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'''呂文煥'''（りょ ぶんかん、生没年不詳）は、[[南宋]]末期の軍人。[[長江]]流域で勢力を誇った軍閥の頭領で、兄に同じく南宋に仕えて将軍となった[[呂文徳]]がいる。

[[1268年]]から南宋と[[モンゴル帝国|モンゴル]]の最前線である[[襄陽市|襄陽]]の守将となり、モンゴル軍の大軍の前に籠城して善戦し、5年もの長きにわたってモンゴル軍を苦しめた（[[襄陽・樊城の戦い]]）。しかし宰相の[[賈似道]]と折り合いが悪かったらしく、首都・[[臨安]]に何度も援軍を要請しても十分な援軍は来なかったという。[[1271年]]に送られた[[范文虎]]率いる約10万の援軍も大敗した。それでも呂文煥は孤軍奮闘し、遂には城内の兵糧を補うために自身の妻女を城から追い出してまで戦ったが、[[1273年]]に[[元 (王朝)|元]]軍の猛攻の前に遂に降伏を余儀なくされた。

しかし、[[クビライ]]は5年にもわたって抵抗した呂文煥の軍事能力を高く評価し、将軍に任命して厚遇している。呂文煥も以後はクビライの重臣となり、南宋攻略では、長江沿いの諸州を攻め破り、あるいは降伏させた。更に南宋の[[恭帝 (宋)|恭帝]]の降伏時には、[[臨安]]に入って城内の軍民を慰撫した。多くの場合、南宋内での人脈を生かして無血開城させることに成功している。

忠臣を輩出した[[南宋]]にあって、[[元 (王朝)|元]]に寝返って南宋を滅ぼすのに大功があった呂文煥は異色の存在であるが、もともと降伏したのも賈似道が援軍を十分に送らなかったためという風評もあり、呂文煥を[[売国奴]]として責める史料は現在においてまで余り見られない。ただし、南宋の三大忠臣の一人と言われた[[文天祥]]が呂文煥を激しく非難したという逸話もある。

[[1286年]]、高齢のために引退したといわれている。

== 外部リンク ==
* [http://www.guoxue123.com/shibu/0101/00xys/176.htm 《新元史》卷一百七十七呂文煥]

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[[Category:元代の人物]]
[[Category:生年不明]]
[[Category:没年不明]]