国鉄キハ20系気動車のソースを表示

[[ファイル:JNR kiha20 32.jpg|thumb|220px|right|キハ20 32]]
[[ファイル:JNR-Kiha20467-01.jpg|thumb|220px|right|[[碓氷峠鉄道文化むら]]に静態保存されているキハ20 467]]
'''国鉄キハ20系気動車'''（こくてつキハ20けいきどうしゃ）は、[[日本国有鉄道]]（国鉄）が[[1957年]]に開発した[[一般形車両 (鉄道)|一般形気動車]]である。

[[1965年]]までに系列合計で1,100両以上が製造され、日本各地で広く使用された。

なお、この呼称は国鉄正式の系列呼称ではなく、同一の設計思想によって製造された'''キハ20形'''・'''キハ21形'''・'''キハ22形'''・'''キハ25形'''・'''キハユニ25形'''・'''キハユニ26形'''・'''キハ52形'''の各形式、およびこれらの改造による派生形式群を趣味的・便宜的に総称したものである。

== 開発の経緯 ==
本系列が開発された[[1950年代]]中期の時点では、国鉄では[[普通列車]]用気動車として[[国鉄キハ10系気動車|キハ10系]]（当時はキハ45000形一族、その後の[[通称]]はキハ17系）が製造されていたが、これらは当時の一般的な20m級客車と比較して車体断面が小さいために居住性が犠牲となっており、乗り心地の点でも問題があった<ref>近鉄への対抗上、スピードアップのためにキハ55系開発・製造を待たずに、止むを得ずキハ10系を準急に使用したケース（[[関西本線]]名古屋-[[JR難波駅|湊町]]間準急）もあり、そこでキハ10系の居住性や乗り心地が問題視された。</ref>。

これは、当時国鉄で気動車用として利用可能であった最大の[[ディーゼルエンジン|ディーゼル機関]]である[[DMH17系エンジン|DMH17形]]の出力では、通常車体断面の20m級車体とした場合、重量過大に伴う出力不足で十分な走行性能が得られなかったがゆえの苦肉の策であり、そればかりか当時の車体設計手法では小車体断面化だけでは出力不足を補いきれず、客室内の各座席の座り心地を犠牲にした軽量化、あるいは乗り心地が悪いことを承知の上での軽量設計台車の採用など、ありとあらゆる手段を講じてようやく実用性能が得られている状況であった。

しかし、[[1955年]]の[[国鉄10系客車|ナハ10形]]軽量客車の完成で状況は一変する。[[スイス連邦鉄道|スイス国鉄]]流の準[[モノコック]]構造車体と、[[プレス加工|プレス]][[鋼板]]による[[溶接]]組立[[鉄道車両の台車|台車]]の導入により、十分な強度を維持したまま、従来比3/4程度の大幅な軽量化が可能となり、これにより、非力な既存エンジンのままでも大型車体を備える気動車の製造に目処が立った。

こうして、10系客車の設計[[手続き的知識|ノウハウ]]を有効活用する形で、翌[[1956年]]に大断面車体を備える20m級<ref>キハ55系の車体長は、床下機器の多い2エンジン車に合わせ、全車21.3mとなった。</ref>気動車の第1陣として、[[準急列車|準急]]形気動車である[[国鉄キハ55系気動車|キハ55形]]（当時はキハ44800形）が製造され、ここに初めて[[電車]]・[[客車]]と同等の車体（車内設備）を備える気動車が実現した。

その後、キハ55形の成功を受ける形で、[[普通列車]]に用いる一般形気動車についても大型車体へ移行することが決定され、同形式に準じた設計で新たに開発されたのが本系列である。

== 形式一覧 ==
* 表中の年は、各番台の製造初年度を示す。

{| class="wikitable" style="font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+キハ20系形式一覧
|-
!rowspan="2"|形式
!rowspan="2"|車体<br/>形状
!rowspan="2"|[[バス窓]]
!colspan="2"|二段窓（除キハ22）
!rowspan="2"|備考
|-
!白熱灯車!!蛍光灯車
|-
!キハ20形
|両運転台
|1 - 103<br/>（1957年）
|201 - 484<br/>（1958年）
|501 - 522<br/>（1964年）
|暖地向け

|-
!キハ25形
|片運転台
|1 - 75<br/>（1957年）
|201 - 253<br/>（1958年）
|301 - 314<br/>（1963年）
|暖地向け

|-
!キハ21形
|両運転台
|1 - 84<br/>（1957年）
|style="text-align:center;"| -
|style="text-align:center;"| -
|寒地向け

|-
!キハ22形
|両運転台<br/>デッキ付き
|本形式はすべて<br/>一段上昇・小型・二重窓
|1 - 170<br/>（1958年）
|201 - 343<br/>（1963年）
|極寒地向け
|-
!キハユニ25形
|片運転台
|1 - 6<br/>（1958年）
|style="text-align:center;"| -
|7<br/>（1962年）<br/>7のみキハ22形と同様デッキ付き<br/>一段上昇・小型・二重窓
|寒地・極寒地向け<br/>郵便荷物二等合造車
|-
!キハユニ26形
|片運転台
|style="text-align:center;"| -
|1 - 41<br/>（1958年）
|42 - 59<br/>（1963年）
|暖地向け<br/>郵便荷物二等合造車
|-
!キハ52形
|両運転台
|style="text-align:center;"| -
|1 - 56<br/>（1958年）
|101 - 156<br/>（1962年）<br/>横型エンジン
|勾配線区向け<br/>2個エンジン車
|-
!キユニ21形
|両運転台
|1・2<br/>（1969年）
|style="text-align:center;"| -
|style="text-align:center;"| -
|寒地向け<br/>キハ21形からの改造
|}

== 構造 ==
[[ファイル:JNR Type TR-49 Truck.jpg|thumb|200px|right|TR49形台車 写真はキハ11形に装着のもの。（佐久間レールパーク、2006年9月）]]

=== 初期形（バス窓車） ===
当初は、キハ10系と同様に機関として[[DMH17系エンジン|DMH17B形]][[ディーゼルエンジン]]を搭載し、防振ゴムブロックを枕バネに使用する[[国鉄DT18形台車#派生形式|DT19C（駆動台車）・TR49A（付随台車）]]ウィングバネ式[[鉄道車両の台車|台車]]を装着した<ref>エンジンについては燃料噴射ノズルなどの改良でキハ10系より10psアップの170ps仕様とし、さらに後年その大半が180psの[[DMH17系エンジン|DMH17C形]]相当に改造又は換装され、台車についても以後の増備車と同様にコイルバネ+オイルダンパを枕バネとする[[国鉄DT21形台車#派生形式|DT22A・TR51A]]に交換されたものがある。</ref>。

車体は先行するキハ55形の設計が踏襲され、[[柱]]や[[梁 (建築)|梁]]だけではなく側板なども強度を分担する準[[モノコック|張殻構造]]となり、キハ10系より大型化され、客車並みの大断面となった。また、従来の反省から、客ドア位置も車体中央寄りに配置され、[[ラッシュ時]]の客扱いに配慮している。座席も車体幅拡幅を受けて準急形に準じたゆとりのあるものとなった。客室内を通る[[排気管]]の[[カバー (曖昧さ回避)|キセ]]はキハ55 1 - 46などと同様に大型のタイプである。暖房装置は燃焼式の温気暖房である。

