[2003年]][[7月14日|07月14日]]、{{GIN}}（[[2000年]][[9月8日]]署名）
* 92. [[2003年]][[9月5日|09月05日]]、{{GEO}}（1998年7月18日署名）
* 93. [[2004年]][[4月16日|04月16日]]、{{BFA}}（1998年[[11月30日]]署名）
* 94. [[2004年]][[5月3日|05月03日]]、{{COG}}（1998年[[7月17日]]署名）
* 95. [[2004年]][[9月21日|09月21日]]、{{BDI}}（[[1999年]][[1月13日]]署名）
* 96. [[2004年]][[9月22日|09月22日]]、{{LBR}}（1998年7月17日署名）
* 97. [[2004年]][[9月24日|09月24日]]、{{GUY}}（2000年[[12月28日]]署名）
* 98. [[2005年]][[3月15日|03月15日]]、{{KEN}}（1999年[[8月11日]]署名）
* 99. [[2005年]][[5月12日|05月12日]]、{{DOM}}（2000年9月8日署名）
*100. [[2005年]][[10月28日]]、{{MEX}}（2000年[[9月7日]]署名）
*101. [[2006年]][[8月18日|08月18日]]、{{COM}}（2000年[[9月22日]]署名）
*102. [[2006年]][[8月22日|08月22日]]、{{KNA}}（規程は未署名）
*103. [[2006年]][[10月23日]]、{{MNE}}<ref>モンテネグロ共和国は連合国家セルビアモンテネグロとして[[2001年]][[9月6日]]に批准していたが、[[2006年]][[6月3日]]に連合を解消し、2006年[[6月28日]]に独立国として国連に加盟。192番目の国連加盟国となっていた。条約締結などの継承権はセルビア側にあるのでモンテネグロはローマ規程に署名していないことになった為、改めて加入手続きをとった（出典：[http://www.un.org/Overview/unmember.html 国連事務局]）。</ref>（規程は未署名）
*104. [[2006年]][[11月1日|11月01日]]、{{TCD}}（1999年[[10月20日]]署名）
*105. [[2007年]][[7月17日|07月17日]]、{{JPN}}（規程は未署名）
*106. [[2008年]][[3月15日|03月15日]]、{{MDG}}（1998年7月18日署名）
*107. [[2008年]][[7月15日|07月15日]]、{{SUR}}（規程は未署名）
*108. [[2008年]][[7月18日|07月18日]]、{{COK}}（規程は未署名）
*109. [[2009年]][[6月29日|06月29日]]、{{CHI}}（1998年[[9月11日]]署名）
*110. [[2009年]][[7月21日|07月21日]]、{{CZE}}（1999年[[4月13日]]署名）
*111. [[2010年]][[3月23日|03月23日]]、{{BGD}}（1999年[[9月16日]]署名）
*112. [[2010年]][[8月10日|08月10日]]、{{SYC}}（2000年[[12月28日]]署名）
*113. [[2010年]][[8月18日|08月18日]]、{{LCA}}（1999年[[8月27日]]署名）
*114. [[2010年]][[10月12日|10月12日]]、{{MDA}}（2000年[[9月8日]]署名）
*115. [[2011年]][[5月19日|05月19日]]、{{GRD}}（未署名）
*116. [[2011年]][[6月24日|06月24日]]、{{TUN}}<ref>国連の条約局は公表していないが、国際刑事裁判所はチュニジアの加入を議長声明により公式に認めた。同国は北アフリカでは初めて、[[アラブ連盟]]では4カ国目の締約国となる。（出典：[http://www2.icc-cpi.int/NR/exeres/415C6300-58BF-4245-9BB7-F8A317966E35.html 国際刑事裁判所プレスリリース ICC-CPI-20110624-PR688 2011年6月24日]）。</ref>（未署名）
*117. [[2011年]][[8月30日|08月30日]]、{{PHL}}（2000年[[12月28日]]署名）<ref>http://www.iccnow.org/?mod=country&iduct=138 国際刑事裁判所を求める国際NGO連合</ref>
*118. [[2011年]][[9月21日|09月21日]]、{{MDV}}（未署名）<ref>http://www.iccnow.org/?mod=country&iduct=107 国際刑事裁判所を求める国際NGO連合</ref>
*119. [[2011年]][[10月10日|10月10日]]、{{CPV}}（2000年[[12月28日]]署名）<ref>http://www.iccnow.org/?mod=country&iduct=32 国際刑事裁判所を求める国際NGO連合</ref>
*120. [[2011年]][[12月4日|12月04日]]、{{VUT}}（未署名）<ref>http://www.iccnow.org/?mod=country&iduct=188 国際刑事裁判所を求める国際NGO連合</ref>
*121. [[2011年]][[4月2日|04月02日]]、{{GTM}}（未署名）<ref>http://www.iccnow.org/?mod=country&iduct=68 国際刑事裁判所を求める国際NGO連合</ref>
*122. [[2013年]][[2月15日|02月15日]]、{{CIV}}（2000年[[11月30日]]）署名）<ref>http://www.iccnow.org/?mod=country&iduct=84 国際刑事裁判所を求める国際NGO連合</ref>

== 脚注・参照 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}

== 関連項目 ==
* [[国際刑事裁判所]] 
* [[国際刑事裁判所の歴史]]
* [[国際刑事裁判所の設立に関する最終合意書]]
* [[国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定]]

== 外部リンク ==
* [http://www.un.org/law/icc/statute/romefra.htm 公式サイト（英語）]
* 条文
** 正文：{{PDFlink|[http://www.un.org/law/icc/statute/arabic/rome_statute(a).pdf アラビア語]}}、{{PDFlink|[http://www.un.org/law/icc/statute/chinese/rome_statute(c).pdf 中国語]}}、{{PDFlink|[http://www.un.org/law/icc/statute/romefra.htm 英語]}}、{{PDFlink|[http://www.un.org/law/icc/statute/french/rome_statute(f).pdf フランス語]}}、{{PDFlink|[http://www.un.org/law/icc/statute/russian/rome_statute(r).pdf ロシア語]}}、{{PDFlink|[http://www.un.org/law/icc/statute/spanish/rome_statute(s).pdf スペイン語]}}
** {{PDFlink |[http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/treaty166_1.pdf 日本語訳]}}（[[外務省]]）
** 仮訳：[http://d.hatena.ne.jp/kazuma_002/ 日英対称]
* 国際刑事裁判所規程に関する手続きと証拠の規則
** {{PDFlink|[http://www.un.org/law/icc/asp/1stsession/report/english/part_ii_a_e.pdf 英語正文]}}
** 仮訳：[http://d.hatena.ne.jp/ICC_RomeStatute/ 日英対称]
* 犯罪の諸要素
** {{PDFlink| [http://www.un.org/law/icc/asp/1stsession/report/english/part_ii_b_e.pdf 英語正文]}}
** 仮訳：[http://homepage3.nifty.com/wfmj/icc/ICC08.htm 日本語（最終草案）]
* [http://www.unic.or.jp/recent/roma.htm 公式解説（日）] - 国連広報センター（UNIC） 
* [http://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=UNTSONLINE&tabid=1&mtdsg_no=XVIII-10&chapter=18&lang=en 国連条約集]（英語）

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[[Category:多国間条約]]
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