客室窓はキハ10系のそれを踏襲して、上段が[[Hゴム|H断面ゴム]]による構体直接固定、下段が上昇式の俗にいう「[[バス窓]]」である。しかし、キハ10系とは異なり、窓下の[[ウィンドウ・シル/ヘッダー|ウィンドウシル]]（補強帯）は廃され、平滑な外観となった。

初期車竣工当初の車体塗色は、当時の気動車標準色である濃い青（[[青3号]]）+窓周りが黄褐色（[[黄かっ色2号]]）のツートーンであった。また当系列においては前面幕板部の塗色が[[前照灯]]部分に回り込むように塗装されていることが他系列には見られない特徴となっている。

=== 改良形 ===
{{Sound|MR kiha20 208 kyujyomae-kurashikishi 20080206.ogg|水島臨海鉄道キハ20形208の走行音|（球場前-倉敷市、2008年2月6日）}}
[[1958年]]からは機関を180psのDMH17Cに変更して走行性能を改善し、台車は従来のDT19で使用されていた硬い防振ゴムブロックに代えて複列コイルばねを枕ばねに使用して揺動特性を改善した[[国鉄DT21形台車#派生形式|DT22A（駆動台車）・TR51A（付随台車）]]に変更することで大幅な乗り心地の向上が実現した。

車体の部材を専用の[[プレス加工|プレス品]]から市販の[[形鋼]]に変更し、[[調達]][[コスト]]の低減が図られた。また、客室窓が2段上昇式（上下段共に上昇式）に変更され、より近代的な外観となり、客室内の採光や[[換気]]も改善されたほか、排気管キセが小型化されて見通しがよくなった。

この際、派生形式として寒冷地向け仕様のキハ22形、[[郵便車|郵便]][[荷物車|荷物]][[旅客車#.E5.90.88.E9.80.A0.E8.BB.8A|合造車]]のキハユニ26形、そしてエンジンを2基裝架する[[勾配]]線区向け強力形のキハ52形などが新たに設計された。

なお、このグループの初期車は室内灯として[[白熱電球|白熱灯]]を装備し扇風機無しで製造されたが、バス窓の初期形を含むその多くが後年に環形[[蛍光灯]]仕様に改造し扇風機の取付もされている。
<gallery>
ファイル:MR kiha20-204 DT22A.jpg|DT22形台車（[[倉敷貨物ターミナル駅]]、2009年9月5日）
ファイル:MR kiha20-204 TR51A.jpg|TR51形台車（倉敷貨物ターミナル駅、2009年9月5日）
ファイル:Shimabara railway kiha20-2018 interior.jpg|窓枠を2段上昇式に変更し、クロスシートとした島原鉄道キハ20形2018の車内（[[南島原駅]]、2008年3月12日）
ファイル:Kiha 20syanai.JPG|ひたちなか海浜鉄道キハ205の車内、比較的原形を留めている
</gallery>
<br style="clear:both"/>

=== 塗色の変遷 ===
[[1959年]]9月から一般形気動車は、外板色をそれまでの青系から、[[朱色4号]]の地色に、窓周りを[[クリーム4号]]とした新塗色へ移行した。
: 新塗色で落成した号車
: キハ20 268 -
: キハ22 35 -
: キハ25 233 -
: キハ52 15 -
: キハユニ25 7
: キハユニ26 9 -

この他、一部の車両では準急列車への[[増解結|増結]]を目的として[[国鉄色#.E6.B0.97.E5.8B.95.E8.BB.8A.E3.81.AE.E5.A1.97.E8.89.B2|準急色]]に塗り替えられた車両もあった。

1978年度から、朱色（[[朱色5号]]）一色のいわゆる[[朱色5号|首都圏色]]への塗り替えが行なわれている。


ただし、定期急行運用（[[いなわしろ]]）を持つ小牛田運転区配置のキハ52型（126～128 143）は、例外的に朱色への塗り替えは行われなかった。
[[1982年11月15日国鉄ダイヤ改正|1982年11月のダイヤ改正]]のいなわしろ運用廃止後も、一部は1985年頃まで旧態の塗装を維持していた。

それらの中、1983年に事故車（キハ53 6）の補充として米子運転所に転属したキハ52 128は、最後まで残った旧塗色車として存置されて活躍を続け、2000年に廃車になるまで一度も他色に塗り替えられることはなかった。

== 形式別詳説 ==
両数・番台区分は上記「形式一覧」を参照。

=== キハ20形 ===
[[File:JRshikoku kiha20 367 kotohira.jpg|thumb|220px|right|キハ20 367（JR四国色、客室窓は上段固定下段上昇式のユニット窓に改造）]]
キハ20形の基本形式。暖地向けの両運転台、1エンジン形で、4位側の[[操縦席|乗務員室]]にやや食い込むかたちで[[列車便所|便所]]を備える。[[1957年]]から[[1965年]]に製造された。298・299のように北海道に新製配置されたものや、多客期に渡道したものもあり日本全国で用いられた。[[戦前]]形の機械式気動車[[国鉄キハ04形気動車|キハ04・キハ05・キハ06]]、[[国鉄キハ07形気動車|キハ07]]の取替時期に丁度当たっていたこともあり、大量に製造された。0番台は初期形のバス窓車、200番台は改良形構造。最終期に製造された500番台では室内灯が[[蛍光灯]]になり、暖房装置も温水式となり、台車もDT22C・TR51Bに変更されている。

ローカル線向けの簡易[[郵便車|郵便]][[荷物車]]として0番台を改造した600番台が2両、200番台を改造した650番台が1両存在した。これらは客室の一部分が郵便荷物室兼用となっており、その部分はロングシートとなっていて、仕切り用のアコーディオンカーテンが取り付けられていた。

=== キハ21形 ===
キハ20形に耐寒装備を盛り込み、[[寒冷地|寒地]]向けとして1957年に製造された形式。主に[[北海道]]および[[東北地方]]で運用され、キハ22形も含めて[[急行列車]]にも投入された。

キハ20形0番台とは外観上は客用扉下部の明かり窓がないこと以外相似する。寒冷地向けの装備として、客室窓の[[二重窓]]化・運転台に[[デフロスタ]]設置・床下機器耐寒・耐雪装備を施工した。しかしドア位置はキハ20形と同じで[[デッキ]]がなく、[[冬]]期の客室内温度維持に問題があることが指摘された。そのため1957年に84両が製造されたのみで、翌1958年からは耐寒・耐雪性能が強化された酷寒地向けキハ22形に製造が移行された。
*後年に[[暖房]]能力の不足を解消するため温気式からキハ22形と同様の[[温水暖房]]への改造<ref>キハ12・16・17も温水暖房に改造され引き続き道内で使われた。</ref>やドア付近に透明[[アクリル樹脂]]と[[合板]]の簡易仕切り（片開き扉+[[パーティション]]を1車両あたり4か所設置する工事を[[1975年]]頃に一部車両で施工した。

[[1968年]]に[[北海道旅客鉄道苗穂工場|苗穂工場]]で3両が[[荷物車]]兼用（[[新聞]]輸送）としてロングシート化され100番台区分へ、[[1969年]]に旭川工場で2両がキユニ21形へ改造された。

当初は主に道内各地のほか東北地方などに配置されたが、キハ22形の増備が進むにつれ釧路客貨車区（現・[[釧路運輸車両所]]）・苗穂機関区（現・[[苗穂運転所]]）・苫小牧機関区（現・[[苫小牧運転所]]）・[[長万部駅|長万部機関区]]（1993年函館運輸区に統合）・函館機関区（現・[[函館運輸所]]）・一ノ関機関区（現・[[一ノ関運輸区]]）に集約配置された。
*59 - 62・73 - 76は水戸機関区（現・[[水郡線営業所]]）に、79・80は[[千葉気動車区]]（1975年廃止）に新製配置されてから北海道に転配された。

キハ40形の増備と共に[[1982年]]までに運用を離れ、[[1983年]]に全車[[廃車 (鉄道)|廃車]]となった。

=== キハ22形 ===
{{Sound|JNR kiha22 276 ohminato line hukkoshi.ogg|国鉄キハ22 276の走行音|（大湊線、野辺地-吹越間、1987年3月2日）}}
キハ21形は北海道の酷寒地での防寒性能が不満足であったことから、酷寒地向けの耐寒仕様車として完全に新設計されたものである。1958年から製造開始され、北海道および東北地方に配置されていた。製造会社はキハ21形の帝車と新潟に加え、[[富士重工業]]と[[日本車輌製造]]が加わっている。

乗降口を車体両端へ配置して、客室との仕切り扉を備えた[[デッキ]]付きとし、側窓を小型の一段上昇式二重窓として保温性を高めている。暖房装置はエンジン[[不凍液|冷却水]]利用の[[温水暖房]]として強化し、かつ放熱フィンを大型化して効率を良くした。床は雪が融けて濡れた時の滑りにくさや、雪靴・雪下駄の滑り止め金具（[[スパイク]]など）への対策から[[木材|木]]張りとされ、さらに[[断熱材]]の厚さを増したため、暖地向けの標準車に比べ、レール面基準で50mm高くなった。そのため、客室窓、乗務員用扉、運転台窓、貫通路扉（幌枠高さは標準車と同じ）、尾灯の位置もキハユニ25 7を除くキハ20系他車よりも高い。また、[[警笛]]は[[前照灯]]脇から、温水管の取り回しが楽な乗務員室床上（助手席足元）に変更された。

室内色も暖色系の[[薄茶色4号]]とされ、車端部がロングシートであること、窓側に肘掛けがないことを除けば、準急形のキハ55系に遜色ない水準であり、[[急行列車]]にも用いられた。

床下機器のカバーリングや冷却水による保温をはじめ、補器類に至るまで徹底した耐寒・耐雪措備が施され、北海道の酷寒地での実用上も十分な能力が確保された。

これら本形式の耐寒・耐雪スペックは、[[国鉄キハ56系気動車|キハ56形一族]]、[[国鉄711系電車|711系]][[交流電車]]、[[国鉄キハ40系気動車_(2代)#キハ40形|キハ40]] 100番台、[[国鉄キハ54形気動車|キハ54]] 500番台など、以後の北海道における一般・[[近郊形車両]]における耐寒設計の[[ベンチマーク|基準]]となったばかりでなく、[[羽幌炭礦鉄道]]や[[留萠鉄道]]など、道内の[[私鉄]]においても本形式とほぼ同一設計の[[コピー]]車が導入されることになった<ref>[[国鉄キハ58系気動車|キハ58系]]以降の車両設計では、そのバリエーションとして北海道向けが製造される場合、当初より北海道形の設計要件が盛り込まれるか、北海道形を基本とするようになり、床や窓の高さは統一されている。「[[サンロクトオ]]」で北海道に初投入された[[国鉄キハ80系気動車|キハ80系]]も例外ではなく、[[輪軸 (鉄道車両)|車輪]]の[[国鉄キハ80系気動車#ディスクブレーキの採用|「踏面剥離」（と蝕）]]を除き、冬季も安定した運用が可能であった。</ref>。

便所はキハ20形同様4位側にあるが、その向かいがロングシートであるため出入口はデッキ側に変更され、立ち客や乗降の妨げとならないよう扉を内開きとしたことから前後方向の寸法も拡大されている。他のキハ20系中期車と同様、座席や室内灯などが製造途中で改良された。初期車の白熱灯は後に多数が20W環形蛍光灯に改造され、新製時から蛍光灯となった車両も、20Wの直管から40Wの直管へ設計変更されている。屋根上の[[ベンチレーター|通風器]]は初期の1 - 170では6個であったが、後の201 - 245では7個、246 - 343では9個へと変更されており、一部には[[客車]]用のガーランド形通風器を装備した車両も存在する。最終の設計変更では外ハメ式の[[尾灯]]や[[ハニカム構造|ハニカム]]コア構造の客用ドア<ref>[[プレス加工|プレス成形]]のへこみが無くなり、平滑となった。</ref>も採用されたが、同じく遅くまで増備され、すでにキハ52形100番台で採用されていた横形機関（水平[[シリンダーブロック|シリンダー]]エンジン）は本形式では採用されなかった。

また、同等の耐寒・耐雪装備を持つ2基エンジン車は製造されず、ローカル線では[[旅客輸送|旅客需要]]が無いにも関わらず、[[スノープラウ|排雪]]（[[ラッセル]]）[[抗力|抵抗]]による運行障害を防ぐため、冬季は2両[[編成 (鉄道)|編成]]で運転せざるを得なかった。

しかし、本形式に対する現場の信頼は厚く、酷寒地向け次世代車の[[国鉄キハ45系気動車|キハ24・46形]]の仕様が具体化していた[[1960年代]]中期でも新形の採用には消極的で、本形式の駆け込み増備が図られたという<ref>キハ22形の総数343両に対し、両運転台のキハ24形でも10両、片運転台のキハ46形に至ってはわずか6両の製造に留まっている。</ref>。

1960年代から[[1970年代]]に北海道のローカル列車の多くは本形式が投入されていた。また、循環急行「[[胆振線|いぶり]]」、[[函館本線]]の「[[ニセコライナー|らいでん]]」、「[[アイリス (列車)|せたな]]」や[[羽幌線]]の「[[羽幌線|はぼろ]]」など道内のローカル急行にも数多く使用され、これらは「[[遜色急行]]」<ref>1980年の時点では、他に「えさし」、「しれとこ」、「ちほく」、「天都」、「松前」、「るもい」などにも投入された。</ref>として[[鉄道ファン]]に注目された。

[[1980年]]（昭和55年）に、200番台のうちの5両が[[北海道旅客鉄道苗穂工場|苗穂工場]]と[[釧路運輸車両所|釧路車両管理所]]で簡易郵便荷物車に改造され、600番台となった。車内の排気管立ち上がり部付近に完全なる仕切りが設けられ、郵便荷物室として使用される前位側（便所と反対側）の室内はロングシートとなった。室内には郵便区分棚が設置され、窓には保護棒が追加された。改番はされていないが、1も600番台とほぼ同じ仕様に改造されている。

本形式は北海道内での使用を前提に設計された車両であるが、キハ21形共々、一部は[[東北地方|東北]]北部でも使用されていた（[[国鉄分割民営化]]後、[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]に引き継がれた車両もあった）。これらの中には、地方[[私鉄]]や[[第三セクター鉄道]]へ譲渡、または貸し出された車両も存在する（詳細は後述の「[[#譲渡車・同形車]]」節を参照）

<gallery>
ファイル:JNR kiha22 49.jpg|キハ22 49（[[宗谷本線]][[豊富駅]]、1973年3月14日）
ファイル:JNR-Kiha22 14.jpg|キハ22 14（[[釧網本線]][[川湯温泉駅|川湯駅]]付近、1984年）
ファイル:JRH DC22 317.jpg|キハ22 317（[[長万部駅]]、1994年8月29日）
ファイル:JRH-Kiha22.jpg|キハ22 263
ファイル:JNR-Kiha22-69.jpg|旧塗色のキハ22 69（[[北見相生駅]]跡、2006年5月4日）
ファイル:Koufuku station 07.JPG|キハ22 221（[[幸福駅]]跡、2009年8月10日）
ファイル:JNR KI HA 22 52.JPG|キハ22 52（[[三笠鉄道記念館]]、2007年5月9日）
ファイル:JNR KI HI 22 56.JPG|キハ22 56（[[小樽市総合博物館]]、2007年7月26日）
ファイル:Koufuku station 08.JPG|キハ22の車内。床が木張りになっている（幸福駅跡、2009年8月10日）
</gallery>
<br style="clear:both"/>

=== キハ25形 ===
[[File:JNR kiha25 237.jpg|thumb|200px|キハ25 237（1984年）]]
キハ20形を片運転台にした形式である。キハ20形0番台に相当する0番台、同200番台に相当する200番台、同500番台に相当する300番台がある。<!--千葉県内に特に多く配置され、夏には海水浴臨時列車で長大編成を見せた。--><!--この記述はキハ25形に限った内容ではないと思われる-->片運転台となったことで、キハ20形より客席が2区画（8名分）多い。後位（運転台の無い側）の車端に便所を持つが、位置はキハ20形と異なり、3位側となった。

真岡線での運用を最後に[[1987年]]2月までに全車廃車された。
<br style="clear:both"/>

=== キハユニ25形 ===
[[ファイル:Kihayuni25-1.jpg|thumb|200px|郵便車 キハユニ25 1（[[小樽市総合博物館|小樽交通記念館]]、2009年9月19日）]]
寒冷地・極寒地向けの郵便荷物[[合造車]]で、7両が製造された。

1 - 6はキハ21形の仕様に基づいて製造された寒冷地向けで、室内配置は前位から運転室・荷物室・郵便室・客室となっている。客室窓は上段固定の「バス窓」で、客用扉はキハ25形の後位扉と同位置にある。便所はない。

7は[[グロープラグ]]の不具合によって焼失し、廃車となった6の代替として製造された車両で、車体はキハ22形に準じた極寒地仕様に設計変更された。客室窓は1段上昇の二重窓で、デッキを設けたため客用扉は車端部に移されている。
<br style="clear:both"/>

=== キハユニ26形 ===
[[File:JNR kihayuni26 12 okayama.jpg|thumb|220px|right|キハユニ26 12（岡山駅、1984年）]]
暖地向けの郵便荷物合造車。キハユニ25形と同様に室内配置は前位から運転室・荷物室・郵便室・客室となっている。客室窓は上・下段とも上昇式で、客用扉はキハ25形の後位扉と同位置にある。便所はない。

番台の区分はないが、構造は1 - 41がキハ20形200番台に、42 - 59は同500番台に準ずる。
<br style="clear:both"/>

=== キユニ21形 ===
キハ21形を改造して郵便荷物合造車としたもので、[[1969年]]に2両が旭川工場で[[改造]]された。キハ20系の中で唯一形式変更を伴う改造が行われた車両でもある。

極力、種車の車体構造を生かすような改造がなされており、車体中央部の排気管立ち上げ部付近に仕切りを設け、前位側（1・2位、車体中央から見て便所と反対側）に郵便室、後位側（3・4位、同便所側）に荷物室を設けた。[[列車便所|便所]]はキハ21形時代からのものをそのまま再用した。郵便室には郵袋室と区分室が設けられ、区分室部分にあった4枚の一段上昇式の窓は埋められた。荷扱い扉は旧客用扉をそのまま利用している。荷物室部分には、便所付近（ボックスシート3組分）のスペースに荷扱い車掌室と貴重品箱が設けられ、客用扉と窓6枚（戸袋窓2枚、一段上昇式窓4枚）を埋めた上、新たに1,800ミリ幅の両開き式の荷扱い扉が設けられた。荷扱い扉の材質は各車で異なり、1は鉄製、2は木製のものが使われていた。

当初は遠軽機関区に配置されたが、後に深川機関区に転属となった。1は深川機関区配置のまま[[1984年]][[3月10日]]付で、2は旭川機関区配置を最後に[[1986年]][[3月31日]]付で廃車となっている。

* キハ21 26・35→キユニ21 1・2

=== キハ52形 ===
[[File:JNR kiha52 45.jpg|thumb|200px|キハ52 45（[[土讃線|土讃本線]][[窪川駅]]、1985年頃）]]
{{Sound|JR kyusyu rapid for nogata kiha52 46 tobata.ogg|JR九州キハ52 46の走行音|（鹿児島本線、小倉-戸畑間、1990年4月8日）}}
[[勾配]]区間用の一般形[[気動車]]で、キハ20形の2エンジン形である。

国鉄の2エンジン気動車としては最初の両運転台車であり、急勾配のローカル線用車両として[[本州]]・[[四国]]・[[九州]]各地で重用された。キハ20形に準じた両運転台、片開き2ドア、2段窓であるが、エンジン、変速機、[[ラジエーター|放熱器]]をそれぞれ2基搭載する必要から、床下スペースの確保目的で、全長が1.3m長い[[車両限界]]一杯の21.3mとなり、それに伴い、ドア間の窓数もキハ20形の5個から6個に増えている。それでもなお床下は手狭なため、水タンクは床上（通路を挟んだ便所の反対側）に置かれた。

; 初期形（0番台）
: [[1958年]]から[[1962年]]に製造された。エンジンはキハ20形200番台と同様の垂直シリンダー形DMH17C形。床面にエンジンの点検蓋がある。照明は白熱灯で、燃焼式温風暖房。
[[ファイル:Kiha52-134.JPG|thumb|200px|キハ52 134（[[豊肥本線]][[立野駅 (熊本県)|立野駅]]、1983年頃）]]
{{Sound|Kiha 52 sound.ogg|JR西日本キハ52 156の走行音|（大糸線根知 - 小滝、2010年1月24日）}}
; 後期形（100番台）
: [[1962年]]から[[1966年]]に製造された。キハ58形と[[国鉄キハ80形気動車|キハ80形]]の好評を受け、騒音と振動の低減はもちろんのこと、量産効果の向上（コスト低減）の見地からも2エンジン車についてはすべて横形エンジンに統一されることになった。水平シリンダー形のDMH17Hを搭載し、床面点検蓋・車体中央壁面の排気管が廃止された。さらに、勾配線区での使用実績に基づき[[エンジンブレーキ]]機能が追加されている。末期にはキハ22形同様、外ハメ式の[[尾灯]]や、[[ハニカム構造]]の客扉が採用された。室内照明は蛍光灯で、キハ20形の中ではキハ22形と並んで例外的な温水暖房車。スタイルと旅客設備を除いたメカニズム面では、急行形気動車の[[国鉄キハ58系気動車|キハ58形]]との共通点が多い。
: 100番台は静粛性に対する期待から、[[寝台車 (鉄道)|寝台]]気動車の試験<ref>キハ52 107（1963年4月・盛岡工場改造）。機関防音・防振対策として新型機関吊り装置の試験を行い、合わせて車内に寝台を一区画仮設し寝台気動車の可能性を探った。また屋根上に自然冷却式放熱器を搭載して[[国鉄キハ90系気動車|キハ90系気動車]]にデータを提供した。</ref>に供され、注目を集めたが、音振（おとしん）や変速ショックの点で採用には至らなかった。その後も日本では寝台気動車が実現した例はない<ref>気動車列車に寝台車を組み込んだ例は「利尻」「まりも」等で存在するが非動力の14系寝台客車に制御回線を追加したのみであり、駆動用エンジンや気動車としての形式は与えられていないため気動車には当てはまらない。</ref>。
: [[2010年]][[3月12日]]には、[[大糸線]]で運用されていたJR西日本が保有する20系気動車最後の3両の運用が終了し、同年[[3月13日]]のダイヤ改正で[[jR西日本キハ120形気動車|キハ120形]]に置き換えられた。これによってJR線上でのキハ20系列の定期運用が終了した。
: [[2011年]][[8月3日]]に最後まで在籍していた[[新津運輸区]]のキハ52形7両が廃車されたことでJRでは全車廃車、同時にキハ20系の形式消滅となった。

キハ20形は一般型気動車であり、キハ22形を除いて定期の急行運用に就くことはまずなかったが<ref>但し、北海道では気動車不足から、キハ21形がかなりの頻度で支線直通系統の急行に使われていた。</ref><ref>初期に房総地区で定期の準急に使用されたケースはある（キハ26形の製造が間に合わなかったため）。</ref>、本形式については、2エンジンで強力なこと、[[編成 (鉄道)|単行]]運転が可能なことから、[[只見線]]および[[会津鉄道会津線|会津線]]の急行「いなわしろ」として、[[1982年]][[6月23日]]の[[東北新幹線]]開業による列車自体の廃止時まで、長らく使用された。この列車は気動車単行の急行で、なおかつ[[遜色急行]]であるとともに、急行「あがの」「いわき」と併結する[[多層建て列車]]として異色の存在であった。

キハ52形が運用された路線の多くは急峻な[[山岳路線]]であり、1 - 2両の短い編成で排煙を噴き上げながら登坂する姿がしばしば見られた。また、[[八ヶ岳]]山麓の[[小海線]]や[[阿蘇山|阿蘇カルデラ]]一帯を走る[[豊肥本線]]など多くの景勝地における鉄道写真の題材ともなった。

これに限らず、キハ20形一族は[[地方]]の[[風景]]に溶け込みやすい落ち着きのある車体デザインを持ち、そのほとんどが現役を退いた後も、[[ノスタルジー|郷愁]]の対象として愛好する[[鉄道ファン]]は少なくない。
<gallery>
ファイル:Kiha52 hikyouekigou.JPG|キハ52形100番台 秘境駅号（国鉄色）（[[茂市駅]]、2007年9月15日）
ファイル:Kiha52 121.JPG|キハ52形100番台（新潟色）（[[中郡駅 (山形県)|中郡駅]] - [[成島駅 (山形県)|成島駅]]、2008年9月4日）
ファイル:JRE-Kiha52-Morioka.jpg|キハ52形100番台（盛岡色）
ファイル:JR East DC52 Morioka-color.jpg|キハ52形100番台（盛岡赤鬼色）（[[岩手和井内駅]] - [[中里駅 (岩手県)|中里駅]]、2006年8月27日）
ファイル:DC52-Tokimeki.jpg|キハ52形100番台（ときめきの恋列車）（[[中込駅]]、1990年3月）
ファイル:JRW-Kiha52-125.JPG|キハ52形100番台（大糸線色、旧：越美北線色）（[[糸魚川駅]]、1999年12月19日）
ファイル:Kiha52 125.JPG|キハ52形100番台（旧国鉄色）この車両はいすみ鉄道に譲渡された。（[[平岩駅]] - [[小滝駅]]、2008年8月14日）
ファイル:JRK-DC52-114.jpg|キハ52形100番台（九州色）（[[南宮崎駅]]、1993年8月23日）
ファイル:Kiha52 127 syanai.JPG|キハ52 127停車中の車内（国鉄色）（[[坂町駅]]、2007年8月14日）
ファイル:Kiha52×２.JPG|キハ52形100番台 朱色5号（首都圏色）、国鉄色（平岩駅 - 小滝駅、2008年8月15日）
ファイル:Kiha52-156.jpg|キハ52形100番台 朱色5号（首都圏色）（南小谷駅 2009年8月11日）
ファイル:Kiha 52 syanai.JPG|糸魚川地域鉄道部のキハ52形100番台の車内 （[[糸魚川駅]]、2008年9月15日）
ファイル:Kiha52 kawasaki.jpg|神奈川臨海鉄道千鳥町駅でミャンマー輸出で待機する盛岡色のキハ52形
</gallery>
<br style="clear:both"/>

=== 製造年・製造会社別一覧 ===
{|class="wikitable" style="font-size:100%; text-align: center; float: left; margin: 0 0 1em 0;"
|-
!製造</br>年度
!形式
![[東急車輛製造]]
![[帝國車輛工業]]
![[富士重工業]]
![[日本車輌製造]]
![[新潟鐵工所]]
|-
|rowspan="4"|1957||キハ</br>20||1 - 4</br>13 - 25</br>38 - 62||5 - 8</br>26 - 37</br>74 - 88||9 - 12</br>63 - 73</br>89 - 103||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>21||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||5 - 10</br>43 - 80</br>83・84||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||1 - 4</br>11 - 42</br>81・82
|-
|キハ</br>25||11 - 30</br>56 - 75||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||1 - 10</br>31 - 55||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハユニ</br>25||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||1 - 6||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|rowspan="5"|1958||キハ</br>20||206 - 211</br>225 - 234</br>240 - 254||212 - 224</br>255 - 267||201 - 205</br>235 - 239||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>22||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||1 - 15||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||16 - 34
|-
|キハ</br>25||201 - 203</br>205 - 214||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||204</br>215 - 224||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>52||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||1 - 14
|-
|キハユニ</br>26||1 - 8||colspan="5" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|rowspan="5"|1959||キハ</br>20||268 - 279||280 - 291||292 - 299||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>22||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||35 - 52||53 - 85||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>25||225 - 229</br>241 - 248||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||230 - 240</br>249||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>52||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||15 - 25
|-
|キハユニ</br>26||9 - 20||colspan="5" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|rowspan="4"|1960||キハ</br>20||394 - 403||404 - 423||349 - 358</br>379 - 393</br>424 - 427||300 - 348</br>359 - 378||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>22||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||91 - 109||86 - 90||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>52||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||26 - 45
|-
|キハユニ</br>26||21 - 36||colspan="5" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|rowspan="5"|1961||キハ</br>20||colspan="3" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||428 - 475||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>22||colspan="3" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||136 - 140||110 - 135
|-
|キハ</br>25||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||250 - 253||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>52||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||46 - 56
|-
|キハユニ</br>26||37 - 39||colspan="5" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|rowspan="6"|1962||キハ</br>20||colspan="3" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||476 - 484||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>22||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||155 - 169||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||151 - 154</br>170
|-
|キハ</br>25||301 - 314||colspan="5" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>52||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||101 - 107
|-
|キハユニ</br>25||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||7
|-
|キハユニ</br>26||40 - 48||colspan="5" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|rowspan="4"|1963||キハ</br>20||501 - 503||colspan="5" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>22||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||211 - 216||217 - 230||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||201 - 210
|-
|キハ</br>52||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||108 - 113
|-
|キハユニ</br>26||49 - 51||colspan="5" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|rowspan="4"|1964||キハ</br>20||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||518 - 522||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||504 - 517||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>22||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||231 - 245||colspan="2" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|キハ</br>52||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||114 - 118
|-
|キハユニ</br>26||52 - 59||colspan="5" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;
|-
|rowspan="2"|1965||キハ</br>22||style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||317 - 343||274</br>289 - 297||298 - 316||246 - 273</br>275 - 288
|-
|キハ</br>52||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||119 - 148
|-
|1966||キハ</br>52||colspan="4" style="background-color:#ccc;"|&nbsp;||149 - 156
|}
{{-}}

== 国鉄分割民営化後の状況 ==
キハ21形、キハ25形、キハユニ25形、キハユニ26形は[[国鉄分割民営化]]以前に全廃され、新会社に承継された内訳はキハ20形53両、キハ22形157両、キハ52形73両の計283両であった。[[東海旅客鉄道]]（JR東海）を除く旅客5社に承継された。

JR移行後は各旅客会社とも残った[[特定地方交通線]]の転換や新形式気動車への取替えにより廃車が進行し、キハ20形は[[1993年]]までに、キハ22形は[[1995年]]までに全車が廃車された。その後もキハ52形のみは残ったが、JR九州、JR東日本の順に運用を離れ、[[2010年]]3月をもってJR西日本でも[[定期列車|定期運用]]を終了した。

=== JR北海道 ===
引き継がれたのはキハ22形のみで、経年が浅く状態のよい103両が残った。キハ40形のワンマン化にさきがけ、[[1990年]]に[[北海道旅客鉄道苗穂工場|苗穂工場]]でキハ22 321・314がワンマン化改造され、キハ22 701・702となり、1月に出場した。同年3月より[[函館本線]][[上砂川支線]]でJR北海道の鉄道線では初となる[[ワンマン運転]]を開始した。次いで同年内にキハ22 311・312・330・334が[[五稜郭車両所]]でワンマン化改造されてキハ22 703 - 706となり、[[江差線]]・[[函館本線]]の[[長万部駅|長万部]]以南の順に投入された。これらは白地に青の細帯と[[コーポレートカラー]]の[[萌黄色]]の帯を巻いた新塗装で出場した。

ワンマン化改造された車両も含め1995年までに全車廃車された。

=== JR東日本 ===
キハ20形11両、キハ22形54両、キハ52形30両が承継された。

==== キハ20形・キハ22形 ====
キハ20形は[[わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線|足尾線]]用として[[高崎車両センター|高崎運転所]]に配置されていた車両と[[真岡鐵道真岡線|真岡線]]用として[[水戸運輸区|水戸運転所]]真岡支所に配置されていた車両で、両線の[[第三セクター鉄道|第三セクター]]転換により全廃された。

キハ22形は東北地方の各区に配置されていたが、1992年までに全廃されている。

==== キハ52形 ====
キハ52形は一部が新型エンジン<ref>機関本来の仕様は出力330psまたは350psだが、種車の液体式変速機を流用したため、出力を250psに落として使用していた。</ref>への換装と内装の更新改造を施され、2000年代後半まで使用された。

[[盛岡車両センター]]所属の車両については[[新潟鐵工所]]製または[[小松製作所|コマツ]]製エンジンへの換装・客用窓の一段上昇式化改造が実施されたほか、外部塗色は白+赤帯の塗り分けとし、正面上半部を赤色とした'''「盛岡赤鬼色」'''と俗称される配色で使用された。また、2001年頃に一部の車両が国鉄時代の朱色4号+クリーム4号の配色に復元された。[[2007年]]11月まで17両が配置され、[[花輪線]]、[[山田線]]、[[岩泉線]]で使用されていたが、[[JR東日本キハE130系気動車|キハE130形]]の導入で余剰となった水郡線の[[JR東日本キハ100系気動車|キハ110系]]が順次転用され、花輪線からは同年3月18日改正で撤退、他2線区からも同年[[11月25日]]に撤退した。使用を終了した本形式は同年[[12月]]に全車が[[ミャンマー]]へ[[輸出]]・譲渡のため、川崎貨物ターミナル経由で搬出された。

[[新津運輸区]]配置の車両については[[カミンズ]]製エンジンに換装された。外部塗色は全車「新潟一次色」（上の写真を参考）で活躍していたが、2006年に一部の車両が国鉄時代の朱色4号+クリーム4号の配色に復元された。最終的に7両が配置され[[米坂線]]・[[羽越本線]]・[[磐越西線]]で使用されていたが、[[JR東日本キハE120形気動車|キハE120形]]の導入により置き換えが実施され、2009年3月14日改正で定期運用から離脱した。このうち国鉄色を纏った車両はその後も磐越西線・米坂線等で団体・臨時列車に使用され、特に同年10月から12月にかけて開催された新潟[[デスティネーションキャンペーン]]において、同じ国鉄色に復元されていた[[国鉄キハ58系気動車|キハ28形・キハ58形]]とともに多数の臨時列車に充当し、2009年12月26・27日の「'''ありがとう磐越西線国鉄色号'''」を最後に引退した。長らく同区に留置された後、2011年8月3日付で7両とも廃車され<ref>『JR電車編成表2012冬』ISBN 9784330256115 359頁。</ref>、これをもってキハ20系は廃系列となった。同日中に全車が[[フィリピン]]へ輸出・譲渡の為、新潟東港経由で搬出された。

=== JR西日本 ===
[[File:52-128 and daisen.jpg|thumb|最後まで国鉄色のみで活躍したキハ52 128]]
[[ファイル:Kiha52115-oitoline-20070324.jpg|thumb|200px|right|国鉄色に復元されたJR西日本キハ52 115（[[大糸線]][[南小谷駅]]、2007年3月24日）]]
キハ20形8両、キハ52形13両が承継された。

キハ20形は[[加古川線]]・[[鍛冶屋線]]用として[[姫路運転区]]に配置されたものと、[[芸備線]]用として[[広島運転所]]に配置されたものが承継された。加古川・鍛冶屋線用の車両は1989年までに全廃された。芸備線ではキハ20形が最後まで残ったが、1993年までに全廃された。

キハ52形は[[高山本線]]（富山 - 猪谷）用として富山運転所に配置されたもの、[[越美北線]]用として敦賀運転所に配置されたもの、[[山陰本線]]・[[木次線]]用として[[米子運転所]]に配置されたものが承継された。最後には[[大糸線]]非電化区間（糸魚川 - 南小谷）用として越美北線から転じた3両が残ったが、車両の老朽化を理由に、2010年（平成22年）3月13日のダイヤ改正で[[JR西日本キハ120形気動車|キハ120形]]に置き換えられた。

なお、最後まで在籍していた3両は次の通り。
* キハ52 115：1965年（昭和40年）製造
** 2004年7月にクリーム4号+朱色4号の通称：国鉄一般色に塗装変更。
** 定期運用終了後の2010年3月20日-22日に運転された「キハ52ありがとう号」を最後に運用を終了し、同年3月31日付で廃車された。
** 現在は[[津山駅]]構内にある[[津山鉄道部#津山扇形機関車庫|津山扇形機関庫]]で[[静態保存]]されている<ref>{{Cite web
|author=西日本旅客鉄道金沢支社
|authorlink=西日本旅客鉄道金沢支社
|date=2009-12-18
|url=http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/pdf/20091218_kaisei_kanazawa.pdf
|title=平成22年春ダイヤ改正について
|format=PDF
|accessdate=2009-12-19
}}</ref>。
* キハ52 125：1965年（昭和40年）製造
** 2006年11月に黄褐色2号+青3号の通称：鉄道省色に塗装変更。
** 2010年8月21日・22日の臨時快速「ジオパーク」を最後に運用を終了し<ref>最終日の8月22日にはヘッドマークに「さようならキハ52」の文字が付け加えられ、車体側面に行き先表示のサボが取り付けられた。</ref><ref>[http://railf.jp/news/2010/08/23/102900.html 快速"ジオパーク",キハ52で運転] - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2010年8月23日</ref>、同年9月1日付で廃車された。
** 廃車後は[[いすみ鉄道]]に譲渡され、現在は[[いすみ鉄道いすみ線]]にて運用されている（詳細は後述の「国鉄・JRからの譲渡車両」節を参照）。
* キハ52 156：1966年（昭和41年）製造
** 2004年12月に朱色5号の通称：首都圏色に塗装変更。
** キハ52 125と同じく臨時快速「ジオパーク」を最後に運用を終了し、同年10月1日付で廃車された。
** 廃車後は[[糸魚川市]]に謙譲され、現在は[[金沢総合車両所#松任本所|金沢総合車両所松任本所]]に保管されている。
** 糸魚川市ではかつて同車が運転されていた大糸線にて、同車をイベント列車として復活させる構想があることを発表している<ref>{{Cite web
|author=毎日新聞
|authorlink=毎日jp
|date=2012-06-09
|url=http://mainichi.jp/area/niigata/news/20120609ddlk15040165000c.html?fb_ref=s%3DshowShareBarUI%3Ap%3Dfacebook-like&fb_source=timeline
|title=米田・糸魚川市長:大糸線キハ５２型気動車、イベント列車で復活を　知名度アップで構想　／新潟
|format=
|accessdate=2012-06-09
}}</ref>。

なお、3両ともエンジンは製造当時のDMH17系のままであったが、[[越美北線]]時代に冷房設置の取り付け・便所撤去・ワンマン化改造工事がなされていた。当初の外部塗色は越美北線時代の白を基調に緑のストライプを配したものであったが、後に全車が歴代の国鉄標準塗色に復元された。

=== JR四国 ===
キハ20形20両、キハ52形3両が承継された。

キハ52形は[[松山運転所|松山気動車区]]に配置されていたが、1989年までに廃車となっている。キハ20形は松山気動車区・[[徳島運転所|徳島気動車区]]・[[高知運転所|高知気動車区]]に配置されて普通列車で使用された。一部の車両は延命工事を実施され客室窓が上段固定下段上昇式のユニット窓となったが、1990年の[[予讃線]][[伊予北条駅]] - [[伊予市駅]]間電化に伴い、同年度内に全廃された。

=== JR九州 ===
キハ20形14両、キハ52形27両が承継された。

キハ20形は[[高千穂鉄道高千穂線|高千穂線]]用として南延岡運転区に配置されていた11両と、都城運転区の1両、[[鹿児島車両センター|鹿児島運転所]]の2両が承継された。南延岡運転区には全国で唯一JRに承継された0番台（キハ20 41）が配置されていた。高千穂線の第3セクター化などに伴い、1990年までに全廃されている。

キハ52形は承継当初は[[長崎機関区|長崎運転所]]に1両、[[大分鉄道事業部|大分運転所]]に7両、[[熊本鉄道事業部|熊本運転所]]に2両、[[人吉機関区|人吉運転区]]に4両、鹿児島運転所に13両配置された。その後転属や廃車が進み、最終的には[[筑豊篠栗鉄道事業部]]に2両（キハ52 132・134）が保留車として残っていたが、2002年に廃車となり消滅した。

== 譲渡車・同形車 ==
本系列の中には他社に払い下げられた車両があるほか、同仕様で製造した同型・類似車両が多数存在している。

=== 国鉄・JRからの譲渡車両 ===
[[ファイル:Kiha 52 izumi no3.JPG|240px|right|thumb|200px|いすみ鉄道にて「観光急行列車」として運用中のキハ52 125（[[国吉駅]]、2011年5月3日）]]
キハ20形が[[鹿島臨海鉄道]]に4両、[[水島臨海鉄道]]に12両、[[島原鉄道]]に13両譲渡されている。鹿島臨海鉄道では2000形（2001 - 2004）、水島臨海鉄道ではキハ201 - 212、島原鉄道ではキハ2005 - 2017となった。2012年4月現在では[[ひたちなか海浜鉄道]]に1両<ref>水島臨海鉄道から茨城交通に譲渡後ひたちなか海浜鉄道が承継。</ref>、水島臨海鉄道に4両在籍している。

キハ22形は[[津軽鉄道]]、[[弘南鉄道]]（[[弘南鉄道黒石線|黒石線]]）、[[下北交通]]（[[下北交通大畑線|大畑線]]）に各3両譲渡されている。津軽鉄道ではキハ22027 - 22029、弘南鉄道ではキハ2210・2220・2230、下北交通ではキハ85 1 - 3となった。いずれも老朽化や使用路線の廃線により廃車となっている。また国鉄時代の1986年にキハ22形が[[阿武隈急行]]に5両、[[秋田内陸縦貫鉄道]]に9両貸し出されている。ともに番号はそのままで塗色のみ塗り替えた。いずれも1988年まで使用され、新車両への置き換えによりJR東日本に返還された<ref>秋田内陸縦貫鉄道への貸し出し車は、JR東日本に返却後うち2両が津軽鉄道に譲渡された。</ref>。

キハ52形は1987年に[[南阿蘇鉄道]]に1両、2010年に[[いすみ鉄道]]に1両譲渡されている。南阿蘇鉄道に譲渡されたキハ52 35はMT2105に改番されたが、あくまで予備車の位置づけであまり使われないまま1993年に廃車となった。大糸線で最後までイベント用に運用されていたキハ52 125は、黄褐色2号+青3号の塗色のまま[[いすみ鉄道]]に譲渡され、2010年12月に行われるお披露目を兼ねた[[撮影会]]で展示された後、整備とクリーム4号+朱色4号への塗色変更を受け、2011年4月29日から営業に入っている<ref>[http://www.chibanippo.co.jp/news/chiba/local_kiji.php?i=nesp1283911688 懐かしの木原線再現 鉄道ファンにアピール いすみ鉄道] - [[千葉日報]]、2010年9月8日</ref><ref>[http://isumi.rail.shop-pro.jp/?eid=543502 キハ52 Q&A] - いすみ鉄道 社長ブログ、2010年9月10日</ref><ref>[http://isumi.rail.shop-pro.jp/?day=20110429 いすみ鉄道発　ニッポンを元気にするニュース！] - いすみ鉄道 社長ブログ、2011年4月29日</ref>。

=== 同型車両 ===
[[ファイル:Kiha221.jpg|thumb|200px|茨城交通（現・ひたちなか海浜鉄道）キハ221の廃車体（羽幌炭鉱鉄道色）（[[阿字ヶ浦駅]]）]]
[[ファイル:Ibaraki-kotsu-kiha2004.jpg|thumb|200px|茨城交通（現・ひたちなか海浜鉄道）キハ2000形2004（国鉄準急色）（[[那珂湊駅]]、2006年2月11日）]]
[[ファイル:Ibaragi koutsu kiha205.JPG|thumb|200px|茨城交通（現・ひたちなか海浜鉄道）キハ200形205（国鉄色）（[[中根駅]]-[[金上駅]]、2008年3月2日）]]
[[ファイル:MR kiha20 203 205.jpg|thumb|200px|水島臨海鉄道キハ20形203・205（国鉄色）（[[倉敷市駅]]-[[球場前駅 (岡山県)|球場前駅]]、2007年10月17日）]]
[[ファイル:Shimabara railway kiha20-2003.jpg|240px|right|thumb|200px|キハ20形2003（三本ヒゲ）（[[加津佐駅]]、2008年3月12日）]]
[[ファイル:Kominato railway kiha200 umatate station.JPG|240px|right|thumb|200px|小湊鉄道キハ200形（[[上総牛久駅]]-[[馬立駅]]、2012年8月19日）]]
* [[留萠鉄道]] キハ1100形1103 → 茨城交通
** キハ21形同型車。1959年新潟鐵工所製。側窓配置はキハ21形に準じるが、前面はキハ1000形に続いて[[国鉄80系電車|湘南型]]とされた。路線廃止後、[[茨城交通]]（現・[[ひたちなか海浜鉄道]]）へ譲渡。1991年廃車。
* 留萠鉄道 キハ2000形2004・2005 → 茨城交通（→ひたちなか海浜鉄道）
** 1966年に新潟鐵工所と東急車輛製造で製造。キハ22形同型車であるが便所と二重窓は装備していない。路線廃止後、茨城交通へ譲渡。2013年現在2両とも運用に就いており2004は国鉄準急色、2005は国鉄急行色になっている。
* [[羽幌炭礦鉄道]] キハ22形1 - 3 → 茨城交通（→ひたちなか海浜鉄道）
** キハ22形同型車。1960年 - 1966年富士重工業製。豪雪地帯用として、前面窓に[[旋回窓]]が装着されているのが特徴であった。また、ワインレッドに白帯の塗装は路線廃止後、茨城交通へ譲渡された後も維持され、一時期の同社車両の標準塗装となった。2013年現在は2が国鉄旧気動車標準色になって現存。
* [[雄別鉄道]] キハ49200Y形1 - 3 → 関東鉄道（→筑波鉄道）キハ760形761 - 763
** キハ21形同型車。1957年新潟鐵工所製。台車はTR29相当の新潟鐵工所NH38で、キハ21の計画時の形式称号であるキハ49200に雄別の頭文字であるYを付した形式が与えられていた。路線廃止後[[関東鉄道]]へ譲渡、[[筑波鉄道筑波線|筑波線]]（後・[[関鉄筑波商事|筑波鉄道]]）で1987年の廃線まで活躍した。
* 雄別鉄道 キハ100形104・105 → 関東鉄道（→筑波鉄道）キハ810形811・812
** 1962年新潟鐵工所製。キハ21形の側窓配置でキハ22形と同様の一段上昇窓としたもの。台車も正規のDT22・TR51相当となった。路線廃止後は関東鉄道に譲渡、キハ49200Y形同様筑波線に配属。筑波鉄道に分社後、812は1986年に廃車、811は廃線まで活躍した。
* 雄別鉄道 キハ100形106 → 関東鉄道キハ813形813
** キハ100形の増備車にして、雄別では最初で最後の片運転台車。廃止前年の1969年に新潟鐵工所で製造。路線廃止後は関東鉄道へ譲渡されたが、他の雄別からの譲渡車が筑波線に配属されたのに対し、本車のみは[[関東鉄道常総線|常総線]]に配属された。1989年廃車。
* [[じょうてつ|定山渓鉄道]] キハ7000形7001 - 7003
** 国鉄[[札幌駅]]への乗り入れに備えて1957年に製造。客用扉を両端に寄せた翌1958年製造開始のキハ22形に近い側窓配置とキハ20系に準じた基本構造を備えるが、前面は[[国鉄80系電車|湘南形]]の2枚窓構成で便所はなく、メーカーである[[日立製作所]]笠戸工場のオリジナルデザインである。国鉄線内は[[国鉄キハ08系気動車]]などとの[[増解結|併結]]あるいは単独で、[[定山渓鉄道線]]内はエンジンを[[アイドリング]]させたまま[[電車]]に牽引されて運用された。1969年の[[廃線|路線廃止]]後はキハ7501を含めて全車が他社に譲渡されることもないまま[[解体]]処分されている。
* 定山渓鉄道 キハ7500形7501
** 1958年に製造された増備車。前面はキハ7000形と同様であるが、側窓配置がキハ21形に準じたものとなった。運用はキハ7000形と同様。
* 津軽鉄道 キハ24000形24021 - 24024
** 1962年 - 1967年新潟鐵工所製。窓配置等はキハ21形に準じているが、側窓はキハ22形と同様の一段上昇窓。2000年全廃。
* [[小湊鐵道]] [[小湊鉄道キハ200形気動車|キハ200形]]201 - 214
** キハ20形に準じた設計であるが、便所はなく扉間の窓が6個、座席はロングシート、前面も前照灯が前面窓上に2灯が独立してあるなど[[京成電鉄|京成]]系の独自色が出ている。全車両が[[日本車輌製造]]製である。キハ20系の[[設計]]で製造された中では一番遅くまで増備が続いた。最終グループではユニット窓仕様となったものの、機関は保守部品共通化の見地からDMH17C形で首尾一貫した。国鉄車とも併結が可能であり、[[千葉駅]]まで[[直通運転|乗り入れ]]たこともある。現在も同社の全列車が本系列で運転されている。
* 島原鉄道 キハ20形2001 - 2003
** キハ20形同型車。国鉄線直通乗り入れ運転に備えて1958年に製造。2001・2002は[[日本車輌製造]]製で国鉄の0番台車と同じDT19C・TR49C装着のバス窓車。2003は[[帝國車輛工業]]製で200番台車と同じDT22A・TR51A装着の2段上昇窓車。いずれも国鉄車とは異なり[[列車便所|便所]]が設置されていない。塗色は新製時は栗色とクリームの塗り分けに白帯だったが、後に国鉄急行色に準じた塗色となり前頭部に3本ひげで独自性を持たせた。2008年初の時点では2003のみが在籍していたが、2008年4月1日に[[島原外港駅]] - [[加津佐駅]]間が廃止されたことにより[[廃車 (鉄道)|廃車]]となった。

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== 動態保存車 ==
[[ファイル:Shimokita Koutu Kiha85-3 front.jpg|thumb|200px|下北交通のキハ85形気動車]]
下北交通大畑線に譲渡され、同線のキハ85形として使用されていたキハ22 149 - 151の3両は、同線廃止後の旧[[下北交通大畑出張所|大畑駅]]構内で、保存団体「大畑線キハ85動態保存会」<ref>[http://home.t00.itscom.net/kiha22/index.html 大畑線キハ85動態保存会]</ref>の手によって定期的に火が入れられ、[[動態保存]]されている。このうち、旧キハ22 150は国鉄時代の塗装（クリーム色＋朱色）に戻されている。
<br style="clear:both"/>

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist|2}}

== 参考文献 ==
* 寺田裕一 「私鉄気動車30年」 - JTBパブリッシング ISBN 4-533-06532-5（2006年）<!--島原鉄道車のメーカーの出典-->
* 電気車研究会『[[鉄道ピクトリアル]]』No.823 特集「キハ20系」<!--メーカー関連も-->

== 関連項目 ==
* [[下北交通キハ85形気動車]]
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